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とある物語の傍観者だった者

作者:パズル男
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5話:作戦会議

ここは風紀委員(ジャッジメント)第117支部、白井黒子や同僚で花飾りな初春飾利(ういはるかざり)、あといつも牛乳を飲んでいる固法美偉(このりみい)以外にも、ビリビリ中学生こと御坂美琴や初春の親友である佐天涙子(さてんるいこ)が集まっていた。

 今日、白井黒子は皆を収集して、とある問題に相談をしたかったのだ。

 その問題とは、問題というか人物の事でどうしたらいいか、という私情でもあったりする。

「ふーん、近簿一二三ねぇ…変な名前」

「お姉様、本人の前では絶対に言わないでくださいな。たぶん、泣いて街を攻撃する可能性もありますので」

「「「「………」」」」

 パソコンのディスプレイに表示されている、書庫(バンク)から拝借した一生徒の個人データー。

近簿一二三(こんぼひふみ)。16歳、性別・男。とある高校に通う問題児の1人』

 などと、彼は学校でも粗相をしているようだ。

 本人から言わせてもらえば騒動に巻き込まれた被害者だそうだが。

『レベル4の大能力者。能力名は機械操作(マシンゴーレム)。特殊なビリビリで機械を操る』

 機械をマシンと横文字に変換するのはいいけど、操作をゴーレムって呼ぶのはおかしいだろうと、一同は思ったり……

「まぁ、バンクに載っているは情報の一部にしか過ぎませんの…操作となっていますが、実質あれは命令しているそうで。例え廃棄処分が下されたオンボロの車であろうが普通に走らせることも可能だとか……」

「そ、そんなことって、実際にできるんですか??」

 と、佐天さん。

「えーと、他の電気系能力者は知らないけど、私なら簡単になら、車ぐらい操ることだって不可能じゃないわ。まぁ、車とかよりヘリや掃除ロボットとかの方が簡単よね。でも、それはあくまで操縦って意味だけどね」

 と、美琴たん。

「近簿さんの能力名、横文字でゴーレムって呼んでます。RPGゲームとかで出てくるゴーレム……操り人形とかも呼ばれると思うのですが、そういった意味合いも兼ねているのだと思います」

 と、花飾りちゃん。

「まぁ、初春の説明に補足をつけるなら、意志を持たせた操り人形が正しいのかと……」

「そうでした。そう本人は言ってましたねー」

 と、2人があははーと何かを諦めていた。

「えーと、話逸れるけど2人は知り合いなの??」

 と、佐天さんが訊ね、

「はい、私を助けてくれたヒーローさんです!」

「けっ、あの犯罪者はわたくしの好敵手ですの! なんとしてでも真っ当な人生を歩んでいただきたいですの!!」

 まったく違う二つの返事が出た。

「えーと、まず初春さんから訊くね? あいつが初春さんを助けたって、そんなことあったんだ??」

「はい、ちょっとしたトラブルに巻き込まれまして、その時あの人は私を庇って逃がしてくれました」

「で、近簿さんはその能力者にボコボコにされ、めでたしめでたし」

「うん、黒子はいったん黙ろっか」

「はいですの」

 あれ?あんたアイツのことキラい??とか疑問に思ったりする、美琴。

「でも、今時そうやって誰かを助けるために立ち向かうなんて、なかなか難しいと思うわよ」

 と、眼鏡おっぱいが牛乳を飲み干した。

「はい、本当にカッコよかったです。それで、近簿さん、あの後入院されたらしく、白井さんに同伴してもらってお礼と謝罪をしに見舞いに行ったのですが……///」

「殿方、着替え中でして、危うく粗末なモノを見るところでしたの。なので粛清してさしあげましたわ」

「理不尽な……」

 かわいそうに、と誰もが近簿に同情した。

「でも、その近簿さんってレベル4ですよね? そんなレベル4をフルボッコにしてしまう能力者なんて早々いないと思うのですが……」

 それも当然の疑問だった。

「まさか、御坂さんが!!」

「な、なんで私なのよ!?」

「佐天さんはお馬鹿さんですねー」

「ちゃんと、人の話聞いてたのかしら??」

 御坂はこの前初めて少年と出会ったばかりだし、そもそも初春を襲う理由もない。

「ネタバレというか、近簿さんはレベル4ではありますが、わたくしやお姉様ならともかく、佐天さんや固法先輩でも勝てる相手ですわね。はっきり言って弱いのですから」

「またまたー、白井さん。流石に私が金属バットを振りかぶっても勝てるわけないじゃないですかー」

 相手はレベル4ですよ?やだなー、冗談もほどほどにしてよー、と笑顔で言う佐天さんはマジ天使。

「冗談でもなく本気ですの。あの殿方は、路地裏やら狭い場所で、あと、周辺に機械の類いがなければレベル0と変わりませんもの。腕力は女性のそれしか無いようですし、なので、襲うなら路地裏ですのよ? ぐへへへっ」

「し、白井さん!?」

「黒子がおかしくなった……」

 積年の恨みぃ、次はどうやって晴らしてやろうかぁ~とドスの低い声を出していた。

 さてと、閑話休題。

「じゃあ、わたくしの方は、本題も兼ねてですが……」

「白井さんが皆さんを呼び出した理由ですね」

「あいつ、また悪巧みしているとか??」

 もう完全に犯罪者扱いをされている少年。

「そもそも、その子、よく補導されているわよね」

 と、固法先輩。

「えーと、まず……能力開発して、能力の実験と称して清掃ロボやら車等、器物損害の罪で警備員のじゃんじゃん五月蝿い人に連れて行かれている所も見たことあるわ」

「「「「………」」」」

「次に一般人から車やバイク、トラックを強奪、窃盗の容疑で何遍も逮捕されているわね。まぁ、理由が少女を助けるためだとか、スキルアウトや能力者から逃げるための正当防衛だとかいう理由で、罪は軽くなっているわね」

「「「「………」」」」

「あとは、くだらない理由なのだけど、子供が遊んでいたラジコンのオモチャを奪った、ってのもあるわね」

「「「「………」」」」

 碌でもない人だなぁと思った一同。初春の魂が口から飛び出しそうなレベルだ。

「まぁ、ここまでは可愛らしい理由ね。ただ、一つ、報告で上がったアレな事件があるけど……それについては詳しいことは何もなく、ただ少女誘拐事件とだけあったわね。何故か、お咎め無しらしいけど…近簿くんだっけ? 重傷を負って死に掛け一歩手前までいったらしいわ」

「「「「………」」」」

 彼女らの知らない闇が、少年にもあるってことだ。

 この話が語られるのは大分先だろうか……今はこの話は置いといて。

「とにかく普通じゃないわ。で、その子が今度は何を悪巧みをしてるというのかしら??」

 と、固法先輩から話を振られた黒子は我に返り……

「あ、いえ、悪巧みというか、それはまだというか冗談で言っているだけですの……」

 少し気持ちを落ち着かせようと深呼吸をして、

「どうやったら、あの殿方はわたくしめに携帯番号とアドレスを教えてくださるのでしょうか??なんどもアタックしているわけですが、手応えがありませんの」

「「「「は?」」」」

 やれやれと、首を振る少女に一同困惑。

 なんか、大事な話もあり時間を引き伸ばして、そんなことが問題なことなの?と。

「近簿さん、わたくしを避けますの。こちとら普通にお友達として付き合いたいというだけなのに」

 少年は少女を拒んだ。

「あ、白井さん。私もアドレスの登録拒まれました」

 少年は少女たちを拒んだ。

 理由は至極簡単で、君達と絡むと事件に巻き込まれそうだ、もうカミやんだけで十分なんだよ、ごめんなと本人は心の中で謝罪しているだろうか。

 しかし、そんなめんどうだから絡みたくないという自分勝手な理由などいざ知らず、

「よし、初春。明日、近簿さんんちに押しかけますわよ」

「了解です白井さん」

 なんか、話が急展開だ!?

「というわけで、お姉様方にも強力していただきたく、お呼びした次第ですの」

「「「……あ、あっそう」」」

 というか、始めにパソコンつかって書庫(バンク)で個人データーを覗き込んだのは、御坂があいつは何者なのか?それを説明するためだけに、風紀委員(ジャッジメント)の権限を使用しただけに過ぎなかった。職権乱用じゃない、本人はあくまでしらを切るつもりだが。

「まず、わたくしがテレポートして近簿さんちに乗り込みますの」

 ふむふむ、と初春は真剣に話を聞いていた。

「それで、おそらくですが外に逃げ出すでしょう。それをお姉様とわたくしめで追っかけ、そこから逃走ルートは初春にお願いしますわね」

「まかせてください、白井さん!!」

「いや、なんで私まで……」

 初春ちゃんはやる気満々だ。

 逆に美琴たんは気乗りしなかったり……

「な、なんだか楽しそうですね。白井さん、私は何か手伝えますか??」

「はいですの。佐天さんには、固法先輩と共に通行人A・Bになってもらい路地裏で近簿さんの行く手を遮るというかもうぶつかって押し倒して絡み合ってくださいの!!」

「よっしゃー! 私はやーるーぞ~!!」

 メラメラやる気の炎が湧いてきた。

「……私はやらないわよ?」

 高校生で年長な固法先輩は辞退した。もはや蚊帳の外だ。

「そして、佐天さんを倒した罪で負い目を感じるであろう近簿さんは、いえ、佐天さんからぶつかったお詫びにファミレスで何かを奢らさせる理由を言い、そこで待機ですの」

「なるほど、新手のカツアゲですね」

「「「「………」」」」

 佐天さん、一言余計だ。

「と、ともかく、佐天さんは色仕掛けでもなんでもして近簿さんを席から立たさないよう、見張ってくださいな。それで後からわたくし達が登場するというパターンで、そこでアドレス交換するんですの」

「「「おぉっ!!」」」

「はぁ……」

 黒子のそれはもはや意地で執念だった。

「決戦は明日の9時!! 皆さん、よろしくお願いしますの!!」

「「おぉーーーーっ!!」」

「って、本当にやるの!?」

「………」

 今までノリで聞いていた美琴は固法先輩に助けを求め、目を逸らされた。

 はい、今日はもう解散!!
 
 

 
後書き
テキトーです 
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