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ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―

作者:Nation
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月光校庭のエクスカリバー
  第34話

 
前書き
球技大会の話です。
こっちに投稿予約をするのを忘れていて一時間ずれました。すみません。

是非見ていってください。 

 
 球技大会当日。
 今は晴れているが天気予報では午後から雨が降るとのことだ。
 せっかくのイベントだ。雨が降ることなく最後まで行いたい。
 まぁ、雨が降ったとしても中止になるのは外で行うモノだけ。屋内球技は関係なく行われる。
 現在オカルト研究部部員は校庭の一角で集まり、リラックスしている。
 部活対抗はラストだから今集まる必要はないんだが、部長が集合を掛けた。部活対抗の競技を知らせるためだ。
 その部長は今競技の確認に行っている。
 イッセーは一人でストレッチをしており、アーシアは朱乃さんに手伝ってもらってストレッチ中。
 俺と小猫はルールの確認をしており、祐斗は変わらず物思いに耽っている。
 全員が万全とはいかないが今から殺し合いをしに行くわけじゃなく、重要な勝負をするわけではないので大丈夫だろう。
 そう考えていると不敵の笑みを浮かべながら部長が戻ってきた。
「この勝負、貰ったわ」
「部長、種目は?」
 部長はブイサインと共に告げる。
「ドッチボールよ」
 あ、これはまずいかもしれない。


 ◇◆◇


「部長おおおぉぉぉぉ!!!がんばれええぇぇぇ!!!」
 イッセーが全力で応援をしている。
 現在テニスコートにて部長がクラス代表女子としてテニスをしている。
 その部長の相手と言うのが
「会長おおおぉぉぉぉ!!!勝って下さああぁぁぁい!!!」
 生徒会長だ。
 匙がイッセーに負けじと応援している。何処からか『生徒会』と書かれた旗を持ち出して。
 いや、そもそも匙があんな応援をしているせいで張り合ったイッセーがこうなったのか。
 二人ともフェンスの上に登って応援している。
 人気の人物が勝負をしているのでギャラリーも多い。
「このような形でで上級悪魔同士の勝負が見れるなんて素敵ですわね」
「せめて、普通のテニスをしてほしいところですが」
 そう、ゲームの始まった時は普通だった。だがお互いヒートアップしていきおかしくなってきた。
 二人ともラケットに魔力を纏わせているんだ。
 それだけならラケットが頑丈になったくらいだから、まぁ良かった。だが
「おくらいなさい。蒼取流スピンボール!」
 会長が高速回転するサーブを放つ。
「甘いわ!グレモリー流カウンターを喰らいなさい!」
 部長がレシーブに向かったが、ボールは異常なバウンドを起こし捉えることはできなかった。
 会長がボールに魔力を纏わせて異常なバウンドを起こした。
 さすがにこれは一般人に見せるのはどうかと思うのだが
「うおおぉぉお!!今度は消えるサーブだ!!」
「リアルプリテニだ!」
 と言う具合にギャラリーもヒートアップしているので気にしていない。
 魔球と言うことで片付けられている。むしろマンガの技を見れてさらにヒートしている。
「・・・平和そうで何よりです」
「この光景を去年見なくてよかったと思える」
 見てたら部長たちを警戒して神経を張り巡らせる日常になっていただろう。
「さすがね、ソーナ。でも負けないわ」
 部長が会長を称えている。
 負けず嫌いの部長が熱くなるのは分かるが、冷静そうな会長まで熱くさせている理由が。
「リアス。負けた方が小西屋の全トッピングを乗せたうどんをおごる約束忘れてないわね?」
 実に庶民的な賭けをしているからと言うのは悲しくなる。
 これが学園を支配している上流貴族の悪魔だと思うと本当に。
「もちろんよ。私ですらまだ試していない者をあなたに先越されるわけにはいかないわ」
 先越されるのが嫌なら放課後にでも二人で仲良く食べてきてください。
「そして何より――――」
 ん?まだ何かあるのか?
「朔夜を生徒会に渡すわけにはいかないわ!!」
 ・・・はい?
「ふふ。眷属と言うのは置いておいても、彼の頭脳は生徒会でこそ生かされる。必ずいただきます!!」
「ちょっと待て!!なんで俺が賭けの対象にされてるんだ!?」
 いつの間にそんなことになってたんだ!?そもそも俺の意思は無視か!?
 それにそんなことを言ったら・・・。
「望月いいいいぃぃぃぃ!!!!!」
「朔夜ああああぁぁぁぁ!!!!!」
 ほら、イッセーが血眼で睨んでる。反対側から匙も同じ顔で睨んでるよ。
 それに周りからも視線を感じるし・・・。
「・・・朔夜先輩、ドンマイです」
「・・・その気遣いが今は身に染みる」


 最終的には大会ルールとして設けられていた時間制限によりドローとなり、同時優勝と言う結果となった。ちなみに俺は今後も変わらずオカルト研究部に所属する。


 ◇◆◇


「部長、弁明を聞きましょうか」
「いや、ほら、あれよ・・・」
 部活対抗戦直前、部員全員が集まっている。
 まだ試合まで少し時間があるのでテニスの時の賭けについて部長に話を伺っている。
 俺自身は笑顔で聞いているつもりなんだが、部長の反応を見るに怖い笑顔と言うのを浮かべているんだろう。
「なんで俺が賭けの対象になってるんですか?普通そういうのは本人に了承を取るものでしょう?俺の意思は無視ですか?そもそも部長は本人に了承を取る前に行動を起こしすぎなんです。もし断られた時は―――」
「え、ちょっと朔夜?説教に変わって・・・」
「聞いてますか部長?」
「・・・はい」
 ちょうどいい。この際常々思っていたことをぶちまけてしまおう。
 数分間、部長にたまっていた小言をぶちまけまくっているとイッセーから声が声がかかる。
「朔夜、小言はその辺にしとけって。今から試合が始まるぞ」
「ん?もうそんな時間か」
 もとよりあまり時間が無かったからこんなものか。
「イッセー。助かったわ・・・」
「朔夜の小言は第三者が介入しない限り終わりませんから・・・」
「何か言ったか?」
「「いえ!なにも!」」
 本当は思いっきり聞こえているがとぼけておこう。自覚があるし、また小言タイムが始まりかねない。
「気を取り直して。気合いれなさい、あなたたち」
「大丈夫です。アーシアのブルマでやる気がみなぎってます!!」
「・・・なんでアーシアはブルマなんだ?」
「・・・匠の仕業だ」
 理解した。桐生ならいいそうだな。そしてこのブルマをアーシアに与えたのも桐生だろう。いまどきブルマなんて探さないと見つからないし。
「いい返事ね、イッセー。頑張ったらご褒美を上げるわ」
「うおおぉぉぉぉ!!!おっぱいぃぃぃ!!!」
 ご褒美としか言っていないのにどうしてそうなるんだろうか・・・。まぁ、最近の部長を考えるとイッセーの想像通りの可能性も否定できないが。
「ぎゃぁ!!」
 突如イッセーが奇声を上げた。どうやらアーシアに足を踏まれたらしい。
 頬を膨らませているところを見ると嫉妬しているようだ。
 微笑ましい限りだ。何より俺が動かなくていいんだから。
 暴走したイッセーを止める、もしくは軌道修正するのが俺の役目だったから他に止めてくれる人がいるというのは非常に助かる。もっとも下手をすれば周りも含めて暴走しそうな感じではあるが。
「イッセーさん、例のモノを配ったらどうですか?」
 アーシアが不機嫌な口調で言うが、例のモノ?
「そうだった。これを巻いてチーム一丸となって頑張ろうぜ!」
 そうしてイッセーが取り出したのは『オカルト研究部』と刺繍された鉢巻だった。
「まさかこれ、イッセーが作ったのか?」
 渡された鉢巻は手作り感が満載だ。
「ああ、こっそり練習して作ったんだ!」
 かなり練習したんだろう。こいつの家庭科の成績はいいモノではなかったはずだ。
「・・・予想外の出来栄えです」
 小猫の言う通りだ。
 皆イッセーに渡された鉢巻を巻いて行く。
「ほら、木場」
「・・・う、うん。ありがとう」
「・・・今は勝つことに集中しようぜ」
「・・・そうだね・・・勝つことが大事だ」
 祐斗も鉢巻を巻き、何かしら気合を入れているみたいだが、やっぱりどうにも変だ。
「『オカルト研究部と野球部のみなさんは至急、グランドに集まって下さい』」
 アナウンスで呼び出される。とりあえず集中するとしよう。


 ◇◆◇


「兵藤を狙えぇぇぇぇ!!!!」
「うおおぉぉぉ!てめえらああぁぁぁ!!」
 部活対抗戦、相手は野球部だ。
 そして現在、野球部員全員から集中砲火を受けているイッセーがいる。
 相手からすればイッセー以外狙う存在が居ないからだ。
 まぁ、オカルト研究部のメンバーを考えたらこうなる。
 部長と朱乃さんは二大お姉さまで学園のアイドル。故に当てられない。
 アーシアは二年の癒し系アイドル。故に当てられない。
 小猫は一年の学園のマスコット。故に当てられない。
 祐斗は男子からすれば憎い相手だが当てれば学園の女子が敵に回る。故に当てられない。
 以上五名は狙うことが出来ない。この時点で残りのメンバーが狙われるのは必須だが、さらにイッセーは学園の変態の一人で嫉妬の的。故に当てれる。むしろ当てる。
 俺も同様に消去法で狙われる可能性があり、かつ先のテニスの一件で狙われる対象になるんだろう。だがこうなることを予測し外野に逃げた。故に当てれない。
 結論イッセー一人が狙われている。
「イッセーにボールが集中してるわ!戦術は『犠牲(サクリファイス)』って所かしら?チャンスよイッセー!頑張りなさい!」
「はい部長!!頑張りますううぅぅぅぅぅ!!!」
 イッセーが必死で逃げ回っている。
 俺は基本的に当ても内野に戻る気はない。集中砲火の火中に飛び込む趣味はない。
 負けそうでなければ当てても外野に居続ける予定だ。
 そして当てることが出来ない人物だらけな上、スペックも違うんだ。生徒会が相手で無ければ負けそうになる事態も起きない。その生徒会は部活じゃないからこの部活対抗戦には出ていない。
 まぁ、つまりは負けることはないだろう。
 その間、すべての攻撃をイッセーが受けることになるが。
「イッセーを殺れぇぇぇぇ!!」
「アーシアさん!ブルマ最高おおぉぉぉ!!!それはそうとイッセーは死ねええぇぇ!!」
「お願い!兵藤を倒して!リアスお姉さまと朱乃お姉さまのために!」
「アーシアさんを正常な世界へ取り戻すんだ!!」
「ロリコンは俺だけで十分だ!!」
「出て来なければやられなかったのにな!」
 全校生徒の嫉妬も含めて。
「くそぉぉぉ!!ふざけんなぁぁぁ!てか最初の二人は松田と元浜だろう!!」
 ギャラリーからもブーイングの嵐だ。
 まさしく四面楚歌。味方はオカルト研究部のみ。
 まぁ、その部員もイッセーを囮にしているので味方は居ないかもしれないが。
 イッセーを囮にして、残りのメンバー、主に小猫が相手を屠っている時、相手のメンバーの一人が祐斗に狙いを定めた。
「恨まれてもいい!イケメン死ねぇ!」
 さすが野球部員と言える速球、だが相手は悪魔で速度が売りの『騎士』だ。いつもの祐斗なら楽に避けれるボールだが、遠い目をし試合に集中していない。
 そこにイッセーが庇うように祐斗の前に出る。
「何やってんだ木場!」
「・・・あ、イッセー君?」
 イッセーにボールが迫っている。
 だが突如ボールが降下し、イッセーに命中した。
「―――ッ!!」
 イッセーの股間に。
 ・・・うわ。あれは・・・痛い・・・。
 なんか当たった時に(りん)の音が聞こえた気がした。
 周りの男子も顔が青ざめているようだ。女子はガッツポーズをしているのも見かけるが。
「―――ッ!」
 イッセーは声にならない悲鳴を上げている。
「ちょっとタイム!」
 審判にタイムを掛けイッセーに駆け寄る。
「イッセー、生きてるか?」
「・・・なん・・・とか・・・」
「アーシア!物陰でイッセーを治療してあげて」
「は、はい!」
「小猫、イッセーを運んであげて」
「・・・了解です」
 小猫に引きずられる形でイッセーは体育館裏に運ばれて言った。
「さて、イッセーの弔い合戦よ!」
「イッセーの仇打ちだ!」
 イッセーの犠牲を糧とし、俺たちは勝利をつかむのだった。


 イッセーは次の試合には無事戻ってきた。 
 

 
後書き
今回はノリだけで書いた部分が多いので伏線とかフラグとか考えてません。
どこかで拾う可能性も否定できませんが。

感想お待ちしております。

ここまで読んでいただきありがとうございました。 
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