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バカとテストと召喚獣ing

作者:SAKUMI
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64限目 大切なもの

 
前書き
春休みは部活や勉強でぜんぜんできませんでした。すいませんでした 

 
彼の名前は、吉井明久。とあるマンションの一室についこの間まで1人暮らしをしていた。
そして今は姉の玲と一緒に生活している。

「ご飯できたよ」
いつもの様に明久が夕食を作り、姉を呼ぶ
「りょーかい」
だが、明久の呼びかけに応じたのは3人だった
「さて、アキの料理は大丈夫かしら?」
「おいおい、いままでずっと作ってきたんだぞ?大丈夫に決まってるさ」
「一つ言えるのは姉さんよりはましって事かな?」
そして明久含めた4人はテーブルを囲んで明久特性の手料理を食べた。

そう、今、明久の家には家族が集まってるのだ。そして家族会議が始まろうとしていた



夕食も済み、家族がゆっくりしているとき、家族会議は始まった。議題はもちろん

「アキ、玲から事情は聞きました。今回は全てアキに一任します」
「とりあえず、今アキ君が想っている事を話してみてください」
姉の助け舟で明久は自らの今の本音を静かに語り始めた

「僕は半年前、皆と別れて文月学園とは全く違う世界を目の当たりにした。だから今度皆と再会するときに僕が皆を守るために向こうで力を手にしたんだ。」

「そして、ふと文月学園に顔を出すと皆は変わらず元気だった、それが一番嬉しかった。
でも、そんな皆の日常は僕のせいで壊れてしまった。僕のせいで清涼祭が滅茶苦茶になった。あの時は大丈夫だったけど。いざ文月学園に戻ると、僕の力を目当てに雄二たちにまで危害が及んでしまった。なんとか助けることはできたけど、、、想ったんだ」

この後を言うまでは少し時間が掛かった。言うまでにコップを二杯と深呼吸を数回した。明らかに様子がおかしかった。だが明久はやめなかった

「僕はもう皆と一緒に居ちゃダメなんじゃないかって」

これがあの事件以来明久の体が学校に行くを拒絶していた本当の理由だった。

「僕が皆の下に帰ったらまた、皆に危害が及ぶかもしれない、もしかしたらないかもしれない。
それは僕にも分からない。でも実際もう既に起こった。僕は皆を守るどころか危険にさらした張本人なんだ。だから、だから」

これ以上は明久は何も言えなかった。これがこっちに帰ってきたときからの明久の心の中にあった核心だったから。
しかしこれで十分だった。

「なるほど、皆は大切、一緒に居たい。でも守りたいから逃げると」
母の問いに明久は静かに首を縦に振った
「ここにいる限り皆に迷惑しかない。だから」

「僕も外国でお母さんたちと暮らさせて下さい」
これが明久の出した答えだった。姫路と美波のチョコを貰って改めて思った。
『僕の事をどれだけ恨んでもいい。でも、雄二たちだけは何があっても守りたい大切なものなんだ。だからこうするしかない』んだと。まるで自分にそう言い聞かせるように

「、、、、分かったわ」
母の答えは賛成。つまり明久の移住を認めるだった
「ありがと。母さん」
「あなたも言いたいことあるんじゃない?」

今まで黙っていた父がいよいよ口を開いた。
「アキの言いたいことは分かった。どれだけの思いでこの結論に達したかも分かった。だから敢えて言わせて貰う。俺は反対だ」
なんと、母も姉も賛成だったはずなのにここにきてまさかの父の反対があった
「何で?父さん?」
「お前の話を聞いてると、お前がどれだけ坂本君たちを大切に思ってるのかがわかる、皆の将来を守るためだろ?」
父の問いに明久は再び首を縦に振った
「いいか、明久。将来というのは、今という現実の延長なんだ。今どういう行動ととるかによって将来は大きく変わるものだ。だから明久がこのまま一緒に海外に行っても危害が及ぶのは変わらないかもしれない。将来の事は誰にも分からない。そんなもんだ。
だから将来の事を考えて行動するのも大事だ、だか、それよりも大事な事がある。それが何か分かるか?明久」
今回の問いには首を横に振った。

「それは、今、明久がどうしたいかだ。」
それは明久がどう考えてもたどり着かなかったもう一つの選択肢。明久は今まで『何をすべきか』をひたすらに考えていた。自分を犠牲にすると事しか考えてなかったからだ。
「明久の言いたいことも分かる。だが、明久お前は1人か?」
父の問いは明久の曇った心をどんどん晴らしていく。今まで当たり前だった事。忘れていた事を確実に突いてくる。
「お前には頼れる仲間はいないのか?お前という存在を受け止めてくれる人はいないのか?」
それは、雄二、秀吉、ムッツリーニ、姫路さん、美波、Fクラス、文月学園の皆
今まで忘れていた『誰かを頼ること』それを父は完全に明久に思い出させた
「どうせ守るんなら、皆の目の前で堂々と守ってやれ!!それで守ってあの時なんて言われた?」
皆を迎えに行ったとき、皆から言われたのは
「僕を信頼して待っていてくれたような返事だった」
「だろ?もう一度聞くぞ。お前吉井明久はこれから何をしたい?」


____もし、こんな事が許されるなら。いや。たとえ許させる事じゃなくても。
わがままかもしれない。でも僕は、僕は


「もう一度皆と一緒に普通の生活を送りたい」
これはもう皆のためとかそういう自己犠牲とかと取り除いたただの一般の高校生吉井明久の出した本当の真の気持ちだった


それからお母さんとお父さんはまた外国へ帰って行った。明久は父から一言だけ言われた
「自分の運命から逃げるなよ」と。

明久はこの半年で思ったことがあった。
朝、姉さんの過剰なスキンシップで起きる日常。いつも命がけの高校生活。クラスメイト達とのたあいのない会話。どんな些細な日常がどれだけ大切なものなのか。そしてそれがどれだけ儚いものなのか。それを知ってるから思う。どれだけこの日常が壊れようが皆が居れば何とかなる。僕は皆と一緒に居たい



そしてまた文月学園の校門を2年Fクラス。学園創設初の『観察処分者』の吉井明久として今日もくぐる。


これが僕、吉井明久が望む将来です





ただいま。みんな



 
 

 
後書き
意味分からなくてごめんなさい。ありがとうございました 
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