少年少女の戦極時代Ⅱ
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トッキュウジャー合体SP編
第26話 乗りません!
――戦闘員を全て月花と鎧武、トッキュウジャーが退けると、モグラ怪人は地面を掘って逃げてしまった。
ライオンインベスの撃破もあり、戦いは一時中断となった。
変身を解いて盛り上がる、トカッチ、ヒカリ、ミオ、カグラと、舞。
並んで座って何事か話し合っている紘汰とライト。ちなみに紘汰がライトに提案した内容はばっちり聞こえている咲である。
和気藹々とした空気に咲も加わりたかったが。
「ごめん。今日、ダンスのレッスンがある日だから。あたし行くね」
「気をつけて」
「ありがとね~」
舞とミオの見送りを受け、咲はダンススクールへ行くべく、バス停を目指して走り出した。
咲はテナントビルの2階へ上がり、ダンススクールのガラス戸を潜った。
「へいらっしゃーい」
「はーい」
生返事しつつリトルスターマインの仲間を探す。――いた。いつものように鏡際で車座になっておしゃべりしている。
「おーい」
「おろ? 咲が一番最後だ。めっずらし~」
「……インベス?」
モン太とチューやんにはちがうと答え、定位置であるヘキサの隣に座った。
「もーっとワケわかんなくてハチャメチャなのが出たの」
咲はトッキュウジャーとの出会いや、地下帝国バダンと名乗るモグラ怪人との戦いを、仲間に語った。
「ふーん。で、やっつけたの? そいつら」
「まだ。穴ほってにげた」
「さすがモグラ」
「その烈車とかいうの、ふつーの人には見えないの?」
「そーぞー力のある人にしか見えないらしいよ」
「ヘキサをのぞけば、わたしたち全員アウトっぽいわね」
「そんなことないわよ、トモ」
「いーやムリ。ぜったいムリ。わたしたち、PTAとかセケンサマが好きなオコサマからはほど遠いし」
トモの最後の一言で、それぞれに過去イロイロあった咲たちはどよんと俯いた。ヘキサだけが、ローテンションになった咲たちを心配しておろおろしている。
「その烈車についてなんだけど」
咲はリーダーとしての気概で一番に立ち直り、身を乗り出した。
「見える見えないはこの際置いとこう。紘汰くんは、舞さんに烈車に乗ってもらうんだって。バダンとかいうのやっつけるまでの期間限定で。アブナイからって。みんなは乗る? ナルタキって人にたのめばパスくれるらしいよ」
ヘキサたちは顔を見合わせ、笑い出した。自分はおかしなことを口にしたかと咲は不安になる。
「咲や兄さんがタイヘンな時に、わたしたちだけ安全なとこで待てるわけないわ」
「……一蓮托生」
「あたしらがいないと、あんた、てんでダメだし」
「それに、咲なら勝って帰って来るっしょ」
「さっさとすませてらっしゃいな」
「――やっぱみんなにはかなわないなあ」
咲は肩にかかる髪を払い、強く、リトルスターマインの仲間を見据えた。
「ほんじゃ、レッスンが終わったら、ちょいとモグラたたきに行ってきますか」
「がんばって」
ヘキサの女の子ガッツポーズに、癒され、勇気も貰えた咲だった。
後書き
またまた初心に帰って、ダンススクールでのリトスタのダベりを入れてみました。
ここで輪になって話し合うのがこの子たちの作戦会議であり、楽しみそのものなので。
そして今回の子供たちは「危ない場所でも残る」という答えを出しました。紘汰に黙って烈車に乗せられた舞との対比構造です。
女の子ガッツポーズはあれです。内股ならぬ内肘な感じのあざとさ満載の「ドンマイ!」ポーズですよ。分かる人いらっしゃるかなあ?
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