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VONGOLA TAIL

作者:メテオ
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第2話 マスター来る

 
前書き
第2話です。 

 
「わぁ………大きいね」

FAIRYTAILと書かれたギルドをみてそう呟くルーシィ。

「「「ようこそ、 妖精の尻尾フェアリーテイルへ」」」

そういって3人はルーシィを歓迎した。











「ただいまー!!」

「ただー」

「ただいまー!」

ナツとハッピーとツナはそう言ってギルドの中に入る。

「ナツ、ハッピー、ツナおかえりなさい」

そう言って3人を迎えたのはギルドの看板娘のミラこと『ミラジェーン』

「また派手にやらかしたなぁ。ハルジオンの港の件……新聞に載……て」

「テメェ! サラマンダーの情報、ウソじゃねェかっ!」

「うごっ」

「あら………ナツが帰ってくるとさっそくお店が壊れそうね」

「ミラさん。もう壊れてます」

笑っていうミラにツナはボソッと呟く。

「誰かナツ止めろー!」

「ぎゃふっ」

「てめ……ナツ……」

「痛て………ハッピーが飛んで来た」

「あい」

ナツを中心に喧嘩が始まっていく。

「すごい……あたし本当に、 フェアリーテイルに来たんだ!」

ルーシィが感激しているとドタドタと音を立てて黒髪の男がきた。

「ナツが帰って来たってぇ!?テメェ……この間の 決着ケリつけんぞ!」

黒髪の男の名は『グレイ』

「グレイ……あんた、なんて格好で出歩いてるのよ」

「はっ!しまった!」

何故かパンツしかはいてなくて大樽を持ってる女性に言われて気がつくグレイ。

「これだから品の無いここの男共は……イヤだわ」

そう言いながら大樽の酒を樽ごと飲む女性『カナ』。机の上に座りあぐらをかいて飲んでいる。

「くだらん」

そんなルーシィの背後から、ナツやグレイよりも大きい男『エルフマン』が現れた。

「昼間っからピーピーギャーギャー、ガキじゃあるまいし……漢なら拳で語れ!」

「結局喧嘩なのね………」

「「邪魔だ!」」

「しかも玉砕!」

ナツとグレイに殴り飛ばされる。すると今度はそこにブルーのカラーサングラスをかけた男が現れた。

「ん?騒々しいな」

「あ!『彼氏にしたい魔導士』上位ランカーのロキ!」

「まざって来るね~」

「頑張って~」

(ハイ消えたっ!)

複数の女性とイチャイチャするロキを見てずっこけるルーシィ。

「な、何よコレ……まともな人が1人もいないじゃない…………」

「おい、大丈夫か?」

落ち込んでるルーシィに1人の男が話しかけた。

「見ない顔だな。新入りか?」

「あ、はい!ルーシィです」

「俺は山本武って言うんだ!呼び方は何でもいい。よろしくな」

ルーシィの手を取ってぶんぶん振る。

「お、ツナも仕事お疲れ。どうだった?」

「どうだったって別にいつもと変わら『10代目ー!!』」

山本がツナと話していると今度はツナに1人の男が走ってやってきた。

「お疲れ様です、10代目!ナツの野郎に何かされませんでしたか?」

「大丈夫だよ、獄寺君。てか、ナツに何かされるってどういうことなんだよ」

男の名前は『獄寺隼人』。

「おーい、ミラ。こいつ新入りだって」

「あら、本当?」

山本がミラを呼ぶ。


「ミ、ミラジェーン!キャー!本物ー!……はっ!」

憧れだったミラに会えて喜ぶルーシィだったが、すぐに今の状況を思い出し我にかえる。

「ア、アレ止めなくていいんですか!?」

今だに喧嘩しているナツ達を見る。いつの間にか獄寺まで混じっていた。

「いつもの事だから」

「あらら………」

「それに……」

ミラが何かを言いかけたその時、喧嘩している方からビンが飛んできてミラの頭にクリーンヒットする。ミラは当然のように倒れた。

「それに、楽しいでしょ?」

何事もなかったように起き上がるミラ。だが、ミラの頭からは血が流れている。

「あー、うるさい。落ち着いて酒も飲めないじゃないの」

カナが樽を置いた

「アンタらいい加減に……しなさいよ……」

輝くカードを持つカナ。

「アッタマきた!」

手に拳をのせて構えるグレイ。

「ぬおおおおおおおっ!」

魔法で腕を変形させるエルフマン。

「困った奴等だ……」

右手の人差し指にはめた指輪を光らせるロキ。

「上等だ!」

指と指の間にダイナマイトのような物をもつ獄寺。

「かかって来いっ!」

両手に炎を纏うナツ。

「魔法!?」

「これはちょっとマズイわね」

「流石にとめねぇと!」

困ったような表情を見せるミラとそれを見て背中にある竹刀を取りだそうとする山本。すると……

「そこまでじゃ。やめんか、バカタレ!」

「でかーーーーーーーーーーっ!!」

いきなり、黒い巨人が現れた。
その一喝で全員の動きが止まり、全員静かになる。

「あら……いたんですか?マスター」

「マスター!?」

目の前にいる黒い巨人がマスターだと知って驚くルーシィ。

「ちっ」

「フン」

「びっくりしたね~」

「酒」

「くそ!」

マスターの一喝で皆喧嘩をやめて静かになった。……1人を除いて。

「だーっはっはっはっ!皆してビビりやがって!この勝負は俺の勝………ぴ」

1人だけうるさくしたナツはマスターに踏み潰される。

「む、新入りかね」

「は、はい………」

「ふんぬぅぅぅ……!」

いきなり力を入れ出すマスターに口をパクパクさせて驚くルーシィ。だが、マスターはだんだん小さくなり

「えぇーーーーーーーーっ!?」

「よろしくネ」

最終的にはマスターはルーシィの膝くらいになった。

「とう!」

マスターが2階の手摺に飛び乗る。マスターが着地に失敗して手摺に頭をぶつけた。

「ま~たやってくれたのぅ、貴様等。見よ、評議会から送られてきたこの文書の量を」

マスターは書類を見せつける。

「まずは………グレイ」

「あ?」

「密輸組織を検挙したまではいいが、その後街を素っ裸でふらつき、挙句の果てに干してある下着を盗んで逃走」

「いや……だって裸じゃマズイだろ」

「まずは裸になるなよ」

溜息をつくマスター。

「エルフマン!貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行」

「『男は学歴よ』なんて言うから、つい………」

マスターは首を横に振る。

「カナ・アルベローナ。経費と偽って某酒場で飲むこと大樽15個。しかも請求先が評議会」

「バレたか………」

「ロキ………評議員、レイジ老師の孫娘に手を出す。某タレント事務所からも損害賠償の請求が来ておる」

「隼人。依頼中に泥棒を見つけて捕まえようとしたのはいいが、その際ダイナマイトをもって追いかける。
挙句、ダイナマイトで家を数件破壊。

「しゃあねえだろ。逃げ足速かったんだから!」

「まず、家を破壊するなよ」

言い訳をする獄寺に山本が突っ込む。

マスターはがっくりと肩を落とした。

「そしてナツとツナ。デボン盗賊一家壊滅するも民家7軒も壊滅。チューリィ村の歴史ある時計台倒壊。フリージアの教会全焼。ルピナス城一部損壊。ナズナ渓谷観測所崩壊により機能停止。ハルジオンの港半壊」

「それほとんどナツなのに……」

ツナがあからさまに落ち込む。

「貴様らァ………ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞォ……」

プルプルと震えるマスターを見て、全員気まずそうな顔をする。

「だが……」

ゆっくりとマスターが口を開く。

「評議員などクソくらえじゃ」

そう言って持っていた文書を燃やしてそれをナツの方に投げる。ナツは
それを口でキャッチして食べ出した。

「良いか。理を超える力はすべて理より生まれる。魔法は奇跡の力なんかではない。我々の内にある『気』と自然界に流れる『気』の波長が合わさり、初めて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う。いや、己が魂全てを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上から覗いてる目ん玉気にしてたら魔道は進めん。評議員のバカ共を怖れるな」

そう語りながら、マスターはにっと笑う。

「自分の信じた道を進めェい!それが妖精の尻尾の魔導士じゃ!」

『オォォォォォオオオオオオッ!』














「じゃあナツは他の街ではサラマンダーって呼ばれてたのか?」

「うん。ナツの魔法ならピッタリだよね」

「こんな炎バカの何処がピッタリなんですか!」

火の量を食べてるナツを見ながらツナと山本と獄寺が話す。

「ナツがサラマンダーならオイラはネコマンダーでいいかなぁ」

「マンダーってなんだよ」

「ははっ!相変わらずハッピーは面白えのな」

「何処がだよ、野球バカ!」

話し合ってると嬉しそうな顔をしているルーシィが来た。

「ナツー!ツナ!武!見てー。 妖精の尻尾のマーク入れてもらっちゃったぁ」

「あ、似合ってるよ」

「あぁ、よかったな」

「良かったなルイージ」

「ルーシィよ!」

ルーシィが怒鳴る。

「けっ、その程度の事で喜びやがって」

「む……そんな言い方しなくてもいいでしょ!」

獄寺とルーシィが喧嘩しそうになる。

「まぁまぁ、落ち着けよ2人とも。これから同じギルドの仲間なんだから」

「そうだよ、獄寺君もいきなりダメだよ、そういうこと言ったら」

「10代目がそうおっしゃるなら」

火の料理を食べていたナツがいきなり立ち上がる。

「ナツ、どこ行くんだ?」

「仕事だよ。ツナもどうだ?」

「悪いけど、俺はもう家に帰るよ。
今日の仕事は疲れた」

そう言ってツナは立ち上がってギルドを出て行った。

「しかたねぇか。隼人はどうだ?」

「ん?まぁ、仕事行こうとしてたし別にいいぜ。本当は10代目と仕事に行きたかったんだけどな」

ナツとハッピーと獄寺はリクエストボードの前に立つ。

「どれがいいかな」

「報酬がいいヤツにしようね」

「これなんかいいんじゃねえか?盗賊退治で16万J」

「おぉ、それいいな!」

「決まりだね」

仕事を決めて早速受注しようとしたその時。

「父ちゃん、まだ帰ってこないの?」

「む」

マスターとマスターの背と同じくらいの子度が話していた。

「くどいぞロメオ。貴様も魔導士の息子なら親父を信じて大人しく家で待っておれ」

「だって……3日で戻るって言ったのに………もう1週間も帰ってこないんだよ……」

「マカオの奴は確かハコベ山の仕事じゃったな」

「そんなに遠くないじゃないかっ!探しに行ってくれよ!心配なんだ!」

「貴様のオヤジは魔導士じゃろ!自分のケツもふけねぇ魔導士なんぞ、このギルドにはおらんのじゃあ!帰ってミルクでも飲んでおれい!」

マスターが怒鳴った。

「バカー!」

「おふ」

すると、ロメオはマスターの顔を思いっきり殴って泣きながらギルドを出て行った。

「厳しいのね」

「ああは言っても、本当はマスターも心配してるのよ」

ルーシィが気の毒そうに言うと、突然轟音が響く。見るとナツがさっきの依頼書をリクエストボードに叩きつけていた。

「オイイ!ナツ!リクエストボード壊すなよ」

抗議の声も無視して、ナツと獄寺はギルドを出る。

「マスター………ナツと獄寺の奴、ちょっとヤベェんじゃねぇの?」

「あいつ等……マカオを助けに行くつもりだぜ」

「これだからガキはよォ………」

「んな事したって、マカオの自尊心が傷つくだけなのに」

マスターはキセルをかぷっと咥えて笑う。

「進むべき道は誰が決める事でもねぇ。放っておけぃ」

ルーシィは近くにいたミラに話しかけた。

「ど………どうしちゃったの?あの2人、急に………」

「ナツは、ロメオ君と同じだからね。多分自分もかぶっちゃったんだろうな」

「え?」

「ナツのお父さんも出て行ったっきりまだ帰ってこないのよ。お父さん………って言っても、育ての親なんだけどね。しかもドラゴン」

予想外の言葉にルーシィは椅子からずっこける。

「ドラゴン!?ナツってドラゴンに育てられたの!?そんなの信じられる訳……」

「小さい時そのドラゴンに森で拾われて、言葉や文化や………魔法なんかを教えてもらったんだって。だけど、ある日、そのドラゴンはナツの前から姿を消した。何の前触れもなく」

「そっか……それがイグニール…」

「ナツはいつかそのドラゴンに会えることを楽しみにしてるんだろうね。そーゆートコが可愛いのよね」

「あはは………じゃあ、隼人も誰かの帰りを待ってるんですか?帰って来てない人がいるとか?」

「私も隼人の事はあんまりわからないの。ただ、ツナや隼人、武は仲間が傷つくのを極端に嫌うのよ」

「へぇ……」

「私達は……フェアリーテイルの魔導士達は……皆……何かを抱えてる。傷や痛みや………苦しみや……私も………」

「え?」

「ううん。何でもない」

ミラは何事もなかったようににっこりと笑った。

こうしてナツと獄寺。ハッピーはハコベ山にマカオを探しに向かった。

 
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