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ヘタリア大帝国

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TURN124 アンドロメダ星域会戦その六

「敵の潜水艦だけれどね」
「いないですね、今は」
「どうやら」
「ええ、だからね」 
 それでだというのだ。
「潜水艦の奇襲にも気をつけて」
「はい、確かに」
「それは考えられますから」
「来るとしたらね」
 エリザは戦場全体を見た、そして言うことは。
「要塞衛星を狙ってくるわね」
「マジノ線攻略の時の様に」
「そうしてきますか」
「そう来るわね、だからね」
「衛星はそちらに警戒ですね」
「そうするのですね」
「そうよ、通常艦隊には鶴翼で向かうわ」
 十二段のそれでだというのだ。
「そして衛星はね」
「潜水艦に対する」
「そうされますか」
「消耗戦になるのならそれでいいわ」
 最初から覚悟しているからだ、そうなることも。
「いいわね、例えどれだけの損害を出しても」
「このアンドロメダを守る」
「そうしますか」
「そうよ、絶対にね」
 心の中で思うことはある、だがそれでもだった。
 エイリスは今は最後の植民地を失う訳にはいかない、それでだった。
 エリザはアンドロメダを何としても守り抜くつもりだった、自ら戦場に立ち戦う理由もそこにあった、それが為に。
 鶴翼を崩させず枢軸軍に対する、枢軸軍の攻撃は宇宙台風や大怪獣のそれをも凌駕するまでであった。 
 エイリス軍はその攻撃に削られていく、だが。
 彼等は戦場に立ち続ける、マンシュタインは彼等に攻撃を浴びせながら言った。
「見事と言うべきか」
「はい、そうですね」
 ロンメルが年上の親友の言葉に応える、マンシュタインの次には彼が控えている。
「流石は世界の盟主です」
「騎士だ」
 それがエイリス軍だというのだ。
「正面から正々堂々と戦いだ」
「そして一歩も引かない」
「そしてエリザ=ブリテン前女王もな」
「衰えはありませんね」
「敵にとって不足はない」
 マンシュタインは腕を組んで言った。
「こちらも受けて立ちだ」
「勝ちますか」
「私の攻撃は終わった」
 マンシュタインはロンメルにこうも告げた。
「後はだ」
「はい、俺がやらせてもらいます」 
 マンシュタインは攻撃を終え右から左に動いていく、そして次はロンメルが攻める。だが彼の攻撃を受けてもまだだった。
 エイリス軍は戦場に立っている、幾ら攻撃を受けても。
 エリザも自ら前線に立ち戦う、クイーン=ビクトリアもビームを放っていた。
 そのクイーン=ビクトリアに至近弾が来た、ミサイルがすぐ傍で爆発した。その爆発を見てエリイス軍の将兵達は血相をかけて叫んだ。
「エリkザ様!」
「ご無事ですか!」
「心配無用よ」
 微笑んでこう返すエリザだった、見ればそのまま艦橋に毅然として立っている。
「この通りね」
「あの、ここは危険です」
「お下がり下さい」
「エリザ様に若しものことがあれば」
「何言ってるのよ、ここは戦場よ」
 心配する彼等に明るい微笑みで返すエリザだった。、
「安全な場所なんてないでしょ」
「ですがそれでも」
「最前線は」
「エイリスは王室こそが先頭に立って戦うものよ」
 これは初代女王からの伝統だ、エイリス帝国の王族は女王であってもまず自分達が戦場に立って戦うのだ。 
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