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真似と開閉と世界旅行

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準備期間~

 
前書き
今回ネタバレ抜群です。分かりやすい伏線だらけなので今更感もしますが・・・ではどうぞ! 

 
「うわ・・・」

俺と咲はスキマから投げ出され、落下する。

「いたた・・・」

「おい・・・亮・・・そこ退けよ・・・」


俺は咲を下敷きにしていた。

「あ・・・悪い悪い・・・」

「ったく・・・」

俺達は立ち上がって辺りを見渡す。そこは・・・見覚えがあった。

「ここは・・・呉・・・?」

呉の首都、建業。俺達はそこにいた。

「どうして・・・」

「・・・亮?」


背後から声をかけられ、振り返る。そこには・・・

「おお!やはり亮か!」

「祭さん!?」

祭さんだ・・・てことはやっぱり・・・

「やはり来たか。ほれ、城に行くぞ、亮」

「え?」

「少し前からお主の知り合いが多数現れての。儂はそいつらを保護する為に見回っておったのじゃが・・・」

「偶然俺達を見つけた・・・ってこと?」

「うむ。しかし、亮も咲も見違えたぞ」

「そうかな?」



「そりゃ何十年って旅だったからな・・・」


・・・てなわけで、俺たちは城に行き、玉座へ向かう。

「失礼、呉王はいらっしゃいますか?」

ふざけて言うと・・・中からは・・・

「誰だ。今・・・あ・・・りょ、亮・・・?」

俺は蓮華に笑顔を見せる。

「・・・元気そうだね、蓮華」

「あなたも・・・無事で・・・」


その時・・・背後から明命達が入ってきた。

「あ・・・あぁ・・・!」

蓮華が笑顔を浮かべ・・・涙を流す。

「・・・蓮華様、周幼平・・・ただいま戻りました」

「・・・ええ・・・!」



・・・とりあえず、形式として俺たち四人は片膝をつき、蓮華の前に頭を垂れる。咲や他の面々は外で待ってもらっている。

「・・・呉王、孫権様。天の御遣い、大澤亮は与えられた罰を果たし・・・」

顔を上げ、蓮華を見る。

「幼平、興覇、子明をこの場に連れ帰ってきた。・・・ただいま、蓮華」

「・・・確かに報を聞いた。その働きを認め、私に逆らった罪を許そう。・・・お帰りなさい、亮」

そして蓮華はみんなを見て・・・

「そして、思春、明命、亞莎も・・・お帰りなさい・・・心の底から嬉しいわ」

「蓮華様・・・」

「・・・勿体無いお言葉です・・・」

「・・・でも、私も嬉しいです・・・」

そのタイミングで・・・入口が開き、咲が顔を出す。

「もういいか?そろそろ通路が人でつっかえてきたんだけど」

「ああ・・・入ってくれ」

蓮華が言うと沢山の人間が入ってくる。・・・そんな矢先・・・

「亮お兄ちゃん!」

「直葉!?よかった、やっぱり無事だったのか。・・・ってなんだよその格好」

今の直葉の格好は・・・リーファではなく直葉そのものだ。しかもSAOチックというか・・・

「私がやったのよ」

来たのは水色の髪の・・・

「確か・・・シノン、だっけ」

「ええ。・・・傍観者としての力で、平行世界の可能性を移せるのよ」

「・・・つーことはアレか?“直葉がSAOをプレイした”っていう外史の直葉の見た目を、ここの直葉に移したってことか?」

「見た目だけでなく、能力も引き継いでるから・・・元のソードスキルも使えるわよ」


「ふーん・・・」

「それに、一足先にあたしも気の使い方を教わったから、亮お兄ちゃんの足手まといにはならないよ!」

「・・・まだ、戦うのか?・・・死ぬかもしれないぞ?俺は・・・」

「死ぬ気なんてないもん。それよりもあたしは亮お兄ちゃんたちが帰ってこない方が嫌だから・・・」

「まったく、兄さんは女性泣かせですね」

「ヒュー!」

「俺達を忘れるなよ?」

「リョウ、無事でよかった」

「キリトにアス兄も・・・」

「・・・亮、説明してほしいのだけど・・・」

「あ、ああ。こっちの二人が一つ目の世界での家族・・・兄のアスベルと弟のヒューバートだ」

「(リョウ、この人は・・・)」

「(話したでしょ?俺の主。この国の王様」

「(なっ・・・)」

「お初にお目にかかります。私はストラタ共和国のヒューバート・オズウェル少佐です」


「あ・・・俺、いや私はラント領の領主のアスベル・ラントです」



「んで、こっちが二つ目の世界での家族で・・・兄の和人と妹の直葉。兄貴の方はややこしいからキリトって呼んでよ」

「えっと・・・どうも、キリト・・・です。よろしくお願いします・・・蓮華、だっわ!?」


思春が素早くキリトの首を押さえ、慌てて耳打ちする。

「(この馬鹿者!認められても居ない者が真名を呼ぶな!)」

「(え、えぇ!?アレが名前じゃないのか!?)」

キリト・・・真名についても説明したのに・・・

「(で、でも春音・・・そうしたらあの人の名前はなんなんだよ?)」

「(あの方は孫権様だ。いいか、真名を口走ったら命が無くなるぞ)」


「思春、気にするな。・・・それに別にこの者達をまったく知らない訳ではない」

「はっ・・・と申されますと・・・」

「以前、三国が再び襲撃を受けたが・・・リョウコウが我らを助けてくれた。その際に市民から話を聞いたのだ。黒き衣を纏った二刀の男と、白き衣を纏った疾風のごとき女が敵を蹴散らした・・・と」


「それって・・・」

「恐らく、お前の事だろう」


蓮華が笑う。

「別世界と言えど、そなた達に民を・・・国を救われた。真名を預けるのに充分に値する」

「・・・だそうだ。よかったな、和人」

思春に言われ、キリトは頭に?を浮かべたまま頷いた。

「あ、桐ヶ谷直葉です!孫権さん、初めまして!」

直葉が小さく「これがあの三國志の・・・」と呟いていた。歴史好きな直葉の事だからこの世界は驚きだろう。・・・ただ、後で聞いたけど直葉はセイバー達にも会ってたみたいだ。


「・・・あのさ、蓮華。俺達は蜀に行きたいんだが・・・」

咲が言った時、スキマが開いて紫が出てくる。

「ふふ・・・遂にここまで来たわね」

「紫・・・楽しそうだな」

「ええ。人様の世界を踏み込んだ借りを存分に返せるのだから、楽しくもなるわ」


おお、恐い・・・

「なあ紫。この世界に転移させてるのは・・・」

「無論、この世界でケリを付ける為よ。・・・これはあなたの世界の住人の意思でもある」


・・・反対しようとしたら釘を刺されたみたいだ。


「相手が数で来るならこちらも数で挑む。・・・亮、咲。・・・二日よ。今全力でアイツを抑えている。だから二日期間を上げるから、その間に状態を完璧にしなさい」


「・・・わかった」

「また、そちらには今回の旅の仲間を援軍として送るけど・・・一部はこっちで借りるわね」

「ああ、構わない」

「・・・なら、私は戻るわ。・・・負けたら許さないわよ」

そう言って紫は姿を消した。それを見計らって蓮華が口を開く。

「咲、桃香たちならこちらに向かっている。霞を含む董卓軍も同行しているそうだ」

「・・・そうなのか」


気がつけばどんどん騒がしくなっていた。


「おーっす、お邪魔するぜー」

「お、お邪魔します・・・」


そんな中、不意に中に入ってきたのは・・・

「あ・・・リョウコウ!?」

「よっ、相変わらずだな、少年」

「少年言うなっての」


リョウコウだ。何時もの着物姿に・・・あれ?

「おいリョウ、後ろの人は?」

見るとリョウコウの背後にはフードを被った女性がいた。

「ん?あぁ、連れだよ連れ」

「ひ、久しぶり、亮・・・あ、じゃなくて初めまして、だよね・・・あれ?」

「初めましてでいいんだよ。お前、こっちの亮や咲とは初めてだろうが」


「?・・・」



「・・・そうだよね。亮、咲、私は・・・・・・ど、どうしよう、りょう・・・」


「はぁ・・・コイツは美幸だ。そう呼んでくれや」

「あ、あぁ・・・」

俺が首を捻っていると・・・

「・・・サチ?」

蓮華が玉座から立ち上がり、美幸に近づく。

「あ・・・」

「・・・やっぱりサチね。どうしてそんな物を被っているの?」



「う・・・れ、蓮華・・・」

「?」

隣でリョウコウが顔を抑え・・・何かを諦めたかのように美幸のフードを掴んで降ろした。

「あっ・・・!りょ、りょう!?」

「もう手遅れだっつの。わりぃ、紹介し直す。コイツは麻野美幸。プレイヤーネーム“サチ”だ」



「え・・・」

その言葉を聞いて俺は固まる。見た目こそALOのアバターだが・・・確かに、サチと言われれば納得する。

「・・・あ・・・」

「レコンやヤミやクラナに引き続いての切札ってとこだな」


「・・・」

別世界のサチに聞きたいことがあった。けどそれはいざとなると口には出ず・・・

「・・・同じだよ、亮」

「え・・・」

美幸が目の前に立っていた。

「私の世界でも・・・月夜の黒猫団で生き残ったのは・・・私だけ」

「・・・!!」

俺は歯を食い縛る。

「・・・リョウ、一つ聞かせてくれ。お前は本来の・・・正史に存在するソードアート・オンラインの世界は・・・」

「・・・ああ、知ってるぜ」

「・・・そこでも、月夜の黒猫団は・・・」



リョウコウが一度美幸を見て、美幸が頷いたのを確認してから口を開く。

「・・・全滅だ。当然、“サチ”もな」

「・・・そう、か」
その時だった。こちらのサチがやって来た。

「・・・亮」

「サチ・・・聞いてたのか?」

「うん・・・」


俺は頭を掻く。

「・・・何と言うか、難しいな・・・外史って・・・」

「ま、難しく考えんなや。お前は確かにサチを救った。それでいいじゃねえか」

「・・・はは、そう考えとくよ。ところで、同じ“サチ”がいて世界的には平気なのか?」

「元はサチでも殆ど別存在だから問題ねぇだろ。しかも本名もちげぇんだからな」

「あ・・・紗智と美幸・・・」


つまり世界は別人と見てるのか・・・


「・・・あの、亮・・・いいですか?」

「ん?なんだ、明命?」

「・・・お話したいことがあります」

俺は皆に断ってから外に出る。ちなみにリョウコウと美幸はこの世界が襲撃された際にも長く滞在していたため、一部の人間には真名を託されているらしい。しかもリョウコウに至っては霞の副将という名目で魏軍に書類上所属しているそうだ。



「・・・何処に行くんだ?」

「椿を休ませているところです。先に恋さんや咲さんも移動してもらっています」

・・・案内された部屋に入ると・・・

「あ・・・亮・・・」

椿が起きていた。隣には愛依もいる。

「目が覚めましたか。気分はどうですか?」

「えと・・・少し、気持ち悪いです・・・周泰、さん・・・」

「明命で構いません。いえ・・・あなたにはもっと別の呼ばれ方があるかもしれませんが・・・」

椿は明命と目を合わせていない。・・・当たり前だ、“殺した”相手が目の前にいるんだ。その手足は尋常じゃないほど震えていた。

「なぁ明命よ。いい加減話してくれないか?恋に聞いても秘密の一点張りで・・・」

「はい。・・・ですが、この事実はとても衝撃的です。私や恋さんも判明した時は動揺を禁じ得ませんでした。・・・椿、愛依にとってはとても辛い真実でしょう。・・・覚悟はいいですか?」

「・・・俺達はとっくに出来てる」

「アタシも・・・聞きたい」

「・・・わたし、も」



明命が大きく息を吐き・・・

「・・・紫さんの協力を得て、二人の元の世界が判明しました」

「「・・・!!」」

「シンが言っていたので最初は私も信じられませんでしたが・・・」

「それで、何処の世界なんだ?俺は特に覚えは・・・」

「・・・恋姫ですよ、亮」

「・・・え?」

「・・・どういうことだ?」

「・・・そのままの意味」

恋の言葉に首を傾げる。

「・・・じゃあ武将なのか?でも、恋姫に二人はいなかったような・・・」

「・・・亮、二人は確かに本来はいないかもしれません。これを見てください」

明命が部屋から持ってきた魂切と椿の刀を持つ。

「一見長さも鞘も違うように見えますが・・・」

「あ・・・柄が同じ・・・」

持ち手が両方とも同じデザインだ。


「そして椿の能力は・・・他者の記憶を持ち、それを具現化したり、それを使って“真似”をする力」

「・・・!!」

「・・・そして愛依は、恋と髪の色が同じ。・・・闇も使える」


「あ・・・あ、あぁぁぁ・・・!!」

咲が驚愕する。・・・そして明命はその真実を口にする。

「椿は・・・私と亮のーーーーーー娘なのです」



「「・・・・・・!!」」

「愛依は・・・恋と咲の・・・子供」



・・・え・・・なんだって?子供・・・娘だって!?

「ま・・・待ってくれ明命・・・でも、こんな・・・」

「疑問はごもっともです。あくまでこの二人がいたのは“平和を得られた世界”の恋姫です。恐らく、ある日生まれたシンはその力の限りを使って世界を壊して回っていたんでしょう」

「・・・だけど、ある時、恋姫の世界に目をつけた」


「何時ものように世界を怖そうとしましたが・・・亮や咲さんの抵抗により、傷を負いました。確かにその外史は壊されましたが・・・傷を負わされた事が気に障ったのでしょう」


「・・・アイツは・・・生きてた愛依や椿を利用しようと考えた」

「記憶を消し、自らの人形として・・・基点であるこの外史の亮と咲さんを自らの娘に殺させる事で鬱憤を晴らそうとしたのです」

「・・・他の世界を破壊してたのは、椿の能力と愛依の闇を強化するため」


「そして・・・あの戦いに繋がります」


俺は・・・壁に拳を叩き付けた。

「なんだよ・・・それ・・・なんなんだよ、それはっ!!」

「アイツ・・・!!心の底から腐ってやがる・・・!!」

咲も闇が滲み出すくらい、怒りが露になっていた。だが・・・その怒りはすぐに消える。何故なら・・・


「嘘・・・周泰が・・・お母様・・・あ・・・わた、し、わたし・・・!お母様に、お母様をさ、刺し、刺して・・・あ・・・あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

椿が髪を振り乱しながら絶叫する。

「アタシ、母さんを、母さんを闇に・・・そんな・・・そんなぁ・・・う・・・うあ・・・うわぁぁぁぁ・・・!」


愛依は椿とは逆に泣き崩れてしまう。だが・・・明命と恋が、それぞれを優しく抱き締めた。

「お母、様ぁ・・・ごめんなさい!ごめんなさいぃ・・・うわぁぁぁぁ!!」

「・・・いいんです。いいんですよ、椿。それに、本当に謝らなくちゃいけないのは私です。あなたを守れなかったから・・・背負う必要のない重荷を背負わせてしまったのですから」


「お母様ぁ・・・!!お母様ぁっ!!」

取り乱す椿をただひたすら明命は抱き締める。

「母さん・・・闇を・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!」

「・・・大丈夫、気にしてない」

「・・・もっと、もっと何か言ってよ・・・母さん、なに考えてるかわかんないよ・・・怒ってよ、アタシを怒ってよぉ!」

「・・・怒る必要なんてない。・・・ごめんね、愛依。恋が弱いから、愛依が苦しい思いをした。だから、今度はちゃんと守る」


「母さん・・・やっぱり、母さんは変わらないよ・・・」


どうやら明命の言葉で二人にも記憶が戻ってるみたいだ。・・・落ち着くのを待ってから会話を始める。



「・・・椿」

「あ・・・り・・・お父・・・様・・・」


「・・・明命が言ったのは間違いないんだな?」

「・・・うん。私は、周幼平と大澤亮の子供・・・そして愛依は咲さんとれ・・・呂布さんの子供」

「なんで・・・こんな大事なことを・・・」

「・・・仕方ねぇさ。あの屑に記憶を抑えられてたんだ」


俺は椿の頭を撫でる。

「九年間も・・・よく頑張ったな、椿。・・・ダメな父親でごめんな」

「お父様・・・わたし、わたし・・・」

俺は椿に微笑みかけ・・・その時、咲が口を開いた。

「・・・愛依が俺の娘ってのは分かった。実感湧かないけど、事実だしな。・・・問題はこの後だ」

咲が言いたい事はわかる。

「蓮華にどう話すか・・・だよな」

「ああ。普通ならあんな事したら打ち首もんだ。・・・けど、俺は・・・」

「明命、もし蓮華に打ち首を宣告されたらどうする?」

「・・・私は・・・国を、捨てます」

「っ!?」

「そんな・・・ダメだよお母様!?」

「家族を守れなくて国は守れませんよ、椿」

「わたしは本当の娘じゃない!この世界の椿だって生まれるかもしれないんだよ!?だから・・・」

「関係ありませんよ。“私の娘”である以上、どこの世界の椿も大事な家族です。・・・あなたの母親の明命もそう思う筈です」

「お母様・・・」

「まったく・・・大罪だぞ、明命」

「本当に国は捨てませんよ。国の隅でひっそりと暮らして、悪が現れたなら傭兵のように戦う。・・・そんな生活もいいですよね」

「・・・そうなったら俺もお前と運命を共にするからな」

「亮・・・ですが」

「・・・本当にその時になったらどうなるかは俺にも分からない。でもな、明命は・・・人を殺した恐怖に潰されかけた俺を救ってくれた。恋姫から消える時も戻れる保証はないのに着いてきてくれた。ずっと色んな世界で助けてくれて・・・身も、重ねた。・・・それなのに俺はまだ明命に何も返せてちゃいない。・・・明命の幸せの為に俺は動きたい」


「くすっ・・・充分、幸せですよ。亮に出会えただけで・・・私は満たされています」

そこで明命は笑う。

「いいんですか?蓮華様や思春殿達が怒りますよ?」

「・・・沢山愛すべき人がいるのは大変だな・・・あはは・・・」




「話は終わったか?」

咲がニヤリと笑いながら聞いてくる。

「お前も悩まなくていいのかよ?」

「生憎答えは一個だけなんだよ。なぁ恋?」

「(コクッ)」

咲と恋は口を開く。

「「家族を守るのは当たり前」」


「・・・お前らは単純でいいのな」

「お前が考えすぎなんだよ。頭悪いのに」

「んだと!?」

「お、お父様、ケンカはダメだよ」

「そうだよ父さん・・・」


「くくっ・・・あはは・・・」

「ははは!」


俺と咲は笑う。年の近い娘・・・か。

コンコン

「亮様、蓮華様がお呼びですよ」

春鈴の声が扉の向こうから聞こえ、椿と愛依の表情が固まる。そんな椿と愛依の頭に俺と咲は手を乗せる。

「大丈夫」

「俺達が守ってやるからよ」

「「・・・うん!」」




そして再び蓮華が待つ玉座へ向かう。椿と愛依は震えながらもしっかりと蓮華の正面に立つ。

「・・・貴様達が今回の騒動の主犯か?」

鋭く刺さる蓮華の声。二人は再び肩を震わせながらも・・・

「「・・・はい」」

ゆっくりと、肯定した。確かにシンは直接的には関わらなかっただろう。・・・あの事件に関しては。


「・・・貴様達が起こした事の重大さは解るな?」

「「・・・はい」」

「貴様たちはどうやってこの罪を償うつもりだ」

先に口を開いたのは・・・愛依だ。

「本当なら首を差し出さなきゃいけないんですよね。・・・でもアタシは、生きながら罪を償いたいです!死んだら、それで終わりですから・・・それは逃げになります」


「ほう・・・だが貴様によって消された者達はどうする」

「捜します!一生を掛けても必ず全員!!」


その言葉に隣の春鈴が微笑んだ。

「・・・なるほど。では、椿は?」

「・・・わかり、ません」

「・・・」

「わたしはずっと誰かに守られて来ました。愛依やお母様やお父様・・・シィさんやリョウコウ、彩雅さんにもソフィアさんにも助けられました」

椿はゆっくりと言葉を繋いでいく。

「だから・・・だからわたしは、誰かを守りたいです。今まで守られて来た分、傷つけてしまった分、わたしの本当なら終わってしまっていた人生を使って誰かを守りたいです!」

「・・・では、首を差し出す気はないと?」


「「・・・!!」」

椿と愛依は蓮華の鋭い視線から目を逸らさずに見つめ返す。そして蓮華は振り返り・・・

「自分の罪から逃げず、身を投げ出して戦う・・・」

振り向いた蓮華の顔には・・・微笑みがあった。

「本当に亮と咲の娘なのね。椿、愛依」

「「っ!?」」


椿と愛依が目を見開く。俺は・・・リョウコウを見た。

「わり、全部聞いて全部生中継しちまったわ」

「お、お前なぁ・・・!!」

「つってもあくまでここにいるメンバーだけだ。国民にどう行くかは椿たち次第だぜ」

「ありがとう、リョウコウ。・・・またそうやって気にかけてくれたね」

椿がリョウコウに向かって笑顔を向ける。対するリョウコウは指で返事を返しただけだったが。・・・そういやグレイセスの世界で椿を逃がしたのもリョウコウだっけか。


「椿、愛依」

「「は、はい!」」

蓮華が再び表情を引き締め、話す。

「貴女たちに罰を言い渡す。罰はこの後に起こる戦いに尽力を尽くして戦い・・・必ず生き残れ。それが私が与える罰だ」

「「・・・はい!」」


椿と愛依はそう返事をした後・・・座り込んでしまった。

「椿!?」

「愛依!」

「お、お父様・・・立てないよぉ・・・」

「腰・・・またまた抜けちゃったぁ・・・」

『あはははは!』


その場を笑いが支配していた・・・






















































・・・俺は城壁の上に座っていた。

「亮」

「ん・・・蓮華」

蓮華が隣に座る。

「・・・貴方が旅立つ時もここで話したわね」

「ああ・・・もうあれから大分立ったなぁ・・・」

「あの・・・約束、は・・・」

「え?・・・あ、あぁ!忘れてないさ。とんでもないこと言ったなぁ。今にして思えば・・・」

「・・・嫌?」

「まったく。むしろ椿を見て・・・みんなとの子が欲しいと思った」

「・・・私、今回の黒幕が許せないわ」

「蓮華・・・」

「明命の子だと言うなら私にとっても腹違いの娘になるもの。・・・あくまで亮が私を見ていてくれたのなら・・・だけど」

「椿には姉妹がいたっぽいから・・・多分、蓮華達を愛したよ、俺は」


「・・・」

蓮華は・・・俺に抱き着いてきた。

「蓮、華?」

「・・・ごめんなさい。でも、しばらくこうさせて・・・」

「・・・ああ」

「貴方は・・・確かにここに、この腕の中にいるのよね・・・」

「ああ。俺はここにいる。・・・もう、離れたくない。誰とも」

「私もよ。あんな悲しい思いは・・・二度としたくない」

「俺もそうだ。・・・だから・・・勝とう。何時も通りみんなの力を合わせて・・・必ず!」

「ええ・・・勝ちましょう!この世界を好きにはさせない、必ず・・・!」

俺と蓮華は・・・沈み行く夕日を見つめていた・・・・・・


 
 

 
後書き

「椿が・・・娘、か」


「なるほどな、闇や髪の色か・・・」


「なんで気付かなかったんだろうな・・・」


「さあな・・・とりあえず、まだ次回も平和回だぜ」


「次回もよろしく!それでは!」 
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