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とある物語の傍観者だった者

作者:パズル男
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4話:不幸少年

 
前書き
春!出会いの季節到来!テキトーです!! 

 
 Gが潜む魔境の地(教室)を鉄壁の女(吹寄)の監督の下、なんとか一掃し終えた。

 辺りは暗くなり下校時刻になり校外でもアナウンスが流れていたり、生徒たちは速やかに帰宅するよう促していた。

 夜は何かと物騒だからなー。寮に帰って大人しくしているのが一番だ。

 じゃないと、あんな目にあう確率も跳ね上がるってもんだわさ……

「「「「「待てやゴラァアアアアア!!」」」」」

「不幸だぁぁあああああああああああああッ!!」

「………」

 オレがいるここ交差点からおよそ200mぐらい先で不良たち・武装集団(スキルアウト)が一般市民Aであるツンツン頭の少年を追っかけていた。

 ……またしても、何度でも、どこの星の元に生まれたらそこまで不良に絡まれるんだよ、とオレが泣きそうだ。

 放課後、昼の騒動で罰として使われていない教室を掃除させられていたオレと上条当麻と、その監督である吹寄制理。それが終わって、解散となりカミやんはスーパーの特大セールに人生の全てを懸けて先に帰りやがりました。

 オレは吹寄と途中まで下校し、別れては……信号待ちで欠伸をした次の瞬間に僕のお友達の悲痛な叫び声が聞こえた次第だった。

 だが、しかし、オレはそれを見ているだけ。

 すまない、カミやん。信号が赤だ。渡ってそっちにいけないし、元から応戦するつもりはない!!キリッ。

 ……不良達に殴られるの嫌です。はい。

 向うはオレの存在など知る余裕もなく路地裏に入っていったが……

「はぁ、今日で何回目なんだか……」

 ため息が出ない方がウソだ。

 幻想殺し(イマジンブレイカー)。レベル0の上条当麻の右手に宿る摩訶不思議な力は、魔術やら能力といった異能の力を打ち消すチート技である。それがたとえ神の加護だろうが打ち消してみせるだろうか……故に不幸なんだ。

 まぁラッキースケベとかフラグを建てるという矛盾はさて置き。

 もうスーパーの特大セールに間に合わないだろうか、商品は形相を変えた奥様方のおかげで、あるいはカミやんみたいな貧乏学生たちのおかげで皆売り切れてますね。だから今晩の上条家の食卓は非情にひもじいだろうな、仕方が無い、オレがなんか品を逸品だけ作ってあげようかと、これオレ的にポイント高いな。

 そして、さらにポイント高くしてやるよ。

 ちょうど、交差点、道路を挟んだ向うに掃除ロボットが一台、歩道を徘徊していた。

 アレに、オレの能力・機械操作(マシンゴーレム)を干渉させる。

【ツンツン頭の幻想殺し(イマジンブレイカー)を武装集団(スキルアウト)から守れ】

 そう念じては特殊なビリビリを掃除ロボットにぶつけた。

 すると掃除ロボットはオレの命令に従うかのように、警告音を発してはやつらを追跡しだした。あとはスキルアウトに突撃するなり、搭載されているカメラで写真を撮っては警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)に映像を送ったり、通報してくれるだろう。これで一件落着である。

「ふっ」

 そして、このドヤ顔である……

「いや、ふっ…じゃありませんのよ? また悪巧みですの?近簿さん」

「オレがいつ230万人を人質にして学園理事会から金を巻き上げようと計画したか!!」

「まあ、そんなこと考えていらっしゃるんですの??」

「白井黒子ちゃん、世の中にはこんなことわざがある。ヤられるまえにヤれ、だ」

「ちゃん付けはよしてくださいの。それと、それは諺でもなければ、いつもヤられているのは貴方の方じゃありませんの??」

 まぁそうだけども。

 それにしても悪巧みとは人聞きが悪い。

 いつの間にかオレの横に立ってた、その少女は呆れた顔をオレに向け失礼にもため息までつかれた。

 相手は中学生だ。大人なオレは心が広いから許す!!

 常盤台中学という名門校にしてお嬢様学校に通う白井黒子ちゃん。彼女は街の治安を守る風紀委員(ジャッジメント)にも所属して、さらにレベル4の空間移動(テレポート)の能力者だったり、知り合いだったりするわけだが。いや、ほんと顔見知り程度。

 でも、彼女はオレが能力を使うことに、その使い方に問題があると、いつも注意してくるめんどくさい子なのである。いや、逮捕されることもしばしあったかな……

「近簿さん、いつも注意しているように清掃ロボットをつまらない目的で運用しないでくださいませ。あれは貴方の私物じゃありませんのよ」

「わ、わかってるって……でも、友達がアンチスキルに追っかけられているのを遠くの方で見かけたんだ。だから許せ。寧ろ、車とかその他を利用しなかったんだからセーフだろ」

「貴方が能力を使用した時点でアウトですの。なので、ブタ箱行きになりたくなかったら、これから反省文と始末書を書いてもらいますので第117支部まで行きましょうか」

「……そんなバカな」

 顔は笑っているけど目が笑ってないよ、この子。

 つーか、オレが能力を使用した時点でアウトとか初耳でなんですけど!?そして、自分が書く始末書をオレに押し付けるつもりだ!!

 白井黒子ちゃん、恐ろしい子。

「ちょっと黒子、何がどうなってんのよ? この人と知り合いなの??」

 オレたちの一連のやり取りを静観していた少女が訊ねてきた。

 白井黒子ちゃんの連れで、あまり会いたくなかったビリビリ少女。カワイイんだけどなー、そういう問題じゃないんだよー……

「えぇ、お姉様。ちょっとした顔見知り程度の犯罪者ですの。どうかお気をなさらずに」

 誰が犯罪者だ!

「いや、あんなもん見せられて気にしない方がウソよ」

 そこまで派手にやったつもりはありませんが??

 黒子は一瞬オレを睨んでとてもめんどくさそうな顔をする。

「ちょっと、あんた、今あの清掃ロボットに何をしたのよ??」

 ほら、めんどくさ。そして、年上に敬語も無しであんた呼ばわり。だが、それが良い。

「何ってちょっとした平和活動さ」

「どこが平和活動ですの」

 白井黒子ちゃん、君もいちいちツッコんでこない。

「同じ電気系統の能力者として興味があるわね。私のソレではハッキングするのに少し手間掛かる上にあそこまで精密に操作することなんてできないわよ、たぶん」

 そもそも操作じゃないんですけど。

 機械を操るってだけならこの子もできる芸当だろうけど、やっぱり本質は違うと思う。

 そして、それをいちいち説明する義理もない。でも、説明しないと納得しそうにない雰囲気。故にめんどくさいな、もう。

「オレの能力に関してはそこのお嬢様が知っているのですの。そっちから聞いたらいいですの」

「それはわたくしをバカにしているんですの??」

 何のことやら……

「つーか、君はお嬢様学校に通っているのに礼儀知らずだな」

「なんですって?」

 あぁ、いらんことまで口から出てしまう。本心だけにオレの性格もめんどくさいが……

「そもそも、見ず知らずの他人に自慢して手の内をバラす真似はしたくない。それも今会ったばかりの他人な君が、いきなりオレをアンタ呼ばわりしては年下なのにオレに敬語でも無く……いや、敬語はともかく、自分が誰なのかも自己紹介もしないのに一方的に突っかかってこないで欲しいな」

「わ、悪かったわよ。じゃあ、自己紹介したら教えてくれるのね?」

「いや、オレは君に興味無い。だから自己紹介する必要もない」

「黒子、こいつを丸こげにしていい??」

「それは了承しかねますの」

 好戦的なこのお嬢様。おぜうさま。

 なんで喧嘩を売る真似を互いにするんだろうか……

「……オレは直感的に君がオレの苦手なタイプだと悟った。なので、これにてドロンする」

「あ、逃げるんじゃないわよ!!」

「お待ちになって、近簿さん!! 逮捕しますわよ!!」

 誰が待つものか。

 オレはあの子とだけは関わりたくないと心の底から願っているんだから……

 御坂美琴―――常盤台の頂点に君臨するお嬢様。学園都市に7人しかいないレベル5の超能力者。

 超電磁砲(レールガン)の異名を持つビリビリお嬢様と、オレはこの日、出会ってしまい……もうそれが、事件に巻き込まれるフラグが立った気分だった。 
 

 
後書き
レベルもそれに見合った電気系統の能力者なら誰でも車とかの操作は可能ですよね??知らんけども。
コンピューターもハッキングできるからビリビリ少女なら自動清掃ロボットとかヘリとか操っちゃいそうです。
ほんとよく知らないのでテキトーです 
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