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MS Operative Theory

作者:ユリス
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ジオングの開発①

——ニュータイプのために作られた、「ジオン」の名を持つ究極のマシン——

 MSN-02(ジオング)は、ア・バオア・クー船においてシャ・アズナブル大佐の乗機となり、4隻の艦艇と18機ものMSを撃墜、そして、最終的にはアムロ・レイ少尉のRX-78-3(ガンダム)と相打ちになったという戦歴を持つMSとして知られている。

本機はその名が示すように「ジオン」の威信をかけた、究極のMSとして開発された機体である。

 ジオングは、サイコミュを搭載するとともに、サイコミュ制御式有線メガ粒子砲を含む十三門のメガ粒子砲を装備、さらに高いジェネレーター出力とスラスター推力を有し、一年戦争における「究極のMS」と呼ぶに相応しい総合性能を持つ。

 また、フラナガン機関やジオン公国系軍事企業が培った技術を背景として開発された点も、本機の特殊性を物語っている。

ジオングに採用されたサイコミュ制御式有線メガ粒子砲は、(知られている限り)MAN-03(ブラウ・ブロ)に搭載されたものをベースとして、MS-06Z(サイコミュ・システム試験型ザク1号機)をはじめとする一連の小型化の過程を経て、ようやく実戦に耐える技術として完成したものであった。

 また、ジオングに搭載された全てのメガ粒子砲のベースとなったキアM-33E型も、MSM-03(ゴック)で採用されたキアM-23などを小型、高出力化が図られたモデルである。

 キアM-23は、120mmマシンガンの二倍程度の威力しかなく、40t近い重量を有していたことからも、ジオングに装備されたものが技術的に完成していたことが分かる。

 ジオングは当初「MS-16X」として研究、開発が進められていた。この中でサイコミュ搭載型MSとして開発されていたジオングは、サイコミュとメガ粒子砲の稼働テストが先行して行われている。そして上述のブラウ・ブロやMS-06Z、宇宙戦闘機が実験機として用いられた。

 実験機でのデータ収集と並行して、脚部ユニットを搭載する第1試案と、脚部を廃止して高機動スラスターを内蔵する第2試案のどちらをジオングに選択するかが問題となっていた。

 結果的には、MS-06Z2号機の脚部をスラスター兼ランディングギア・ユニットに換装したMSN-01(サイコミュ・システム高機動試験機)のデータによって、第2試案が優先して進められた。第1試案を選択した場合、全高が35mに達する点も、第2試案が選ばれた理由と考えられる。

 しかし、開発地がア・バオア・クー工廠に移った後、第1試案が再び注目され、脚部ユニットの開発も行われたといわれている。

 その後、MS-16XからMSN-02へと形式番号を変更したジオングは、脚部を廃して完成した。これがシャア・アズナブル大佐の搭乗した仕様のジオングである。脚部のないジオングを見たシャア大佐は「脚は付いていないのか」と整備兵に漏らしたが、この時点でジオングは完成していたのである。





補足事項

——ジオングの開発系譜——

 ジオングは、ブラウ・ブロやサイコミュ搭載MSの原形ともなったMS-06Z系で得られたデータを機に開発が進められた。

 ジオングのサイコミュ制御式有線メガ粒子砲も、この系譜に沿って発展したデバイスである。これ以外にも固定メガ粒子砲や大推力スラスターには、ジオン公国軍が起動兵器の開発で培った技術が反映されている。

 
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