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真似と開閉と世界旅行

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飛ばされた先に~

 
前書き
今回珍しく戦闘がありません。ではどうぞ。 

 
「・・・つぅ・・・」

目を覚ますとそこは砂浜・・・いや、海があった。

「ここは・・・あ、みんな・・・!」

辺りを見渡すと吸い込まれた全員が倒れていた。サチとなのは以外はみんな起き上がってきた。

「なんだここ・・・」


咲が頭を振りながら呟く。

「・・・アル」

『地質は先ほどとは違いますね。ただ、便りになる情報にはなりえませんが』

「リパルは?」

『アルさんと同じッス・・・後はここが孤立した無人島ってことぐらいッスか・・・』

「マジかよ・・・」

「あの、咲様・・・なのは様の闇を・・・」


「あ!やばいやばい・・・」

咲がなのはに近づいて左手を近づける。

「感情を吸いすぎないように・・・」

なのはの身体が黒く光り、それが咲に移っていく。

「・・・よし」

咲が立ち上がり髪を掻きあげる。

「・・・平気か?」

「ん・・・まぁ、またぶちギレる可能性はあるが・・・目覚めた直後は落ち着いて話せると思う」

「そうか・・・」

「あの・・・ありがとうございます」

クラナが頭を下げるが、咲は手をヒラヒラ振って・・・

「いいって、気にすんな。俺はただ力が上がった位にしか思ってないからさ」

「それで、これからどうするのよ?」

「確かにな。どうやらレコンたちともはぐれたようだしよ」

闇風と知也の言葉に咲は考える。

「・・・取りあえず、この島を探索しよう。・・・最悪、脱出する時は真似した亮と俺とヤミで飛んでみんなを配達・・・になるけど」

「分担しますか?」

「連絡手段がない上になのはとサチさんを運ばなきゃいけないから分担は無しで」

「分かりました」

「じゃあ俺がサチを、クラナはなのはを頼む」

「はい」


「中心部は森林で襲撃されたら不味い。まずは外側から見ていくってプランでいいかな?」

咲の言葉に全員が頷いた。

「しかし無人島とはな・・・」

『生体反応がないから間違いなしッス』

「・・・ただ、なんでこのメンバーなのかな」

俺が呟くと春鈴が首を傾げる。

「・・・と言いますと?」

「いや・・・サチとなのはは巻き添えだったけど・・・なんていうか・・・今のメンバーってオリジナルっていうかさ・・・本来はいない存在なんだよ」

「え?」

「春鈴だって俺の記憶が正しければ恋姫にはいないし・・・」

「ただ単にお客さんが邪魔なんじゃねえの?」

知也の言葉にうなずく。

「かもね。面白くないって言ってたし・・・」


「・・・おい、あれ!」


咲の声に反応して前を見ると・・・

「船・・・?」

「しかも木造型か・・・」

中の様子を咲に見てもらって・・・

「・・・どうだ?

「所々に破損があるけど、材料があれば充分直せるレベルだ。工具は持ってるから・・・」

「材料を取ってこい・・・か?」

「察しがよくて何より」


・・・というわけでメンバーを割り振る。


咲の方には男手が必要なのと、アバターなので疲れないという理由からサチとなのはの護衛兼修理係に知也と闇風。素早さ重視で探索するので、俺と春鈴とクラナがそれぞれ別れる。

「人数を割いても問題なしな状況で助かったな」

「まったくだね。・・・春鈴、クラナ、行こう」

そう言って行動を開始する。まずは頑丈な木材選びだ。

「アル、質のいい木材とか分かる?」

『そうですね・・・基本的にこの辺りの木の性質は大差がありません』

「じゃあ、あまり悩む必要はないんですね」

「・・・」

すると春鈴が近くの気に近づき・・・

「せい!」

・・・烈火で木を切り裂いた。

ズズ・・・ン


「・・・おいおい」

「ぁ・・・」


クラナでさえ唖然としていた。普通いきなり切り落とすかねぇ・・・



「どうですか、亮様?」



春鈴は“えっへん”と言わんばかりに胸を張る。



「あ、うん・・・凄いね」

「えっへへ・・・」

・・・この子、こんなキャラだったっけ。

『やはり女性は強し・・・ですね、相棒?』

「・・・うん」


そんな感じで俺達は木材を拾い集めた・・・




































咲~




取りあえず俺たちは直せる範囲で船を修理する。

「とにかく沈まなければいいのよね?」

「ああ。あと、食料を頼んでいいか?すぐそこに貝とかバナナとか会ったからよ」

「了解よ。知也は?」

「なのはとサチさんを任せてる。俺は鉄で補給できる場所を探すよ」



俺は武器を空間から取り出し、魔術変換で元の鉄に戻す。

「(木製武器も作っときゃよかったな・・・)」


なんて考えながら作業をしていると・・・上から知也がやって来た。

「おい、咲。・・・なのはの目が覚めたぜ」

「!」

俺は作業を中止して船の中にあった一室に入る。

「なのは・・・」

「あ、咲くん・・・」

「・・・意識は?」

「にゃはは・・・しっかりしてるよ」

よく見ればなのはは憔悴仕切っていて目にも隈があった。

「・・・さっきまでの戦いは・・・」

「うん、おぼろげだけど・・・覚えてる。・・・ごめんね」

俺は椅子を置いて座る。

「まあ、落ち着いて話が出来るようで何よりだ。・・・悪いが、お前の闇を吸った時・・・記憶を覗かせてもらった」


「・・・!」

「・・・あれはぶちギレて当たり前だ。正直・・・キツい体験をしたな」

誰にも言わなかったが・・・正直、なのはの闇は俺の闇すら引っ張りかけたほど強かった。

「・・・最初は」

「うん?」

「最初は・・・スバル達が行方不明になったって聞いて・・・少し不安になってヴィヴィオを早めに迎えに行ったら・・・そうしたら・・・!」

なのはがうつむき、肩を震わせる。

「目の前で、目の前でヴィヴィオの友達ごと光の矢で・・・!」

・・・それは記憶を見ていたから知っていた。俺はなのはの肩に手を置く。

「それ以上は言わなくていい。・・・それで闇が完全に発現しなかっただけ、凄いさ」

「う・・・うぅ・・・!」




・・・なのはの悲しみ、怒りは簡単に理解できた。家族を失う悲しみは・・・正気じゃいられないから・・・

「(俺もそうだったからな)」

『・・・咲さん、亮さん達が戻ってきたッス』

「そうか・・・なのは、身体は平気か?」

「・・・大丈夫。・・・って言いたいけど・・・」

なのはがゆっくりと宝石・・・レイジングハートを取り出す。

「無理をし過ぎたみたい。身体は上手く動かないし、リンカーコアもレイジングハートも・・・少し、休まないと・・・ごめん」


「いや、気にするな。ただ、いざって時に・・・」

俺は横で寝かせているサチを見る。

「・・・サチさんを守ってほしい。・・・頼めるか?」

「・・・うん、任せて」

「・・・あの野郎にムカついてるのは俺も同じだ。・・・協力して奴を倒そう」

「うん!」

「・・・ま、出発にはまだ次回があるから、取りあえず寝ときなよ」

「でも、寝れないよ・・・」

「大丈夫。睡眠魔法あるからさ」

というわけで睡眠魔法を掛けて(効果が切れるアラーム付き)亮達を迎える。

「うわ・・・」

なんか大量に木を担いでるし。

「こんだけあれば足りるか?」

「むしろ余るぜ、これは・・・」


てな訳で修理を完了させ、闇風に集めて貰った食料を積み、飲料水も確保して・・・

「んじゃ、亮頼むわ」


「俺?」

「水上は呉の専売特許だろ?」

「・・・まあな。水上なら三国最強と言っても過言じゃないね」

「・・・天照に惨敗したって聞きましたけど」

「うぐ・・・と、とにかく出航!!」



船を動かし、俺達は無人島を脱出した・・・


































亮~

俺は船縁に立って海を眺めていた。・・・雲ひとつなく、風も波も穏やか。・・・順調過ぎる。何かしら襲撃があると予想したんだが・・・


「あの・・・」

「ん?」

振り返ると、クラナが立っていた。

「どうした、クラナ?」


「あ、いえ・・・その、凌統さんは・・・?」

「凌統・・・って春鈴だよな?なんで・・・」

『相棒はさっきから人数に欠員がいないかチェックしてるんですよ。心配性なんですから』

「・・・」

クラナが無言で睨むとアルは黙る。


「そうなんだ、わざわざ悪いなクラナ」

「いえ・・・」

「んで春鈴なら・・・今、裏側で吐いてると思う」

「え・・・?」


『もしかして、船に弱いのですか?』

「・・・多分、トラウマから来る乗り物酔いだと思う」

「・・・トラウマ?」

「あれ、知らないのか?」

『まだその頃は相棒は全然この世界を知りませんでしたからね』

「・・・アルもだろ」


「ま・・・みんな知ってるから言うけど・・・春鈴は水上戦で父親を亡くしてるんだ」

「!?」

「思春が春鈴の父親を討ち取ってな・・・最初の時はスッゴい思春と春鈴って険悪でさ・・・春鈴がかなり思春に怒鳴ったらしいからな」

『らしい?』

「・・・まあ、気絶してたんだよ、俺」

「あの・・・」

「ん?」

「凌統さんと甘寧さんって・・・仲、良かった・・・ですよね」


「・・・ああ。ま、色々あったんだよ」

「はぁ・・・あ、失礼します」

そう言ってクラナは反対側に向かっていったので・・・こっそり後を着いていく。



「おえぇぇ・・・げほっ、ぅぅ・・・」

春鈴が苦しそうに海に吐いていた。

「・・・えっと・・・」

「・・・あ・・・クラナ様に・・・アル様・・・すみません、見苦しいところを・・・」

春鈴が青ざめた顔で苦笑している。

「あの・・・その・・・」

「・・・何か、有りましたか?」

「う・・・」

『少々踏み込んだ質問を致しますが、船は苦手何ですか?』

それを聞くと春鈴は何かを察したのかハッとなる。

「・・・なるほど、その様子ですと、亮様から聞きましたか?」

「・・・はい。すみません・・・」

「気にしないで下さい。むしろ全員に知れ渡ってると思ってましたから。・・・クラナ様が聞きたいことはなんですか?」

「・・・凌統さんは、恨んでないんですか?その・・・甘寧さんを・・・」

「恨んでましたよ。そりゃもう自分の真名が嫌になるくらい」

「え・・・」

「今は違いますけどね。今の私にとって思春は・・・越えるべき壁です。仲間でもありますが」

「で、でも・・・父親を・・・」

「・・・そうですね。今でもお父さんのことは忘れられません。けど、覚悟しなければいけなかったんです」

『覚悟、とは?』

「いつ戦が起きてもおかしくない・・・勝たなければ死ぬだけ・・・そんな世界に産まれた、だから・・・“誰かが死ぬ”その事実を受け止め、覚悟しなければいけないんです」

春鈴はそこまで言ってからクラナを見た。


「・・・失礼ですが、もしかしてクラナ様も・・・大事な方を亡くされたのですか?」

「・・・!」

『相棒・・・』

「・・・それで、あなたは誰か恨んでる人がいて、それを解決したいから私に話を聞いた・・・とか?」

「・・・半分、当たりです」
「・・・すみません。踏み込み過ぎましたね。・・・あなたの大切な人はまだいますか?」

「・・・はい」

クラナの肯定。それに春鈴は微笑む。

「なら大丈夫です。支えてくれる人がいれば・・・後は時間が解決してくれます」

「時間が・・・」


春鈴がそう言ったあと視線を逸らして頭を掻く。

「・・・なんて偉そうに言いながら、私は海を克服出来てないんですけどね」

『そう言えば・・・海が苦手ですか?』

「今度はアル様の質問に答えます。・・・正直苦手です。海は・・・私の大切な人を二度も奪っていきましたから」

『それは・・・』

「海は・・・私にとって死神も同然なんです。何時も・・・私がいない時に奪っていく・・・!」


「凌統さん・・・」

「・・・春鈴でいいですよ。二人とも」
「・・・けど」

『“真名”と言うのはとても大切なものだと・・・』

「真名は命と同じです。それを呼ばせると言うことは、その人に命を託すということ・・・クラナ様たちには私の命を預けるに値する人間だと言う意味です。・・・まぁ、亮様の知り合いの方々は皆預けるに値してるんですが・・・あはは」

「だったら・・・」

「はい?」

「・・・俺も、様を付けるのは・・・止めてください」

『出来れば私も・・・』

「あ・・・す、すみません。癖で・・・分かりました、クラナさん」

「・・・えっと、改めて・・・お願いします、春鈴さん」

「はい。・・・えと・・・その・・・すみませんが・・・」

笑顔を浮かべた春鈴だが・・・徐々に顔色がまた青ざめていく。

「気が紛れたかと思いましたが・・・す、すみませんっ!!」

再び春鈴は海の方を向いて吐き出す。

「・・・」

クラナが近づき、春鈴の背中をゆっくり擦った。

「す・・・すみま・・・うぇぇぇぇ・・・」


アレだけ吐いたらもう胃液ぐらいしかないだろうに・・・その時、嫌な気配がした。瞬間・・・

ダァン!

・・・発砲音!?

「おい、敵だ!!」

知也の声。春鈴とクラナが顔色を変え、走り出す。・・・やっぱり来たか。俺は葬解を填め直して駆け出した・・・ 
 

 
後書き

「なんという春鈴回」


「色々あって作者が春鈴を使いたくなったらしい」


「主人公・・・だよな・・・俺ら」


「多分な。それじゃ、次回もよろしく!」 
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