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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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迫り来る者達ーショ○カーじゃないよ!

ーー町外れ空き家

「…まだ、かな…」

茶髪の少女リンが床に踞りながら呟く。

「まだ二人が出てから10分位しかたってないわよ?」

金髪の少女アルカは胸の前で手を絡ませて答える。

「でも、……?なんだろ…」

窓際にいた少年カイトは何かに気が付き窓を開けて外を覗く。

「ちょっと、何よ!」

「あ、あの…危ないんじゃ……」

「止めとけって、見つかったらどうすんだよ」

各々が静止を呼び掛ける。

「………確かに不味い。
皆!すぐに出る準備だ!急げ!」

「ちょ、何なのよ!」

窓の外を確認した少年、カインが急に扉へと走り出した。

「コウジとセイヤが教襲われてる!
他にも二人いるみたいだけど敵か分からない!」

「くそ!」

全員は慌てて部屋を出て現場へと走り出した。






sideユウジ&ソウヤ

「しつこいねぇ、諦めようって言う考えは持たないのかね?」

「ソイツを倒せば報酬が貰えるんだ!邪魔すんな!」

転生者達の待つ場所へ向かっていた四人、ユウジ、ソウヤ、コウジ、セイヤは
絶賛強襲に逢っていた。

「聞いて驚きやがれ!俺は怒濤のレベリングで7レベルになってんだ!」

「えーー(棒読み)」

「な、なんだってー(棒読み)」

「「…………」」

「何で棒読みなんだよ!バカにしてんのか!」

はぁ、うるせぇ輩だな。

「ソウヤ」

「OK」

アイコンタクト完了。

「何とか言ったらどうなんだ!?」

「何とか」

「かんとか」

「くそーー!ちょっとは焦ろよ!」

中々意識を乱している様子だ。こんなもんだろ。

「取り敢えず食らっとけ。
スタングレネードォ!!」

スタングレネードォ、を強調して石を放り投げた。

「なっ!?スタン!?くそ!」

焦りながら顔を腕で被う追っ手。

しかし投げたのは石でありグレネードではない。

「………………あれ?」

恐る恐る周囲を見渡すと自分一人しかいなかった……

「……騙されたー!」










「いやー、以外と通る物だな♪」

笑いながら走り続けるユウジは楽しそうにしている。

「……あんたら怖くなかったのか?」

セイヤは戸惑いながら問いかけた。

隣でもコウジが聞きたいかのようにユウジを見ている。

「ああいうのには結構な頻度で出会ってるからな」

「実際あれより酷いとも言えるよね」

「……あれより?」

「一体どんなやつなんだ?」

「「踏み台」」

「「あぁ………」」

ーーー踏み台。

この言葉に納得できるのがノーマルな転生者だ。

「ねぇ、あとどれくらいなんだ?」

「もう少し、と行きたかったけど…」

「待ち伏せされたみたいだ…」

四人が立ち止まった先には10人を越えるくらいのプレイヤーが抜刀して構えていた。

「……いい加減面倒になってきたな…」

「どうする?」

「この二人を先にいかせるわけには行かない。
まだ他にもプレイヤーがいて、追跡されたら厄介だ」

「…じゃあやっぱり?」

「「強行突破だ!!」」

ユウジとソウヤは抜刀して構え、何時でもという状態になった。

後ろでは焦りながらも何とかしたい気持ちの二人が話し合っている。

「残念だかここまでだ!
抵抗しなければ優しくあの世に送ってやるよ!」

まんま初期装備のオカッパ男が威勢良く声を張り上げた。

「あの世に送るのに優しくもクソもあるかよ」

「ぬぐっ、ま、まぁいい!大人しく身命になりやがれ!」

「最近の日本人は言動が可笑しくなったと見える。
国語勉強し直せ」

この言葉に顔が赤くなるオカッパ。

「~~~~~!お前ら!やっちまえ!」

「「「「「「おおーーーーー!」」」」」」

四人に向かって一直線に向かってくるプレイヤー達。

ちゃんとした策は無いのかよ…なんて思いながら

「ふっ!」「はぁ!」

ユウジとソウヤは一瞬で向かってきたプレイヤー達の武器を破壊した。

「なっ………何が!?」

「嘘だろ…」

「バケモンかよ……」

「全然見えなかった……」

口々に感想を述べたプレイヤー達は後ずさりをはじめて…

「さて、お前さんらに一つアドバイスだ。
町中でPKを行う場合、方法が今のところ一つしか無い。
完全決着で相手のHPを0にすることだけだ。
これ以外の方法でPKを行った場合………!」

ユウジは言葉を区切り、一瞬でプレイヤーの一人に迫り一閃した。

「ぐあぁぁぁ!?」"ドォン!"

切られたプレイヤーは反動で壁まで飛んでいき激突した。

「と、このようにプログラムが働きHPは減らないようになっている。
いい体験だったろ?やったね、凄い得したね!」

回りにいたプレイヤー達は顔を青ざめている。
ちなみに飛ばされたプレイヤーはノックバックで悶絶している。

「因みに、俺のレベルは18な?お前らが勝てる要素がほとんど無いに均しいんだけど……まだやるか?」

最後の辺を低く言う。

「全員撤退!急げ!」

「うわああああ!?」

「た、助けてくれぇ!」

プレイヤー達は一斉に逃げ始め数秒後には四人を残して誰も居なかった。

「やれやれ、こんなもんだろ」

ユウジはため息混じりに剣を鞘に納めた。

「とにかく早いとこ向かおうよ」

ソウヤが急かすように伝え、それを聞いたコウジとセイヤは頷いた。

「よし、行k「コウジ!セイヤ!」皆!」

向こう側から6人のプレイヤーが走ってくる。

最初はソウヤが敵だと思い、剣に手をかけたがコウジが返事をしたことによって
姿勢をもとに戻した。







「本当に助かったよ、ありがとう」

町外れの空き家。

その一室に集まった8人の転生者を代表してコウジがお礼を言った。

「どう致しましてっと、取り敢えずメールについての案件を済ませたい」

「神の導きについてか?」

「んー、まぁそれに近いもんだ。
お前さんらには2つの選択が与えられた。
一つは引き続きこの世界で行き続ける。
もう一つは転生し直して別の世界に行く。
この場合、特典を一つ減らした状態で再構成し、送り出されることになる。
ゼウス曰く、なるべく行きたい異世界の要望を受け入れるそうだ」

転生者達は各自で悩むしぐさをし、時には話し合っていた。

やがて…

「決まった。
こっちの6人が再転生。
僕とセイヤがこっちに残る」

ふむ、コウジとセイヤは残るか…

「了解した。
では準備の出来た者から俺の前に来てくれ。
あと、先にいっておくが転生した先で踏み台なことして神に目をつけられないように。
いちいち俺が出向くことになるから」

いまいち誰も反応を示さない。

踏み台になる気は無いと見ていいだろう。

それから一人づつ俺の前に歩き、頭に手を乗せてゼウスの下へと送った。

送る度にお礼を言われたがソウヤは何故か口ごもっていた。

お礼を言われるのに慣れていないせいだろうか?





「さて、お前さんらはこれからどうするんだ?」

今は転生者二人を残した状態。

さっきまで普通に襲われていたのだから、顔などの大体の雰囲気は覚えられてしまっただろう。

「取り敢えずレベリングしようかなって」

セイヤが言った。

「この世界ではレベルが物を言う。
なら誰にも負けないようにレベルアップを図るしかない。」

コウジは拳を握りしめ、これからの動きを話す。

「だけど、その場合PKが考えられるよ?
何せフィールドなんだから……後ろから襲われたなんてしたら」

ソウヤが間違いを正すように説得しようとしているが、決意は揺るがないかのように二人は首を縦に降らない。

「ユウジも何か言ってよ…
せっかく残ったのにすぐに捕まったら意味がないよ」

ソウヤが俺に話を振ってきた。

しかし現状において外に出るのは危険だ。

何かで顔を変えられたのなら良い………あぁ、あった。

「兎に角今日はここで休め。
ソウヤは護衛。夜の間この二人と一緒にいろ。
説得は必要ないからしなくて良い」

「え、ちょっ!何言って……」

「良いから任せろ。
少し出掛けるけどすぐに戻るからな」

そう言ってユウジは窓から飛び出していった。

「「「………………」」」

後に残された三人が唖然となっていたのはしょうがない。


















「たっだいまぁー!」

バタンッと扉を開けて帰還の報告。

「!!?…………お帰り………」

行きなりのことにビックリしたソウヤだったがすぐに落ち着いて声のトーンを下げた。

因みに今の時間は深夜の3時だ。

「二人は寝ちゃったんだ……だから静かにしようよ」

ソウヤは小声で言った。

「んー、まぁビックリプレゼントは明日にするか。
よし、ソウヤ、お前も寝て良いぞ。
見張りは俺がやってやる」

「え?良いの?」

「問題ねぇよ。
いつかは1年位寝ないこともあったからな」

「あ、ありえそう………それなら、お言葉に甘えてお休み」

「おう、お休み」

ソウヤは椅子に座って目を閉じると動かなくなった。

…………死んだか

「死んでないよ!」

「しーーーー!」

「あ、ごめん…じゃなくて!………あーもう!お休み!」

「わはは!お休み!」



夜がふける。

ユウジは明日に渡すプレゼントにどういう反応が帰ってくるかを想像しながら見張りを続けるのだった。 
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