真似と開閉と世界旅行
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帰還~
前書き
何とか第二部だ・・・ではどうぞ。
・・・俺達はとある部屋に入る。
「この道を開くとバダミヤ大陸にあるアラミス湧水洞に繋がるわ。あそこは魔物の巣窟だけど、準備はいい?」
「ああ、いいよ」
「ボク、ドキドキするですの」
「大丈夫よ、ミュウ。さあ、道を開くわよ」
ティアが部屋の中心に行き、何かを唱えると身体を光が覆う。そして・・・
「みゅう~~~!?」
「うわっ、いきなり水の中かよっ!?」
「大丈夫。濡れたりしないわ」
「あ、ホントだ」
愛依が自分の足を上げて触る。
「どうなってるんだ?」
「セフィロトが吹き上げる力で、水が弾かれるらしいわね」
「セフィロトか・・・大陸を浮上させるなんてすげー力だよな。俺、そんなすげぇものを消滅させちまったのか・・・」
ルークが落ち込む。・・・俺が何か言う前にティアがルークに言った。
「落ち込んでいても何もできないわ。そうでしょう?」
「そうだな。それよりできることをやるんだった。・・・ダメだなー、俺」
「そんな簡単に変われるかよ。ま、気長にやろうぜ」
そのまま魔物を倒しながら進んでいくと・・・
「ようやくお出ましかよ。待ちくたびれたぜ、ルーク」
胡座をかいて座っていたのは・・・ガイだ。ガイは立ち上がりながら話す。
「へー、髪を切ったのか。いいじゃん、さっぱりしててさ」
「ガ・・・ガイ!」
ルークが駆け寄る。
「あん?どうした?」
「・・・お、俺・・・ルークじゃないから・・・」
「おーい、お前までアッシュみたいなこと言うなっつーの」
・・・そうだ。ガイとナタリアは少なくともアッシュ(ルーク)を知っていたんだ。
「でも俺、レプリカで・・・」
「いいじゃねえか。あっちはルークって呼ばれるのを嫌がってんだ。貰っちまえよ」
「貰えって・・・お前、相変わらずだな」
「そっちは随分卑屈になっちまったな」
「卑屈だと!」
ガイの一言にルークが怒るが・・・
「卑屈だよ。今更名前なんて何でもいいだろ。せっかく待っててやったんだから、もうちょっと嬉しそうな顔をしろって」
「・・・うん。ありがとう」
その言葉を聞いてガイが目を見開く。
「ルークがありがとうだって・・・!?」
「彼、変わるんですって」
そう言って近づいたら・・・ガイがティアを避けた。
「あなたは変わらないのね・・・」
「わ、悪いな・・・っと、アイも目が覚めたのか」
「す、すみません。迷惑をかけて・・・」
「(・・・あれ?)」
俺は愛依に近寄る。
「(なんでその口調なんだ?)」
「(・・・この話し方が癖になっちゃったんだよ)」
「(なんだったら俺にもその口調で話すか?・・・面白)痛あっ!?」
愛依が俺の足を全力で踏みつける。
「(お前には絶対使わねぇ!)」
愛依はプイ、と顔を背けて先に行ってしまう。その途中・・・
「どうして・・・俺を待っててくれたんだ?」
「友達だろ?あ、俺下僕だったわ。わりぃわりぃ」
「・・・俺はレプリカだぜ?おまえの主人じゃないんだぜ」
「・・・別に、お前が俺のご主人様だから仲良くしてた訳じゃないぜ」
「・・・え?」
「ま、お前はお前。アッシュはアッシュ。レプリカだろうが何だろうが、俺にとっての本物はお前だけってことさ」
そのまま進みながらガイが話を続ける。
「お前さ、覚えてる?誘拐された後だから、お前が生まれてすぐってことなのかな」
「何?なんかあったか?」
「記憶なくて辛くないかって聞いたら。お前『昔のことばっか見てても前に進めない』って言ったんだ。だから過去なんていらないって」
「「ッ!」」
その言葉に反応する俺と愛依。過去を見てたら先に進めない・・・か。
「ははは・・・ばっかだな、俺。過去なんかいらないんじゃなくて無いんじゃんな」
「・・・いや、結構真理だと思ったね。俺は」
ガイの話は続く。
「辛かっただろ。色々・・・」
「・・・そんなこと言えるかよ。俺のせいでみんな死んじまったのに」
「その一端は俺のせいでもあるな」
「お前は関係ないだろ?」
「記憶がなくてまっさらなお前をわがまま放題考えなしのおぼっちゃんに育てた一因は俺だぜ」
「・・・へ?」
「歩き方も覚えてなかった・・・つーか知らなかったお前の面倒を見たの、俺だからな。マジ反省した」
その時、ルークが立ち止まる。
「アクゼリュスのこと、どう償ったらいいんだろう・・・」
「難しいことだわ。ただ謝ればいい問題ではないし」
「だな。謝るってのも確かに大事なことだが、謝られた方は困るモンだしな」
「・・・!」
愛依の目に怯えが見られたので、俺は話しかける。
「(・・・俺は困らないからな?)」
「(べ、別にそんなこと思ってない!)」
「困る?どうして?」
ルークの疑問に答える。
「大事なモノを失ったら、人は誰かを憎まずにはいられない。・・・そうだろ?謝った方はすっきりしても、謝られた方がすっきりする訳じゃない。・・・むしろ、怒りの向けどころを見失うだけだ」
現に俺がそうだ。愛依の策略にハマり、俺は亮と殺しあいをしてしまった。シィ、剛鬼、リョウコウ・・・あいつらがいなかったら、共倒れだった。
「生涯忘れることなく責任を背負い続けること・・・かしら。ううん、漠然としてるわね」
「俺が・・・幸せにならないこと・・・とか?」
「そりゃ違うだろうよ」
ガイが苦笑する。
「そうなのかな。だってそもそも俺は生まれる筈のない命だろ。そんな奴がアクゼリュスを・・・」
「あーあーあーあー。後ろ向きなのはやめろ。うざいっての」
「ガイ!ルークだって真剣に考えて・・・」
「取りあえず人助けしろ。残りの人生全部使って世界中幸せにしろ」
「で、できるわけねーだろっ!」
「ンなことわかってる。それぐらいの勢いでなんとかしろってんだよ」
「・・・あ、ああ・・・わかったような、わかんないような・・・」
その時、愛依が走り出す。
「ありがとう、ガイさん。わたしも何だか吹っ切れた気がします!」
「うおわっ!?そ、そりゃよかっな・・・と、とにかく離れてくれないかっ?」
「あ!ご、ごめんなさい・・・」
愛依が下がる。
「愛依・・・?」
「ん、何か悩んでたのがバカらしくなった。・・・仲間っていいな」
愛依の笑顔を見て、俺も笑う。
「孤独の何倍もマシだからな」
そう言いながら洞窟を抜けると、いきなりジェイドが現れた。
「おわっ!?」
「ジェイド!?」
「ああ、よかった。入れ違いになったかと心配していました」
「大佐、どうしてここに・・・」
「アンタらしくないな。そんなに慌てるなんて」
「ガイに頼み事です。ここでルークを待つと言っていたので捜しに来たんですよ」
「俺に?」
ジェイドがガイを見る。
「イオン様とナタリアがモースに軟禁されました」
「何だって!?」
「おや、ルーク。あなたもいらっしゃいましたか」
「・・・いたら悪いのかよ」
「いえ、別に。それよりモースに囚われた二人を助け出さないとまずいことになります。近くにマルクト軍がいないので、ここはガイに助力をと・・・」
「まずいことって何が起きるんだ」
「アクゼリュスが消滅したことをきっかけに、キムラスカは開戦準備を始めたと聞いています。恐らくナタリアの死を戦争の口実に考えているのでしょう」
「そうだわ・・・外殻の人は何故アクゼリュスが消滅したかわかっていない・・・」
「イオン様もこれを警戒して教団に戻ったところ、捕まったようです」
「よし、ルーク。二人を助けよう。戦争なんて起こしてたまるか。そうだろう?」
「・・・ああ。ダアトへ行けばいいのか?」
「まあ、そういうことですね。・・・迷子になったりして、足を引っ張らないようにお願いしますよ」
ジェイドの態度には棘があった。
「ルーク。一度失った信用は簡単には取り戻せないわ」
「・・・わ、わかってるよ」
俺達はダアトに向かう。・・・その途中、丘に通りかかる。
「ご主人様!あれがダアトですの?」
「俺は知らないよ。そうなのか?」
「ええ、そうよ。・・・あの教会にイオン様とナタリアが軟禁されているのね」
「戦争をくい止めることができる可能性を持った二人ですからね。モースとしてもダアトから外に出したくないのでしょう」
「伯父上に軟禁のこと伝えたらいいんじゃないか?」
「ナタリアは多分、アクゼリュスで亡くなったと思われてる筈よ。難しいわ」
「それに、今からキムラスカに行ってる余裕があるかもわからないしな」
「わたし達で助けましょう!」
「アニスが教団の様子を探っています。街で落ち合えればいいのですが」
「アニスを捜すしかねぇな・・・」
俺達はダアトに到着し、探索する。
「(・・・?)」
何故か道が分かる。
「(俺は・・・ここを知っている?)」
そのまま迷うことなく俺は歩き、教会にたどり着く。・・・するとガイの真横からアニスが現れた。
「うおおおっ!?」
・・・当然、ガイが凄まじいリアクションを取ってルークの背後まで逃げた。
「アニス!」
「うわっ!アッシュ、髪切った?」
「お、俺は・・・」
「あ、違った。ルークだ。・・・えええ?なんでおぼっちゃまがこんなところにいるの!?てか、後ろにいるのは大佐達?わっは♪これってローレライの思し召し?」
「「「・・・」」」
「・・・けたたましいな」
「相変わらず変わらないですね、アニスさん」
「あ、アイ。元気になったんだ」
「アニス、取りあえずイオン様奪回のための戦力は整えました。お二人はどうされています?」
「イオン様とナタリアは教会の地下にある神託の盾本部に連れていかれましたっ!」
「勝手に入っていいモンなのか?」
ルークがティアに聞く。
「教会の中だけならね。でも地下の神託の盾本部は神託の盾の人間しか入れないわ」
「侵入方法は探そうぜ。・・・戦争なんて醜いだけだ」
もう戦争なんてたくさんだ。
「・・・ティア、第七譜石が偽物だったという報告はまだしていませんよね。私達を第七譜石発見の証人として、本部へ連れていくことはできませんか?」
「わかりました。自治省の詠師、トリトハイムに願い出てみます」
「トリトハイムって奴は中にいるんだろ?取りあえず行ってみようぜ」
・・・そしてトリトハイムに許可を貰い、神託の盾本部に入る。
「ここからどこへ行けばいいんだ?」
「分かんないよ。しらみつぶしに捜さないと・・・」
「んなことしてたら見つかっちまうぞ」
「なるべく目立たないようにするしかないわ」
「そうですね。敵に見つかったら新手を呼ばれないよう」
「・・・殺るしかなくなるな」
「・・・気が重いな」
「でも、戦争が起きたらもっと人が死ぬ・・・わたしはそんなのはもう嫌です」
・・・神託の盾を警戒しながら進み、見つかったのなら迅速に鎮圧する。・・・そしてその際にイオン達の居場所を聞き、その部屋に入る。
「イオン!ナタリア!無事か?」
「・・・ルーク・・・ですわよね?」
「アッシュじゃなくて悪かったな」
「誰もそんなこと言ってませんわ!」
「イオン様、大丈夫ですか?怪我は?」
「平気です。皆さんも、わざわざ来てくださってありがとうございます」
「今回の軟禁事件に兄は関わっていましたか?」
「ヴァンの姿は見ていません。ただ、六神将が僕を連れ出す許可を取ろうとしていました。モースは一蹴していましたが・・・」
「セフィロトツリーを消すためにダアト式封咒を解かせようとしてるんだわ・・・」
「・・・ってことは、いつまでもここにいたら総長達がイオン様を連れ去りに来るってこと?」
「そういうこった。さっさと逃げちまおうぜ」
俺達は急いで丘まで逃げる。
「追っ手は来ないみたいだな」
「公の場でイオン様を拉致するような真似はできないのだと思うわ」
「でもぉ、この後どうしますかぁ?戦争始まりそうでマジヤバだし」
「バチカルへ行って伯父上を止めればいいんじゃね?」
「忘れたの?陛下にはモースの息がかかっている筈よ。敵の懐に飛び込むのは危険だわ」
「私はセントビナーが崩落するという話も心配ですねぇ」
「キムラスカもダアトも駄目となると・・・」
俺が言うとイオンが頷く。
「ピオニー陛下にお力をお借りしてはどうでしょう。あの方は戦いを望んでおりませんし、ルグニカに崩落の兆しがあるなら、陛下の耳に何か届いているのでは」
「そ、それしかないと思います」
「んじゃ、行くか。・・・っと、船は?」
「アッシュがタルタロスをダアト港に残してくれました。まずは港へ向かいましょう」
・・・だが、マルクトの首都、グランコクマの港は閉鎖されているので、近くの陸から上がることになったのだが・・・
ドガァン!
「きゃあっ!」
「沈んじゃうの?」
「見てきます」
「俺も行く。音機関の修理なら多少手伝える」
二人は機関室に走っていく。
「ご主人様、ボクは泳げないですの・・・」
「・・・知ってるよ。大丈夫。沈みゃあしないって」
『・・・機関部をやられましたが、ガイが応急処置をしてくれて何とか動きそうです』
『一時的なモンだ。できれば何処かの港で修理したいな』
「ここからだと停泊可能な港で一番近いのはケテルブルク港です」
「じゃあ、そこへ行こう。いいだろジェイド」
『・・・まあ・・・』
「随分乗り気じゃないな?」
『・・・こちらにも事情があるので』
そう言った後、ケテルブルクに到着したらマルクト兵が話しかけてくる。
「失礼。旅券と船籍を確認したい」
「私はマルクト帝国第三師団所属、ジェイド・カーティス大佐だ」
「し・・・失礼いたしました。しかし大佐はアクゼリュスで・・・」
「それについては極秘事項だ。任務遂行中、船の機関部が故障したので立ち寄った。事情説明は知事のオズボーン子爵へ行う。艦内の臨検は自由にして構わない」
「了解しました。街までご案内しましょうか?」
「いや、結構だ。私はここ出身なのでな。地理はわかっている」
「わかりました。それでは失礼します」
「へー、ジェイドってここの生まれなんだ」
「気が進まなかったのも里帰りだからか?」
「・・・まあ、ね」
「あの、修理はどうするんですか?」
愛依が尋ねる。
「それも知事に報告して頼みましょう」
「よし、じゃあケテルブルクへ急ごう」
俺達はケテルブルクへ向かう。・・・ケテルブルクの空は曇と雪が支配していた・・・
ケテルブルク~
「・・・そろそろ来るか」
ケテルブルクのホテルの一室、呟いたのは独特な髪の色の中性的な少年。
「そ、そうですか・・・」
・・・一方、茶髪の少女は毛布にくるまりガクガク震えていた。
「・・・いつまでそうしてるんだよ、撫子」
「寒いものは寒いんです。・・・いきなり雪山に放り出されて・・・冬眠するかと思いました」
「お前は熊か?第一、ここは暖房効いてるし寒くないだろう」
「何で黒羽さんは平気なんですか・・・」
「そりゃ、色々・・・な」
「と、とにかく。私はここから動きたくありません。次に外に出たら本当に冬眠してしまいます」
その言葉に黒羽は呆れる。
「・・・まあ、咲が来るまでもう少しだろうし。あんまり急かす必要もないか・・・」
撫子は更に毛布を重ね、横たわる。黒羽も欠伸をしながらベッドに入り込んだ・・・
後書き
アニス
「アニスちゃん登場~!」
ソフィ
「わたしはソフィ。ソフィ・ラントだよ」
リョウ
「・・・待て。まさか・・・」
ソフィ
「うん、アスベルの“養子”になって、わたしはアスベルの娘なんだって」
サキ
「既にグレイセスfのストーリーが終わってるのな」
ソフィ
「アスベル父さん、シェリア母さん、ヒューバートおじさん、リョウおじさん」
リョウ
「おじ・・・!?」
アニス
「ぶーぶー、アニスちゃんを置いて話を進めないでよぅ」
ソフィ
「アニスっていうんだ。よろしくね」
アニス
「あ、うん・・・」
リョウ
「(グレイセスfだとアニスとナナリーの見合い写真がアス兄に届くんだよな)」
ソフィ
「わたしね、アニスの服を着たことがあるよ」
アニス
「ほえ?なんで?」
ソフィ
「“だうんろーどこんてんつ”っていうのでみんなが今までの歴代キャラの服を着れるんだよ」
サキ
「そんなのあったなぁ・・・」
アニス
「色々あるんだね。・・・版権料で稼げないかな(ボソッ)」
サキ
「アニス?」
アニス
「な、なんでもな~い♪それじゃ、次回の続・真似と開閉と世界旅行!」
ソフィ
「次回も見てね」
リョウ&サキ
「「全部持ってかれた・・・」」
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