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真似と開閉と世界旅行

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合流~

 
前書き
連休でもないのに風邪惹くとか・・・だれだ、バカは風邪ひかないなんて言ったの(笑)ではどうぞ。 

 
アスナ~

・・・わたしは今、狭い檻に閉じ込められている。現在の状況を簡単に説明すればそういう表現が一番だと思う。

「キリトくん・・・早貴・・・」

ただ、長い間ここに閉じ込められていて、分かったこともある。わたしを閉じ込めているのは妖精王オベイロン・・・須郷伸之だということ。彼の目的はフルダイブシステムによる人の精神操作。

「・・・」


今、リアルではわたしを含め一部のプレイヤーが目を覚まさないらしい。それも須郷が実験のためにその精神を閉じ込めた。わたし以外の人たちがどうなっているか・・・想像するのも恐怖を覚える。


「(・・・更に)」

須郷は結城家の養子となり、レクトを乗っ取る気だ。だけど・・・悪いことばかりじゃない。須郷はわたしの心を折るつもりだったのだろうが・・・結果的にキリトくんや早貴たちは無事に現実に帰れているのがわかった。・・・そして、また今日も・・・

「やぁ、ティターニア」

「・・・」

無言で須郷を睨む。だが、須郷は上機嫌だ。

「・・・随分と機嫌がいいのね」


「ん?ああ、紹介しようか。こっちに来たまえ」

そう言った須郷の背後から一人の少女が現れた。

「・・・お初にお目にかかります、ティターニア様」

「・・・?」

「彼女の名前は・・・そう、ロビン・グッドフェローと言うべきかな・・・」

「NPCか何かなの?また・・・」

「くっくっく・・・」

「?何が可笑しいの?」

「彼女は人間だよ、れっきとしたね」

「・・・まさか・・・!」

「そう。僕の実験の記念すべき第一号だ。ご覧の通り、実験は成功。彼女は僕に忠実な部下となったんだよ」

「そんな・・・酷い・・・」

見れば少女の目に力はなく、表情も無表情のままだ。

「さてと、残念ながら今日はこれから用事があるのでね。今回は彼女の紹介に来たという訳だ。それじゃあ」


少女・・・ロビンは頭を下げて振り返る。・・・見ると腰に曲刀がある。

「(あれ?どこかで・・・)」

チリン、と曲刀に巻き付けられた鈴が鳴って・・・

「(あ・・・!)」

コウハ・・・亮くんから聞いたことがある。自分と似ている武器を使ってて・・・そうだ、聞いていた特徴と一致している部分も・・・

「待って!」

ロビンがこちらを見る。

「あなた、コウハ・・・ううん、亮って名前に聞き覚えある!?」


「コウハ?・・・亮?・・・・・・っ、うぅ・・・!!」

ロビンが頭を抱えてうずくまってしまう。

「・・・どうやら調整が甘かったようだな。ほら、こっちに来い」

「待って!待ちなさい!・・・須郷!」

だが須郷はロビンを引っ張っていってしまう。・・・そんな・・・まさか亮くんが探していていた人まで・・・・・・このままじゃわたしも・・・





































亮~


「てぇぇりゃぁあああ!!」

勢いよく突っ込んでモンスターを切り裂く。

「(やばい、空中戦楽しい)」

さっきから俺とキリトがズバズバ倒していく。リーファはキリトや俺が漏らした相手を魔法で止めを刺している。・・・ただまぁ、やたらキリトが被弾しまくるので色々メンドイが。

「兄貴・・・少しは避けなよ。リーファが大変だろ?」

「確かに・・・普通はコウハくんみたいに避けることを意識しながらヒットアンドアウェイを繰り返すんだけど・・・」

「兄貴のはヒットアンドヒットだよなぁ・・・」

「その分早く片付いていいじゃないか」

「あのなぁ、さっきから弱体化系や毒とかの状態異常くらいまくってるだろ?もしこれが攻撃魔法だったら・・・」

「狙い撃ちの全弾命中でもれなくワンキルだね」

「・・・魔法ってのは回避できないのか?」



リーファの説明では種類があり、威力重視の直線軌道の奴は避けられるが、ホーミングや範囲魔法は無理だそうだ。しかし・・・

「リーファって何か武術やってる?」

「え?なんで?」

「いや、さっき少しだけ剣を使っただろ?そん時・・・太刀筋が綺麗だったんだよね」

「へぇ、コウハくんってそういうのがわかるの?」

「あはは、まぁ色々とね」

今までに数えきれないくらい剣を交えてきた。太刀筋を見ればある程度実力がわかる。


「一応剣道やってるんだよ。こうみえても中々強いんだから」

「そうなんだ。そりゃ太刀筋が綺麗な訳だ」


そんな雑談を交わしながら、休憩をするために着陸する。


「ふふ、疲れた?」

「いや、まだまだ!」

「右に同じく」

「お、頑張るわね。・・・と言いたいとこだけど、空の旅はしばらくお預けよ」

「ありゃ、なんで?」

「見えるでしょう、あの山」

「・・・もしかして、あれより高く飛べないのか?」

「正解。山越えには洞窟を抜けないといけないの。・・・それで大分長いらしいんだけど・・・二人とも、今日はまだ時間だいじょぶ?」

キリトがウィンドウを出したので俺も覗き込む。

「リアルだと夜七時か。俺は当分平気だよ」

「こっちもね。ガンガンいけるよ」


「そう、じゃあここで一回ローテアウトしよっか」

「ろ、ろーて?」

「・・・それ、なに?」

「ああ、交代でログアウト休憩することだよ。中立地帯だから、即落ちできないの。だからかわりばんこに落ちて、残った人が空っぽのアバターを守るのよ」


「なるほど、了解。リーファからどうぞ」

「じゃあ、お言葉に甘えて。二十分ほどよろしく!」

リーファがメニューを操作すると、目を閉じて方膝をついた。

「・・・ふぅ、久々のダイブは変な感じだよね」

「そうだな。・・・けど、俺にとっては“戻ってきた”って感じもするな」

「・・・そうかもね。もしSAOがなかったらクラインやシリカ達に会えなかったし、兄貴だってアスナやユイと出会わなかった」

「私も亮さんに会えなかったかもしれませんし」

「・・・わたしはパパやみんなに会えてよかったです」

「・・・なんか、色々むず痒い話に為りそうだな・・・なあ、亮。お前、魔法のスキル上げってやってる?」

「え、うん。・・・と言っても初期の奴と何となく目に入った奴だけだけど・・・和人は?」

「俺は初期魔法だけ・・・ケットシーってどんなのがあるんだ」

「えーと、足早くしたり爪生やしたり・・・ああ、今ならスライム相当ならテイムできるね」

「スライム相当って・・・いらないんじゃないか?」

「いやぁ、最近のスライムって侮れないよ?大分昔にスライムが主人公張ったりしたからね」

「ああ・・・」

そんなどうでもいい会話を繰り返して時間を潰す。

「・・・じゃあ亮もログアウトしろよ。そろそろリーファも帰ってくるだろうし」

「あ、そう?じゃあ悪いね。お先!」

俺はウィンドウを操作してログアウトする。

「・・・ふぅ」

ナーヴギアを外し、首を回す。


「(やることは汗を流すのと何か腹に入れること・・・っと)」

俺は服を引っ張りだし、下に降りる。

「あれ?ベーグルサンド・・・」

誰かが食べた食器・・・直葉かな?

ガチャ

「ん・・・なっ!?」

「へ・・・!?」

俺は驚いた。いやだって、いきなり直葉が風呂場から出てきたんだもん。・・・・・・タオル一枚で。

「りょ、亮お兄ちゃん・・・」

「や・・・やぁ・・・」

「・・・き」

「(・・・あ、終わった)」


「きゃあああああ!!」

バチーーーン!!























・・・・・・


「・・・ごめん、亮お兄ちゃん・・・」

「まぁ、うん・・・気にしないでよ」

俺は着替えてきた直葉と椅子に座っている。・・・頬が痛い。ちなみに往復されてます。


「一応、声をかけたんだけど・・・寝てると思ったから・・・」

「いや、気にしないでよ。・・・まぁ、兄妹とはいえ・・・風呂上がり見ちゃったわけだし・・・手も出るって」

「・・・」

「・・・」

「(き・・・気まずい・・・!!)」

やばい、久々だぞこの空気・・・

「あ・・・あはは、にしてもごめんな。晩飯作らなかった上に直葉に作ってもらっちゃって・・・」

「あ・・・ううん・・・あんまり大した物じゃないし・・・」

「そ、そっか・・・うん・・・」

「・・・」

「・・・」

「(・・・だぁぁぁぁぁぁ、もぉぉぉ!!)」


「・・・ねぇ、亮お兄ちゃん」


「な、なに?」

「・・・・・・あたしのこと、恨んでる?」

「・・・え?」

「・・・だって、だってあたしのせいで亮お兄ちゃんは目を・・・剣道を・・・」

「・・・」

「お兄ちゃん達が目を覚ました時・・・少し怖かった。二年間ずっと・・・一人で考えてたから・・・亮お兄ちゃんがあたしのこと・・・恨んでるんじゃないかって・・・」

・・・そっか。今こうやって俺を叩いて落ち込んでるのも、勝負した時に動きが止まったのも・・・俺にそう思われてるって思ってたのか・・・


「・・・恨んでる」

「・・・!!」

「・・・なんて言う訳ないだろ。第一、なんで直葉を恨む必要があるんだよ」

「だって・・・!あたしのせいで亮お兄ちゃんは剣道を止めちゃって・・・っ!?」

俺は直葉の頭に手を置く。

「だから、んなことぐらいじゃ恨む程じゃない。あんなのただの事故だ。俺の運が悪かっただけなんだからな」

「・・・そんな、簡単に割り切れないよ・・・」

「・・・俺としてはお前に恨まれてるんじゃないかって思ったけどね(ボソッ)」


「え・・・?」

「何でもないよ。・・・とにかく、この話しは終わり。今が良ければそれでいいんだしさ」

「・・・うん」

直葉が立ち上がる。

「じゃあ・・・お休み」

「ん。・・・また明日な」

一人になって静まり帰ったキッチンで直葉が作ってくれたベーグルサンドを食べる。

「(・・・俺が恨んでる・・・か)」

・・・まさか、直葉にそう思われてたなんてな・・・

「はぁ・・・ヒューとアス兄より厄介だよ・・・」

食べ終わり、食器を片付けてシャワーを浴びて二階に上がった時・・・和人が部屋から出てきた。

「あ、リーファ帰ってきたの?」

「ああ、さっきな。亮は戻るのか?」

「うん。あ、直葉がベーグルサンド作ってくれてたよ」

「わかった。じゃあ後でな」


部屋に入り、ナーヴギアを被る。そして・・・


「・・・」

「コウハくん、お帰り」

「ああ、ただいま・・・何か話してたのか?」


「はい、お兄ちゃん。わたしとパパについてです」

「それと、“好き”という言葉についても・・・」

「わーーーー!!」

リーファが顔を赤くする。

「・・・あー、ガールズトークの邪魔しちゃったか?」

「ううん、むしろ助かったかも・・・この子達ホントにプライベート・ピクシーなのかな・・・」

「あはは・・・」


なんて時、キリトが立ち上がる。

「早いな、キリト」

「そうだね、ごはんとか大丈夫なの?」

「うん、家族が作り置きしといてくれたから」

「・・・?」

俺は何となく違和感を感じて背後を振り返る。

「コウハさん?どうかしましたか?」

「いや・・・亞莎、近くに誰かいる?」

「・・・・・・いえ、プレイヤー反応は私たち三人だけです」

「そうか・・・亞莎は何か感じないか?」

「・・・すみません、この世界ではモンスターの反応も混ざってしまって・・・」

「・・・わかった」

「・・・コウハも感じたのか?」

「キリトも?・・・ま、気のせいならいいんだけど・・・」

この世界じゃそういった感知はできない筈なんだけど・・・長年の癖かな?

「もしかしたらトレーサーが付いてるのかも・・・」

「そりゃ何だい?」

「追跡魔法よ。大概ちっちゃい使い魔の姿で、術者に対象の位置を教えるの」

「それは便利だね。解除は?」

「こんなフィールドじゃ見つからないだろうし・・・無理かも」

「じゃ、進むしかないか」

そのまま飛び、洞窟に入る。わりと広く、戦う分にも幅の心配はいらないようだ。そこでキリトが聞く。

「・・・この洞窟、名前はあるの?」

「《ルグルー回廊》って言うのよ、確か。ルグルーってのが鉱山年の名前」

「ふうん。・・・そういえば昔の、とあるファンタジー映画にこんな展開が・・・」

「それ、俺とみた奴だよね。・・・ええと」

「・・・あたしも知ってるわよ。でかい悪魔に襲われるんでしょ。あいにくだけどここに悪魔型モンスターは出ませんから」

「そりゃ残念」

そのまま進むと一気に暗くなる。

「うへー・・・咸掛法が使えりゃな・・・」

「もしくは松明ですよね・・・」

するとリーファがキリトに使える魔法を尋ねる。キリトはユイに教わりながら術を唱えると・・・俺達に暗視能力が追加される。

「おお、見やすい」

「わあ、これは便利ね。スプリガンも捨てたもんじゃないわね」


「あ、その言われ方なんか傷つく」

「まぁまぁ、元々戦闘向きじゃない種族選んだの兄貴なんだし、使える魔法があるだけよしとしようよ」

「全然フォローになってないぞ・・・」


そのまま進み、数時間が経過する。モンスター自体はユイや亞莎の警告で強襲はないし、三人がかりならまず手間取らない。ちなみにキリトはずっと魔法を使うのに必要なスペルワードを練習している。俺?・・・まぁ、詠唱なら慣れてるので差し支えはない。・・・その時だった。

「パパ、接近する反応があります」

「モンスターか?」
「いえ・・・プレイヤーです。多いです・・・十二人」

「じゅうに・・・!?」

リーファが絶句する。・・・ということはその人数は普通ではあり得ないのだろう。

「ちょっとヤな予感がするの。隠れてやり過ごそう」

「どこに?身を隠せそうな場所は・・・」

「ま、そこはオマカセよん」


リーファは俺たちを壁際に寄せ、詠唱する。すると緑の空気の渦が巻き起こり、身を包んだ。

「喋るときは最低のボリュームでね。あんまり大きい声出すと魔法が解けちゃうから」

「了解。・・・シルフも便利な魔法があるんだね」

「あと二分ほどで視界に入ります」

俺達は岩肌に身体を押し付ける。

「・・・ん?」

遠くで何か見えた。俺は二人に聞く。

「おい、アレなんだ?」

「え、どれ?」

「・・・?・・・見えた。あの小さいコウモリのことか?」

「!?」

「ああ、アレって・・・ってリーファ!?」

リーファが飛び出し、素早く詠唱を開始する。

「お、おい、どうしたんだよ」

詠唱を完了させ、緑の針を乱射しながらリーファが答える。

「あれは高位魔法のトレーシング・サーチャーよ!!潰さないと!!」

コウモリが串刺しになり、消える。

「街まで走るよ、二人とも!!」


「もしかして、潰したのもバレるのか!?」

「そうよ!きっとこの辺でもう一度サーチャーを使う筈・・・それに、さっきのは火属性の使い魔なの」

「じゃあ、今来てるパーティーは・・・」

「サラマンダーか!」

キリトがそう言って顔をしかめる。俺達は全力で走り出す。


・・・ちなみに、洞窟内・・・というか光がない場所では空を飛ぶことができない。シルフが本来アルンに行く際には俺が選んだ種族・・・ケットシーがテイムした騎乗動物を使うらしいが、遠回りになってしまう為にわざわざこちらのルートを選んでくれたのだ。・・・と、目の前に巨大な地底湖が見えた。


「お、湖だ」

そしてルグルーへと通じる一本橋に入る。

「どうやら逃げ切れそうだな」

「油断して落っこちないでよ。水中に大型のモンスターがいるから」

「うわ、それは怖いな」

短いやり取りを交わしながら走り続ける。・・・その時だ。頭上を光が通過していき、目の前に着弾する。すると巨大な土の壁がせりあがり、行く手を封じられた。

「やばっ・・・」

「な・・・」

「ちっ・・・」

俺とキリトはスピードを緩めずに武器を構え、壁に叩きつける。

「あ・・・だめ!」

ガキャァン!

俺達は弾き返され、尻餅をつく。

「・・・ムダよ」

「もっと早く言ってくれ・・・」

「コウハさん、この壁は物理耐性があって、魔法でなければ破壊できません。しかし・・・」

「そんな余裕はない・・・か」

振り返るともうサラマンダー達は橋のたもとにいた。

「飛ぶのは無理・・・湖に飛び込むのはアリ?」

リーファは首を横に振る。

「ナシ。さっきも言ったけど、ここには水竜がたモンスターが住んでるらしいわ。ウンディーネの援護なしに水中戦するのは自殺行為よ」

「じゃあ戦うしかないわけか」

「それしかない・・・んだけど・・・サラマンダーがこんな高位の土魔法を使えるってことは余程の手練れが混ざってるんだわ・・・」


俺は再び擬音を構える。するとキリトが・・・

「君の腕を信用してないわけじゃないんだけど・・・ここはサポートに回ってくれないか?」

「え?」


「俺の後ろで回復役に徹してほしいんだ。その方が俺も思いきり戦えるし・・・」

リーファは頷く。・・・大剣を使ってる以上、人がいれば邪魔になる。

「コウハも・・・」

「キリト、俺は視界にいれなくていいよ」

ぽかんとした後、キリトはニヤリと笑う。


「・・・避けきれるか?」

それに俺もニヤっとしながら返す。

「余裕だよ」

俺は一気に駆け出す。三人のサラマンダーが前に出る。

「ハァ!」

ランスとぶつかり、すぐに身を翻して蹴りを放つ。

「・・・っ!」

右手で地面を弾き、右のサラマンダーにドロップキックを放つ。そして相手の身体を利用してバック転をする。地面が視界に入ると、黒い影が疾走し・・・唸りをあげながら大剣を横薙ぎに払う。

「(決まったか・・・?)」

だがサラマンダーは慌てず・・・三人とも巨大な盾を構えた。

ガァァ・・・ン!

「「・・・!」」

威力を完全に殺され、サラマンダーのHPは僅かに減るが・・・すぐに背後から回復魔法を使われ、回復する。

「くそ!」

着地してすぐに駆け出す。狙いどこは脇だ・・・そう思い横に向かった時・・・目の前から火の玉が迫ってきた。

「なに・・・!」

この体制で良ければ、手前のサラマンダーに一撃を貰ってしまう・・・俺は武器を前に出し、防ぐ。

ドォォン!!

「うぁぁ!?」

「コウハ!・・・ぐぁ!?」

キリトも飛来してきた火の玉に呑まれ、吹き飛ばされる。

「キリト君!!コウハ君!!」

「くっそ・・・嫌らしい作戦だな・・・」

俺は立ち上がり、頭を振る。

「コウハさん・・・」

「大丈夫、まだやれる」

リーファが回復してくれながら、俺は考える。・・・どうやら完全に対策が立てられているらしい。残念ながらあの鎧では俺の威力は届かない。キリトなら行けるが、それは三人がかりによるガードで弾かれる。・・・残りの九人は全てメイジ。隙あらば炎の雨を放ってくる・・・素晴らしいフォーメーションだ。・・・けど。

「(攻めるしかないよな・・・!)」


再び突っ込む。目の前まで迫り、スライディング。そのまま蹴りあげ、盾を上げるも、すぐにランスが迫る。

「っと!!」

右の葬解で弾き、立ち上がりながら擬音を振るが、既に盾は戻されて防がれる。そこで背後から気配を感じ、伏せる。その頭上を大剣が通るが・・・再び三枚盾に防がれ・・・火の雨。そこからは繰り返しだ。いくらガードを弾こうとしても届かない。むしろこっちの回復が間に合わない。フィードバックによる不快感に支配されかけた時、リーファが叫んだ。

「もういいよ!またスイルベーンから何時間か飛べば済むことじゃない!取られたアイテムだってまた買えばいいよ、もう諦めようよ・・・」

「嫌だ」

その声は・・・SAOの黒の剣士、キリトのものだった。

「俺が生きてる間は、パーティーメンバーを殺させやしない。それだけは絶対嫌だ」

「・・・」

・・・そうだ。俺達が負ければリーファだって・・・それに・・・

「(どんな事だって・・・もう二度と手を離さないって決めたじゃないか・・・!)」

そうと決意すれば・・・身体はいくらでも動く。

「「うおああああ!!」」

俺達は吼え、突進。キリトは盾を左手でこじ開け、剣を隙間に差し込む。俺は擬音を全力で叩きつけようとする。

「く、来るな!」

サラマンダーのランスを弾くが、僅かに体制がぶれる。更にすかさず二発目のランス。

ガキィン!


「っ・・・」

それも弾くが俺も飛ばされ・・・下に足場はなかった。

「しまっ・・・」

「コウハ!!」




俺は咄嗟に亞莎を掴み、投げる。

「コウハさん!?」

そして・・・水中に落下した。


「(くそ・・・!)」


すぐに水面に上がろうとするが・・・見てしまった。巨大なモンスターが迫ってくるのを・・・

「(おいおいマジか・・・!)」

このままじゃパックンされるだろう。・・・呉の民が水の中で死ぬなんて・・・

「(そんなこと・・・あってたまるか!)」

擬音を構える。抵抗するだけ抵抗してやる・・・!こんなとこでやられる訳にはいかないんだよ・・・!


グォォォォ!!

「(・・・来る!)」

その瞬間・・・何かがモンスターを吹き飛ばした。

「・・・!?」

動揺していると不意に何かに腕を引っ張られた。

「・・・!」

それは水中を優雅に泳ぐ・・・人魚のようだった。そして水面から飛び上がる。
「はは・・・」

俺の腕を掴んでいた・・・少女が口を開いた。

「たまには飛ぶじゃなくて泳ぐのもいいな。・・・なぁ、亮・・・いや、コウハ?」

「・・・!?咲・・・なのか・・・!?」

そのままの勢いで咲は橋の上に着地する。

「・・・な・・・コウハ・・・?」

「え、誰・・・?」

今の咲は水色の髪をサイドテールに縛っていて、青い水着のような服にライトブルーのスカート・・・まるで前に会った女版のサキみたいだ。


「初めましてサラマンダーの皆さん。わたしはウンディーネのサキっていいます」

「・・・」

ざわめきが広がる。・・・そりゃそうか。


「・・・ちょっと咲、唐突過ぎるんじゃないの?」

プライベート・ピクシー・・・詠が咲に言う。

「そうか?奇襲は兵法においても重要じゃん?」

『それとこれは違う気がするッス・・・』

俺や咲に聞こえる・・・ダークリパルサーの声。

「さて、と・・・それじゃ」

咲が白黒の剣・・・ダークリパルサーを構える。

「パーティーと行こうか!」

咲が突撃し、剣を一閃。・・・だがさすがと言うべきか、サラマンダーは咄嗟に盾で防いだ。

「あらら、いい反応だね」

『咲さん!詠唱確認!魔法が来るッス!』

「オーケイ!魔法には魔法ってね!」

咲がバク転をして詠唱する。

「危ない!」

リーファが叫ぶ。詠唱が完了し、火の玉が・・・

「・・・舞い上がれ水よ!」

・・・と、当たる前に咲が出した水の壁が火の玉を飲み込んだ。

「更に・・・!」

続けて詠唱。すると水の壁から水の針が打ち出される。

「ぐあああ!」

「すげぇ・・・」

「コウハさん!」

亞莎が飛んでくる。

「亞莎・・・」

「酷いです!いきなり投げるなんて・・・!」

あ、そこを怒って・・・当たり前か。昨日あんなに話したのに・・・

「あはは・・・ごめん、つい反射的に・・・」


「もう、やめてください・・・あんなこと・・・私は生きるのも死ぬのも亮さんと共がいいんです・・・」

「バカだなぁ、本当に死ぬ訳じゃ・・・」

「目の前で消えたら死んだと思ってしまいます・・・そんな気持ちは・・・」

「あ・・・」

その気持ちも知ってるじゃないか。・・・何やってんだ、俺。


「パパ、今です!」

ユイの声が響いた。するとキリトが呪文を詠唱する。そしてそれが完了した時・・・凄まじい姿に身を変化させた。まるでSAOのグリームアイズみたいだ。

「主役の登場か・・・頼んだわよ、キリト」

咲がそう言って俺達の近くまで飛んでくる。

「咲・・・なんだよな?」

「詠とリパルがいんのに、他の誰かだと思うか?」

「・・・だよな。いや、だってよ」

「格好には突っ込むな・・・初期からこんなんなんだよ」



とか会話をしていると、巨大なモンスターになったキリトはもうちぎっては投げちぎっては投げ。実際あれは幻惑魔法らしく、ステータス等は変わらないらしい。しばらくすれば・・・一人を残して全滅していた。

「・・・おー・・・まるでB級映画だな・・・」

「スプラッター過ぎるよ・・・」

さて、リーファがキリトを止めて、キリトは元の姿に戻る。んで、そいつにはキリトが勝って得たアイテムを全部引き渡す代わりに情報を聞く。それは・・・

「ええと、ジータクスさん・・・あ、さっきのメイジ隊のリーダーなんだけどさ、その人から収集がかかって、たった三人を十何人で狩るって・・・イジメかよオイって思ったけど、カゲムネさんをやった相手だっつうからなるほどなって・・・」

「そのカゲムネって・・・」

「俺らが倒したサラマンダーの一人じゃないか?」

「そうそう」

んで、どうやらサラマンダーの上のほうで動きがあるらしい。凄い人数が北に飛んだとか、今は世界樹攻略の資金集めに必死だとか・・・そんな情報を得た。

「さて・・・サキだよな?」

「そうだよ、キリト」

「あ、ええと・・・」

リーファを見てサキが俺らをジト目で見る。

「・・・どっちが建てたの?フラグ」

「違うって!」

俺は否定する。

「・・・ま、キリトは違うか(ボソッ)・・・えっと、わたしはサキ。キリトとコウハの友達なの。よろしくね」

「あ、う、うん・・・あたしはリーファっていうの」

「そっか、リーファっていうんだ」


「てか咲、お前どうやって・・・」

「んー?簡単だぜ。詠とリパルにお前達を探させて全力飛行&疾走したんだよ」

「目が覚めたボク達をいきなりコキ使うとか・・・」

『咲さんらしいッスよ・・・』

「あ!詠お姉ちゃん!」

「あら?ユイじゃない。なんで・・・」

「へ・・・ユイちゃん?・・・あー、ホントだ!」


咲がユイに顔を近づける。

「ユイちゃん!久しぶり、わたしのこと覚えてる?」

「はい!お久し振りです、お姉ちゃん!」

「ユイちゃーん!」


頬と頬をすりすり擦る咲。・・・相変わらずユイが関わると変わるな・・・

「・・・ってサキ。お前がいるってことは・・・」

キリトの言葉に咲が頷く。

「うん、見たよ・・・あの画像を」

「そうか・・・」

「・・・ねぇ、わたしもついていっていい?」

「俺は構わないけど・・・リーファ?」

「あたしも平気だよ。よろしくね、サキ」

「(大分カラフルなパーティーになったなぁ・・・)」

シルフにスプリガン、ケットシーにウンディーネ・・・ここにノームかサラマンダーがいればバランスが良さそうだな・・・なんて考えてる場合じゃないか。

「そういや、さっき大分暴れてたよね、兄貴」

「え・・・?あぁ、結構キレてて頭が真っ白になってたけど」

「うわ、こわっ」

「サラマンダーも食べてたよね?ねぇねぇ、味とかあった?」

「・・・ちょっと焦げかけの焼肉の風味と歯応えが・・・」

「いい、言わないで!」

さっきのスプラッター具合を思い出したのか、リーファはぶんぶん腕を振る。するとキリトはニヤリとしてリーファの腕を掴み・・・

「がおう!!」

唸ってキリトはぱくりとリーファの指をくわえた。

「ギャーーーーーッ!!」

リーファの悲鳴と、なんかさっき聞いたような音とともにキリトが殴られた・・・

 
 

 
後書き
早貴←ウンディーネ 「出番きた!」


「しかし、リパルと詠まで連れてくるなんてな」

早貴
「データを移植したからな。まぁ、バレたらアカバンだろうけど」


「ふーん・・・ちなみにALOの俺らのイメージは以前出た女版の俺達のイメージらしいよ」

早貴
「そうなのか・・・それにしてもカラフルパーティーだなぁ」


「はは・・・それじゃ、次回もよろしく」 
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