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真似と開閉と世界旅行

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会議~

 
前書き
台風がやかましい・・・ではどうぞ。 

 
・・・俺達はユリアシティにて会議を始める。

「・・・では、この書類にお二人の署名を」

テオドーロさんが出した書類に両陛下が名を書き込む。

「結構です。それではこれをもって平和条約の締結と致します」

「・・・ちょっと待った」

それに異議を立てたのは・・・

「おい、ガイ!」

「悪いな、ルーク。大事なことなんだ。少し黙ってろ」

ガイがインゴベルト陛下を睨む。

「同じような取り決めがホド戦争の直後にもあったよな。今度は守れるのか」

「ホドの時とは違う。あれは預言による繁栄を我が国にもたらすため・・・」

「そんなことの為にホドを消滅させたのか!あそこにはキムラスカ人もいたんだぞ。俺の母親みたいにな」

そしてガイは・・・刀をインゴベルト陛下に突きつける。・・・ガイが少し手を引けば簡単に首が飛ぶだろう。

「ガイ!何をするのです!」

「お前の母親・・・?」

「ユージェニー・セシル。あんたが和平の証としてガルディオス伯爵家に嫁がせた人だ。忘れたとは言わせないぜ」

その時、ファブレ公爵が立ち上がる。

「・・・ガイ、復讐の為に来たのなら、私を刺しなさい。ガルディオス伯爵夫人を手にかけたのは私だ。あの方がマルクト攻略の手引きをしなかったのでな」

「父上!本当に・・・」

「戦争だったのだ。勝つ為なら何でもする」

・・・その言葉を聞いて俺は歯を食い縛る。・・・反論ができない。

「・・・お前を亡き者にすることでルグニカ平野の戦いを発生させたようにな」

「母上はまだいい。何もかもご存知で嫁がれたのだから。だがホドを消滅させてまで、他の者を巻き込む必要があったのか!?」

するとピオニー陛下が口を挟む。

「剣を向けるならこっちの方かもしれないぞ。ガイラルディア・ガラン」

「・・・陛下?」

「どうせいずれわかることだ。ホドはキムラスカが消滅させた訳ではない。自滅した。ーーーーいや、我々が消したのだ」

それにはティアが困惑する。

「・・・どういうこと!」

「ホドではフォミクリーの研究が行われていた。そうだな、ジェイド?」

「戦争が始まるということで、ホドで行われていた譜術実験は全て引き上げました。しかしフォミクリーに関しては時間がなかった」

「前皇帝・・・俺の父は、ホドごとキムラスカ軍を消滅させる決定をした」

「当時のフォミクリー被験者を装置に繋ぎ、人為的に超震動を起こしたと聞いています」

「それで・・・ホドは消滅したのか・・・」

「父はこれをキムラスカの仕業として、国内の反戦論を揉み消した」

愛依が顔を伏せる。

「そんな・・・被験者の人が可哀想・・・」

「そうですね。当時11歳の子供だったと記録に残っています。ガイ、あなたも顔を合わせているかも知れません」

「俺が?」

「ガルディオス伯爵家に仕える騎士の息子だったそうですよ。確か・・・フェンデ家でしたか」

ティアが目を見開く。

「フェンデ!まさか・・・ヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデ!?」

「ティア、知ってるのか?」

「・・・知ってるも何も、フェンデのとこの息子ならお前だって知ってるだろ」

「え?」

「ヴァンだ。ヴァン・グランツ。奴の本名がヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデ」


その言葉に全員が驚く。

「そうか、だから封印した生物レプリカをヴァンは知っていたのか・・・」

「ガイ、一先ず剣を収めてはいかがですか?この調子では、ここにいる殆どの人間を殺さなくてはあなたの復讐は終わらない」

イオンが言うとガイはため息を吐きながら刀を収める。

「・・・とうに復讐する気はうせてたんだがね」

・・・その場は解散となり、その翌日、和平条約は無事結ばれた。俺達がやるべきことは、地核の震動を止めること・・・俺達はシェリダンに向かう。

「悪いな、ノエル。あっちこっち休みなく・・・」

ノエルに労いの言葉をかけると、ノエルは俺に笑みを返す。

「いえ、皆さんのお役に立てることが私にとって何よりの幸せですから」

「そっか。でも気を付けてくれよ。ノエルに何かあったら・・・」

「大丈夫です。そうならないようにちゃんと隙を見て休んでますから」

・・・と、会話をしている内にシェリダンに到着する。

「おお。タルタロスの改造は終わったぞい」

「そうか!流石だな」

ルークが言うとイエモンさんが笑う。

「ふぉふぉふぉ。年寄りを舐めるなよ。タルタロスはシェリダン港につけてある」

「あとはオールドラント大海を渡ってアクゼリュス崩落跡へ行くだけさ。そこから近くに突入するんだよ」

「ただ注意点がいくつかあるぞい。作戦中、障気や星の圧力を防ぐたむ、タルタロスは譜術障壁を発動する。これは大変な負荷がかかるのでな。約130時間で消滅してしまう」

「・・・随分半端だな」

・・・とにかく、ここからアクゼリュスまではタルタロスなら5日かかる。つまり地核突入から脱出までは10時間弱しか使えない。・・・譜術障壁は俺達がシェリダンを出た瞬間に狼煙を上げられ、港にいるアストンという人が起動する・・・という段取りだ。・・・とにかく、俺達は準備を整える。

「狼煙が上がりました!」

「港も準備完了のようじゃ。さぁ、見送るぞい」

「行きましょう、ルーク。今は一分一秒が惜しいわ」

「ああ」

俺達は外に出る。・・・すると・・・

「リグレット教官!?」

俺達は神託の盾に囲まれる。

「スピノザも言っていたが、ベルケンドの研究者どもが逃げ込む先はシェリダンだという噂は本当だったか」

「そこをどけ!」

「お前達を行かせる訳にはいかない。地核を静止状態にされては困る。港も神託の盾騎士団が制圧した。むだな抵抗はやめて武器を捨てろ!」

その時、イエモンさんが物陰から飛び出してきた。

「タマラ、やれいっ!」

「あいよ!」

タマラさんが火炎放射器を神託の盾に向けて発射する。

「今じゃ!港へ行けぃっ!」

「けど・・・」

「奴らにタルタロスを沈められたら、あたしらの仕事が無駄になるよ!」

「時間がない!早くせんか!」

「怯むな!狭い街中では死霊使いといえども譜術を使えない!」


俺達は迫る神託の盾兵を倒していく。

「狙い撃つ!」

知也が的確に、一発も逸らさず全て急所を撃ち抜いていく。

「カートリッジロード!燃えろ!」


「操影術!」

黒羽は撫子も頑張るが、いかんせん街の中だ。

「ジェイド!」

「無理です!味方識別(マーキング)のない一般人が多すぎる」

「きゃっ!」

銃弾がナタリアを掠める。それを抑えようとイエモンさんがリグレットに向かうが・・・

「邪魔だっ!」

「ぐおっ!?」

「イエモンさんっ!」

「あたしら年寄りのことより、やるべきことがあるでしょうっ!」

「さっさと・・・いかんかぁっ!!」

「・・・行きましょう!早く!・・・サキ、頼めますか!」

「ああ!」

俺は闇を解放して、Aモードを発動させる。

「シネェッ!!」

高速で立ち塞がる敵のみを爪で切り裂いていく。

「ルークッ!」

俺達は神託の盾に追われながらも逃げ出す。

「ここから先にはいかせん!」

「させるか!タルタロスには俺達の手も入ってるんだ!ルーク様、ナタリア殿下。北の出口が手薄です。そこから・・・ぐあっ!?」

街の人が斬り倒される。あれは・・・もう助からない。

「く、くそっ・・・!」

ルークは拳を握り締めて走り出す。

「無駄だぁ!」


するとシェリダンの女性が兵士を抑える。

「女だからって馬鹿にしないで!」

「危ないですわ!おやめなさい!」

「いいんです!それより時間がありません!早く!」

ナタリアは震える手を抑え、振り返る・・・直後。

ズバァ!

「きゃあっ!?」

「ああっ!?」

・・・その音と悲鳴が何を意味するのか、すぐに分かった。

「な・・・なんてことなの・・・っ!」

だが、止まる訳にはいかない。俺も兵士を蹴散らしながら進む。

「海に落としてやるわっ!」

「ここは俺達が!さあ早く!」

「・・・ごめんなさいっ!」

愛依が涙が溢れそうになるのを堪え、謝罪しながら走り出す。すると今度は・・・キムラスカ兵だ!

「な、何事ですか!?」

「ああ!良く来てくれました!」

「神託の盾が街のみんなを襲ってる!」

「街のみんなを頼みますよ!」

「了解!」

俺達は港へ走る。















































「“め組”と“い組”の最初で最後の共同作品じゃ・・・頼むぞ・・・ルーク・・・」

「坊やたち・・・しっかり・・・ね・・・」




































































「くそ!くそ!くそぉ!」

港に駆け込むと・・・何かの煙が充満していた。

「まずい!姿勢を低くして鼻と口を塞ぎなさい!」

「な、なんだ!?」

「これは譜業の催眠煙幕だわ」

「譜術で吹き飛ばします」

ジェイドが煙を吹き飛ばす。

「ふぅ・・・何とか息ができるな」

「よかった。あんた達まで寝ちまわなくて」

「やっぱり小さい子の方が効きが早いわね」

ヘンケンさん達の仕業らしい。

「神託の盾の連中がタルタロスを盗もうとしやがったんでな」

「奴ら、街にも行ったみたいだけど、タマラ達は・・・」

俺達の表情を見て、ヘンケンさんが顔色を変える。

「まさか・・・!?」

「呑気に立ち話をしていていいのか?」

背後から・・・声と同時に斬撃が俺を襲った。

「がっ・・・」

「咲!?」

「・・・せ、師匠」

「スピノザ・・・!俺達仲間より、神託の盾の味方をするのか・・・」

「・・・わ、わしは・・・わしは・・・」

リグレットが追い付いてくる。

「閣下!?」

「失策だな、リグレット」

「すみません。すぐに奴らを始末しま・・・ぐっ!?」

ジェイドがヴァンの注意が逸れた隙をついて譜術でリグレットを攻撃する。ルークも剣を抜こうとするが・・・

「ルーク!いけません」

「どうして!」

「今、優先するのは地核を静止することです。タルタロスへ行きますよ!」

「・・・くそっ!」

ヴァンの前にヘンケンさんとキャシーさんが立ち塞がる。

「危ないわ!逃げて!」

「そうはいかない。こんな風になったのは、スピノザが俺達“い組”を裏切ったからだ」

「こんな年寄りでも障害物にはなるわ。あなた達はタルタロスへ行きなさい」

「・・・どけ」

「馬鹿もん!どくんじゃ!」

「仲間の失態は仲間である俺達が償う」

「行きなさい!」

「く・・・」

「・・・ルーク!時間がありません!」

「兄さんに追い付かれると作戦が失敗するわ!・・・イエモンさん達の死を無駄にしたいのっ!?」

「わかってる・・・!ごめん・・・ヘンケンさん、キャシーさん、アストンさん・・・!」

俺は知也に支えられながらタルタロスに急ぐ。

「(あの太刀筋・・・どこかで・・・)」

「・・・老人とはいえ、その覚悟や良し」

ズシャア!


「・・・ごめんじゃない・・・ありがとう・・・だろ・・・が・・・」

「・・・そうねぇ・・・あの子達が帰ってきたら・・・言葉の選び方を・・・教えてあげましょう・・・ね・・・」







































































・・・俺達はタルタロスを発進させた。

「・・・なんでぇ・・・?イエモンさん達・・・関係ないのに・・・」

泣きじゃくるアニスの頭に手を載せる。

「私は・・・自分の国民も守ることができなかった・・・」

「・・・俺が非力だったからだ・・・くそぉっ!!」

ルークが涙を流しながら壁を叩く。

「落ち込んでいる暇はないわ。私達には地核を静止させるという仕事が残っているのよ」

ルークがその言葉を聞いてティアの胸ぐらを掴む。

「おまえっ!そんな言い方をしなくてもっ!」

「ここで泣いて悲しんでいても何も始まらないのよ。・・・大佐や黒羽達は作戦準備を進めているわ。それを忘れないで」

ティアがルークの手を払い、室内に入る。

「・・・彼女、瞳が潤んでたな」

「・・・え?」

ガイの言葉にルークが聞き返す。

「爺さん達を殺したのはティアの兄貴だ。この中で一番泣きたい気持ちなのは、誰なんだろうな」

ルークも涙を拭き、ブリッジに向かう。・・・そしてブリッジに入った時・・・アラートが鳴った。

「な、なんだ!?」

「侵入者よ!」

「まさかヴァンか!?」


・・・結局、地核に入ってから侵入者を迎撃することになった。

「咲さん、傷は大丈夫ですか?」

撫子が聞いてくる。

「ああ。Aモードを発動させていたし・・・何より浅かったからな。もう傷もダメージもない」

「そうですか・・・」

「愛依は?」

「少し一人にして欲しいと・・・」

「・・・だよな。あいつ、ずっと強気に振る舞いやがって・・・」

「・・・え・・・」

「演技だよ。アイツはまだ母親や父親のことを引きずってる」

「気づいて・・・たんですか?」

「身内のいざこざであんなすぐに元気になるもんかよ」

「・・・」

撫子が黙ってしまう。

「・・・どうせ愛依に頼まれたんだろ?」

「・・・はい。私は・・・友達などと言っておきながら・・・愛依の・・・」

「んなの気にすんな」

「ですが・・・」

「友達だからってホイホイなんでも解決するもんじゃない。・・・ただ、答えを出しやすいように支えてやることはできる」

「咲さん・・・」

「・・・ほら、地核に到着したみたいだし、早く・・・ぐっ!?」

「咲さ・・・あうっ!?」

身体がぶれるような感覚に襲われ、俺と撫子は床に倒れる。

「まさか・・・これが修正力か・・・」

「ちっ・・・彩雅の奴、こんなんでよく動けたな・・・」

見ると黒羽と知也も倒れていた。世界の・・・修正力?

「イレギュラーを排除しようとする力・・・です」

「それは知ってる・・・けど、俺達には修正力は働かないんじゃ・・・」

「・・・それ、は・・・この世界は・・・」

「サキ、どうしましたか!?」

「大丈夫・・・後から行くから、先に・・・」

「・・・わかりました。時間はありませんよ」

アビスメンバーが走っていく。・・・侵入者がいるなら俺達は邪魔だ。



「みんな・・・平気か」

「揃いも揃って這いつくばってんのを平気とは言えないぜ・・・」

知也が人の揚げ足を取りながらも何とか立ち上がる。

「(連続だけど・・・)」

Aモードを発動、無理矢理立ち上がる。

「みんな!」

愛依が駆け込んでくる。

「愛依・・・無事、なのか・・・?」

「少し身体が重いけど・・・今だけは破壊者で良かったよ」
「そうか・・・なら、みんなを頼む」

「咲は?」

「Aモードを発動したんだ。・・・多少なりとも戦わないと割に合わない」

外に出ると、いきなりガイが吹き飛んできた。

「ガイ!?」

「く・・・」

「弱いねぇ。もう終わり?」

そこにいたのは・・・烈風のシンク。

「シンク・・・!」

俺は空間から大剣を取り出す。

「・・・侵入者ってのはお前か」

よく見るとまともに立っているのはジェイドだけだ。

「ああ、まだいたんだ。・・・何人いても同じだけどね」

「ここにいたらテメエも死ぬぜ」

「構わないよ。アンタ達を道連れに出来れば十分」


こいつ・・・死ぬことに躊躇いがない。

「ウオオオ!」

時間がない。俺は大剣を振りかぶり、突撃する。

「甘いんだよ」

シンクは一撃を避け、蹴りを放つ。

ガッ!

「っつ・・・!」

それを片手で防ぎ、大剣を横薙ぎに払う。

「くそっ!」

シンクは真後ろに跳んで回避するが・・・

「・・・待っていましたよ。タービュランス!」

ジェイドの譜術がシンクを呑み込む。

「く・・・まだまだぁ!」

シンクが煙の中から突っ込んできて、俺の懐に飛び込む。

「昴龍轢破!」

ズガァン!

「あぐ!?」

炎を纏ったアッパーが俺を撃ち抜く。

「受けてみろぉ!空破爆炎弾!」

「ぐあああ!?」

「サキ!」

俺はすぐに立ち上がる。

「はぁ、はぁ・・・」

息が乱れる。身体が重い。視界がボヤける。

「(くそ・・・やっぱし連続は不味かったか・・・)」

俺は頭を振り、大剣を空間に放り込む。

「どうした?もうあきらめたのかい?・・・だったら死になよ!」

シンクが再び突っ込んでくる。そして拳を構えた瞬間・・・俺は一気に力を込め、シンクの真横を通り抜ける。

「なに!?」

「行くぜ!」

闇の力を更に解放する。

「闇の力・・・負の鎖から逃れられるかな?」

黒い魔方陣が浮かび上がる。

「邪悪なる力に打ち勝てるか!ダークネスバインド!!」

ドガァァァァ!!

秘奥義が炸裂し・・・シンクが膝をつく。そしてその拍子に仮面が外れ・・・

「お・・・おまえ・・・」

その顔は・・・

「嘘・・・イオン様が二人・・・!?」


・・・イオンと同じ顔だった。

「・・・くっ」

「やっぱり・・・あなたも導師のレプリカなのですね」

その言葉にガイが反応する。

「おい!あなたも・・・ってどういうことだ!」

「・・・はい。僕は導師イオンの七番目・・・最後のレプリカですから」

「レプリカ!?お前が!?」

「嘘・・・だってイオン様・・・」

「すみませんアニス。僕は誕生して、まだ二年程しか経っていません」

「二年って、私がイオン様付きの導師守護役になった頃・・・まさかアリエッタを解任したのは、あなたに・・・過去の記憶がないから?」

「ええ。あの時、被験者(オリジナル)イオンは病で死に直面していた。でも、跡継ぎがいなかったので、ヴァンとモースがフォミクリーを使用したんです」

「・・・おまえは一番被験者に近い能力を持っていた。ボク達屑と違ってね」

「そんな・・・屑だなんて・・・」

「屑さ。能力が劣化していたから、生きながらザレッホ火山の火口へ投げ捨てられたんだ。ゴミなんだよ・・・代用品にすらならないレプリカなんて・・・」

「・・・そんな!レプリカだろうと俺達は確かに生きてるのに」

「必要とされているレプリカの御託は聞きたくないね」

「そんな風に言わないで。一緒にここを脱出しましょう!僕らは同じじゃないですか!」

イオンが差し出した手を・・・シンクは弾いた。

「違うね」

そのままタルタロスの縁まで下がる。

「ボクが生きているのはヴァンが利用するためだ。結局・・・使い道のある奴だけがお情けで息をしてるってことさ・・・」

シンクはその身を・・・地核に投げ出した。

「あ・・・!」

・・・下を見ても。もう、シンクの姿はなかった。

「・・・イオン様、泣かないでください」

「僕は泣いていませんよ」

「でも涙が・・・」

イオンが目元を指で拭う。

「・・・本当だ」

「兄弟を亡くしたようなものですもの・・・」

「そうか・・・僕は悲しかったんですね・・・泣いたのは生まれて初めてです。そうか・・・そうだったのか・・・僕は大変な思い違いを・・・」

「いけません。もう時間がない!」

「だが、アルビオールが着陸するための譜陣はシンクに消されてるぜ」

「私が描きます。・・・ルーク、ティア。手伝ってください」

俺は息を吐いてAモードを解除・・・した瞬間、身体から力が抜けた。

「咲!?」

愛依が倒れた俺に駆け寄ってくる。

「愛・・・依・・・みんなは・・・」

「大丈夫。ちゃんと運んできたよ」

「そうか・・・ありがとう・・・」

俺は目を閉じる。

「咲・・・?」

「力を・・・使い、すぎた・・・少し・・・休ませて・・・も・・・ら・・・」

俺は眠るように意識を手放した・・・







 
 

 
後書き
サキ
「・・・」


「酷い・・・」

サキ
「俺が弱かったからだ・・・イエモンさん達が・・・くそぉっ!」


「咲さんは悪くありません。それに・・・可哀想」

サキ
「・・・え?」


「ヴァンさんも被害者だったんですよね?」

サキ
「だからって無関係な人を殺して言い分けない」


「そう、ですよね・・・」

サキ
「・・・次回の続・真似と開閉と世界旅行」


「次回も見てください」 
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