MS Operative Theory
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ジオングの開発②
——ジオングの並列コックピットと開発異説——
ジオングは頭部と胸部にコックピットを持つ。これにより、搭乗員がニュータイプでなかった場合、二人のパイロットが乗ることで、RX-75(ガンタンク)の用に危機管制と機体操縦の分担が可能となっていた。
bニュータイプ搭乗時には、どちらのコックピットからでも一人でコントロールが可能であった。また、頭部は脱出ポッドにもなっており、搭乗員—————特にニュータイプ—————の生存性を向上させていた(ジオン公国軍のニュータイプ用MAも、脱出機構を備えていた)。
この頭部の分離機講は、プランの一つとして浮上していた機体各部をサイコミュ制御式攻撃とする(腹部をコアユニットとし頭部、胸部、腰部、腕部、脚部をサイコミュ制御式攻撃端末化)案の名残とも考えられる。(ターンXのアレである)
ジオングの開発に関する異説として、MS-14(ゲルググ)の開発主任であったZEONIC社の技師リオ・マリーニが、MSN-01での脚部廃止を提案し、ジオングの設計までも行ったというエピソードが知られている。また、この説によると「ジオング」という名称を考案したのも、シャア大佐にジオングの性能を保証したのもマリーニ技師の可能性が高いと考えられる。
——ジオングの要求仕様——
ジオングは量産を視野に入れた他のMSとは異なり、少数しか確認されていないニュータイプの搭乗を前提としたMSであった。つまり大量配備が目的ではなく、少数または単独で高い戦果を期待できるハイエンド機として開発された。
これは、質を優先するジオン公国軍の特性が顕著な形で反映された結果といえる。基本的には当時最強のスペックを求められた機体であり、サイコミュの搭載もその要求項目の一つであった。
➀サイコミュの搭載
パイロットであるニュータイプの能力を十分に生かすために、サイコミュを搭載。またサイコミュ制御式有線メガ粒子砲によるオールレンジ攻撃を採用している。
➁「究極」の性能諸元
地球連邦軍が開発したRX-78(ガンダム)の影響もあり、後の第四世代MSに匹敵するカタログ・スペックを与えられていた。しかし、サイコミュの搭載によって機体が大型化している。
——ジオングの構造——
ジオングは合計で3機開発されたが、実戦には第2試案—————脚部がないバージョン—————が投入された(U.C.0080年代前期、第1試案に準じるタイプが使用された)。
また、五本指マニピュレーターはサイコミュ制御式の有線連装メガ粒子砲となっているほか、腕自体も大きいために他MSとは異なるフォーマットで開発されていたことが分かる。
■頭部
コックピット・ブロックの一つで、小型宇宙戦闘機顕脱出システムともなる。メガ粒子砲やスラスターを装備し、単独でも約60分の稼働時間を持つ。
■腕部
指はすべてがメガ粒子砲であるため、マニピュレーターではなく、固定兵装としての側面が強い。オールレンジ攻撃時には前腕部が切り離され、有線制御式の砲台となる。
■胴体
胴体はMAや宇宙戦闘艇に近い構造を持ち、胸部にはもう一つのコックピットがある。ランドセルはなく、胸部と背部に同型推進器を持つほか、腰部に二門のメガ粒子砲を装備。MAN-08(エルメス)に匹敵するサイコミュを内蔵する。
■スカート
MS-09(ドム)系の影響下にある腰部スラスター・ユニット。第2試案型では脚部の代わりに大型スラスターを装備しており、ジオングにMA的な特性を与えるきっかけとなった。
補足事項
——技術的な影響下にある機動兵器——
ジオン公国の崩壊により、ジオングの開発とその系譜は途絶したかに思われた。しかし、その技術はあく静に受け継がれた他、地球連邦軍にも流出した。
この結果、地球連邦軍のニュータイプ研究機関の一つムラサメ研究所は、ジオングの強い影響を受けたとされるサイコ・ガンダムシリーズを開発している。
——MSへのサイコミュ搭載——
ジオングの成功はMSへのサイコミュっ搭載に先鞭を付けた。これはジオングのMSN-02(Nはニュータイプを意味する)という形式番号からも理解できる。
だが、サイコミュの小型には技術的な困難が伴い、AMX-004(キュベレイ)の開発の成功によって、ようやくMSへのサイコミュの搭載が可能となった。
後書き
次回 地球連邦軍のMS開発(一年戦争編)
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