真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
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第2話 山賊狩りという名の戦闘訓練
幼児プレイを嫌という程満喫した劉ヨウです。
幼児プレイがトラウマになっています。
私の黒歴史を記憶から消し去りたい気分です。
現在、私は3歳です。
精神年齢は29歳を超えているので、今年で前世と通算して32歳です。
見た目は子供、精神はおっさんな私は同年代((肉体年齢))の子供と馴染むわけもなく、一人浮いていることが多いこのごろです。
暇つぶしに読み書きを祖父に習いました。
博識な祖父を家庭教師にするなんて贅沢ーーー
などと思っていた時期もありましたが、今では後悔しています。
元が日本人なので漢字には馴染みがあったためか、すんなり読み書きを身につけることができました。
「正宗は天才かもしれん・・・」
驚いた祖父は教育ママならぬ教育ジジとなって、私に日夜スパルタ教育をしています。
お陰で寝不足です。
「お爺々様、勉強が辛いので、休みをください。寝不足なんです」
あるとき、教育ジジにそういったことがありました。
「笑止、お前は非常の器じゃ!正宗、お前ならできる!甘えるでない!」
私の前世は凡人です。
精神年齢がおっさんだから凄く見えるように錯覚しているだけだと思います。
そんなことを言う訳にもいかず、教育ジジの熱い薫陶を受ける毎日です。
「お願いですから、休みをください!」
毎夜、月に向かって叫ぶことが多くなった気がします。
教育ジジの教育の賜物か、私の学力は3歳にして官吏レベルに達しています。
周囲からは神童などと言われています((神童なんて呼ばれなくていいから休みをください))。
姉の劉岱を超えるのではないかと言われ一躍時の人です。
ところで私の体力なのですが、流石といったところです。
既に「黄尸虎」の能力があります。
試しに鉄棒を槍代わりに庭の大岩を「振雷」で突いたら、凄まじい轟音とともにこなごなに粉砕してしまいました。
誰かに見つかると面倒だったので、逃げましたけど・・・。
あの後、賊の襲撃と間違われて大騒ぎになっていたのでドキドキでした。
自分の戦闘能力の高さに気づいた私は、私を不幸にする孫策を倒すための計画を立てています。
現状の私にできるのは孫策を倒すだけの戦闘能力を身につけること。
知識は教育ジジがいるので問題ないです。
戦闘能力を身につけたかったので、父上に武術の稽古をつけてくださいと頼んだら、もう少し大きくなったらなと笑顔でスルーされてしまった。
よくよく考えると劉の家系は文官系だから、武術を学ぶ機会が少ない感じがします。
父親が大守なので武官に出会う機会はあるけど、私が槍を教えてくれというと、遊び相手が欲しいと勘違いする方々が多いです。
姉上は洛陽で文官をしているし、母上にいっても本気で取り合ってくれないです。
私、3歳児ですから。
3歳児が武術を教えてくれといわれてら、私も本気にしないです。
ここで諦める私ではありません。
私のハッピーライフが掛かっているのですから!
山賊狩りをやることにしました。
周囲の大人の話だが、最近、山賊に襲撃される村が増えているらしいです。
罪もない人達を殺し、略奪を繰り返す彼らを野放しにできない。
それは建前です。
彼らには私の戦闘力向上に一役買ってもらうことにしました。
まだ、神様から「双天戟」を貰っていないので、武器庫の槍を一振り拝借して、山賊を襲っています。
初陣は最悪でした。
相手は5人程の小数でしたが、手こずってしまいました。
私は硬気功が無かったら死んでました。
必死で、山賊を全て殺害した後、あまりの気分の悪さに吐いてしまいました。
あの日のことは今でも忘れません。
毎夜、私が殺した山賊達の夢を見ました。
悪夢を見て怖くなって、父上と母上の寝所に潜り込んだことがしばらくありました。
母上は何も言わずに抱きしめてくれたのがすごく嬉しかったです。
そんな初な時代も過去にはありました。
今では、教育ジジのスパルタ教育のストレスを彼らにぶつけています。
襲撃は家族が寝静まったのを見計らった夜間にしています。
山賊も基本夜間に行動するので好都合です。
最近気づいたのですが夜目が効くようになっています。
チートですね私の体は・・・、それとも慣れでしょうか。
現在、私は山賊と交戦中です。
「ぎぁ、ぎゃああぁーーー!た・助けてくれぇーーー!」
「ひぃーーーひぃ逃げろーーー!」
「おっ!お前ら逃げるんじゃねぇーーー!」
戦闘開始から30分経過しましたが、300人程いた山賊は見る影もなく、壊滅に一歩手前です。
「お・・・お前は何もんだ・・・。た、頼む命だけは勘弁してくれ・・・」
山賊の頭らしき男が恐怖に引きつった顔で私を見ています。
私は体全体を覆うように麻袋を頭からかぶって目と口と耳の辺りに穴を開けています。
一見して怪しい人です。
「そう言った人達にお前は何をしてきた」
感情の籠らない声音でいいかえしてやります。
「やりたくてやったんじゃない・・・」
「しかたないで罪もない人達を襲うのか?」
「お前は・・・ただ、欲望の赴くままに生きているだけのウジ虫だ」
私は言い終わる前に山賊の頭の胸を打ち抜きました。
壊れた案山子のように崩れ行く山賊の頭を見た、山賊達は蜘蛛の子を散らすように逃げ出しました。
「頭が、頭がやられたーーー!逃げろーーー!」
「ば、ばぁ、化け物だーーー。こ、殺されるーーー!」
山賊の殲滅をしていましたが、一人なので全ての山賊を殲滅できませんでした。
でも、逃げた山賊は小数でしょう。
殲滅できなかったのが悔やまれます。
粗方の山賊を殲滅した私は、奴らが襲っていた村を訪れました。
「酷いな・・・」
村は酷い有様です。
家は焼け落ち、倒壊している家もあります。
あちこちに怪我人も大勢います。
「い、泉っ!しっかりしてっ!」
倒壊した家の辺りで中年の女性が必死な声を上げていた。
近づいてみると子供が怪我をしているようでした。
私に気づいた女性は私を睨みつけます。
私が山賊と思っているでしょうか?
見た目は怪しいですが、私が山賊な訳ないと思います。
それはさて置いて子供の怪我を治すのが先決です。
「私は山賊を追い払った者です。子供を助けたくはないのですか?」
「私ならその子の怪我を治せますよ」
睨みつけていた女性は私がそのことを告げると、いきなりしがみついてきました。
「ほ、本当ですか?本当に治せるのですか?何でもします。お願いですから娘を泉を助けてください」
「痛いです。わかりましたから離してください。」
私はその女性を振りほどくと彼女の娘の側に駆け寄りました。
女の子の腹には明らかに致命傷な深い傷がありました。
普通なら間違いなく死んでますね。
ですが、私はチートです。
神様から貰った傷を治す能力を使えば、あらこの通り治ってしまいます。
私が女の子の腹の傷に手をかざすと、その手が目映い光を放ち傷が治りました。
この能力は初めて使いましたが、グロいです。
傷が、ビデオ映像の逆再生ように元に戻っていっていました。
凄まじい能力です。
私の隣で様子を伺っていた女の子の母親は驚愕していました。
「うぅ、うう、お・・・おかあさん・・・?」
おや気づいたみたいです。
私は退散するとしますか・・・。
そういえば他にも怪我人がいましたね。
序でに、他の方達も治療しようと思います。
あの女の子だけじゃ不公平ですから。
あれから一時間、やっと怪我人の治療が終わりました。
早く帰らなれば・・・。
教育ジジの授業の前に、少しでも睡眠を取らなければ死にます。
「「お待ちください!」」
家に帰ろうとする私でしたが、村人に制止されてしました。
村人の中から村長らしき人物が前に出てきました。
「見ての通り・・・お礼を差し上げようにも何もございません。」
「せめて命の恩人のあなた様のお名前だけでもお教えくださいませんでしょうか?」
「・・・」
う~ん、面倒です。
私は名前を売るために山賊狩りをしている訳じゃないです。
「私は正義の味方だ」
悩む私を見て村長が訝しんでいたので、咄嗟に言ってしまいました。
自分で言った事ですが、ネーミングセンスがない。
それどろか恥ずかしいじゃないかーーー。
私は一目散に村を離れ、家路を急ぎました。
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