MS Operative Theory
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ゲルググの開発②
——ガンダムの影響とゲルググの独自性——
ビーム・ライフルとビーム・サーベル(ナギナタ)、手持ち式大型シールドといった装備だけではなく、胸部、腹部=コックピット・ブロック、腰部という胴体ユニットの分割構造は、MS-14(ゲルググ)がRX-78(ガンダム)を強く意識していた証明として語られることが多い。
だが、これは結果論に過ぎず、「良いものは似る」という鉄則に沿っただけのことと思われる。その理由として、ジオン公国軍によるビーム・ライフルの開発はサイド7遭遇戦が発生したU.C.0079,09,18以前に開始されていること、地球連邦軍系MS独自の胴体構造がジオン公国軍に発覚した時期も同年10月初句だと考えられているためである。
こうして見ると、10月にロールアウトしたゲルググに、ガンダムの情報を反映させるには限界がある(ビーム・ライフルは、ガンダム用のXBR-M-79-07Gの影響を受けた可能性もある)。また、バックパックを換装することで仕様を変更するという発想や、下半身に推進器を集中される構造はジオン公国軍独自の物である。
——ゲルググの開発目的と仕様要求——
性能に限界が見え始めたMS-06(ザクⅡ)に代わる主力MSとして、ZEONIC社が開発したMSがゲルググである。ゲルググには、ザクⅡを上回る候暴力と機動・運動性、優れた生産性と整備性、そして拡張性が求められた。
さらに、武装としてビーム・ライフルの標準装備が大前提となっていた。このため、大出力ジェネレーターが搭載されたほか、機動性を確保するためにMS-09ドム・シリーズでみられたスカート及び脚部への推進器の設置も行われている。
➀ビーム・ライフル
ゲルググの開発に当たってはMS携行式ビーム兵器、特にビーム・ライフルの運用が絶対の条件となっていた。ビーム兵器を標準装備する地球連邦軍MSへの対抗や、対艦能力のアップなどから、ビーム兵器の搭載は必要と見られていた。
➁拡張性の確保
ゲルググではランドセルや前腕部固定兵装を装備することで、高機動型や砲戦型などに仕様変更が可能であった。これはRX系でみられた白兵型と砲戦型の連携を、装備を換装することで実現しようとしたものと考えられる。
——ゲルググの構造——
ゲルググは、三分割される胴体や大型エアインテークの採用など、その構造には地球連邦軍系MSの影響が見られる。しかし、ベルボトム型脚部とスカート内への推進器の設置、流体アクチュエーター、モノアイの採用など、ジオン公国軍系の意匠も残っている。
■頭部
特殊な形状の頭部。内部メカニズムはザクⅡの物と似ている。動力パイプは内装されている。
■腕部
前腕部に大気圏内用の熱核ジェット・エンジンを装備。熱核ジェットはモジュール化されており、110mm連射砲や小型シールドへの感想も可能。
■胴体
胴体は核反応炉を内装する胸部、腹部コックピット・ブロック、主数位新危険脚部の接続ブロックである腰部と言った、三つのモジュールから構成される。そのため、整備、生産性に優れる。エアインテークは胸部の反応炉冷却用、腰部の熱核エンジン用としてそれぞれ個別に配置されている。
■脚部
ドム・シリーズ同様、推進器を内蔵するベルボトム型の脚部。ZEONIC社もMS-06Rシリーズで、脚部推進器の技術を持っていたと考えられる。
——ゲルググのバリエーション——
ゲルググは一年戦争末期に戦力化されたMSである。しかし、モジュール換装による拡張性を考慮した設計であったこと、統合整備計画と連携していたことなどから、多数のバリエーションが開発されている。
陸戦型のMS-14G(陸戦型ゲルググ)や砂漠専用のMS-14D(デザート・ゲルググ)などの局地戦用タイプなど、多彩なバリエーションが存在したとされる。さらに、MS-14J(リゲルグ)のようにジオン公国軍残党が独自に改修したモデルも確認されており、ほかにも派生型が存在する可能性もある。
➀MS-14A直系バリエーション
ゲルググは背部がフラットなA型をベースに、特殊なバックパックや専用の頭部などを装備することで仕様の変更が可能であった。高機動タイプのB型や砲戦専用のC型などがこれに相当する。YMS-14(先行量産型ゲルググ)も換装が可能な仕様であった。
➁第2期生産型ゲルググ
MS-14シリーズ自体は第2期生産型MSとの互換性を持つ。しかし、コックピットやマニピュレーターなどを中心に第2期生産型に完全準拠したものはMS-14F(ゲルググ・マリーネ)とMS-14JG(ゲルググ・イェーガー)程度しか確認されていない。整備性に優れたF型は、戦後のゲリラ活動でも多数が使用された。
後書き
次回 ジオングの開発
ページ上へ戻る