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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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SAOの転生者達

ー夜。

あれから次の町へたどり着き、俺はソウヤと始まりの町へ戻ってきている。

正確には宿屋だが。

取り敢えずこの先の事を考えて目の前の問題をかたずけることにした。

キリトたちは暫くレベリングに励むらしい。

ボッチ候補だったアイツにクラインという友達ができたことは喜ぶことだろう。

さて、それよりも…

「GMコール」

少しだけ茅場に頼まなきゃならない。

『ーーッふむ、こんな状況下で今尚私を呼び出すとは……
どなたかな?』

「あぁ、繋がったな。
お前さんと取引した変わり者だけど」

おちゃらけた雰囲気を持って言葉を放つ。

隣ではソウヤがはらはらしながら行方を見守っている。

『ほう、君かね。
して、何か御用か、それともまたお願いかな?』

「後者に近いしお前さんにも責任があるとも言える」

『私の?………思い当たらないな。
聞こうじゃないか』

中々険悪になってきた空気にソウヤが胸を押さえている。

「じゃあ言わせてもらおう。














何でメールがフレンドにしか送れない!
友達作りに失敗した哀愁漂うボッチ達が可哀想じゃないか!」

「……………………」

ソウヤは固まった。

どうやらアス○ロンを発動したようだ。

この世界、魔法あったんだな

『あるわけないだろう』

「うお!?通信なのに心読みやがった!
…………できる」

『んんっ!先程の件だが、確かに配慮が足りなかったようだ。
哀愁漂うボッチ…可哀想だ……』

「だろ!?栄誉あるボッチとかほざいているやつだって
心のなかでは友達欲しい!とか思っているはずだ!」

『ぬ…よし!今すぐ改善しようじゃないか!
待っていろ!ボッチ諸君!ーーブッ』

「よし、布石は打った」

キラッとスマイルを決めるユウジ。

「……………どんだけボッチに入れ込んでるのさ…」

「ん?主にキリトとか………あとはキリトとかキリトとかキリトとかキリトだな!」

「………そっか」

ソウヤは心のなかでキリトに敬礼をした。

アインクラッド界ボッチ代表は君だ、と…………








「ぶぇっくしょい!」

「うわっ!でっけぇくしゃみだな」

「いや、急に鼻が猛烈に痒くなってな…」

「ふーーん?」











「さて、それじゃ、周知メールを送ろうかね?」

「誰に送るのさ?」

「周知メールってんだからプレイヤー全員だろ?」

「何でそんな……あぁ、成る程」

「そゆことだ」

ユウジは右腕を振り、メニューを呼び出し、メールを打ち始める。

《コロンデイキルタチヘ》
『身の危険を感じている者達よ、俺は始まりの町、
一番安い宿にいる。
助けが欲しいもの、道を示して欲しいもの。
ゼウスの名の元、集結せよ。
俺は何時までも………待たないかもしれない』

「こんなもんだろ」

「…………あのさ、この最後の文は?」

「フレンドリーだろ?」

「逆に不安になるよ!?訂正を要求する!」

「しゃあねぇな、…………ほらよ」

ユウジは最後の文を訂正し、何時までも待つつもりだ、に書き直し、送信した。





ピロリンッと独特の音がなりメール表示が全プレイヤーに現れる。





side ???

ーーとある一室。

8人のプレイヤーが集まり話をしていた。

各々に独自の容姿を持ち、明らかに目立つ顔立ちである。

「なぁ、ホントにどうすりゃ良いんだよ…」

銀髪の少年が椅子に座り、額を押さえて項垂れる。

「まさかこんな事になるなんて…」

目尻に涙を浮かべ服の裾を握る茶髪だが顔の整った少女が言った。

「逃げ続けるにしたって2年だぞ?無理だろ…」

「そうだな…俺達はそれぞれに目立ちすぎる。
女子はそこまで酷くないはずだが、
俺達は銀髪金髪緑髪だしなぁ…」

こんな事。

茅場明彦における正式チュートリアルで告知された一つの内容。

9人の招かれざる客…まさにこの部屋に集まる(一人足りないが)転生者に他ならないのだ。

「でも、もし教われたら…」

「俺達は全員レベル1…積んでる」

「レベリングすればいいんじゃ…」

「無理だ。
その途中で襲われたんじゃ意味がない。
しかも数ヵ月後にはこの町は軍の本拠地になる。
早いとこ何とかしないと……」

今はまだプレイヤー達はパニックになっていて考えが纏まっていない状態だ。
だが、数日もしない内に落ち着いたプレイヤーから順に強くなろうとするのは必然と言える。
そんなところにGMからの部外者討伐報酬だ。
これがあれば、と誰もが思うことだろう。

「……神様…"ピロリンッ"!?なに!?」

「!俺にも来たぞ?」

「私にも…」

「周知メール?みたいだな……」

「?このゲームに周知メールなんて…」

「いや、イレギュラーも考えられる。
無いとは言い切れない。」

各々に内容の確認。

メールは勿論ユウジが送信した物だ。

「…………どうやら君の願いが叶ったようだぞ?」

「え?」

緑髪の少年が微笑みながら茶髪の少女にメールの一文を指差した。

「まずこの題文。
"コロンデイキタモノタチ"
これは僕達転生者を指している。
ほら、"転"んで、"生"きた、"者"達………ね?」

「あぁ!」

「成る程!」

「じゃあこの文は…!」

「うん、この文で重要な点は遠回しにいっている"導き"。
そして"ゼウス"。
導きはそのまま、ゼウスっていうのは神様の事だね。
つまり、神の導きにおいて一番安い宿に来いってことだ」

「よし!行こう!」

「まって!罠かもしれない!」

「もしかしたら最後の一人が送ったのかも…」

「……考えられるな…だがここにじっとしてても仕方がない。
僕が見に行ってくる。
無事だとわかればみんなにメールを送るよ。いいね?」

「待てよ!………俺もいく。
希望があるならそれにすがるしかない」

「他にはいないね?
よし、じゃあ行ってくる」

「き、気を付けて」

緑髪と金髪の少年はゆっくりと扉を開き辺りを確かめて出ていった。

あとに残った6人は神に祈るように手を握った。









sideユウジ&ソウヤ

「あー、まさか疑われているとは思わなかったな」

ユウジは目の前に立つ少年二人に詫をいれた。

「でも、二人来てくれたし、今度はこっちから出迎えに行こうよ」

ソウヤはフォローを入れて場を取り持つ。

「なぁ、あんたらは一体何なんだ?」

「転生者じゃないなら神の使いとかか?」

緑髪の少年、コウジと金髪の少年、セイヤは口々に質問を投げ掛ける。

「まぁ、そんなところだ。
取り敢えず案内を頼む。
メール送ってから結構時間が立つ…怪しんだやつらがここに来るだろう」

「なっ!?」

「わ、分かった!こっちだ!」

コウジとセイヤは慌てながら道案内を始め、やがて始まりの町の外れにある空き家に到着した。 
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