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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝

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第17話 未来を知る者の告白

屋敷を出て洛陽の市街地に入ると麗羽とお供2人に声を掛けられました。

麗羽のお供は猪々子、斗詩です。

「アニキ、そんなに急いで、何処にいくのさ」

一番最初に口を開いたのは、猪々子でした。

猪々子は肉饅頭をこれでもかと詰めた紙袋を左手に抱えながら、肉饅頭を頬張っています。

よくそんなに食って、その体型を維持できるなと若干引いてしまいました。

「あ、ああ、ちょっと森で、武術の稽古をするつもりだよ」

咄嗟に応えました。

「へぇ、じゃあアタイ達も一緒に稽古に参加するよ!最近のアニキは自宅に籠っることが多くて、アタイ達と付き合い悪いしさ。アニキに何も言わないけど、姫だった寂しがって・・・」

「猪々子さん!あなた、何を勝手なこと言っていますのっ!」

麗羽は慌てて、猪々子の言葉を制止しました。

「何言ってんですか、姫。アニキが何かに熱中していて、一緒に居る時間が少ないって、言ってたじゃないですか」

「そ、それは・・・。私はもっと一緒に入れる時間が欲しいと思っただけですわ・・・」

麗羽は少し元気無さげにボソリと話しました。

「姫ー。それを寂しがっているっていうんじゃないか」

「もう、文ちゃん」

最近、鉄砲の開発に熱中し過ぎて、麗羽と一緒に居る時間が減った様な気がします。

・・・・・・。

少し考えた後、麗羽と一緒に鉄砲の試し撃ちに行くことにしました。

本当は、鉄砲を完成した後で、麗羽に見せたいと思っていました。

先程の麗羽と猪々子の会話を聞いて、初めて麗羽の気持ちに気付きました。

麗羽とは、鉄砲の開発が忙しくて、私塾や鍛錬以外の時間ではあまり一緒に入れなかったです。

普段、麗羽は私の前では特にそんな素振りを見せなかったので、彼女の気持ちを少しも気にしませんでした。

冷静に考えると麗羽がそう思うのも自然です。

いくら、鉄砲の開発に忙しかったとはいえ、守りたいと思っている麗羽のことをほったらかしにするというのは問題ありです。

麗羽には自分の気持ちをはっきりと伝えようと思いました。

そう言えば、私は麗羽に告白らしいことをしていないです。

麗羽からは告白を受けましたけど。

私がこれからの未来を知っていることも含めて話そうと思います。

信じてくれないかもしれないですが・・・。

麗羽の気持ちには、誠実に向かい合いたいです。

将来のことを考えれば、麗羽にだけは私の秘密を知っていて貰った方が良いと思いました。

「麗羽、一緒に行かないかい大事な話があるんだ。猪々子と斗詩は今回は遠慮して貰えないかな」

私は意を決すると、麗羽に声を掛けました。

「えっ!正宗様?」

麗羽は私が考え込んでいたのに、突然、話しかけたので驚いたようでした。

「アニキ、流石っ!じゃあ、早速いこうぜ!」

猪々子、お前は話を聞いてたのか?

「もうっ!文ちゃん、何しているのよ!すいません。正宗様」

猪々子が意気揚々と歩を進めようとすると、斗詩が猪々子の片腕を掴み、進むのを止めました。

斗詩は猪々子の耳に口を近づけてボソボソと話していました。

何を話しているのやら・・・。

「あの、正宗様・・・。よろしかったんですの?お忙しかったんじゃ・・・。それに大事な話って・・・」

麗羽は私の横に近づくと、申し訳なさそうな顔で私の顔を見ていました。

「麗羽が気にすることはないよ。それにさ、俺が忙しくしていたのは、自分の為だけど、麗羽の為でもあるから」

「私の為・・・?」

麗羽は意味が分からないのか不思議そうな顔をしています。

「そうだよ。だから・・・」

「アニキ、アタイ達はちょっと急用が出来たんだ。だから、アニキと姫の2人で行って来なよ」

「正宗様、そうしてください。文ちゃんと私は急用が出来ましたので、麗羽様とお二人で行ってらしてきてください」

言葉を続けようとしたら、猪々子と斗詩が私に話しかけてきました。

猪々子は私の顔を見て、何やらニヤニヤしているが、何が話していたのでしょう。

斗詩は物わかりが良くて、助かります。

猪々子にはもう少し、斗詩のような気配りを持って欲しいと思いました。

「わかったよ2人とも。じゃあ、麗羽一緒に行こうか」

私は猪々子の態度に不自然さを感じましたが、麗羽と一緒の森の奥に行くことにしました。





私達はあれから数刻懸けて、森の中を進み、人気の無い見晴らしの良い場所に居ました。

私は100メートル程離れた場所に、鉄砲の的にちょうどいい木を見つけると、木綿袋に入れてある鉄砲を取り出しました。

ズズドォーーーン。

鉄砲を撃つ準備をした私は的の木の枝目掛けて、弾丸を放ち枝を落としました。

銃声は静かな森の静寂を打ち破りました。

周囲に目を向けると銃声に驚いた山鳥が、一斉に飛び立っていました。

麗羽は私の行動を不思議そうに見ていましたが、私が鉄砲で枝を撃ち落としてからは、驚愕の顔で枝が落ちた場所とそれが元あった場所を交互に眺めていました。

初めて銃を撃った感想ですが、かなり体に衝撃がきますね。

麗羽に上げるのは、長筒ではなく、短筒にした方がいいかもしれないと思いました。

「何なんですの・・・?正宗様、どういうことか説明してくださいまし」

「これであそこの木の枝を落としたのさ。麗羽から借りたお金で、これを作っていたんだ」

そう言って、私は鉄砲を麗羽の目の前に差し出しました。

「正宗様、これは何なのですか?」

麗羽は私の顔と鉄砲を交互に見て聞いてきました。

「鉄砲という武器だよ。威力は抜群だよ。弓など玩具に等しくなる程のね。これを大量に生産して、兵士が持つことができれば、今までの戦の常識が覆るはずだよ。これからの私と麗羽が戦乱の世を生き抜く為に必要なものなんだ」

「戦乱の世ってなんですの?漢王朝が健在なのですよ。戦乱の世など来る訳がないではないですか。それなのに、何故、正宗様はこんな危険な物をお作りになられましたの」

麗羽は私の言葉に訝しい表情をしています。

これから麗羽に伝えることが本命なのですが、信じてくれるでしょうか?

「それは・・・、多分、信じれないと思うけど・・・。私が将来、戦乱の世が来ることを知っているからだよ・・・」

これだけ聞くと多分、頭がおかしい人です。

これから話す内容を考えると想像以上に気持ちが重く感じました。

止めておけば良かったと今更ながら思ってしまいます。

「・・・。その話、続けて下さいませんか」

麗羽は一瞬、戸惑うような素振りでしたが、直ぐに真剣な表情で私に次を促しました。

私は転生前とその後、死んで転生する前に神様と出会った話から、今までに至るまでの話をしました。

もちろん、私が将来、孫策と対峙して破れ病没すること、麗羽が華琳に破れ全てを失うことも包み隠さず話しました。

「これで全部だけど・・・」

麗羽の顔を見れませんでした。

私を頭がおかしい人もしくは、麗羽と別れたくて変人を装っていると思っているかもしれないです。

「どうして、そんな大事なことを私に話してくださいましたの」

麗羽は淡々と話しました。

「私の言葉を信じてくれるのかい?」

私は麗羽の言葉尻から、私の言葉を信じているように思えました。

普通、信じれないと思います。

私は顔を上げると麗羽は、微笑んでいました。

「正宗様に驚かされるのは今更ですわよ。最初の出会いだって、普通じゃありえませんでしたもの。それより、私に話してくださった理由をお聞かせくださいませんか?」

「それは、麗羽のことが好きだから・・・。将来、麗羽に不幸に成ってもらいたくなかったから・・・。それと麗羽とずっと一緒にいたい思ったからかな」

麗羽は少し驚いた顔をしましたが、平静を装うように言いました。

「聞こえませんわ。正宗様。もっと、大きな声で言ってくださらないと」

麗羽さん聞こえていると思うのですが・・・。

ああっ、もう成るように成れ!

「麗羽、私は君のことが好きだ!」

私は恥ずかしいのを我慢して、精一杯の大きな声で麗羽に言いました。

恥ずかしいーーー!

前世では、一度も告白することがなかったので、恥ずかし過ぎます。

「ふふ、ふふふ、初めて好きだと言ってくださいましたね。私、ずっと不安でしたのよ。特に、最近は正宗様が他の事に心奪われているようでしたから」

麗羽は口を手で押さえながら、軽く笑っていましたが、目に涙を少し浮かべていました。

「正宗様、嬉しいです」

優しい顔で私を見つめてくれました。
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まず、第17話で告白をして、次話で主人公は麗羽に今後の方針も含め未来の知識の詳細を話します。
 
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