真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
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第3話 母上危機一発 前編
山賊狩りと教育ジジのスパルタ教育を頑張っている劉ヨウです。
とうとうやってきました。
私は一週間後に5歳の誕生日を向かえます。
神様から「黄尸虎」の武器である「双天戟」を貰えます。
誕生日に約束通り持ってきてくれるか不安です。
転生して以来、一度もあっていないので心配です。
最近、私が嵌っていることがあります。
それは「気」です。
硬気功を操れるので、他のことができないかと試行錯誤をしていました。
結果はあんまり芳しくないです。
ただ、「振雷」の威力を上げることには成功しています。
その技は「振雷・零式」と命名しました。
「振雷」を使うときに硬気功につかっている気を槍に伝達させるという荒技です。
威力は凄まじいの一言です。
人里離れた森の中で試したのですが、森の木を直線上に数百メートル先までなぎ倒してしまいました。
問題は普通の槍では、威力に耐えられず槍が壊れてしまうということです。
「 双天戟」なら威力に耐えられるのではと思っています。
当面は、この技を封印しようと思います。
そういえば父上の領内で変な噂が立っています。
夜になると「正義の味方」と名乗る麻袋の怪物が山賊を殺しまくっているという話です。
その上怪物は、山賊に襲われた怪我人を不思議な力で治療するそうです。
領民からは山の神だとかいろいろと憶測が出ているらしいです。
・・・・・・・・・。
それって私ですかね。
ええ、多分そうだと思います。
山賊の間では怪談話になっているそうです。
うーーーん。
話は逸れるのですが、気になる事があります。
母上が変なのです。
私のことを監視しているような気がします。
まさか、私が山賊狩りをしていることに気づいたとか・・・。
ないない、あるはずがない。
私が夜間外出しているのに気づいたとかでしょうか。
それならありうりますね。
でも、確信が持てませんね。
しばらく大人しくして様子を見ることにしますか。
山賊狩りをやっていることがバレたら、止められるのが目に見えてます。
「本当にしょうのない子ね」
私の心配の種は正宗です。
その心配事とは、 正宗が、毎夜、私達が寝静まったのを見計らって、外出していることです。
このことを知ったのは、屋敷の召使いがたまたま見かけたことが切っ掛けでした。
その召使いは正宗のことが心配で、後を追いかけたが見失ってしまい、私にその事を報告にきました。
私は召使いに口止めをして、下がらせました。
明け方には正宗は戻ってきて、いつも通り義父上の授業を受けていました。
毎夜、毎夜、何処で何をしているのかしら・・・。
夫にはこのことは伝えていない。
正宗を叱責するのは簡単だけど、何をやっているのかが気になります。
それに最近、領民の間で広まっているあの噂・・・。
麻袋の怪物が山賊狩りを行っているという話です。
正宗が関わっていないと思うのだけど・・・。
怪物の噂が出始めたのは正宗が3歳の時・・・正宗が関わるにしても無理があります。
しかし、気になることがあるのです。
正宗は小さいころから手の掛からない子だった。
ときどき正宗と話していると、大人と接しているような錯覚を受けることがありました。
そんな正宗が珍しく夫と私の寝所に潜りこんできたのです。
あのときの正宗は何かに怯えている感じだったので、やさしく抱きしめてあげました。
そうしてあげると、正宗も安心するのか落ち着いた寝顔を見せてくれました。
初めて子供らしい一面を見た気がして、母として本当に嬉しかったです。
それからしばらくして正宗はぱったりと寝所に潜り込むことは無くなりました。
あのときは母として少し寂しかったです。
それ以後、正宗は男らしくなったとういうか・・・凛々しくなりました。
暇な時間を見つけては走っていました。
何故走っているのと聞くと正宗は「体を鍛えているのです」と言っていた。
最初は、親の色眼鏡と思ったときもありましたが、周囲の者達が口々にいっているのを聞いて、私の思い過ごしではないと思いました。
怪物が領内に出没するようになった時期と、正宗が変化した時期が一致しています。
偶然なのかもしれないです。
ただの杞憂ならいいのだけど・・・本当に正宗があの怪物と関わりがあるというのなら、母としてそんな危険なことから手を引かせなければいけない。
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