ソードアート・オンライン ~白の剣士~
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喫茶店デート
ユイの一件から数日たったある日のこと、俺とエリーはSAOにある喫茶店に来ていた。
「はあ、ここの紅茶は美味しいわね~・・・」
「そうだな、何せ淹れてるのがNPCじゃなくてプレイヤーだからな・・・」
俺とエリーは紅茶を飲みながらくつろいでいる。
ちなみにどうしてこのような状況にあるのかというと、今まで恋人らしいことをしたことがなかったということに気づいたエリーの提案によるものである。
ちなみに、俺とエリーは現在普段とは違うラフな格好で過ごしている。俺はジーンズに白シャツの上にブルーのチェックのパーカー。エリーは白のワンピースにピンクのボレロといった格好だ。
午前中は付近を散歩し、お昼になって現在はこの喫茶店でお茶をしている。そして、二人でティータイムを楽しんでいると、
「あれ、シオンにエリーシャじゃない!」
「ん?あぁ、リズか」
俺たちに声をかけたのはピンク色の髪が特徴的な凄腕鍛冶屋リズベットであった。
「どうしたの?こんなところで?」
「見てわからんか?」
「いや、わかるけど・・・」
「あはは・・・」
「それより、お前のほうはどうしたんだよ?」
先ほどの質問をリズにそのまま返す。
「ああうん、ここの紅茶が美味しいって密かに評判だから飲みに来たの」
「へぇー」
「ねぇリズ、よかったら一緒に飲まない?」
「うーん、そうね!シオン何か奢ってよ♪」
「構わんが、と言いたいとこだが、資金に関しては俺たちもう共通データだからな~・・・」
そう言ってエリーを一瞥。エリーは微笑むと、
「大丈夫、そんなの気にしないって♪シオンもそのつもりでしょ?」
「まあ、な・・・」
「そっか、あんたたち結婚してるんだったね」
「そういうこと、まあ気にしないならいいか、んじゃ来いリズ」
「え、でも・・・」
「行ってきなよリズ、シオンはこういうの選ぶの上手だから」
「俺というよりはここのマスターが上手いんだけどな・・・」
俺とリズはカウンターに行くと一人の男性プレイヤーに声をかけた。
「おーい、シュタイナー!」
俺の声に反応した喫茶店のマスター、シュタイナーはこちらに寄ってきた。
「あれ、シオン。紅茶のおかわり?」
「いや、知り合いにお前の紅茶を飲ませてあげようと思ってな♪」
「へぇー、この子が噂のリズベットちゃんか~」
「あたしのこと知ってるの?」
「ああ、シオンからよく聞かされてるよ。優秀な鍛冶屋さんなんだって?」
「シオン!あんた一体なんてこと!?」
「いや、事実だろ?」
「そうだよ、リズ!」
「うわぁあ!!エリーシャ!!!」
リズの後ろにはいつの間にか空になったカップを持ったエリーが立っていた。
「ああ、エリーシャちゃん。紅茶のおかわりは?」
「はい、いただきます♪」
カップをシュタイナーに渡し、シュタイナーはそのカップを洗い始めた。
「それで、リズベットちゃんは何飲むんだい?」
「じゃあ、ミルクティーで」
「了解、ミルク多めにしとくよ」
シュタイナーはカップを洗い終わると作業に取りかかった。
「本当だったら茶葉から淹れたいんだけどね~」
「SAOじゃ、料理は簡易的になっちまうからな~・・・」
「ああ~、それアスナも言ってた」
「あたしは料理しないからわからないけど・・・」
「だろうな、リズって料理しなさそうだし」
「確かに・・・」
「あんたたち、喧嘩売ってる?」
「「マサカーソンナコトナイデスヨー」」
「何故片言?」
「はい、おまちどうさま♪」
俺たちがじゃれてる(?)間にシュタイナーはリズのミルクティー、そしてアップルティーを淹れ終わっていた。
「このアップルティーは?」
「わたしだね」
「召し上がれ♪」
そう言われるままにリズはミルクティーを一口。
飲んでしばらくして、
「美味しい・・・」
「だってよ」
「お粗末様です♪」
「シュタイナーってリアルでも喫茶店やってるの?」
「うん、とはいってもバイトとして働いてるんだ」
「へぇ~・・・」
正直、彼の紅茶を淹れるスキルは大したものである。“料理スキル”が進化して最終的には“お茶スキル”を身につけたのも彼の努力の賜物である。
こんな風に何かに熱中できるのは本当に羨ましいものだ。
夕日が照らすその帰り、エリーは俺の顔を見て聞いてきた。
「シオン?どうしたの?」
「いや、何かに熱中できるのってスゲーなって・・・」
「シュタイナーさんのこと?」
「ああ、本当にスゲーよアイツは・・・」
エリーは少しの間黙ったあと、少しだけ頬を紅くして言った。
「私もあるよ、熱中すること・・・」
「なんだよ?」
それを聞くとエリーは俺の唇に軽くキスをした。
キスをしたエリーは悪戯な微笑みをしながら言った。
「キミだよ♪」
「ッ!!」
俺の顔はみるみる紅くなり、それを誤魔化すように視線を逸らした。
「はぁ・・・、んなもん、俺も同じだよ・・・」
俺はエリーに聞こえないようにそう呟いた。
「ん?なに?」
「・・・何でもねーよ!」
俺は笑いながらエリーの額にデコピンをした。
「いった!もう・・・!」
「ほら、帰ろーぜ!」
俺はエリーに手を差しのべた。しかし、エリーは膨れっ面のままこっちを見ない。
こいつ、見た目の割に意外と子供っぽいのか?
「・・・」
「・・・ったく、ほら!」
俺はエリーの前で背を向けてかがんだ。
「私、子供じゃないもん・・・」
「いいから乗れよ、今日はデートなんだ。旦那らしいことさせろよ」
エリーはしぶしぶ俺の背中に乗り、俺はエリーを背負いながら歩きだした。
背中越しにエリーの香りがした、とても柔らかい落ち着く匂いだ。
「シオンの背中って大きいね・・・」
「そうか?」
正直、他人にそんなこと言われたことはなく実感がなかった。
「・・・シオン」
「ん?」
「・・・ありがと♪」
そう言ってエリーは俺の頬にキスをした。俺はまだこの感覚に慣れないなと思いながら微笑して言った。
「・・・どういたしまして♪」
こうして今日はのんびりとした、でも少し甘いデートの日となった・・・。
後書き
はい!久々の日常回デス!!
新キャラ、出てきましたね~( ̄∇ ̄*)
意外な一面を披露したエリーに胸キュンして欲しい作者であります。
さてさて、SAO編も佳境に入ってきました。ここをどうしめるかで後のALO編にも影響してくるので悩んでいます。( ̄∇ ̄*)ゞ
では皆さん、コメントお待ちしております♪
ではでは~三( ゜∀゜)ノシ
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