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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第三章 悪夢
  第3話 兄妹

上条「悪いな。変なところ見せちまって」

真那「いえ、私も変なこと言ってすいませんでした」

あの後泣き止んだ上条と真那は士道と合流するため、トボトボ歩いていた。



その間に2人は情報交換をした。

上条は自分の右手や学園都市から一緒にきた仲間のことを、

真那はナイトメアやASTのことを。

そして自分と士道が実の兄妹だと言うことも。

さすがに2人が兄妹ということには凄く驚いた。



と、上条が何回か転げつつも話していたのだ。

真那「……当麻さんってドジなんですか?」

上条「そんなことは……うおっ!」

真那の視界から上条が消えたと思うと、上条は段差につまずいて、転けてしまった。

普通に前を向いていたはずなのに、何故つまずくのか。それが真那には分からなかった。

真那「……ドジってレベルじゃねーですよね」

上条「不幸だ……」

上条はゆらりと立ち上がり、再び真那と一緒に歩き出した。

2人はしばらく歩いてると、バスから降りてくる士道の姿が見えた。

そして真那は士道の近くまでいって、

真那「鳶一……じゃなくて姉様に教えてもらった通りに……」

士道「知り合いか?」

十香「いや……」

どうやら2人……いや、3人か。士道はインカムをつけている。琴里も恐らくそこから見ているだろう。

この3人には真那に見覚えがないらしい。

真那はさらに士道に近づき、

真那「に…」

士道「に?」

琴里『に?』

上条が後ろで少し笑った。そして、

真那「兄様〜!!」

と言って無邪気な子供のように、士道にジャンプして抱きついた。

士道・十香・琴里「「『はぁ!?』」」







士道の家

真那「おお!ここが今の兄様の家でいやがりますか!」

上条「とりあえず中に入ろうぜ」

真那「そうですね!」

4人は家に入り、リビングに行った。

士道「ただいま」

佐天「おかえり。今日は遅かったんですね」

四糸乃「おかえり、なさい…」

よしのん『いや〜♪今日もあーくんと遊べて楽しかったよ』

士道「ハハ….それは良かったな」

一方「俺が良くねェよ……散々振り回しやがって……」

琴里「その割りには年下の扱い方とか結構慣れてたような気もするんだけど?」

一方「あァ!?」

帰ってくるだけでこんなに変な会話が成立してしまうのはみんなの個性が強いからだろうか。

真那はというと、後ろでポツンと立っている。

すると真那が口を開いた。

真那「この人達が今一緒に住んでる人ですか?」

士道「いや、一緒に住んでるのは琴里……赤髪の女の子だけだけど」

すると真那は琴里に向かい、握手をしながら、

真那「始めましてです。お家の方でいらっしゃいやがりますか。お兄様がお世話になっています」

と言った。琴里は苦笑いしながら真那の方を見ている。

一方「まさか五河士道に妹がもう1人いたとはなァ…」

佐天「隠し妹ですか……ん?隠してどうするんですか?」

一方「知らねェよ。五河士道に聞けば分かるだろ」

士道「人聞きの悪いことはやめろ。……ていうかなんで四糸乃達までいるんだ?」

佐天「四糸乃ちゃんが来たいっていうからつい…」

四糸乃「えっと、あの……すいません……」

士道「いや、別に謝ることは…」

そんなかんじでテーブルの椅子に、士道の隣に琴里、琴里と向かい合うかんじで真那が座った。他の5人(+よしのん)はソファーに座っている。

すると、よしのんが

よしのん『にしても本当そっくりだよね〜』

と言った。真那がそれに笑顔で答える。

真那「そりゃそうですよ。妹でいやがりますから」

すると、この言葉をキッカケに琴里の眉がピクリと反応した。

琴里「それは変ねえ。私も士道の妹なんだけど」

真那「え?」

なんだかあっちの方で盛り上がっているので、上条が佐天と一方通行にドアの外へ出るように促した。

幸い誰にも気づかれなかった。

佐天「上条さんが私たちだけを呼ぶってことは何か精霊のことで分かったことがあるんですか?」

上条「そうだ。分かったっていうか……」

上条は2人に説明した。

精霊が自分のクラスに『時崎狂三』という女が転校してきたこと。

帰り道、不良に絡まれたと思ったらその不良達を殺していたこと。

そしてその精霊をASTがついさっき殺したこと。

そしてその精霊は『ナイトメア』と呼ばれていることを。

でも、真那がASTということは話さなかった。

真那に口止めされていたからだ。






佐天「でも空間震警報は鳴ってないですよね?」

上条「あぁ」

一方「それでもその精霊は殺したンだろ?もうどォしようもねェじゃねェか」

上条「そうなんだけど…なんか……あいつが殺されたカンジがしなかったんだ」

一方「……どォいうことだ?」

上条「それは分からない……なんとなくそう思っただけだから…」

佐天「……結局目的は何だったんでしょうね?」

一方「フン……精霊が死んだ以上、もうこンなこと言っても仕方ねェだろ」

佐天「……そうですね」

そんなカンジで今日はお開きになった。上条がドアノブに手をかけようとしたら、



勢い良くドアが開かれた。



ガン!という音が響いた。



真那「当麻さん!?だ、大丈夫ですか!?」

上条「あ、あぁ…まあ…」

上条から見てドアは引く側だったのだ。ドアが勢いよくこっちに開かれ、頭に直撃して、尻もちをついた。

真那はしゃがみ込み、上条の方を見る。

上条「ん?もう帰るのか?」

真那はそれを聞くと上条だけに聞こえるような声で言った。

真那「ASTのことがバレそうになったので……」

上条「なるほど」

真那と上条は立ち上がって、真那は3人の方を見て、

真那「では失礼しました!」

と言って真那は出て行った。

上条は頭を抑えながら真那に言った。

上条「気をつけろよ」

真那は一瞬立ち止まったが、何も言わずに出て行った。










次の日

十香「狂三のやつ、転校2日目で遅刻とは……」

今は朝の点呼の時間だ。狂三は何故かいない。

折紙「こない」

士道「え?」

折紙が不意にこんなこと言ったので士道は驚いている。

折紙「上条当麻も知ってるはず。時崎狂三はもう学校にはこない」

上条「……」

先生「もう。欠席するときはちゃんと連絡して下さいって言っておいたのに……」

先生が困った顔で出席簿を見ていた。

その時、

?「はい」

不意に後ろのドアがガラガラと開かれた。

そこには



時崎狂三がいた。



先生「もう。時崎さん、遅刻ですよ」

狂三「申し訳ありませんわ。登校中に体調が優れませんでしたの」

上条「……!?」

士道「なんだちゃんと来たじゃねえか………折紙?」

折紙は口を開けたまま固まっている。

上条も驚愕の表情で狂三を見ていた。






昼休み

誰もいない場所に、折紙は狂三を問い出していた。

折紙「貴方は昨日死んだはず……」

その言葉を聞いて、狂三はいつもの調子で言う。

狂三「あぁ、あぁ。昨日真那さんや当麻さんと一緒にいた方ですの?」

狂三の不敵な笑みに折紙は驚きの表情で狂三から一歩後ろにさがった。

しかし、狂三の下の地面から無数の手がでてきた。

その手で折紙を壁に押し付けて拘束する。

狂三「ダメですわよそんなことしても。昨日はお世話になりましたわね」

折紙「貴方の、目的は……何?」

折紙の苦しそうな声が聞こえた。

狂三「一度、学校に行ってみたかった…というのも嘘ではありませんのよ」

狂三「でもやはり、一番の理由となると士道さん……ですわね」

折紙「……!?」

狂三「知っていますわよ。あなたも彼に熱情を抱いているのでしょう?……でも残念」

狂三「私の方がずっと……ず〜と彼のことを思っていますわ」

折紙「!!」

狂三「彼は素晴らしいですわ。彼は最高ですわ。彼は本当に…」

狂三は自分の唇を舌で舐めながら言う。

狂三「彼は本当に美味しそうですわ」

折紙「くっ……!」

狂三「焦がれますわ。焦がれますわ!私は彼がほしい……彼の力がほしい……彼を手にいれるために……彼と一つになるために!」

そして、狂三のまるで悪魔のような笑い声が響いた。

折紙「くっ!」

狂三「折紙さん…あなたもいいですわ。すごくいいですわ!」

そして狂三は不敵な笑みを浮かべて、折紙を見て言う。

狂三「でも……お楽しみは後で……士道さんの後に……!」

狂三は折紙の方を見据えて言った。



そして折紙は気づいた。

そして狂三は気づかなかった。





後ろから誰かがきていることに。

折紙「え…….?」

そして、



バリンというガラスの割れたような音が響いた。




狂三「なっ……!?」





狂三が一瞬何が起こったか分からなくなった。

分かったのは自分の下にいた手、折紙を拘束していた手が消えていたこと。

折紙はその場に座り込んでしまった。

そして、

狂三の左隣を通りすぎて、折紙の方へ向かったのは……






上条「鳶一、大丈夫か?」






上条当麻だ。




狂三「……あらあら、今日は厄日ですわね」

上条「ったく…こんなとこで暴れるなよな時崎狂三……いや、ナイトメア」

狂三「……」

狂三は上条の方を真顔で、睨むように見ている。

狂三はその後、いつもの笑みを戻し、上条に背を向けて消えてしまった。

最後にこんな言葉を残しながら。





狂三『ふふ……今回は見逃してあげますけど……次からは容赦はしませんわよ?』






上条「……フン」

上条はその場に座り込んでいる折紙見た。

上条「(鳶一は…見たところ怪我はなさそうだな。本当は一緒に連れて行きたいけど……狂三が何をしでかすか分からないしな)」

その場に座り込んでいる折紙に手を貸して、立ち上がらせて上条は何処かへ行った。

折紙は何も考えることができなかった。
















































 
 

 
後書き
上条さんを最初はドジで、最後をカッコよくしてみました。

一度はやりたかったんですよね〜。次の話は士道達がデートに誘う話です。

でも、デートに誘うシーンはほとんど書かないと思います。すいません……

また変な点などありましたら、感想にて指摘してください。よろしくお願いします!

※補足

真那が士道の家から帰るシーンはアニメと少し変えさせてもらいました。

折紙と狂三が1体1で話すシーンはアニメしか見てないもので、どこか分からかったので『誰もいない場所』と表記させていただきました。



 
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