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とある物語の傍観者だった者

作者:パズル男
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3話:日常風景

 
前書き
一話、少し修正しました
魔術の使用頻度、一回目で病院行き。 

 
上条当麻は出遅れた。

 担任の教師に呼び出されたり、クラスメイトに絡まれたり、他クラスの誰かが困っていたら男女構わず手助けしたり、勝手に床を滑って壁に激突したり階段を転げ落ちて自爆したり理由は多々あるが……

「くそっ、不幸だ……!!」

 今日は腹痛と痛い出遅れだった。

 いつもと同じくお馴染みの台詞を飽きもせずに吐き出して戦場へ向かった。

 昼休み30分ものロスタイム、もう絶望的数字だった。

 しかし、

「はい、最後の一個だよ」

 今日に限ってそれは残っていた。

「あれ、不幸じゃない?」

 ツンツン頭の少年は戦地にて念願のソレを手に入れることができた。

 戦利品=焼きそばパンだ。

 今日のお昼ご飯。いつもなら購買部に行った時には売り切れている。なのに、今日はラッキーだった。

「明日は大雨だねぇ」

 購買部のおばちゃんの余計な一言がなければ尚更良しだったがな。

 涙を流した。

 しかし、本当に涙を流すのはこれからだった。彼がラッキーで終わるなんてことはできない。

 一旦、教室に戻って鞄の中から飲み物を取り出し、屋上へと向かうところだった。

「なんやカミやん、自分今から昼食かいな??」

 似非関西弁を喋る少年の悪友が1人、青髪ピアスが行く手を阻む。

 いや、彼も少年と同じ目的で屋上へ向かうつもりなのだろうけど。

「あぁ。そういうお前はもう説教済んだのか? 青髪」

「カミやん、アレは説教なんかとちゃうで? ご褒美やで?? もうサイコーやったわ!」

「あっそう……」

 説教をどう受け捕えるかは個人の自由だな、と言い聞かせてげんなりする。

「それよりカミやん、ちょっと困ったことになったんやけど、ワケを聞いてくれへんか」

「なんだ、早く言えよ。上条さんはもう腹がペコペコでライフは0ですよ」

 上条として早く屋上で先に昼食を取っているであろう友人たちの元へ行きたかった。というか、同じ屋上へ行くのだから歩きながら話したらいいじゃないかと思ったりするのだが、青髪ピアスがそれをさせてくれない。

 というか、手に持っていた焼きそばパンを奪われた。

「ちょ、何してんだ!??」

「いやな、カミやん。今日、ボクも弁当持ってくるん忘れてん」

「下宿先のパン屋の愛しの例のあの子に作ってもらってないのかよ?」

「違うやん、持っていくん忘れたって言ったやん?帰ったら何言われるかわからんから怖いやん??」

「そんなもん上条さんに関係ないし、それは自業自得だろ……ッ!!」

 まぁそれが焼きそばパンとどう関係するのか考えたくもない上条当麻は悪の手からパンをぶん取り返す。

「あぁっ、ちょっ、話はまだやで!!」

「まだもクソもあるか!!」

「頼む、カミやん!! 半分でいいから卑しいボクめに恵んでくれへんか!!」

「嫌だよ!!」

 結局言いたかったのはこれだった。

 それで、そっから始まる焼きそばパンを巡った争奪戦が始まったり、くだらないことで10分は経過したり。

 教室内でいい迷惑だが、誰もこの2人に関わりたくないので皆距離を取ったり……

 そして、本当の不幸は起きる。

「何騒いでいるの貴様達!! 皆が迷惑そうにしているじゃない!!」

 クラスメイトでリーダーシップのある真面目系女子、吹寄制理が教室に戻ってきては二人に駆け寄ってきた。

 それで運悪くも、馬鹿2人を止めようとして上条の手から焼きそばパンが落ちた。彼女の足元に。

「あぁっ、ボクの焼きそばパンが!!」

「お前のじゃねぇだろ!! だがしかし三秒ルールですよ大丈夫ですよね!!」

 そう言って、上条は床に落ちた食べ物でも三秒以内ならセーフと言い聞かせてパンをしゃがんで拾おうとして……

「「「あっ」」」

 ぐちゃりと嫌な音がした。

 自分の焼きそばパンが殉職なされた。だけならまだしも、起き上がろうとして、

「「あっ……」」

 ツンツン頭が女子のスカートに引っ掛かり中が見れたり、薄い水色だったり……

「上条、貴様はそんなに女子のパンツが大好物か??」

「……やっぱり不幸じゃねぇか」

「私が不幸よバカ!!」

「あだっ、不幸だぁぁあああああ!!」

 一発目の鉄建が上条の頭上に落ちた。

 そっから吹寄無双が起きては、2人に鉄拳制裁が下され、ちょうどチャイムが鳴ったり、後にオレこと近簿一二三や土御門元春が教室に戻ってきては吹寄に八つ当たりされたという悲劇のエピソードだった。






 そして、放課後。

「近簿一二三、手を抜くな! 上条当麻、欠伸をする暇があったら真面目にやれ!!」

「「うへぇ……」」

 教室で騒動を起こしたオレ達は連帯責任の罰を負わされ、使われていない教室の掃除をさせられると運命にあった。

 ただ、この場に土御門元春はともかく、騒動の元凶である青髪の馬鹿がいない。

 故に、吹寄おっぱいちゃんはもの凄く荒れていた。

「はぁ、不幸だ……」

「「……」」

 吹寄がキレる理由、オレもわかるよ。
 
 

 
後書き
アニメでは上条当麻が通う学校では食堂があり、食券を買って注文するんだと推測できるのですが(原作六巻参照)
2話で購買部とか書いちゃったから、こっちの世界のここの高校は購買部であるという設定でお願いします

ぐだぐだ日常続きます 
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