FAIRY TAIL~神々殺しの魔導師~
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5話
「ロスト殿!」
激しい眩暈から覚めた俺の目の前に王様がいた
「良かった…………ガクッ」
「王様!?」
視界が完全に回復して辺りを見回すと、森の中で、王様は血だらけで倒れていた
「なんで…」
嗅覚も回復して、焦げ臭いにおいが立ち上っていたことに気付いた俺は最悪の結末になっていたことを
知る。
「町が……」
元々町があったであろう所には抉られたようにくぼみ、音を立てて燃えていた…
「同じだ…」
似ていた
「あのころと」
ロストが少年の時と
「神が…来た」
故郷と
「最悪だ。俺がもっと早く目覚めていれば…こんなことには」
森で目覚めたということは、王様が命がけで俺を守り、運んでくれたのだろう。
「最悪じゃないよ」
「え?」
どこからか聞こえてきた声辺りを見回すが、見えるのは緑の葉を揺らす木。聞こえるのは悲しい曲のよ
うな風の音。
「頭おかしくなったかな…」
「こっちだよ。上!」
そう言われて上を見上げる
「誰?」
人がいた
「私の名前はアルセリア・ケシオレ。セリアって呼んで」
少女の髪は黒髪でポニーテール。前髪は左右に開かれていて黄色いアクセサリーを左側に付けていた。
傍から見れば美人というよりも可愛い部類に入るのだろう。
「………へぇ」
「聞いといてなによ!!」
セリアさんはご立腹のようだ
「で、何者?」
「1999年2月27日生まれ、血液型はA。好きな食べ物はカンガルーのカルパッチョ。嫌いなもの
はないわ。」
そんなこと聞いてないのだが…まぁ聞きたいことを聞いていくことにした
「あの焼け野原見ただろ?」
「勿論」
セリアのそっけない回答に、なぜか腹が立った。いや、理由ははっきりしていた
「人が死んだんだぞ」
「そうね」
そっけない対応に堪忍袋の緒が切れた
「てめぇ!!」
「私だって家族や友達を失ったわよ…」
「……………」
「そりゃあ、辛いよ。私だって認めたくない。でも、それじゃ何もできない」
「ゴメン…」
俺が頭を下げると、セリアは首をかしげた
「何で謝るの?」
「知らなかった」
「別にいいよ」
セリアは焼け野原となった場所を見ていった。
「じゃあ神殺ししよう」
「神はもういないじゃないか」
「1体残ってるよ」
確かによく見ると明らかに弱そうな痩せている神?がいた。ただ、身長は5メートルくらいありそうで、
ここならでも十分細かく確認できた
「オスだな…」
「どんなとこ確認してんの!?」
「いや、弱点でもないかなと…」
セリアはため息をつき、話題を変えてきた
「食べ物でも探しているのかな?」
「さぁ…でも、あれでも俺たちにとっては仇だろ?」
「そうね、さっきも言った通り、あなたはトランザムを手に入れたから勝てるんじゃない?」
そうか、最悪ではないんだ。セリアの言っていたことがようやく分かった
「じゃあ、遣ってくる」
神を殺すために歩を進める俺だったが、後ろから足音が聞こえた
「何でついてくるの?」
セリアは心外だとでもいうように頬を膨らまた
「私も使えるもん!ゴッドキルマジック!」
「嘘だ!!!」
「あんたに使ってあげようか?」
めっちゃ笑顔でセリアが言ってきた
「ごめんなさい」
「よろしい」
でも、俺しかいないと思っていた…
「トランザムはなくても、サポートはするよ♪」
「分かった。宜しくな」
「了解♪」
俺たちが近づいても神は気づかないようで、きょろきょろと視線を動かしていた
「あれ本当に神なの?」
「知らねぇよ」
そう思ったのもつかの間、神は何かを見付けたようで、その場にしゃがみ込んだ
「グアッ!」
強烈な風が俺たちを襲った
「ウィング!」
セリアは突然魔法を唱えた。近くで爆音がとどろいたところを見ると、風に風をぶつけたようだ。そし
て、セリアは自慢げな顔で「私に感謝しなさい。」といった
「鼓膜やられたわ!」
「男のツンデレはモテないよ!」
「ツンデレじゃない!」
神はさっきの爆音でこっちに気づいたらしく、視線をこっちに向けていた。
「やば」
「いいんじゃない?こっちも戦闘に集中しようよ」
神が口を開ける
「?」
神が口から太いビームを放ってきた
「ウソ!?」
「間に合わねえ!」
ビームのスピードは速く、距離が十分あるのにすぐそこまで来ていた
「盾を作る時間なんかない!角度を変える!」
「どうやって?」
「こうやって!」
俺は粒子を放出し、坂道の様な形にまとめた。盾は今から作っても密度が足りずに壊れてしまうと考え
たので力を受けにくい受け流す作戦で行きました
そして俺の作戦は成功し、ビームは頭上すれすれのところを通過していった
「私に感謝しなさい」
思っていたよりもビビりでうずくまって頭を抱えていたセリアに真似して言ってやった
「………ありがとう」
まじか!それは予想してなかった
「立てるか?」
手を差し伸べられたことが気に食わなかったらしいセリアは
「ふん!あんたなんかに助けてもらわなくてもどうとでもなったわよ!」
うずくまって頭を抱えていた奴が何を言うといってやりたかったが、セリアの顔が赤くなっていた俺は
満足し、何も突っ込まなかった
「とりあえず、こいつ殺すか…」
「そうだね」
「援護頼む」
「OK」
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