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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS戦術解説
  エースの戦い①

——数々の神業と安全策を駆使するエースパイロットの戦闘法——

 撃墜スコア5以上を示す「エース」の称号。これを与えられたパイロット=エースパイロットは、単純に考えて敵パイロット5人以上に相当する戦闘能力を持つと言っても過言ではない。

 しかし、いくら優秀なパイロットが操縦したとしても、MS自体の性能が変化する訳ではない(ニュータイプと呼ばれるパイロットが、Ⅰフィールドに影響を与えることでメガ粒子砲の威力を瞬間的に向上させたり、対ビーム・バリアを展開するケースが見られるが、これは例外中の例外である)。

 確かにエースパイロットは、その技量を評価されてカスタム機や特殊仕様機を配備されることが多いが、エースといえども機体の持つ性能の限界を超える事は出来ない。つまり、エースの戦闘能力は、個人の技量によるところが大きいのである。

 では、エース隊の強さの秘密とは一体何なのか?

 旧世紀において、戦闘機を買ったエースパイロットや戦車エースたちの強さの秘密は「見張り能力」の高さ、つまり目の良さにあったのである。

 目がよければ、敵を先に発見して先制攻撃を仕掛ける事が可能となる。戦闘が誘導兵器主体になってからは、レーダーが人間の目の代わりを務める事が増えたが、ミノフスキー粒子の発見は有し回先頭の復活につながり、人間の目が再び重視されるようになった。

 宇宙世紀のエースたちも、目標を発見する能力に秀で出ている事は言うまでもない。MS用コックピットは外部カメラで得た情報をCG化してモニターに投影しているが、エースパイロットたちは、その中からでも敵機や不自然な点を見つけ出すとされる。

 また、視覚を含むエースたちの感覚は混戦時にも有効である。エースたちの手記や電機では「背中に目を付ける」とか「装甲越しにプレッシャーを感じる」などという抽象的な説明がされているが、これは戦場を広く見ることを意味している。

 360度モニターがあるとはいえ、180度程度の死屋しか持たない人間がカバーできる範囲は限られている。さらに通常のパイロットは、目前の敵機だけを中止するため、他の敵機や味方機の動きを把握することは困難である。

 このため、思わぬ方向から攻撃を受ける場合もあるが、エースともなれば周辺の戦況や地形などを把握し、状況に合わせたフォローや複数の敵機を同時に相手にすることも可能で、不意打ちを受けることもほとんどない。

 このようなエース隊の技術は。主に生存性に寄与するものであるが、生存性の向上は出撃回数の増加、ひいては敵機を撃墜するチャンスが増える事を意味している。では、エースたちはMS同士の戦闘で、どのようなテクニックを駆使したのだろうか?次の回では、エースたちのテクニックを紹介する。



——エースと特殊MS——

 エースパイロットや実際にはエースでなくとも著しく高い戦闘能力を持つ者(ニュータイプや教導部隊など)には、一般量産機とは異なる特殊なMSが与えられることが多い。このため、オールドタイプやニュータイプを問わずエースに相当するパイロットは、さらなる戦闘能力を発揮することが可能であった。

 エースパイロットに特殊MSが配備された背景には、有視界戦闘の復活によってパイロットの優劣が顕著となったことがあげられる。

 特にジオン公国軍に代表される反連邦組織は、数に劣る傾向があったため、エースやニュータイプなど、パイロット個人の能力を重視していた。彼らに与えられた機体として、量産機のカスタム仕様機やガンダム・タイプMS、サイコミュを搭載したニュータイプ専用機などが知られている。


■最強を体現した、「ガンダム」とエース

 アムロ・レイ少尉(当時)の活躍によって、最強の代名詞となった高性能機RX-78(ガンダム)。本機は「ガンダム」の名を持つ多数の後継機や関連機を生み出す契機となった。

 一年戦争以降、誕生したガンダム・タイプMSは主にニュータイプやエース、優れた素質を持つパイロットに与えられ、突出した機体性能と手誰のパイロットによって戦場で数々の敵機を撃墜した。そのキル・レシオは1:100を超えるケースも報告されており、数々の伝説を生み出すこととなった。


■ニュータイプ・エースとNT専用機

 ニュータイプと呼ばれるパイロットは、エースパイロットも含め、通常の人間を「オールドタイプ」と定義するだけの戦闘能力を持つ。

 彼らは通常のMSやMAに搭乗しただけでもエース級も活躍を見せるが、その真価はニュータイプ専用機にはビットやファンネルなどのサイコミュ制御式攻撃端末が装備されているため、通常の機体を凌駕する攻撃力を発揮する。ニュータイプ自身の能力と専用機によって、彼らの多くはエースと呼ぶに相応しい戦果を残している。





補足事項

——エースをサポートしたパイロットたち——

 エースは「孤高の戦士」というイメージもあるが、味方機の支援の下で戦果を残したケースも数多く報告されている。

 伝説的なニュータイプであるアムロ・レイも、一年戦争時には支援MSと共同戦線を張ることが多く、連邦軍のエース部隊として知られる「不死身の第4小隊」やヤザン隊などは、常にチームワークを重視した戦闘を行うことで、高い戦果を獲得していた。有能なサポートの存在は、エースを生み出す重要な要素でもあったのだ。

 
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