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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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これで晴れて自由ーの身だーー!

第一層攻略から早3週間目。

今、第12層のボス攻略中だ。

相手は鎧を纏った骸骨で手が4本…

名前はソードダンサーらしい、て言うかまんまソードダンサーだった。

「何でここにも居るんだよ…コイツ倒すの面倒なんだよなぁ」

やれやれ、大分前に倒し終えた筈なんだけど…まだ強者を探してんのかね?

「全員、突撃!」

ディアベルの号令と共に駆け出したプレイヤー達44人は
それなりにも連携がとれるようになってきており、
カバー等も上場と言える。
特にキリトとアスナは中々に良いコンビネーションで誰よりも活躍していると言えよう。
へ?俺とソウヤ?扉の前で見学だってさ。
何でもチーターに頼む事なんて無いんだそうだ。
なら俺たちがここにいることも必要がないはずなのだが。

「はぁぁぁ!」「やぁあ!」

キリトがソードダンサーの刀を弾き、空かさずアスナがスイッチで突きまくる。

背後をとったディアベルが一閃。

真横から横凪ぎに斬りかかったキバオウが……

「ぐへぁ!?」

偶々な感じで振るわれたソードダンサーの腕が顔面に当たり、壁際までぶっ飛んだ。

「無様にも程がある…」

「だね……はぁ………暇だなぁ…」





そして遂にソードダンサーの体力ゲージが一本になり、
レッドゾーンまで突入。
ガタガタと歯を鳴らしたと思った瞬間、
後ろに迫っていたプレイヤー4人を纏めて両断。

体力ゲージは全損し、ポリゴンの飛散へと変わっていった。

「全員下がれ!様子を視るんだ!」

ディアベルが全員に号令を放つが一つのパーティがそれを聞かなかった。

キバオウのパーティだった。

「駄目だキバオウさん!危険だから下がるんだ!」

「あんさんらが攻撃せんならワイらが止めをもろたで!」

ディアベルの必死な制止を軽く一蹴して…

「ぐえっ!?」「あがぁ!?」「ごふぅぁ!?」

キバオウを除いた3人が、ソードダンサーの持つ4本の刀の餌食となっていた。

目の前で3人が死ぬと言う現場を目撃してしまったキバオウは、
先程までの威勢を消滅させて腰を抜かしていた。

キバオウの目の前に迫るソードダンサーは4本の刀を振り上げて
一直線に降り下ろした。

「キバオウさん!」

「避けろぉ!!」

「……やっ!」

キリト達はキバオウに呼び掛けるが動こうとしない。
否、腰を抜かして動けなかった。
これがリアルであるならばきっと、漏らしているに違いない。

「!っ!!」

ソードダンサーが振り上げた刀を降り下ろした。

"ガンッ!" "キィン!"

「これがホントの腰抜けって奴だな?」

「実際に腰を抜かしていたみたいだし、
そうなんじゃないかな」

降り下ろされた刀はキバオウに当たることなくユウジとソウヤに防がれていた。

「さっき話した通りに行くぞ!」

「了解!」

ユウジとソウヤは左右に散開しソードダンサーへでなく、
刀を一閃した。

握られていた刀はバキンと音をたててポリゴンになり、
ソードダンサーは残りの2本の刀で膝をついていた。

「チャンス!」

「全員突撃!!チャンスだ!」

「「「「「おおおおおお!」」」」」

畳み掛けられたソードダンサーは抵抗することが出来ず倒されポリゴンとなった。

例のごとく頭上にCongratulations!の表示が表れ全員が安堵する。

「ふぅ………何とかなったな…」

「そうだね……ん?」

「どうした?」

「いや、ラストアタックにも参加してないのに……ボーナス?」

ソウヤの目の前にはlook at present!と書いてあり、
アイテム名がヤサカニノマガタマと表示されていた。

「やっぱりこれって…」

「良かったな?強者って認められたみたいだぞ?」

「いや、嬉しくn「お前らぁ!!」へ?」

声のした方を向くとキバオウが…まだしゃがんでいた。

「よくもワイの活躍を邪魔してくれたな!
そのせいで経験値全然入らんかったやないか!」

「えぇー…」

「いや、そこは『お前らが助けに入るのが遅かったせいで漏らしてしもたやないか!』じゃないのか?」

「漏らしとらんわ!チーターがぁ!
最近になって気付いた事やけど、お前らが招かれざる客人やろ!
十分目立つカッコにそのいけすかん目付き…間違いないわ!」

「えぇー……」

「ないわ、もうないわ……」

被害妄想とかそんなんじゃない、もう考えすら纏まらずに口から出た出任せだろう。

まぁ、あいつらのためにこの疑いを被っときますかね。

「よくそんな推理が出来たものだな…
チーターって言われるのもめんどくさいし、そんなありもしない事実を突きつけられたところで認められるはずがないだろ。
第一何処にそんな証拠があるって言うんだ?
是非ともご教授願いたいね」

「そんなら……そんならステータス見せてみろや!
どうせチートつこうてバグっとるに違いないんや!」

「おい!スキルやパラメーターについての詮索はマナー違反だったはずだ!」

「煩いわビーターが!お前もコイツらと同じやろ!
ほら、はよう見せぇ!」

「……………………お前もか?」

ディアベルが疑いをかける眼差しでこちらを見ていることに気がつき、話を降った。

「ああ、マナー違反なのは分かってる。
けどあんな動きをされたらどうしても信じられなくなってしまうんだ。」

……ソウヤを見るとコクリと頷き、恰も見せても問題ない。
そう言っているようだった。

「……良いだろう。
だが、条件を着けるぞ。
もし本当に俺がチートとやらを使っていたならば、今からでも最終層までノンストップで攻略する事を誓おう。
だが、もしもチートを使っていなかったら……俺はもう二度と、ボスをお前達と攻略しない」

「はぁ!?何言ってんねん!おかしいやろそんなん!」

「何がおかしいんだ?
妥当なとこだろ?
ありもしない疑いをかけられている上にタブーである相手ステータスの観覧。
しかも、その事が真実であるのなら今から全層を攻略してもらえて、尚且つクリア出来る。
最高な条件だろ?」

「ふ、ふん!ええやろ!お前がチート使っとる言うんはモロバレなんやから
余裕やて!ディアベルはん、これで見れるで!」

「……本当は見たくない。
だけど君はもしかしたら茅場と繋がっているかもって思うんだ。
……………見せてくれ」

「………ほれ」

ユウジがメニューウインドウを開き不可視状態を解いて二人に見せた。



Yuji ユウジ

Lv51

力520

敏捷380

正確さ100



「そ、そんな……」

「この層で51レベルってありえへんやろ!」

「レベルあげなんて余裕で出来る。
そのスポットをお前達が知らなかっただけだろ」

「キバオウさん!もしかしたらスキルにチートがあるかもしれない!」

取り巻きがほざいてそれを鵜呑みにするキバオウ。

少しは疑えバカ野郎。



ソードスキル使用不可(1000/1000)

鍛冶(1000/1000)

裁縫(1000/1000)

彫金(1000/1000)

索敵(429/1000)

自由製作(1892/3000)



「ない……ない!何でや!」

「うるせぇな…叫ぶんじゃねぇよ」

「せや!なら部外者やからそんな強いんや!」

「はぁ……。
ナーヴギアの発売規定数は10000台。
部外者9人はその規定数以上のナーヴギアを使用してこの世界に来ていた。
詰まり10000台を越えたナーヴギアを使用した事が茅場に伝わり部外者として認識されたんだ。
と、言うことは…俺は部外者なのかねぇ?」

俺がナーヴギアを買った所はキリトが見ている。

俺が疑われる余地はない。

「あ、あ…………」

「絶望に染まってるとこ悪いが、約束は守ってもらうからな?
んじゃさよならだ」

「あー、精々死なないように頑張ってね?」

こうしてユウジとソウヤが攻略会議、及び攻略に参加することは無くなった。


















ーーー1年と少し後。

69層にある町の外れに一件の家が。

回りは木々や小さな川が流れ、神聖さを醸し出す。

家は大きく、豪華で、立派だった。

もうわかった方も居るだろう。

ここはユウジとソウヤのホーム。

そしてギルド【何でも屋】の拠点なのだ。

いつものように依頼者を知らせる鐘がなり、NPCのメイドが出迎えに行き、案内をしてくる。

そしてーーー

「やぁ、久しぶりだねユウジ君、ソウヤ君」

青髪の青年、ディアベルだった。 
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