FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第165話 美しき音色は鋭い刃
前書き
駄作者07です☆
更新遅れてスミマセン!
今回は第4試合と第5試合!大魔闘演舞1日目のバトルパートも後半に突入!
ナレーション風に書いていきます。
それでは、第165話・・・スタート☆
『ドムス・フラウから少し離れたとある民家の屋根の上』
とある民家の屋根の上に、ずっと妖精の尻尾の魔道士達の事を見ていた『謎の少女』はいた。屋根の上に行儀よく正座をし、片手には映像と音声機能が付いた、球体型の通信魔水晶を持っていた。通信魔水晶の映像には、先程死者の仮面の魔道士、リノに敗れ、両手で顔を覆い、ボロボロと涙を流す妖精の尻尾Aのウェンディの姿が映っていた。その映像を見て、『謎の少女』は呆れたように小さく「はぁ。」とため息をつくと、
?「妖精の尻尾Aのウェンディ・マーベル、死者の仮面のリノ・ハビュットに敗れちゃったか。全く。妖精の尻尾の魔道士達はどうしちゃった訳ェ?」
そう呟くと、指をパチン!と鳴らし、通信魔水晶の映像を切り替えた。すると、待機場所にいる銀河の旋律の魔道士、キース、カオリ、レヴル、ルチーア、アンナの姿が映し出された。
?「あの銀河の旋律とか言う魔道士達に、手も足も出ないのかしら?それとも・・・」
また指をパチン!と鳴らし、通信魔水晶の映像を切り替えた。すると今度は、待機場所にいる死者の仮面の魔道士、オーガンス、リノ、レッタ、コネティ、アーキリーズの姿が映し出された。
?「あの死者の仮面の「妖精の尻尾を支配する」って言う企みに恐れているの?」
聞こえるはずも無い疑問を呟くと、死者の仮面の魔道士達の映像を見つめたまま不敵に微笑んだ。
?「こんな奴等、恐れる事は無いわ。だって奴等は、誰にも言えない秘密を抱えながら、大魔闘演舞に出場したんだもの。自殺行為よ。」
そう呟くと、黒いフレアスカートのポケットから5枚の写真を取り出した。5枚とも、映っているのは男女1人ずつ。5枚の写真に写っている男女の共通点は、腕や肩に弾丸のような紋章が刻まれていた。
?「奴等の正体は、すぐにバレる事になるわ。それに・・・」
今度は指をパチンパチンパチン!と連続で3回鳴らし、通信魔水晶の映像を切り替えた。すると、通信魔水晶の映像に妖精の尻尾の魔道士、ナツ、ハッピー、マヤ、フレイ、ルーシィ、リョウ、グレイ、ユモス、エルザ、ショール、ウェンディ、シャルル、トーヤの姿が映し出された。
?「奴等は、この妖精達には永久に追いつけない。ただ呆然と、妖精の尻尾を眺める事しか出来ない、哀れで愚かな人間なのよ・・・」
静かに風が吹き、『謎の少女』の青い髪をなびかせた。
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『妖精の尻尾専用医務室』
ポ「ほら、終わったよ。」
バトルパートで死者の仮面のリノに敗れたウェンディは、ここでポーリュシカに手当てをしてもらい、それが今終わったところだ。
ウェ「ありがとうございます。」
ウェンディはペコッと頭を下げると、ぴょんっとベッドから下りた。幸い、軽症で済んだ。
ポ「全く。戦うのは好き勝手だが、手当てをするこっちの身にもなってくれ。」
ショ「ス、スミマセン・・・」
ウェ「ゴメンナサイ・・・」
ポーリュシカは吐き捨てるように言った。ついさっき『浮上板』で重傷を負ったショールの手当てをして用意しておいた傷薬が無くなった為街に買いに行ったのだ。傷薬を買って医務室に戻ると、傷だらけのウェンディと付き添いに来たシャルルとトーヤがベッドに座っていたのだ。呆れてしまうのも仕方が無い。
ポ「あんたは明日まで出場は出来ないが、ウェンディは軽症だから待機場所に戻っても大丈夫だよ。」
ト「本当ですかっ!?」
ポ「嘘を言ったって何の得もしないよ。」
シャ「よかったわね、ウェンディ。」
ウェ「うん!」
ウェンディは嬉しそうに頷いた。一方、
ショ「良かったなウェンディ。あ~あ、俺も早く出場したいぜ。」
『浮上板』からずっとベッドに寝たきり状態のショールは退屈そうに呟いた。ショールの怪我も徐々に回復していた。すると、ショールは何かを思い出したのか、「あ。」と小さく呟くと、
ショ「ウェンディ、死者の仮面の奴と戦った時、何か言われなかったか?」
ベッドから身を乗り出してウェンディに問う。ウェンディは少し驚いた表情をした後、
ウェ「ショ、ショールさんも、ですか・・・?」
ショ「あぁ。」
2人の額には冷や汗が滲み、焦りの表情が浮かんでいた。
シャ「ねぇ、2人して何なのよ。」
ト「ウェンディさんもショールさんも、死者の仮面の人達に何を言われたんですか?」
シャルルとトーヤが不思議そうな顔をしてウェンディとショールに問い掛ける。横で聞いていたポーリュシカも声には出さないが、視線をウェンディとショールに向けていた。ウェンディは言おうか言わないか躊躇したが、目が合ったショールが小さく頷いたのを見て、
ウェ&ショ「妖精の尻尾を支配する。」
シャ「はぁ?」
ト「えっ?」
ポ「?」
ポーリュシカは声には出していないが、3人共「何を言ってるの?」とゆう表情をしている。
ウェ「し、信じられない事かもしれませんが、本当なんです!」
ショ「死者の仮面の奴等は、妖精の尻尾を支配しようと企んでいるんだ。」
ウェンディの大きな青い瞳と、ショールの鮮血のような赤い瞳がとても冗談を言ってるようには思えなかった。シャルルとトーヤは一度顔を見合わせると、
シャ「あんた達2人が言ってる事は信じるわ。他に、この事を知っているのは?」
ショ「俺はエルザに言ったけど。」
シャルルの問いにショールが自身無さそうに答える。
ト「じゃあ、この事を一刻も早く皆さんやマカロフさんに・・・!」
ポ「それは止めといた方が良い。」
ト「えっ?」
ベッドから立ち上がり、医務室を出て行こうとするトーヤをポーリュシカが止めた。
ポ「今ここで何を行っているか分かるだろ?盛り上がっている最中、そんな縁起でもない話を耳にしたら更に混乱を招くと、私は思うけどね。」
ポ以外「!!」
ポーリュシカの言うとおりだ。ドムス・フラウでは、フィオーレ王国中の人間が集まるお祭り、大魔闘演舞が行われている。会場が盛大に盛り上がっている中で、そんな不気味な話を耳にしたら、会場は冷静さを失い大混乱を招く。次第に死者の仮面の奴等の耳にも届き、妖精の尻尾だけでなく、他のギルドや観客も襲う可能性がある。つまり、
シャ「最悪の事態になるって事ね・・・」
シャルルが締めくくるように言った。その場にいた全員は顔を伏せた。
ポ「とにかく、これ以上話を広めたら厄介な事になりうる。今の話は、ここにいるあんた達とエルザ、私だけの秘密にしておくんだよ。」
ポーリュシカの言葉にその場にいた全員は大きく頷いた。
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チャ「さぁ!バトルパートも前半戦が終わりました。いよいよ、バトルパートも後半戦に突入ですっ!!」
会場ではチャパティ・ローラの熱気溢れる実況の声が響き渡る。
ヤ「盛り上がってきたね~。」
レ「1日目とは思えませんね。」
オープニングゲームの『浮上板』、第1試合のカリンとアリーのバトル、第2試合のイヴとチルチルのバトル、第3試合のウェンディとリノのバトル。ここまでぶっ通しで見てきた観客達の盛り上がりは止まらない。
チャ「それでは、第4試合に参りましょうっ!!」
迫力がありすぎて、チャパティ・ローラの額には大量の汗が滲んでいた。実況で身を乗り出す度、辺りに汗が飛び散る。
チャ「第4試合、四つ首の猟犬、ウォークライ!!VS幸福の花、スミレ!!」
観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」
石造りの会場の出入り口からウォークライとスミレが姿を現した。
ロ「ウォークライ!お前の力、今年こそ見せてやれっ!俺達は、ワイルドォ・・・」
四つ首全「フォーーーーーッ!!!」
ロッカーの声と共に掛け声を叫ぶ。驚くくらい息がピッタリだ。
ヤ「あのスミレっていう女の子は、確か14歳だったねぇ?」
レ「風の噂で聞いた事があるんですが、スミレさんは、以前妖精の尻尾の最強女魔道士、妖精女王のエルザと、妖精の尻尾の頭脳派魔道士のショールとの対戦経験があるらしいですよ。」
「風の噂」ではなく、「事実」だ。
エ「あの日からスミレがどれだけ強くなっているか、楽しみだな。」
ル「ていうか、あのウォークライって人・・・」
エル「確か、去年剣咬の虎のオルガって奴に・・・」
チャ「第4試合、開始ッ!!」
ルーシィとエルフマンの声を掻き消すかのように、チャパテュイ・ローラの実況と共に像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。すると、
ウォ「・・ぉ、ぉぉ・・・」
ス「?」
ウォークライが小刻みに震え出した。スミレは首を傾げる。すると、ウォークライの瞳にじわじわと涙が溢れ出し・・・
ウォ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ス「えぇっ!?」
雄叫びを上げながら号泣し始めた。スミレは驚きを隠せない。
チャ「出たぁぁぁぁぁっ!ウォークライの涙魔法ッ!」
ヤ「相変わらず面白い魔法だねぇ。」
レ「あんな魔法初めて見ました。シャッターチャァ~ンス!」
レナは素早くカメラを取り出し、号泣するウォークライを次々に撮っていく。
マ「何あの魔法ッ!?」
フ「ワイルドすぎるだろっ!?」
涙魔法を初めて見るマヤ、フレイも待機場所から身を乗り出しながら驚嘆の声を上げていた。
ウォ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ウォークライは『浮上板』の時の湖が出来るんじゃないの!?と思うくらいの大量の涙を流していた。一方スミレは、ウォークライの涙魔法に少々驚きながらも、至って冷静に、菫の花の絵が描かれた薄紫色の着物の懐から横笛を取り出し、口元に当てると、
ス「♪~~ ♪~~ ♪~~ ♪~~
♪~ ♪~~~~ ♪~ ♪~~~~
♪~~~ ♪~~~ ♪~~~」
美しく、激しく、綺麗な音を奏で始めた。
チャ「何と綺麗な音色なんでしょう。」
ヤ「つい聞き入っちゃうねぇ。」
レ「心が安らぎます。」
誰もがその音色に耳を傾け、目を閉じたその時、
ウォ「うぉおおぉぉおおおおあおおああおあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
ウォークライの悲鳴が聞こえた。慌てて目を開けると、
チャ「こ、これはぁぁぁっ!」
会場の地面に、太くて長い蔦が伸び、ウォークライの体を絡め取っていた。誰もがその光景に目を見開いた。
チャ「何とっ!我々が音色に聞き入ってるほんの数秒の間に、ウォークライは身動きが出来ない状態にっ!」
チャパティ・ローラが驚きの実況が会場に響き渡る。
ス「♪~ ♪~~ ♪~~~ ♪~~~~ ♪~~~~~
♪~~~~~ ♪~~~~ ♪~~~ ♪~~ ♪~」
スミレがさっきとは違う音色を奏でると、ウォークライを絡め取っていた蔦はまるで人間の手のように動くと、天高くウォークライを投げ飛ばしてしまった。
ウォ「うぉおおおおぉぉおあおおあおあおあおあああああおあおあああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ウォークライの悲鳴は次第に小さくなり、ズドドドドオオオォォオオォオオンッ!!!と砂煙を巻き上げながら墜落した。ウォークライはまだ号泣したままだったが、立ち上がる事は無かった。
チャ「し、試合終了ォォォッ!勝者、スミレ!幸福の花、10ポイント獲得!!」
パ「わぁ~い!スミレ姉が勝ったぁ~♪」
幸福の花の待機場所ではパンジーがぴょんぴょん飛び跳ねながら勝った事に歓声を上げていた。
サ「でも、あの高さから墜落させてしまって・・・あの号泣する人、大丈夫でしょうか?」
ツ「大丈夫ですよサクラさん。スミレちゃんは優しい子ですから、人を死なせたりは絶対にしませんよ。」
ア「でも、骨の数本は折れているんじゃないどすか?」
幸福の花のギルドマスター、アカネは困り果てた表情で小さく笑った。
チャ「続いて第5試合、蛇姫の鱗、トビー・オルオルタ!!VS銀河の旋律、ルチーア・ジェマニー!!」
石造りの会場の出入り口からトビーとルチーアが姿を現した。
ユ「銀河の旋律だ・・・」
グ「帽子目深に被ってるから、顔が分からねぇな。」
リョ「てか、あの犬っぽい人・・・」
トビ「犬じゃねぇよっ!これは飾りだよっ!」
リョ「き、聞こえてたのかぁっ!?」
妖精の尻尾の待機場所にいるリョウに向かって、会場にいるトビーが怒鳴り声を上げる。
ナ「つーか、あいつの首から下がってる物何だ?」
ト「管・・・でしょうか?」
ルチーアの首には大小さまざま、長さもさまざま、太さもさまざまの数本の管が左右に揺れていた。
エ「あれが奴の魔法道具なのか?」
ル「あんな何も変哲も無い管が?」
ルチーアは管を使ってどんな魔法を披露してくれるのか?
チャ「第5試合、開始ッ!!」
チャパティ・ローラの実況と共に、像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。最初に動いたのは意外にもトビーだった。トビーは胸の前で両腕をクロスさせると、さっきまで普通だった爪がシャキィンと倍以上に伸びた。
トビ「麻痺爪、メガクラゲ!この爪には、ある秘密が隠されているんだ。お前にはその秘密が分かるか?」
トビーが自信満々に問うと、
ルチ「麻痺かね?」
トビ「何で分かった!?」
一発で見破られてショックを受けるトビー。だが、この問いは誰でも分かる気がする。なぜなら「麻痺爪」とすでに「麻痺」と言っているのだから。あの妖精の尻尾一の問題児でもあるナツでも分かった問いだ。
ナ「おい駄作者!あのってなんだよっ!あのって!」
そんだけナツが舐められているっていう証拠だ。さて、話が脱線してしまったので元に戻そう。
トビ「くっそぉ・・とんでもねぇ魔道士だな・・・」
まだ簡単すぎる問いに気づいていないトビーが悔しそうに顔を顰める。それを見たルチーアは、
ルチ「君は正真正銘のバカだね。」
トビ「バカって言うんじゃねぇよっ!」
ルチ「おっと!」
麻痺爪でルチーアに飛び掛るトビー。だが、ルチーアは華麗な身のこなしでトビーの攻撃を避ける。すると、首から提げていた数本の管のうち1本を手に持つと、
ルチ「交響曲。」
管を口に銜え、息を吹いた。すると、管から音が出てトビーを襲った。
ト「うおっ!」
ルチ「続いて、協奏曲。」
トビ「おあっ!」
トビーは耳を塞ぐ。耳を塞いでも、攻撃は続く。
ルチ「夜想曲。狂想曲。」
トビ「うぎゃあっ!お゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉっ!」
さまざまな美しき音色と、痛みを訴える悲鳴が会場に響き渡る。
エル「お、音が・・牙を剥いてる・・・」
エルフマンが小さく呟いたのと同時に、マヤが両耳を塞いだ。
マ「こ、こんな音・・・き、綺麗じゃ、ないよ・・・・ざ、雑音だよ・・・」
観客のほとんども、マヤと同じ気持ちで耳を塞いでいた。
ルチ「美しき音色は、時に鋭い刃に変わる時がある。それが、今なんだっ!」
そう言うと、ルチーアは管の中で一番大きくて長くて太い管を手に持つと、
ルチ「不協和音!」
管を口に銜え、息を吹いた。すると、ギィイイィィイイイイイとゆう耳が壊れるような不協和音が会場全体に響き渡った。
ナ「うああぁぁあああぁあああっ!」
エ「くっ・・・!」
フ「な・・何なんだよ~・・・!」
トビ「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
美しき音色は、時に鋭い刃に変わる・・・
トビーは耳を塞いだ状態のままバタッと倒れ、立ち上がる事は無かった。
チャ「し、試合終了ォォォッ!勝者、ルチーア・ジェマニー!銀河の旋律、10ポイント獲得!!」
後書き
第165話終了です☆
第4試合も第5試合も終わってしまい、次はいよいよ大魔闘演舞1日目最後のバトルパート!残っているギルドは・・・読者の皆さんはすでにお分かりですね。
次回は第6試合!果たして、どんなバトルを繰り広げてくれるのかっ!?
それではまた次回~☆
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