ヘタリア大帝国
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TURN124 アンドロメダ星域会戦その七
だからだ、エリザもだというのだ。
「それでどうしてここにいられないのかしら」
「では」
「今もですか」
「安心して、クイーン=ビクトリアは沈まないわ」
決してだというのだ。
「例え何があってもね」
「では、ですね」
「この戦場でも」
「このまま戦うわ」
自ら最前線に立ってだというのだ。
「そうするわ」
「わかりました、それでは」
「我々も共に」
彼等はエリザのエイリス王室の者としての、エイリス先代女王としての矜持を見た。それを見たならだった。
彼等も奮い立たずにはいられなかった、エイリス軍の士気は激しい戦いの中でさらに燃え上がった。
エイリス軍は誰も一歩も引かない、陣を一つずつ破られても。
次の陣が前に出て枢軸軍と戦う、その繰り返し十二段の備えは伊達ではなかった。
逆に枢軸軍に激しい攻撃を浴びせる、それを受けてだった。
枢軸軍もダメージが深刻になってきた、それを見てハンガリー兄が言う。
「ううん、こっちのダメージもね」
「無視出来なくなってきましたね」
リトアニアがハンガリー兄に応える。
「これは」
「うん、消耗戦になっているね」
「そうですね、予想はしていましたが」
「エイリス軍も退かないから」
「ですが今はです」
「このまま攻めるしかないね」
「はい、要塞衛星への攻撃もはじまっています」
潜水艦艦隊のだ、だがそれでもだった。
衛星もさるものでソナーを使って潜水艦艦隊に攻撃を浴びせる、こちらも膠着状態になってしまっている。
両軍は互いに消耗し合うまさに殴り合いを展開していた。ハンガリー兄もリトアニアもその中にいて話すのだ。
「結局は最後に一隻でも残っていれば」
「こちらの勝ちになるね」
「はい、そうです」
リトアニアは戦争のかなり原始的な決まりを言った。
「そういうことです」
「そういうものなんだ」
「ですからここは」
「このまま殴り合いを続けて」
「はい、一隻でも残りましょう」
敵を全て倒してだというのだ。
「そうしましょう」
「強いね、リトアニアも」
ハンガリー兄はリトアニアの言葉を聞いて述べた。
「一隻だけでも残ればいいって」
「いや、戦争はそういうものですよね」
リロアニアはハンガリー兄の言葉に意外なことを言われて少し驚いたという顔で返した。
「やっぱり」
「それもそうかな」
「はい、ですから」
それ故にとだ、また言うリトアニアだった。
「ここは粘って」
「最後までこのまま戦って」
「勝ちましょう」
これしかなかった、今は。
両軍はリトアニアの言葉通り正面から殴り合うばかりだった、そうして。
両軍の艦艇の殆どがダメージを受けて動けなくなっていた、撃沈された艦も多い。
だが大和もクイーン=ビクトリアもまだ戦場に立っている、その中で。
東郷は秋山にこう言った、その言う言葉は。
「今からな」
「はい、クイーン=ビクトリアにですね」
「攻撃を仕掛ける」
既にエイリス軍の鶴翼十二段の陣は最後の一段だけになっている、その一段も殆ど残っていない。だがそれは枢軸軍も同じだ。
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