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真似と開閉と世界旅行

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兄妹発覚~

 
前書き
やばい・・・マジでスランプかもしれない・・・話が思い付かないし・・・大丈夫かな・・・ではどうぞ。 

 
アスナ~

「・・・ティターニア様、ここを抜け出されては困ります」

「く・・・」

わたしは須郷の隙をついて一度は篭から脱出したのだが・・・後少しというところで須郷の部下に見つかってしまった。それで今はロビンがわたしを監視している。

「分かったとは思いますが、ここから抜け出すのは不可能です。無意味なことはやめ、諦めて下さい」

「・・・」

いや・・・無意味ではなかった。わたしの手の中には、一枚のカードがある。それはアイツらの研究室のコンソールから持ってきたカード・・・少しでも意味はある筈だ・・・








































亮~

「・・・でかいな・・・」

目の前には大きな世界樹が立っていた。アレからしばらく飛び、様々なハプニングがありながらも俺達は無事に目的地であるアルンに到着した。様々な種族が街を歩き、活気が伝わってくる・・・どこか懐かしい感じだった。

「麻帆良のとどっちが大きいのかなぁ・・・」

咲もそう呟く。・・・するとアナウンスが入り、メンテナンスが始まるようだ。というわけで俺達は宿屋に泊まる。またメンテナンスが終わった時にログインすることにしてログアウトした・・・




























































































「ふぅ・・・」

軽く一睡して、朝になってから下に降りると和人が庭の水道で顔を洗っていた。

「おはよう、兄貴」

「おう、亮も洗うか?」

「俺は平気。、目も覚めてるし」

その時、背後からやけに眠そうな直葉がやって来た。

「おはようさん」

「んー・・・おはよう、亮お兄ちゃん」
やけにふらふらしながら和人の近くにまで行く。

「やけに眠そうだな。昨日は何時に寝たんだ?」

「うーっと、四時くらいかなぁ」

「マジか。直葉がそんなに夜更かしするなんて・・・何かやってたの?」

「えーっと・・・ネットとか・・・」

・・・え?直葉が・・・ネット?・・・驚いたが・・・不思議でもないか。二年も経ったんだし、直葉が何かをやったり興味を持ったっていい訳だし・・・っと、その時に和人がニヤリとした。

「おいスグ、後ろ向いてみ」

「・・・?」

直葉が首を傾げながら後ろを向く。すると和人が手に水を汲み、直葉のジャージの襟首を引っ張り、露になった背中に水を・・・冬場のほぼ氷に近い水を投下した。

「ぴぁーーーーっ!!」

次の瞬間、聞いたことのない悲鳴を上げながら直葉が飛び跳ねた・・・・・・

































































早貴~

「ううん・・・」

やば・・・アミュスフィア付けたまま寝ちゃった・・・

「あ、起きたの?」

「里香・・・うん、メンテがあるからログアウトして・・・そしたらうっかり感覚が戻った後も寝ちゃった」


「あはは。・・・朝ごはん何がいいー?」

「軽いのでいいよー」

「了解ー」

里香がそう言って部屋から出ていこうとした時・・・チラリと・・・袖から白い何かが見えた。

「・・・里香!」

わたしは痛む足を無視して立ち上がり、里香に近寄る。

「へ?・・・ちょ、無理に動い・・・!?」

里香の肩を掴んでから、腕を持って袖を捲り上げた。・・・そこには白い包帯が巻かれていた。


「・・・どうしたの」

「・・・何でもないわよ。ちょっと転んだ・・・「嘘でしょ」・・・っ」

「そんなありがちな言い訳で騙せるわけないわよ」

すると里香はわたしの腕を振り払う。

「なんでもないってば!早貴には関係ないでしょ!?」

だがわたしはそれにカチンと来て、里香の両肩を掴んで壁に押し付けた。

「嘘だよ!絶対わたしに関係があるんでしょ!」

ここまで躍起になるのも、里香の反応からだった。もし最初の時点できょとんとしたり、冗談混じりだったらわたしもスルーした。けど・・・里香はさっきからわたしの目を見てはいなかった。それは隠し事をする子供のようで・・・要するに、分かりやすかった。

「里香!」

わたしが怒鳴ると・・・やがて里香は観念したのか口を開いた。

「・・・昨日、早貴の手当がしやすくなるように薬局にいったのよ。・・・そうしたら途中で変な集団に絡まれて、『あの女の知り合いだな?』って・・・知らんぷりしてたら無理矢理連れてかれそうになった」

「・・・っ!?」

「一応大声で助けを呼んだらアイツら逃げていったけど・・・その時の揉み合いで怪我しちゃって。・・・あ、安心して。早貴のことは話して・・・」

「そんなのどうでもいい!!」

「・・・っ」

「わたし言ったよね!?何かあったら引き渡してって・・・!もしかしたらお姉ちゃんと同じようになっちゃったかもしれないんだよ!?」



「う・・・うるさいわよ!そんなこと言ったら早貴だって同じでしょ!」

「く・・・でも二人捕まるのと一人だけじゃ差が大きいよ!」

「差ぁ!?友達売るかどうかに差なんてないわよ!」


「・・・!」

そこまでヒートアップして・・・わたしは座り込んでしまう。

「早貴・・・?」

「・・・なの・・・」

「え・・・」

「もう・・・ヤなの・・・わたしの近くで誰かがいなくなるの・・・ヤなのぉ・・・!」

涙が溢れる。本当に・・・わたしは泣き虫だ。

「・・・」

里香がしゃがみ、ハンカチでわたしの目元を拭った。

「・・・ごめん。そこまで思い詰めてるなんて思わなかった・・・」

「・・・ひぐっ・・・うっ・・・」

「ほら、泣くんじゃないの。・・・今度から気をつけるわ」

「・・・(コクッ)」

頷くと里香が肩を貸してベッドに座らせてくれた。

「・・・わたしもごめんね・・・なんか怒鳴っちゃって・・・」

「んー?そんなの気にしないわよ。とりあえずもう少し仮眠取りなさいよ。ご飯作ったら持ってきて起こしてあげるから」

「・・・うん」

里香が部屋から出た時、わたしはそのまま身をベッドに投げ出す。

「・・・はぁ・・・」

お姉ちゃん・・・待ってて・・・




















































































亮~

「まったく・・・」

しばらく直葉は機嫌を損ねていたが、後で和人がスイーツを奢ると約束したらあっさり機嫌が直った。今は三兄妹で朝食を作っている。

「お兄ちゃん、今日はどうするの?」

「うーん、昼過ぎからちょっと約束があるんだけど・・・午前中は病院に行ってこようかと思ってる」

「そう・・・」


和人を見るとその目には焦りが見えた。・・・待ち遠しいのだろう。もちろん俺もだが・・・野菜を切り、ボウルでドレッシングと共に混ぜ合わせてると、直葉が言った。

「ねえ、お兄ちゃん。あたしも、一緒に病院に行っていい・・・?」

「え・・・」

「・・・」

和人が戸惑う。一応直葉にはアスナのこととかは話してあったが・・・それ以上は直葉が知りたがらなかったから俺達のプレイヤーネームも何も教えてなかった。


「ああ・・・いいよ。きっとアスナも喜ぶよ。・・・亮はどうする?」


「・・・ごめん、パス。・・・辛いから・・・さ」


「・・・そうか」

寝たきりで返事もしない・・・なんてサチを思い出してしまう。・・・正直に言えば、怖かった。普通に話していた人が・・・物言わぬ人形となってしまう・・・

「(俺も・・・だからな)」

俺が“壊れた”とき・・・呉の皆も俺と同じ気持ちを味わったのかな・・・

「はぁ・・・」

本当に弱い人間だ、俺は。

「・・・学校はどうなるの?」

ふと気づくと直葉が和人と話していた。

「ええとな・・・」

これは俺も説明を聞いた。都立校の廃校を利用してSAOから生還した中高生向けの臨時学校を作るそうだ。入試なし、卒業後の大学受験資格もくれるそうだ。


「ただ、上手すぎる話には裏がある」

「うん・・・なんか変だね」

直葉も気づいたようだ。多分、お偉いさんの考えは二年のサバイバルが精神にどのような影響を与えたか・・・何かあるかもしれない以上、一ヶ所に集めた方が対応しやすいのだろう。モルモット的なアレだろうか。

「ま、行くなら行ってきなよ。俺は留守番してるからさ」

・・・てなわけだ。部屋に戻ると、携帯が震えていた。

「?」

見慣れない番号だ・・・

「はい、もしもし?」

『お、もしもし。亮か?』

この声・・・

「咲か?」

『正解。よく考えたらお前に俺の携帯端末の番号教えてなかったし・・・』

「よく分かったな?」

『そこら辺はシークレットで』

「んで?かけてきたのは何でだ?」

『ん・・・ああ。ちょっとな。ネットで調べたんだけど・・・鈴の音、確定らしい』

「・・・!」

やっぱり・・・思春がALOに・・・


『色んなサイトを巡っても同じ情報がある。・・・ただ』


「?」

『いや・・・何でもない』

「そうか・・・ま、ありがとな。知らせてくれて」

『どういたしまして。・・・まぁ、それは建前で、実際はお前に番号知らせるのが目的だけどな』

「連絡は取れた方がいいしな・・・あれ?そういや、お前何処から・・・」

『あ、悪い。ちょっと・・・また後でな』

「あ、おい(ブツッ)・・・なんだよ・・・と、また着信・・・綾野さんか」

そんな感じで約束の時間になっていった・・・
























































































「・・・」

メンテが終わったALOにダイブし、目を開く。すると・・・

「・・・キリト君・・・」

・・・ちょっと唖然とした。何故ならリーファが泣きながら頭をキリトに預けていたから。

「あ、コウハ・・・」

「・・・あー、悪い。間が悪かった?」

するとリーファは目を拭い、こっちを見る。

「うう、ん・・・何でも、ないの・・・」


「・・・何か辛いことでもあったの?」

「・・・」

リーファは小さく頷いた。・・・と、その時、咲がやって来た。

「・・・どういう状況なの?これは・・・」

説明をして・・・終わる頃にはリーファも泣き止んでいた。

「・・・もう大丈夫。ありがとう、キリト君。優しいね、キミ」


「その反対のことは随分言われたけどな・・・」

さてさて、亞莎達も起こしてから俺達は世界樹に向かっていく。街中は全ての種族が仲良さそうにしている。





「しかし広いな、っと」

「早く世界樹に行こうよ」

咲がみんなを急かす。・・・まぁ、そりゃそうか。
・・・ちなみに、さっきリーファが泣いてた理由はリアルで失恋したからだそうだ。それをキリトが慰めた所に俺と咲が来たようだ。・・・並のドラマなら失恋直後の女性は落ちやすいそうなので、惚れられるなよ?と咲がキリトをどついていた。そんなこんなで世界樹の根本付近に着いた時・・・ユイが空を見上げた。

「お、おい・・・どうしたんだ?」


「ママ・・・ママがいます」

「な・・・」

「え・・・」

咲とキリトの表情が強張る。

「本当か!?」

「何処に・・・何処にいるの!?」

「間違いありません!座標は・・・まっすぐこの上空です!」

それを聞いた二人の表情は形容しがたいものになり、次の瞬間・・・

バン!!

・・・二人の姿は地上から消えていた。

「お、おい、二人とも!!」

「ま、まってよキリト君!!」


俺とリーファは慌てて二人を追いかける。・・・って速いな!?


「なんだあのスピード・・・!」

「気をつけて、二人とも!!すぐに障壁があるよ!!」


その忠告はあまり意味がないものだと解った。凄まじい衝撃音が響き、二人が跳ね返される。だがすぐに意識を戻し、また突撃。その時には俺とリーファも追いつき、二人を止める。

「やめて、キリト君!!無理だよ、そこから上にはいけないんだよ!!」

さっき聞いたのだが・・・肩車作戦の話を聞いたGMが対策でこの見えない壁を用意したとか・・・

「落ち着けよ、咲!お前らしくもない・・・!」

『咲さん!やめて下さいッス!』

「放してよ、コウハ!」

「行かなきゃ・・・行かなきゃいけないんだ!」

その時、ユイが飛び出した。だがナビピクシーのユイでも障壁は拒んだ。だがユイは諦めなかった。

「警告モード音声なら届くかもしれません・・・!ママ!!わたしです!!ママー!!」

ユイが叫ぶその間にも、キリトと咲は剣を引き抜きそうになるが・・・しばらくした時、何かが見えた。


「・・・?」

それをキリトが掴む。それは・・・

「カード・・・?」

アイテム・・・?にしては木から振ってくるカードって・・・するとユイがカードに触れ・・・

「これ・・・これは、システム管理用のアクセス・コードです!!」


「・・・じゃあ、これがあればGM権限が行使できるのか?」

「いえ・・・ゲーム内からシステムにアクセスするには、対応するコンソールが必要です。わたしでもシステムメニューは呼び出せないんです・・・」

ユイが呼び掛けて・・・きっとアスナが気づいたんだ・・・それでカードを・・・

「きっとママがわたし達に気付いて落としたんだと思います」

「・・・」


世界樹を見上げた・・・その時だった。

チリィ・・・ン・・・


「・・・!」

「こ、コウハさん・・・!」

「ああ・・・聞こえた・・・」

何度も耳にした・・・鈴の、音。

「いるのか・・・思春・・・!!」

俺も焦りで正気じゃなくなりそうだったが・・・ふとしたことでそれはなかった。何故なら・・・俺より冷静さを欠いた奴がいたからだ。


「リパル、中へ進む道は?」

『そ、それは根本のドームみたいなとこッスけど・・・』

「わかった。キリト、行こう」

「ああ」

「お、おい!」

俺は止めようとするが・・・

「もう限界なんだ・・・お姉ちゃんがどんな目にあっているか想像しただけで・・・ごめん、コウハ」

そして咲とキリトは再び猛スピードで飛んでいった。

「・・・リーファ、二人だけでいけると思う?」

「む・・・無理だよ。ガーディアンがいて、どんな大軍団でも突破したことないんだよ・・・」

「・・・絶対無理・・・か。どうする?今から追いかけても俺達は巻き込まれるだけだけど・・・」

「・・・行くよ。キリト君を見殺しに・・・できないから」

「・・・わかった。じゃあ急ごう」

「・・・うん!」































































早貴~

「・・・」

目の前には世界樹の内部へと続く道があった。

「咲・・・本当に行く気なの?」

詠の言葉に頷く。

「・・・そう、そうよね・・・家族の為に戦うのがボクたちだったわね・・・」

「へぇ、詠がそんなこと言うなんてな」

「正直かなり恥ずかしいわよ。けど・・・悪くは、ないわ」

「はは・・・じゃ、隠れてて。・・・リパル、いい?」

『何時でも』

「・・・何時もありがとう」

俺はキリトを見る。

「キリト・・・」

「ああ、分かってる」

「パパ、お姉ちゃん・・・がんばって」

ユイの頭をキリトが撫で、キリトは剣を抜き放った。クエストに挑戦する為に軽いメッセージを見て、進む。中へとても広い円形のドーム上。遥か上には扉が見えた。あれが・・・ゴール。

「・・・行けッ!!」

キリトが叫び、飛ぶ。俺も続くように真上に向かって飛んだ。
しばらく飛べば無数に張り巡らされた光の窓から白銀の鎧を纏った騎士が現れた。

「あれが・・・邪魔だぁぁぁぁぁ!!」

『か、数が多すぎるッス・・・』

「分かってる!!リパルは最短ルートを頼む!!」

『・・・っ!・・・了解!』


無茶なのは分かってる。でも・・・もう俺を維持できない程にわたしは焦っていた。

「・・・わぁぁぁぁぁ!!」

直線軌道でAIを混乱させ、死角から剣で切り裂く。空中戦なら・・・負けない!!

「うああああ!!」

絶叫。キリトを見る余裕なんてない。ただひたすら、飛び、斬り、突き、蹴り・・・どんどん凪ぎ払う。



「負けない・・・わたしはぁ!」

次々迫る騎士を目についたものから剣を振るう。・・・横からも斬撃の音。・・・キリトもまだ無事なようだ。・・・その時だった。

『!?・・・更に反応増大!十・・・百・・・それ以上ッス!』

「・・・!?」

リパルの言葉通り、すぐに大量の騎士が生み出される。

「・・・っ!」

今なら退けるかもしれない。けど・・・わたしは逃げない・・・二度と!


「わぁぁぁぁ!」

「うぉぉぉぉ!」

こちらが硬直しないように的確に回避し、一撃で仕留める。だが・・・遂に、というべきか・・・仕留めきれず、剣を弾かれた。ダークリパルサーを離しはしなかったが・・・多くの騎士がわたしに狙いを定めた。不味い・・・!



「しょうが・・・ないわね!」

詠がわたしのポケットから飛び出し・・・その身を光が包んだ。

「はあぁぁぁ!!」

光が消えると詠は人の姿になり、仕留めそこなった騎士を剣で両断する。

「ふっ・・・!」

そして騎士が消滅する前にその体を蹴り、勢いを付けてわたしの背後にいた騎士を切り裂く。そして体を蹴って・・・を繰り返す。・・・そうだ、詠には翅がない。だから“跳ぶ”ことはできても“飛ぶ”ことは出来ない。

「さっさと行きなさい!!」

「・・・ごめん!」

「謝罪なんかほしくない・・・わ・・・」

ザシュ

「ーーーー!」

背後から聞こえたさっきの鎧を砕く音とは違う音・・・わたしは振り返ることが出来なかった。

「ったく・・・串刺しに縁あるわね・・・ボクは・・・」

それを最後に、背後からの音は消える。

『・・・咲さん・・・』

「・・・わぁぁぁぁぁぁぁ!!」

全てを振り払うように叫び、また突き進む。守らなきゃいけない・・・わたしの大切な人を・・・

「・・・!」

・・・だけど、それは俺の守りたいものを・・・詠を犠牲にしてまで・・・わたしは・・・わたしは・・・!


『咲さん!回避を・・・!』

「え・・・」

ドスッ!

「・・・!」

光の矢が・・・刺さっていた。けど怯む程じゃない。愛依の記憶にあった光の矢はもっと大きく・・・もっと殺意があった・・・!

「っ・・・ぁぁぁああああ!!」



翅を震わせ・・・もっと高く・・・高く!・・・見上げればあと少しというところにゴールはあった。もしかしたら距離感が狂っているかもしれない・・・けど・・・届く距離に確実にアレはある。

「・・・っ!」


大量の矢が降り注ぐ。弾き、かわすがもう何発かは当たろうが気にしない。

『咲さんッ!!』

リパルの声が響いた瞬間・・・何かに身を貫かれた。

「あ・・・れ・・・?」

振り替えればそこには剣を投げたであろう騎士の姿・・・その兜はまるで笑っているかのような・・・

ドスッ、ガスッ

「ーーーーー」

動きが止まり、四方八方から剣が放たれる。・・・HPを確認するまでもなかった。わたしの体は水色の炎に包まれ・・・目の前には《You are dead》の文字。・・・死んだんだ。わたしは・・・

(お姉・・・ちゃん・・・)

体の感覚はなく、既にわたしは消えるのを待つだけになった。少し上には灰色の炎・・・キリトもやられたようだ。

(無理なんだ・・・わたしなんかじゃ・・・)

騎士達はそのまま退こうとするが・・・動きが止まった。

(・・・?)

下を見ると・・・二つの影が凄まじいスピードで飛んできた。近づくにつれ・・・それは・・・

「咲!」

「キリト君!!」

亮と・・・リーファだ。亮はわたしのリメインライトを掴み、叫ぶ。

「リーファ!撤退!」

「うん!」

そのまま二人は何発も被弾しながらギリギリ逃げ切り、殆ど転がるように着地した。そしてリーファが何かのアイテムを使うと・・・再び体に感覚が蘇った・・・









































亮~

「ふぅ・・・間に合ってよかったよ」

俺はため息を吐きながら自分も回復させる。

「詠さん、平気ですか?」

「ええ・・・最っ高の気分よ・・・」

人の姿に戻った亞莎が詠に肩を貸していた。詠は入口付近で倒れており、亞莎に任せたのだ。

「・・・ええっと、亞莎ちゃんに詠ちゃん・・・なんだよね?」

リーファが怪訝そうに聞く。

「そうよ。それ以外の何かに見える?」

「見えてると思いますよ・・・」

その時、キリトが立ち上がった。

「ありがとう、リーファ。でも、あんな無茶はしないでくれ。これ以上迷惑はかくたくない」

「迷惑なんて・・・あたし・・・」


キリトはすぐにまた内部に進もうとする。

「おい、兄貴・・・!」

「き、キリト君!!まって・・・無理だよ!」

「そうかもしれない・・・でも、行かなきゃ・・・」

そう言ったキリトにリーファは・・・抱きついた。

「もう・・・もう止めて・・・いつものキリト君に戻ってよ・・・あたし・・・あたし、キリト君のこと・・・」

・・・その言葉・・・リーファはもしかしてキリトのことを・・・

「リーファ・・・ごめん・・・あそこに行かないと、何も終わらないし、何も始まらないんだ。会わなきゃいけないんだ、もう一度・・・」

キリトは息を一度吸ってから続ける。

「もう一度・・・アスナに・・・」

その時だった。リーファが目を見開き、後退った。

「・・・いま・・・いま、何て・・・言ったの・・・」

キリトはリーファを見て言う。

「ああ・・・アスナ、俺の捜している人の名前だよ」

「でも・・・だって、その人は・・・」

リーファが震えながら・・・口にした。

「・・・お兄ちゃん・・・なの・・・?」

「え・・・?」

「・・・?」

そしてハッとした表情でリーファは俺を見る。

「じゃあ、じゃあ・・・亮お兄ちゃん・・・?」

「ーーーー!」

それで察した。その呼び方をする奴なんて・・・この世界には一人しかいないから。

「スグ・・・」

「直葉・・・なのか・・・?」

リーファがそれを聞いて更に後退る。

「・・・酷いよ・・・あんまりだよ、こんなの・・・」

そう言ってリーファは・・・直葉はウィンドウを操作し・・・ログアウトした。

「お、おい、スグ!?」

キリトが慌てて追いかけるようにログアウトする。俺もウィンドウを操作する。

「亞莎、咲、詠。悪い、少しログアウトする!」

「は、はい」

「・・・」

座ったままの咲を横目に俺はログアウトボタンを押した・・・・・・










 
 

 
後書き

「更新遅いなぁ・・・」

早貴
「1ヶ月は経ってるぞ・・・絶対失踪したと思われてるよ」


「さて、と・・・ALOもあと少しかな・・・それじゃ、次回もよろしく!」 
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