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真似と開閉と世界旅行

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事実~

 
前書き
ヤッハー!期末テストが来週だぁー!・・・ではどうぞ。 

 
「く・・・」

目を開く。・・・見慣れない天井だった。

「(・・・ここは・・・)」

身体を起こす。

「・・・」

手を開いたり握ったりする。・・・少し気だるいような・・・

「なるほど・・・」

Aモードのデメリット。それは使用後一定時間の身体能力、及び体内機関の低下。・・・簡単に言えば使用するとAの能力がCに下がるくらいだ。


「咲?」

愛依が部屋に入ってきて・・・叫ぶ。

「みんな!咲が起きた!」

その言葉に外史メンバーが集まる。

「・・・ルーク達は?」

「・・・パッセージリングを操作しに行ったよ。それと」
黒羽から聞いたことは・・・ティアはパッセージリングを起動させると、障気に犯された第七音素を大量に吸収してしまうらしい。・・・一応ベルケンドの医者に診てもらい、ついでに気絶した俺もベルケンドの宿屋に寝かせたらしい。

「ま、連中もまた戻ってくるだろうし、今は休んどけよ」

知也の言葉に頷く。

「ふわ・・・」

「愛依?」

「愛依は付きっきりで咲さんを見てたんですよ」

「ば、撫子!」

「そっか・・・悪いな。愛依も寝ときなよ」

「う・・・うん、わかった・・・」

愛依が部屋から出ていく。

「んじゃ、お言葉に甘えてもう少し休むと・・・」

『随分と余裕ね』

「え・・・」

突如スキマが開き・・・八雲 紫が現れた。

「紫!?」

「久しぶりね、咲」

「久しぶり・・・って一年位顔を見せなかったじゃないかよ」

「・・・亮と似たような質問をしないでちょうだい」

その言葉に反応する。

「亮!?亮に会ったのか!?」

「ええ。そして・・・椿も、ね」

「本当ですか!?」

それには撫子が食いついた。

「本当よ。彼女は・・・リョウコウが逃がしたわね」

「なっ・・・んの馬鹿!何で逃がしてんだよ・・・」


「・・・“声”だろうな」

「“声”・・・あ」
牢屋で愛依が襲ってきた・・・

「紫、あっちの状況はどうなってる?」
「パーティーの一人が治療不可能の重症。そして亞莎が・・・敵方にいるわ」

「・・・!」

こっちと状況はほぼ同じか・・・

「・・・とにかく、貴方にも説明するわ。・・・この出来事の様々な情報を・・・」

俺達は紫に話を聞き・・・色々分かった。破壊者になる条件。黒幕の推測。・・・色々、と。


「・・・」

話を聞き終わった後、誰も口を開かなかった。

「(愛依や椿の世界を壊し・・・破壊者にした?)」

その中でも俺は思考をフル回転させている。

「(何故、あの二人なんだ?破壊者に向いている訳でもない・・・それに・・・)」

頭に何通りもの仮説を建てて同時に推理していく。

「(二人に怨みを持つ者・・・これは違うな。なら、椿か愛依が黒幕で記憶を上書き・・・これも無しだ。だったら・・・)」

「・・・ふざけないでください!」

「ッ!?」

いきなり響いた撫子の怒声で思考が中断される。

「どうして、どうして破壊者なんか必要なんですか!」

「外史の住人とは思えない発言ね」

「おい、撫子・・・」

「黒羽さんは黙っていて下さい。・・・ただ、平和な世界じゃダメなんですか・・・」

「外史はただ“視られる”存在よ。・・・ただの平和ボケした世界なんてすぐ人々の記憶から忘れ去られるわ」

「それは・・・」

「・・・まあ、私も作られた存在だから、そこまで偉そうにはできないけど・・・一つだけ言えるわ」

紫がスキマの中に消えていく。

『貴方達なら・・・きっとハッピーエンドを迎えられるわ・・・』

紫の姿が消える。

「・・・ま、なんつーか。ワケわからんというか」

知也が溜め息を吐きながら言う。

「・・・」

「撫子?」

「少し・・・外を歩いてきます」

「撫子・・・悪い、咲。俺も少し出るよ」

「・・・あー、俺も外の空気を吸ってくるか」

みんなが外に出た後・・・愛依が入ってきた。

「愛依・・・」

「全部・・・聞いちゃった」

愛依が苦笑する。

「・・・行きたいなら、行ってもいいんだぜ?」

「うん・・・そうしたい、けど」

愛依が俯く。

「怖いんだ・・・不安なんだ・・・アタシは椿を守れるのか・・・」

「・・・」

「ずっと・・・怖かったんだ・・・リョウコウや知也に椿がやられそうになった時・・・また、また失うかもしれないって・・・だから、頭の中真っ白になって、気がついたら逃げてて・・・」

「・・・そりゃ、そうさ」

「え?」

「俺だって詠に会う度に呼吸が止まりそうになる。・・・俺も怖がってるんだよ。また・・・この手で大切な人を手に掛けるかもしれない・・・そう思うと、な」

「咲・・・」

「だけど、頑張る。必ずみんな連れ帰る・・・何故なら・・・」

俺は月や詠・・・恋、ねね、霞、華雄・・・みんなの顔を思い浮かべる。

「また・・・あの笑顔を見たいから・・・みんなで幸せに暮らしたいから・・・」


「でも、アタシ達には帰る場所なんて・・・」

「無ければ作ってやる。・・・だから・・・必ず黒幕をぶっ潰す。愛依と椿の世界を壊し、俺達の世界にちょっかい出したクソ野郎をな」

俺は立ち上がる。

「・・・んで、愛依はどうする?」

「・・・まだ、怖いから・・・もうちょっとだけ・・・一緒に行っていいか?」

「当然」

俺は宿を出て空を見上げる。

「これが・・・この景色が全部作られたモノなんだな・・・」

こんなに綺麗な空なのに・・・これ、全部誰かの想像で生まれた世界なんだな・・・

「おい、サキ?」

「へ?」

振り返るとルークが立っていた。

「もう平気なのか?」

「あ、ああ。そっちは?」

「シェリダンのメジオラ高原と、ダアトのザレッホ火山のパッセージリングを操作してきたよ。あと・・・」

ルークから聞いた話は・・・アストンさんが生きてたこと。スピノザが全てに謝罪し、俺達に協力してくれること。残すパッセージリングはケテルブルクのロニール雪山にあるということ。んで、障気を何とかする方法をジェイドの案でスピノザに確認してもらってること。そして・・・ティアがいなくなったこと。

「ど、どういうことだよ?」

「分からない。ベルケンドに来て医者にまた診てもらっている間に・・・どうやらアッシュとワイヨン鏡窟にいったみたいだ」

「じゃあ・・・」

「ああ。すぐに出発する。みんなもうアルビオールに乗ってるよ」

俺は急いでアルビオールに乗り込み・・・ワイヨン鏡窟に到着する。

「何者だ!」

「アッシュ響士・・・いや、レプリカか!」

神託の盾騎士団が構える。・・・更に聞いた話だが、ヴァンと六神将はローレライ教団から行方を眩ましたらしい。それに伴いヴァンを慕っていた神託の盾も半数以上がヴァンの元に流れた。・・・つまり、この間のシェリダン襲撃は完全にヴァンの独断だということだ。

「待て!ヴァン総長は通せと仰っていた。奴らに構わず、作業に戻れ」

「「了解!」」

奥から・・・リグレットがやって来た。

「・・・どういうことだ?」

「言葉の通りだ。ティア達を捜しているのだろう?ここは見逃してやるから先へ進むがいい」

「すんなり通してくれるとはね」

「ヴァン閣下の意思を尊重したまでだ。どうせお前達はロニール雪山へむかうのだろう。その時に決着をつける」

リグレットが去り際に俺を見る。

「ヴァン閣下はまだお前を受け入れても構わないと言っている。・・・アリエッタもお前が仲間になるのを心待ちにしているぞ」

「アリエッタの名前を出せば俺が揺れるとでも?」

「ふっ・・・」

今度こそリグレットは去っていく。

「さあ、奥へ急ぎましょう」

奥へ進むと・・・ティアとアッシュ、それにヴァンがいた。

「・・・迎えが来たようだ。もう行きなさい。アッシュ、お前もだ」

「兄さん!このまま続ければ兄さんの体だって障気でボロボロになってしまうのよ!」

「それは些細なことだ。私は人類がユリアの預言から解放され、生き残る道筋がつくならそれでいい」

「師匠達はこんなところで何を・・・」

「こいつらはベルケンドを放棄して新しい研究場所へ移動するつもりなんだよ」

「師匠!どうしてレプリカ世界に拘るんだ」

「フォミクリーは大量の第七音素を消費する。この星全体をレプリカ化するには世界中の第七音素をかき集めても足りませんよ」

「こいつは地核の莫大な第七音素を・・・ローレライを利用するつもりなんだ」

アッシュが言うとヴァンが微笑する。

「地核の振動が激しくなれば、プラネットストームが強まり、第七音素の供給量も増す。お前達はそれを止めてしまったがな」

「だから地核の静止を嫌がったのか・・・」

「フォミクリーは不完全です。しくじれば、すぐに消滅するようなレプリカが生まれる」

「それは第七音素がレプリカから解離するために起きる現象だ。解離を止めればレプリカは消えぬ」

「無理です。そもそも音素は同じ属性同士で引き合う。第七音素も同じだ。物質から解離してプラネットストームへ戻っていく」

・・・ヴァンの目的はローレライの消滅らしい。そうすれば余剰な第七音素が消え、音素が解離する心配もなくなる・・・そこまで言ってヴァンは去っていった。俺達は今後の話をする為に近くの・・・シェリダンに寄る。

「ティア、話を聞かせてくれ」

「・・・ごめんなさい。私の体に障気が蓄積されているなら、パッセージリングを使っていた兄さんも同じだと思ったの」

「それで心配になったのか?」

「心配・・・そうね、そうだったのかも知れない」

ティアは・・・ヴァンと戦うことを決意したらしい。話終わった後、ティアの瞳は真っ直ぐだった。とにかく、俺達はケテルブルクに向かうことになった・・・









「ああ・・・またあそこに行くんですね・・・」

撫子が遠い目をしていた。

「あ、そっか。撫子、寒いの嫌いなんだっけ?」

「はい・・・愛依は平気なんですか?」
「うーん・・・今はやばいかも」

「今は?」

「あのローブに闇を通してたから、寒さも遮断してたし・・・何より、アタシ薄着だし・・・」

愛依の服装は下はショートパンツに黒のニーソックスで、上は白いシャツに黒のベストだった。

「・・・確かに雪山にいくには寒いわな」

とにかくネフリーさんに話を聞きに行く。

「お兄さん!丁度良かったわ!」

「どうしたのです?」

「サフィールが街の広場で倒れてそのまま寝込んでしまったのよ」

「サフィール?」

「ディストの本名です」

「へ!?なんでディストがこの街で倒れてんの?」

「お兄さん、サフィールと約束していたんでしょ?彼、うわ言でずっと“ジェイドはまだか”って言ってるわ」

「・・・確か、あいつから手紙を受け取ったよな」

「まあ、律儀にジェイドを待っていたのですね」

「・・・この寒い中を・・・ディストさんに同情します・・・」

「つか、馬鹿だろ」

「ええ、黒羽の言う通り、彼は馬鹿です。しかし丁度いい。叩き起こして、ロニール雪山のことを聞きましょう。奴はどこですか?」

「宿屋に部屋を取って、そこに寝かせているわ」

・・・ついでに憲兵を呼んで俺達はホテルに向かう。


「ジェイド・・・待ってよ・・・むにゃ・・・」

「・・・大佐と夢の中で追い駆けっこしてる」

「さて・・・ちょっと彼からロニール雪山について聞き出します。皆さんは外に出ていて下さい」

そしてしばらくして・・・

「・・・」

「・・・・・・ぎゃーーーーー!!」

『っ!?』

いきなり悲鳴が響き渡った。

「や、やめろ!やめて、死ぬーーー!!」

『・・・』

「ジェイド、ごめんなさーーーーい!!」

・・・数分が経過する。

「地震の影響で雪崩が頻発しているようです。それと、奥の方にかなり強い魔物が住み着いてしまったようですね。魔物達が凶暴化したのもそれが原因でしょう」

ルークがジェイドに尋ねる。

「う、うん。それはわかったけど、さっきの悲鳴・・・」

「ああ、何でもありませんよ。それより、そろそろ行きましょうか」

「う、うん・・・」

「いや・・・どうやら吹雪いてきたし、今日一晩は泊まろう」

「・・・急ぎたいところですが、仕方ありませんね」

その時、コックの格好をした人が走ってきた。

「おお、黒羽くん、撫子ちゃん。居てくれたのか?」

「チーフ?どうしたんですか?」

話を聞いて・・・黒羽が俺を見る。

「・・・どうやらシフトミスで人が誰もいないらしく、しかもこの吹雪だから色々連絡のしようがない・・・から、俺と撫子は食堂に行くよ」

「それでも三人じゃ・・・」

俺は少し笑いながら言う。

「んじゃ、俺も手伝うか?」

「ええ!?」

ルークが驚く。

「何でお前が驚くんだよ・・・料理ならお手のもんだし、接客も問題なしだ。キッチンもホールも何処でも来いだ」

「あ・・・じゃ、じゃあアタシもウェイトレスを手伝うよ」

「本当ですか?助かります」

・・・結局俺と黒羽がキッチンで撫子と愛依が接客をした。結果?愛依はナンパされるわ俺や黒羽は女に間違われるわ撫子はいちゃもんつけられるわで大変だったが・・・とりあえず給料が良かったので全て水に流そうかと思うのであった・・・



 
 

 
後書き
サキ
「くそ・・・なんで女に間違われるかな」

一刀
「間違いなく髪形と顔のせいだろ」

サキ
「髪はともかく・・・」

一刀
「そういやサキって筋肉とか全然ないし・・・なんか細いしな」

サキ
「しょうがないだろ?筋力には闇の力でブーストしてっしよ・・・亮の奴は気を使うってことはそれなりに鍛えてんだろうな」

一刀
「気・・・これか?」←一刀の手に光球が現れる。

サキ
「は?」

一刀
「いや、何時までも後ろにいたらダメだなって思って鍛えてたら・・・自然に気も高まって・・・」

サキ
「・・・本編共通?」

一刀
「ああ」

サキ
「あはは・・・それじゃ、次回の続・真似と開閉と世界旅行!」

一刀
「次回もよろしく」

 
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