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少年少女の戦極時代

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第10話 変身! 其は月に開く花

 咲たちリトルスターマインは、走りに走ってついにチーム鎧武の拠点があるガレージ通りに辿り着いた。

「なあ、あれってバロンの駆紋戒斗じゃね!?」
「うっそ、バトル中!?」

 しかもタイミングの悪いことに、チーム鎧武の龍玄はチームバロンのバロンとバトルの真っ最中だった。


 すでにバトルフィールドは形成されている。中にいるのはバロンと龍玄。それにバロン側にインベスが2体。しかもインベスは完全実体化していた。

 3対1という圧倒的不利な状況で、チーム鎧武のアーマードライダー龍玄は戦わされている。

(インベスゲーム、じゃない。こんなのただのフリョーのけんかじゃない)

「にいさん…っ」
『碧沙…!? 何でここに』

 龍玄と、加えてバロンも咲たちに気づいた。

 ヘキサが両手で口元を覆って蒼然としている。目尻には涙。――ヘキサのその表情を見た咲の中で、道中にあった恐怖や不安がすっとんだのを、どこか冷たく感じ取った。

(ヘキサを、泣かせた)

 咲は戦極ドライバーを出して、全力で駆け出した。

「どい、てええええええ!!」
「おわ!?」
「へ!?」

 前方にいた革ジャンの男とメガネ男を突き破り、バトルフィールドへ一直線に走りながらドライバーを腹に当てた。ベルトが装着される。バックルのインジケータはイニシャライズ済みだ。


《カモン! ドラゴンフルーツ!》


 ロックシードをバックルに嵌め、拳を2回打ち下ろし、錠前ロックとカッティングブレードをほぼ同時に叩き落とす。


「へんっ……しーーーーん!!」


 空に開いたチャックから落ちる、炎の形をした紅い果実。
 咲の頭部に果実が落ちて嵌るや、咲は大ジャンプして不可視のフィールドに跳び蹴りを入れた。





《ドラゴンフルーツアームズ! Bomb Voyage!!》

 信じられないものを、龍玄は見ている。

 戦極ドライバーを起動した少女は、フィールドに蹴り入れた足から上半身へと向けて変貌していく。ライドウェアの黄色を、ドラゴンフルーツの紅が鎧っていく。

『だあああああああっ!!』

 少女ライダーのキックでフィールドが割れた。

 キックの推力はそれでも落ちない。少女ライダーはパレオを翻しながら、まるで流星のようにバロンへ向かう。
 少女ライダーのキックがバロンの胸に命中した。
 少女ライダーは蹴りの反動を利用して、倒れた龍玄の前に着地した。

『だいじょうぶ? ヘキサのお兄さん』

 少女ライダーが龍玄に手を差し出した。龍玄が恐る恐る握り返すと、思いの外、しっかりした力で引き起こされた。
 起き上がってみると、少女ライダーの背丈は龍玄の肩くらいだ。思ったより大きい。

『君、碧沙を知ってるの?』
『あたし、ヘキサと同じダンススクールなの。室井咲っていいます。はじめまして、お兄さん』
『は、はじめまして。えーっと、妹がお世話になってます』
『いえ、こちらこそっ。ヘキサにはいっつもオセワになってます』
『……おい』

 和やかな挨拶モードをぶち壊す、バロンの険しい声。龍玄は少女ライダーを背にして構え直した。

『ここはガキのお遊戯場じゃない。さっさといつもの田舎小道へ帰れ』
『ヤなこった。だれがあんたなんかの言うこと聞くもんか。べーだ』
『貴様――』

 せっかく庇ったのに、こうも可愛げがなくては庇い様がなくなる。龍玄はちょっぴり泣きたくなった。 
 

 
後書き
 ついに幼女変身キタコレーーーーー!!
 あ、ちなみに「Bomb Voyage」は誤字にあらずです。
 ミッチと戒斗とで全然対応が違うヒロイン①です。シドに「あたしもゆるしてあげない」と宣言した通り、ミッチを痛めつけるバロンを許しませんでした。要するにコドモの正義感です。
 実際この戦い、ヒロイン①にもチームにも恩恵がないんですよね。この時点ではチーム鎧武とは縁もゆかりもなくて、ただヒロイン②のお兄さんだからというだけで助けに入ったんです。

 手に入れた力。彼女の「変身」は正義という幻想(ユメ)を貫くためでした。 
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