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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?

作者:Neverleave
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Mission1 ~遭遇~ 

 
前書き
どうしてくれよう鎌倉幕府(なんじゃそら)

意味不の作者の発言から始まりますDMCと問題児シリーズのクロス、第一話。 

 
 ダンテ達四人は、空から地面へと落下してそのまま湖の中へと飛び込むこととなった。
 どうやら湖の水は薄い水膜が幾重にも張り巡らされていたため緩衝材としてとても優れており、あれだけの高さから落ちたにも関わらず四人は怪我一つ負うことなく着地……というか着水できたのである。
 無論、全員がビショビショに濡れることとなったのだが。

「……It’s too bad(……やれやれだな)」

 まとわりついた水を犬のように震えて弾き飛ばすダンテ。
ダンテは少しだけ不機嫌になった。
 もともと彼は半人半魔の存在であり、高所から落下しただけでは命を落とすどころかかすり傷もつきはしないのだ。だというのに必要もない手段を取られてむしろ全身に冷水を浴びせられるということになってしまい、少しイラついている。

「し、信じられないわ! まさか問答無用で引きずり込んだ挙句、空中に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「…………。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう。身勝手ね」

 他の人もこの処遇はお気に召さなかったようである。
 ダンテの近くで二人の男女が口々に文句を言っていたが、後半で互いに鼻を鳴らして服の袖を絞った。
 もう一人少女がいたが、そちらはというと溺れていた飼い猫(?)が助かったようでほっと一息ついているようだ。

「此処……どこだろう?」
「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」

 飼い猫の少女のつぶやきに、少年が応える。最後の一言が冗談なのか本気なのかはともかく、どこであるのかわからないというのは全員に共通していることのようだ。
 服を絞り終えた少年は、髪をかきあげると周囲の人物に話しかける。

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは『オマエ』って呼び方を訂正して。――私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱きかかえているあなたは?」
「…………春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。で、見るからに野蛮で凶暴そうなそこのあなたは?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様……でだ。最後はあんたなんだが……」

 一通りの自己紹介を終え、最後に十六夜はダンテを見る。
 それにつられて二人の少女もダンテの方へと注目するのだが、少々訝しげな表情をされた。

「おいおい、男はともかく美少女二人に見つめられると照れるぜ。いくら俺がいい男だからってな」
「……いい男なのは認めるけど、服装については悪趣味の一言ね」
「同感」

 そんなことなど全く気にすることなくジョークを飛ばすダンテ。
 飛鳥と耀が指摘したのは、ダンテのその姿だ。
 それもそうだろう。本来なら何かしらの下着を着てしかるべきだというのに、ダンテは裸の上にコートを羽織っているのだから。女性にしてみれば、なかなか目のやり場に困るところがある。
 とはいえそんな破天荒で、しかもかなり派手な真紅のコートを着ているというのにどこか似合っているのも否定できず、そこが少し悔しい二人。

「ヤハハハハハ、あんた面白いな。見たところ外国人みたいなんだが、いい性格してるぜ全く。名前はなんつーんだ?」
「お前もな、イザヨイ。なかなかにクールでクレイジーなところが気に入ったぜ、お前とは気が合いそうだ。英語も喋れるってんならもう言うこともねぇよ……さてと、自己紹介だっけ? 俺の名前はダンテ。俺については取扱説明書なんかじゃなく、熱いラブレターの一つでも送らせてもらうぜ、レディーズ?」

 どうやらお互いに快楽主義者であるというところで共感し、互いをさっそく気に入り始めたらしい。
 ダンテは十六夜から久遠と耀の方へと向き直ると、仰々しくお辞儀をしながらの挨拶を行った。


「じゃあそうなったら気持ちだけでももらっておくわね。返事についてはその時までおあずけよ」
「私も同じ。もらえたら嬉しくはあるけど」
「そいつはいいね、グッときた! 楽しみにしといてくれよ」

 ダンテの軽口を、少女二人は受け流す。
 ノリにのってきたダンテはますます面白くて、気分が高揚してきた。
 そんなダンテの挙動を面白く感じたのか、飛鳥も耀もふふっと上品にほほ笑んでいる。
 だが、ふとあることを疑問に感じた十六夜がそこで口を開く。

「ちょっと待て、英語も喋れるだとダンテ? なんでそんなのわかるんだ?」
「……ん? なんかおかしいことでも言ったか? さっきからずっとお前ら英語で喋ってるじゃねーか」

 なんでもないようにそんなことを言ってみるダンテだが、その言葉を聞いて十六夜はますますわからないというように首をかしげる。

「なに言ってんだ? 俺たちは日本語しか喋ってないんだぜ?」
「……What?(なんだって?)」

 そう十六夜に指摘され、ダンテは少し驚いた。
 それもそのはず。彼はさっきからずっと英語を使って三人と話をしていたのである。
 しかし彼らは全員日本語でダンテと意思疎通をしていたというのだ。全く異なる言語を使っていたというのに、ダンテには彼らの言いたいことがすべて理解できていたのである。
 しかも日本語なんてものを使われても、もちろん理解などできるはずもないのに、だ。

「……いよいよ面白いな。自動的に通訳でもしてくれるもんがあるってのか? この世界には」
「さあな。にしたってそんなことやってくれるものなんか俺の世界にはなかったね。こいつはまたイイな、ホントに退屈しねぇ」

 どんな理屈でこんなことが起こっているのかは、誰もわからない。
 しかし、ダンテや十六夜にとってそんなものはどうでもいい。なにはどうあれ便利なことだし……
……なにより面白いのだから。

(……いいね。こいつはマジでいい。クソッタレ悪魔どもの相手もできなくてイライラしてたんだ。ワクワクしちまうよなぁ……)

 つい数刻前とは打って変わって上機嫌になるダンテ。
 この世界についての興味は尽きない。ここに招かれた三人、特に十六夜はなかなかに強い。いつか手合せ――という名の喧嘩でもしかけたいところだ。
だが、そんなものよりもダンテが一番知りたいのは……いったいどこのどいつが自分を呼んでくれたのか、ということだ。
 おそらくこの場所の中でもそれなりの力を持ったヤツが自分にあんな洒落た招待状を贈りつけてきたのだろうが……そいつとこれから相まみえることができると思うと、心の底から歓喜してしまう。
 おそらく……というか間違いなく、ここはダンテのいた人界や魔界とは異なる新世界だ。
 人界と魔界は隣同士にあるし、然るべき手段を取りさえすれば誰でも行き来することができる。
 だが、この世界と人界においては、そんなものは何もない。
 離れた別世界同士をつなぎ合わせるとともに、個人を指定してこちらへと一方的に引きずり込むことができるだけの力を持つ者。
 そんなものは上級悪魔にだってそうそういないだろう。
 願ってもいないところから、とんでもない強者と会う機会ができるなどとは……

「Sweet fortune……(願ってもない幸運だな……)」
「ああ、俺もそう思うぜダンテ」

 ダンテが無意識のうちにそうつぶやく。
 どうやら十六夜も同じような結論に達したようで、彼の言葉に賛同した。
 彼もダンテと同じように、凄まじい力を持った者がここにいるということを歓喜……いや、というよりも狂喜しているようだ。

(……ま、それよりも問題は、これからどうするかだな。しょうがねぇ、さっきから俺らを見てるヤツに聞いてみるとするか)

 もう、とりあえずここで三人と話すべきことは何もないだろう。
 ダンテは、湖付近にある茂みの方をチラと見やる。
 湖に落ちた時からずっと感じていたが、先ほどから自分たちを監視している存在があることにダンテは気づいていた。
 いつこちらの方へとやってきてくれるのかと思っていたが、相手側からこちらへ姿を現してくれる様子は一向にない。
 それはつまり、自分たちが監視者の存在を察知できるのか試しているのか、それとも……あんまり考えたくはないが、出るタイミングを逃しっぱなしにしてしまっているがためなのか……

 まあ、どっちでもいい。とりあえずはご出演願うとしよう。

「さて、と……これからのことについてなんだが……ん?」

 と、ダンテが監視者の存在についてこれから言い出そうとしていた、そのときだった。
 彼は目の端で、上空から何かが落ちてきているのを見つける。
 三つの何かが太陽の光に照らされ輝いているが……

「ん? なんだあれ?」
「あら、なにかしら?」
「……金属?」

 どうやら十六夜たちもそれを視認したらしい。
 いったい何なのかと、ダンテも目を凝らしてみたが……

「――あー、ありゃあ……」

 ダンテはもうわかった。
 というより、この場にいる者の中であれを知っている者はダンテしかいない。
 何しろそれは、多くの悪魔たちを狩ってきたダンテの相棒なのだから。

(つーか、あれも巻き込まれてたってのか……)

 二つは、ダンテが愛用する二丁の巨大な片手拳銃。
 もう一つは、父スパーダが彼に残した形見にして、魔剣。
 魔剣リベリオンと、二丁拳銃エボニー&アイボリーが、空から落ちてきたのだ。

「なんだありゃ?」
「剣と……銃?」
「……あの剣……不気味……」

 十六夜たちも、その姿が見えてきたようだ。
 耀に至っては、どうやらリベリオンの柄にある髑髏の装飾も見えているらしい。この少年たちはとんでもない視力の持ち主のようだ。
 やがて魔剣と二丁拳銃は空から重力の影響を受けて、凄まじいスピードで落下してくると、

「「「「あ」」」」

 ズドォッ!!
 バコッバコッ!!

「あいたっ!!」

 監視者のいる茂みのところに、直撃した。


*****


「や、やだなぁ御四人様方。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?」

「なんつーか、マヌケだな。ろくに身を隠すこともできてない上に落下物に当たるとか」
「なんだ、あなたも気づいていたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ? そっちの猫を抱いてる奴も気づいていたんだろ?」
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
「…………へぇ? 面白いなお前。で、ダンテは?」

「ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます」

「あんなかわいい娘に注目されて気づけないんじゃあ、男失格だぜ? いつ俺に告白しに来てくれるのかって待ち焦がれてたとこだ」
「ヤハハ、確かにな! にしてもあいつ、よく助かったな。銃には当たっても剣はスレスレのとこに落ちたみたいだし」

「そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

「いいじゃねぇか、ドジな女の子ってのも可愛げがあっていいもんだぜ? 出会いがしらにロケットランチャーを撃ち込んできたヤツなんかよりずっといいね」
「なにそれ、そいつとすっげぇ会ってみたい。なかなか退屈せずにすみそうじゃねぇか」
「あなたいったいどんな思考回路してるのよ……」
「私も理解不能」

 話しかけているにも関わらず、それを完全に無視して自分たちで会話をする四人に黒ウサギは涙目になった。
 死にかけた経験をしたにも関わらず、相手はこちらのことなど一切気にもかけないでいるというのが実に悲しい。
 孤独はウサギの天敵だというのに、これは新手のイジメだろうか?

「あのー、御四人方様、話を聞いてくださりませんでしょうか」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「No way(イヤだね)」
「あっは、取りつくシマもないですね♪」

 前言撤回。話を完全に聞いていなかったわけではないらしかったが、これはこれでどうかと思う。
 バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。
 しかし、そんな中でも黒ウサギは冷静に四人を観察していた。

(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝気は買いです。まあ、扱いにくいのは難点ですけども……しかし、あの人は……)

 そんな中でも特に黒ウサギが気にかけていたのは、ダンテだった。
 別段容姿が気になるということでもない。銀髪に、裸の上からコートというのもこの箱庭の世界ではなかなかお目にかかることはないのだが、彼女がどこか引っかかっているのはその気配。
 確かに気配こそ人間のものに違いないのだが、一部……というか半分ほど、それとは全く異なる気配が混じっていたのだ。
 人間のものなどよりもずっと強力で、それでいて凶暴で邪悪。
神格の気配というよりも、まるでこれは……

(……悪魔?)

 と、そんなことを黒ウサギが考えていたそのとき。

「えい」
「フギャッ!」

 いつの間にか耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴んで引っ張った。

「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心のなせる業」
「自由にもほどがあります!」

 少し油断した隙にこれである。
 ずっと最初から観察をしていたのに、終始ずっとフリーダムであり続けた問題児四人を前にしてこんな愚行に及んでしまうとは。
 不覚! と心の中で自らの失態を嘆く黒ウサギだったが、そんな彼女のことなどお構いなしに、不幸は続く。

「へえ?このウサ耳って本物なのか?」
「…………。じゃあ私も」

 まさかの他の者もウサ耳いじりに参加するというこの始末。
 十六夜が右に、飛鳥が左に。それぞれ黒ウサギの耳をひっつかむと、力一杯に引っ張る二人。
 黒ウサギの言葉にならない悲鳴と、ダンテの爆笑が近隣に木霊した。
 
 

 
後書き
うーん、DMC3のダンテの性格ってのが再現できてるのかいまいち不安。
私としてはDMC4のオジ様ダンテの方がやりやすいのだが。
まぁ、どうにかなるだろうと信じよう。
次回もお楽しみに。 
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