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真似と開閉と世界旅行

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姪っ子誕生!?~

 
前書き
うがー!?テストが・・・テストがー・・・!?というわけでテスト期間なので遅れました。・・・明日の数学大丈夫かな・・・ではどうぞ! 

 
キリトとアスナの電撃結婚から数日。二人は下層に存在している森の中に引っ越してのんびり休暇を取っているだろう。あのクラディールの事件をヒースクリフに報告し、一時休暇を受け入れてもらったり・・・咲は血盟騎士団に残り続け、全力で攻略に当たっている(噂ではリズベットとやけ酒を煽っていたとか・・・)俺も何時もと変わらずに適度に攻略やレベル上げに精を出していた・・・そんなある日、亞莎が買い出しに行っている時に、来客があった。

「おっす」

「あれ、どうしたんだよ、咲?」

「一応ボクもいるわよ」

「詠まで・・・」

「あのさ、団長から頼まれて二人の様子を見に行くことになったんだ。だから亮も行こうぜ」

すると詠が小声で呟く。

「(・・・最近咲のペースが激しいから、団長なりの気遣いみたいね)」

「(・・・なるほどね)・・・あー、けど悪い。今亞莎がいないんだ。サチを一人には・・・」

「・・・だったら連れていけばいいんじゃないか?」

「な・・・!?はぁ!?」

いきなり何を言ってるんだ・・・!?

「こんな空気の悪そうな場所じゃなくてさ、自然豊かな場所に連れていけば精神のケアになるんじゃないかと思ってな」

「む・・・」

『それに、ずっと籠りっぱなしなのもそれはそれで駄目じゃないッスか?』

「ま、まあな・・・」


「・・・ああ、サチさんを運ぶ手段なら・・・」

咲がそう言ってメニューを操作して・・・

「じゃじゃーん!リズ特製車イスー!」

「・・・そんなアイテムあるんだ」

でもまあ、ストレッチャーとかあるんだから車イスもあるか・・・

「それにお姉ちゃん達が引っ越した22層はモンスターが出ないから、命に関わることは多分起きない」

「・・・わかった、わーかったよ」

俺はサチの部屋に入り・・・抱き抱える。

「そうだよな・・・たまには外出もしたいよな」

「・・・」

相変わらず何も答えないサチ。俺はサチを車イスに乗せ、歩き出す。・・・そして転移門の前に来たとき・・・亞莎が転移門の影から現れた。

「亞莎!?なんでここに・・・」


「えっと・・・咲さん、上手くいったんですね」


「ああ、まあな」

「え・・・まさか亞莎!」

「う・・・す、すみません。咲さんが様子を見に行くよう言われたのは本当ですが・・・その、自然に囲まれるのもサチさんにいいかと・・・勝手なことしてすみません・・・」

「あ・・・いや、亞莎を責めている訳じゃないよ。・・・うん、確かに亞莎に言う通りだよ」

「亮さん・・・」

「ほら、軍師がおどおどしてんじゃないわよ」

「は、はい!」


・・・気を取り直し、五人で22層に向かう。

「・・・こんな層があったのか・・・」

「ここはレベル上げに向かないからな。亮、お前も気付かずに飛ばしたんじゃないか?」


「まあ・・・あの頃はかなり差がついてたし・・・」

層を飛ばし飛ばしなんてよくやったからなあ・・・


「辺りが森や湖ばかりですね・・・」

「この世界だと平和なのは良いことよ。・・・むしろ違和感を感じそうね」

「ところで咲、二人の場所は?」

「ああ、聞いてるよ。えっと・・・こっちだな」

森の中をどんどん進んでいく。

「・・・たまにここが仮想世界か疑うよね」

「・・・まあ、ボク達は幻想郷とかもっと非現実的なとこも見てるし・・・」

「ま・・・まあそうですね・・・」


「あはは・・・サチ、どう?」

「・・・」

「・・・やっぱりすぐには変わらないよね・・・」

「・・・ほれ!」

咲が頭を叩いてくる。

「キリトやお姉ちゃんに会った時に、そんな顔してたら心配されるぜ。・・・サチさんを見たらキリトも色々思い出すだろうし、お前がフォローしてやれよ」

「あ・・・ああ・・・ところで咲?」

「ん?」

「・・・めっちゃ女の子っぽい服着てるのな」

「ほっとけ!制服でふらふら下層を歩けるか!」

「前の黒い服は?」

「・・・お姉ちゃんが男のフリはもう必要ないって・・・禁止された」

「うわ・・・」

「わたしは嬉しいけど俺は複雑だよ・・・」

そんな話をしていたら、一つの家が目に入った。

「ここ?」

「・・・うん、そうだな。・・・行こうぜ」

咲が家のドアをノックする。しばらくすると何かが走る音が聞こえ、ドアが開いた。

「・・・あれ?」

だがそこには誰も・・・

「・・・おねえちゃんたち、だれ?」

・・・下から声が聞こえ、下に視線を向けると・・・女の子がいた。

「・・・あれ?家間違えたかな・・・」

咲が首を傾げたその時、背後から二人の人影が・・・


「ユイちゃん、勝手に出たら危ないよ・・・って」

「アスナ、誰が来たんだ・・・っと?」

「あ、パパ!ママ!」

「・・・・・・へ?」


咲がフリーズ。ちなみに俺も・・・今の言葉を整理していた。パパ?ママ?キリトとアスナが?・・・って。

「「えええぇぇぇぇ!?!?」」


亞莎や詠も唖然とし、俺や咲は驚きの大絶叫を出した。

「おね・・・お姉ちゃんがママ・・・?え、だって・・・あふぅ・・・・・・」

「ちょ、咲!?」

『咲さんっ!?』

咲が倒れそうになり、背後にいた詠が慌てて咲を支える。

「・・・えっ、サチ!?」

「え、えぇぇ!?」

キリトもサチに気づき混乱。アスナも咲とサチを交互に見てあたふたしている。・・・その場を収拾するのには数十分を必要とした・・・







































































・・・さて、気を失った咲を室内に運び、お互いに説明しあう。この黒髪の女の子の名前はユイ。二人がこの層にある森の中で発見したそうだ。・・・だが、記憶喪失だったらしく、“ユイ”という名前だけしか憶えてなかったのだ。そしてキリトやアスナをパパママと呼ぶ理由は、単に“キリト”と“アスナ”と上手く発音出来ず、好きな風に呼んでいいと言ったら・・・こうなったのだ。サチについても説明をして・・・


「・・・そっか。この人が・・・初めまして、サチさん。わたしはキリト君の妻のアスナです」

「・・・」

「・・・亮君、今までずっとこうなの・・・?」


「・・・ああ。何があろうとサチは反応しない」


「そうなんだ・・・でも亞莎さんも毎日お世話してるんだもんね・・・きっといつか・・・」

・・・アスナは亞莎と直接会ったことはなかった筈。色々説明はしたけど・・・

「・・・はっ!」

そこでぐったりしていた咲が飛び起きた。

「お、おおおお、お姉ちゃん!どういうことーー!?まさかキリト、あんたお姉ちゃんに手を出したんじゃ・・・」

「・・・(ふいっ)」


「なんで顔逸らすのよ!・・・はぁぁぁぁ・・・」


咲はその場に座り込む。

「・・・?」

するとユイが咲に近寄り・・・頭を撫でる。

「だいじょうぶ?どこか痛いの、おねえちゃん」

咲はゆっくり顔を上げ・・・目をうるわせて・・・

「ありがとうーーーー!」

ガバッと抱きついた。

「うう・・・こんないい子がいるんだね・・・」


「あー、咲さん?取りあえず説明したいんだけど・・・」

・・・というわけで咲にも説明。


「・・・そうだったんだ」

「おねえちゃんって・・・ママのお友達?」


「あ・・・えっと・・・わたしはお姉ちゃん・・・ユイちゃんのママの妹だよ。サキって言うけど・・・好きなように呼んでいいよ」

「・・・うん!おねえちゃん!」

「・・・かわいいなぁ」

「咲、お前・・・あ、俺は・・・あー、亮だよ。こっちも好きなように呼んでいいよ」

「えっと・・・」

「伯父さん伯父さん(ボソッ)」

「何言ってんだこら」

咲が何かをユイに囁く。


「・・・おじさん?」

「げふぅ!?」

ま、まあ確かに伯父ではあるけど・・・何かなぁ・・・

「ご、ごめんユイちゃん・・・せめて別の呼び方で・・・」

「うーん・・・おにいちゃん?」


「ああ・・・うん。それでいいよ」


「・・・」

「・・・これ、ボク達も名乗った方がいいの?」

「まあ、そうですよね・・・」

「ま、いいわ。ボクは詠よ」

「えい・・・エイおねえちゃん!」

「ふと思ったけどいいやすいよな、詠って真名」

「そ、そう?」

すると亞莎は・・・こう言った。

「私は・・・どうしまょう」

「あ?・・・あー」

確かにアーシェって言いにくいような・・・あ、そうだ。

「この子はアーちゃんって呼んであげな」

「りょ、亮さん!?」

「アーちゃん?」

「え・・・えっと、はい。ユイちゃん」

「良かったな亞莎。一番友達っぽいぞ」

「・・・でも、何だか嬉しいですね。フランといるみたい・・・」

・・・そ、そうなんだ。

『何だか凄いッスね・・・』

「・・・?」

ユイが辺りをキョロキョロと見渡した。

「ユイちゃん?どうしたの?」

アスナが聞くとユイは首を傾げた。

「いま・・・なにか聞こえた」

「・・・え?」

咲が驚く。いや、まさか・・・

『お、オイラの声が聞こえてる訳じゃないッスよね・・・?』


「・・・っす?」

「い、いや・・・聞こえてるみたい・・・」

「な、なんで・・・?」

この子はリパルには触れてない筈・・・どういうことだ・・・?


「・・・」

咲の目付きが変わる。

「リパル、プレイヤーデータの取得だ(ボソッ)」

『(え?で・・・でも)』

「頼む」

『(りょ、了解ッス・・・)』


しばらく沈黙が続き・・・

『(あ、あれ?)』

「どうした?」

『(そ・・・それが、詠さんや亞莎さんと同じデータッス)』

「・・・は?それってプログラム・・・プレイヤーじゃないのか?」

「他に情報は?」

『(・・・駄目ッス。プロテクトが・・・オイラじゃこれ以上はシステムに引っかかるッス)』

「そうか・・・わかった。無理はしなくていい」

『(すみませんッス・・・)』


「気にするな。・・・まさかこの子・・・いやまさかな・・・」

咲がぶつぶつ呟き出す。それを見てアスナが咲を覗き込む。

「サキ、どうしたの?」

「え?あ、な、何でもないよお姉ちゃん」

咲が思考を中断し、素早く性格を切り替える。






「そう?・・・それでね、今から丁度“はじまりの街”に行こうと思ってたの」
「あ・・・もしかして出かけるタイミングでわたし達が来ちゃった」

「むしろ丁度よかったんじゃないか?」

キリトが言うと咲がちらっと見る。

「・・・それじゃ、普段の夫婦仲はどんなのものかしっかり見せてもらおっかな」

「う・・・なんか姑みたいだぞ・・・」

「姑で結構です!お姉ちゃんの夫ならそれなりの人じゃないと!」

「くす・・・」

「ちょ、笑わないでよお姉ちゃん・・・」

「ううん。ただ、嬉しいなって」

「え?」

「この世界に来て良かったこと・・・そのひとつは早貴が明るくなってくれた事だな・・・って」

「お姉ちゃん・・・」

「(咲・・・?)」

一瞬だが、咲が顔を歪めた。

「じゃあ、行こうか。・・・あ、サチは・・・」

キリトが頬を掻く。はじまりの街は“軍”のテリトリー・・・何が起こるかわからない。だからこそキリトは言いよどんだ。

「・・・でしたら私達はここに残ります」

「ま、もうお約束よね」

「・・・悪いね。亞莎、詠」

「構いません。散歩したりしますので」

「大丈夫だと思うけど・・・咲、気をつけて」

「ああ、行ってくる」

アスナがユイに話し掛ける。

「さ、じゃあお出掛けしようね」

「うん。パパ、だっこ」

キリトは照れて苦笑しながらユイを抱き上げる。


「・・・いいなー・・・キリト、次わたしにも抱っこさせてー」

「え?あ、ああ。ユイ、どうだ?」

「うん!もう少ししたらおねえちゃんにだっこしてもらう」

「えへへ・・・ほんとに妹が出来たみたい・・・」



そう咲が笑う。今のは、咲じゃなく早貴の・・・?その時だった。ユイの目線がサチに向いていた。

「・・・暗闇・・・深くて・・・暗い・・・光の差さない・・・」

「・・・!?」

「ん?ユイ、何か言ったか?」

「・・・?」

ユイは首を傾げる。キリトは意識してなかったからよく聞こえなかったようだが・・・

「(今のは・・・どういう・・・)」



なんだか、この一件はただでは終わらない。そんな予感がしていた・・・・・・ 
 

 
後書き
早貴
「ユイちゃんか・・・」


「・・・(みたい)はアリエッタがいるだろ?」

早貴
「俺はね。でもわたしは末っ子だし。いつもお姉ちゃんやお兄ちゃんに頼ってたし・・・」


「・・・ふーん」

早貴
「・・・つか最近作者。作者なのに俺の脳内ボイスが思い付かないらしいし・・・俺のキャラどんどんおかしくなるな」


「あはは・・・それじゃ、次回もよろしく!」 
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