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真似と開閉と世界旅行

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変異〜

 
前書き
来週っから中間テストか・・・ではどうぞ。 

 
・・・俺達はアルビオールの中でただ、目的地に着くまで黙っていた。それぞれに思うことがあるのだろう。そしてベルケンドに到着した時・・・目の前にいた人が突然倒れた。

「(・・・え?)」

ティアとルークが駆け寄る。

「しっかりして!?・・・間に合わなかった?何故・・・」

その時、、バチカル兵がやってくる。

「・・・これで今日は三人目だ」


「どういうことだ?」

知也が聞くと兵士はため息を吐く。

「ここ数日、突然死が増えてるんだよ。どうもローレライ教団へ預言を聞きに行った直後に倒れる奴が多いみたいだな。治療師さんで助けられないとなると、怪我の類じゃなくて病気かねぇ・・・」

「変だよ。今教団では、預言の詠み上げを中止してるんだよ。イオン様がそう決めた筈なのに・・・」

「いや、この障気ってのが出てくるちょっと前から再開したみたいだぜ。旅の預言士が各地を回っててね。俺も詠んでもらったぜ」

「その預言士はどこへ行ったかわかりますか?」

撫子が聞くが、兵士は首を振る。

「さあ・・・バチカルの方へ向かったみたいだがな」

そう言って兵士は死体を担いで去っていく。

「今のはフォミクリーでレプリカ情報を抜かれたのかも知れませんね」

「どうしてそうだとわかる?」

ガイの言葉にジェイドは答える。

「実験では情報を抜かれた被験者が一週間後に死亡、もしくは障害を残すという事例もありました。先程の方と亡くなり方はよく似ています」

「・・・とにかく、その預言士を見つけて止めなきゃ不味いだろ」

「ああ。もう俺とアッシュみたいな関係は生まれない方がいいに決まってる」

「スピノザから話を聞いたら、旅の預言士を捜した方がよろしいですわね」

そして、研究所に向かい、スピノザと会話する。

「おお、今度はお前達か!しかし大変なことになってしまったな」

「やっぱりタルタロスじゃ抑えきれないほど、振動が激しくなってるのか?」

「うむ。このままでは再び大地が液状化するかもしれん」


「それじゃあ、また元の魔界に逆戻りじゃないか」

黒羽は頭を掻く。

「根本的に障気を消せないかしら・・・」

「それなんじゃが、ルークの超振動はどうじゃろうか」


「そんなこと出来ないんじゃないか?」

ルーク自身が言うが・・・

「超振動は物質を原原子レベルにまで分解する力がある。わしは超振動は専門ではないが、可能じゃろう」

「・・・そう言えば、先程の口振りでは先客がいらしたようですが?」

「ああ。アッシュじゃよ。外殻降下時の第七音素の流れとやらを調べているとか・・・」

「アッシュ!?アッシュがここに来ていたのですか!?」

さすが嫁。反応が速い。

「あいつは今どこに!?」

同位体も速い。

「ここで測定していたセフィロトの情報を見ていたが・・・ロニール雪山の情報じゃったな」

「!」

その瞬間、撫子が凍りついた。

「行ってみますか?」

「そうだな。バチカルは後回しにしてアッシュを追いかけよう」

「あ・・・」

みんながアルビオールに向かうなか、がっくり肩を落とした撫子の両肩を、それぞれ俺と黒羽が叩く。

「「どんまい」」

「・・・」

そして雪山・・・

「(がくがくがくがく)」

「・・・はぁ」

俺はマフラーを取ると、撫子の首に巻く。

「・・・え?」

「多少は寒さ凌げるだろ?・・・まあ、ボロいけど」

「ああ、いえ。ありがとうございます」

俺は前を歩くジェイドに話しかける。

「・・・なあ、ジェイド?」

「なんですか?」

「超振動で障気って・・・消せるのか?」

「・・・多大なコストがありますけどね」

「コスト?」

「まずアッシュが受け取ったというローレライの鍵。あれなら第七音素を集めるにはうってつけでしょう。・・・そう、大量の第七音素が必要なんですよ。数にするなら、素養があるものを入れても一万人の命があれば足りるかと」

「一・・・!?そんなの・・・」

「ええ。無理です。ルークにも忘れるよう伝えましたが・・・物覚えの悪い子供です」

「・・・なるほど」

俺は眼鏡の位置を直しながら聞く。

「・・・障気は負の存在。なら・・・」

「それこそ却下です。その闇・・・障気は間違いなくあなたの許容範囲を越える。個人の闇で暴走しかけたあなたでは・・・」

「・・・だよなぁ」

「別の方法を考えましょう」


ナタリアが口を開く。

「結局、ここで雪崩に巻き込まれた人間は、みんな助かったということですわね」

「・・・そういうことだな」

「ジゼル達はなんでモースに協力してるんだ?ジゼルの性格上アイツとは合わない気が・・・」

「ですが、以前から協力している節はありました。利害が一致している時は手を組む・・・」

「もしくはお互いがお互いを利用してるってことか?」

知也の言葉にジェイドは頷く。

「まあ、モースの思い込みだろうな。六神将は利用してるだけだろうし・・・」

その時、ルークが何か呟いていた。

「新暦1999年。我が娘メリル誕生の記念に・・・(ボソッ)」

「どうしたルーク?何か見つけたのか?」

「い、いや、ただのゴミだった」

「「・・・」」

それを怪しむ眼鏡二人。とにかくパッセージリングに行くと・・・

「・・・ここにも宝珠の気配はないか」

アッシュにルークが話しかけた。

「もしかして、その剣がローレライの鍵なのか?」

「またお前達か」

「アッシュ、教えて。ローレライはどこに閉じ込められていますの?それにヴァンは生きているのですか?」

「お前ならローレライと連絡が取れるんだろ?ローレライがどこにいるのか知ってるんだろ?」

「・・・いや、外殻大地降下の日からローレライの声は聞こえない。呼び掛けにも応じない」

「被験者のお前でも駄目なのか・・・」

「それならお前が知ってることを話してくれないか?」

「アッシュ、お願いですわ!」

ガイとナタリアに頼まれ、アッシュは渋々話始める。

「元々ローレライは、地殻からの解放を望んでいたようだ。俺やルークに接触したのも、地核に留まることでこの星に悪影響が出ると考えたためらしい」

「それならローレライが閉じ込められている場所は地核なのですか?」

「いや、今はいない。ローレライはお前達がヴァンを倒した後、地核から消えた」

「ならどこに・・・」

「奴は最期に言った。ヴァンの中に封じられた、とな」

「兄さんは生きているのね!」

「だけど、あの時のヴァンは相当重傷だったよな?」

黒羽の疑問に、アッシュは首を振る。


「そこまでは分からない。とにかくアイツはローレライを体内に取り込んだんだ。第七音素には癒しの力がある。それが幸いしたんじゃないか?」


・・・とにかく、ローレライの解放とはヴァンからの解放という訳で、その為には宝珠が必要らしい。ルークが受け取らなかった以上、どこかのパッセージリングに投げ出されたと考えたアッシュは各地のパッセージリングを回っているらしい。ルークは同行しようと言ったが、相変わらず口喧嘩をしてアッシュは去っていった。俺達はひとまず預言士がいるというバチカルに行くことになり・・・



「なんだか、随分慌ただしいね」

「おい、何かあったのか?」

ルークが近くの兵に尋ねる。

「ダアトから手配中のモースを発見して連行したんだ!」

「なんですって!」

「だが隙をついて逃走されてな。これから街を封鎖して捜索するところだ」

「ではまだモースはバチカルのどこかにいるのですわね」

「俺達もモースを捜そう!」

「悪人が逃げるなら・・・!」

「封鎖されていない港ですね!」

黒羽と撫子の言葉に俺達は走り出す。

「待て!モース!」

あっさりと見つかり。すぐに追い詰める。

「潔くローレライ教団の査問会に出頭し、自らの罪を認めなさい」

「冗談ではない!罪を認めるのはお前達預言を無視する愚か者共だ!私は正しい!お前達には何故それがわからぬのだ!」

「・・・上等!だったら俺が裁いてやる・・・!」

左手を異形に変え・・・

「いけません、サキ!」

『落ち着くッス!』

「ええい、裁かれるのは貴様だ!」

「この・・・!」

「そうですとも、モース様!」

その時、空からディストがやって来た。

「おお、ディストか!」

・・・冷静だったジェイドの目が光った。

「・・・ディスト。いっそのことず~っと氷付けにしておけばよかったかも知れませんねぇ」

「だ、黙りなさい!あなたは昔からすぐ約束を破って!卑怯じゃないですか!・・・さあ、モース様、こんな奴等は放っておいて、エルドラントへ参りましょう」

「待て、ディスト!わしはこの場で導師の力を手に入れる」

「よろしいのですか?エルドラントで厳かに行う方が・・・」

「世界のあるべき姿を見失っているこの愚か者共に、わしの新たな力を見せつけるのだ」

「それでは・・・遠慮なく!」


ディストがモースに何かをし始める。

「ディスト!何をしているのです!その技は・・・」

「おだまりなさい!」

「がはぁっ!?」

一瞬目が眩み・・・次の瞬間にはモースは人間の姿を留めていなかった。

「な、なんだあれは・・・」


「・・・私の目と同じです。体に音素を取り入れる譜陣を刻んで力を上げる。ただあれは・・・第七音素を取り入れる譜陣です」

「第七音素の素養がない人がそんなことをしたら全身の音素が変異します!」


「ぐふぅ・・・ディスト!?なんだ、この醜い姿は!」

「(元からだろ)」

「それは第七音素を暴走させないため、最も相応しい形を取ろうとしているまで。ご安心下さい。力は導師そのものでございますとも!」

「・・・おおお!これは・・・!確かに力がみなぎってくる!これは始祖ユリアのお力か!」


ラプソーンみたいになったモースが空を飛ぶ。

「わしはこのままエルドラントへ向かう。お前も後で来るがいい」

モースが飛び去っていく。

「人間があんな姿になっちまうのか・・・」

「・・・」


俺は思わず黙る。

「素養の無い第七音素を取り込めばいずれ第七音素との間に拒絶反応が起こり、正気を失います」

「モースは導師の力を欲しがっていましたから、本望でしょう。ま、私は実験ができれば誰でもよかったのですがね」

ディストも去っていく。

「・・・しまった、逃がしたか」

・・・とにかく訳が分からないことが多すぎる。今までのことを、テオドーロさんに報告することになった。・・・のだが。

「ごめん。バチカルに来たついでに陛下に挨拶していきたいんだけど・・・」

ルークが提案する。

「あら、そうですわね。参りましょう」

「あ・・・」

「ルーク、行きますわよ」

「う、うん・・・」

歯切れが悪いルーク、んで・・・

「あ、あのさ。俺一人で陛下に会いたいんだけど・・・」

「まあ、どうしましたの?私達が一緒では不都合でもありますの?」

「そ、そう言う訳じゃないけど・・・」

ガイがニヤリと笑った。

「ははは、馬鹿だなあ。お前は嘘が下手なんだから正直に話しちまえよ」

「ガイ!?」

「実はねナタリア。こいつはピオニー陛下から私的な手紙を預かってるんだ」

「まあ、それならどうして隠しますの?」

そしてジェイドもニヤリと笑った。

「実はここだけの話ですが、陛下はあなたを王妃にとご所望なんですよ」

「わ、私!?私にはルークが!あ、でもアッシュが・・・この場合どうなるのでしょう」

うわーい。見事な位天然姫様だー。

「・・・知也、どう思う(ボソッ)」

「・・・嫌いじゃない空気だな。・・・ほら、相方がクールなもんで(ボソッ)」

「・・・ああー」

なんだかんだでナタリア以外が城の中に入る。

「おい、お前ら!」

「ごめんなさい。なんだか成り行きで・・・」

「お前、ロニール雪山でロケット拾ってたよな。それのことか?」

「う、うん・・・なんだ。ばれてたのか」

「そりゃ深刻な顔してロケット見てれば気になるさ」


「ええ。野次馬根性です」

「「で~す♪」」


「「あはは・・・」」


「・・・ふっ」

開き直る女子二名と顔を逸らす野郎二名、笑いを堪える男一名。

「・・・ナタリアには黙ってろよ」

そして・・・

「どうしたルーク?おや、ナタリアの姿が見えないが・・・」

「陛下。これを見てください」

「これは!」

ロケットを見て目の色を変える。・・・そしてアニスも固まる。

「俺、赤ん坊のナタリアってわかりません。でも陛下なら」

そこに写っているのは赤ちゃんだ。

「・・・これはナタリアだ。どこでこれを?」

「ロニール雪山です。六神将と一緒に雪崩に逢った場所でした」

「それ・・・前に見たことあるかも。チラッとだけど、確かラルゴが・・・」

「本当か!?」

「・・・ナタリアの乳母が暇をもらったそうだ。今はケセドニアのアスターの元で働いていると聞いた。行ってみるといい」


「わかりました」

「・・・ナタリアに、言うのか?」

「陛下はどう思いますか?」

「・・・わからん。知らせてやった方がいいのか・・・しかし、相手がラルゴなのだとしたら・・・」

陛下は俺を見る。

「はっきりした答えが出たら、一度陛下のところへ伺います」

「頼む。・・・しかしルーク。どうしたのだ。陛下などと、お前らしくない」

「・・・俺、レプリカですから」

「それはいらぬ気遣いだ。わしにとってお前も甥には違いないのだぞ」

「・・・はい」


・・・当然微妙な空気が流れる。

「驚きましたね。ナタリアがあのラルゴの娘とは」

「まだ決まった訳じゃない」

「・・・だけど、あの場にいたのは姉貴とアリエッタと詠・・・どう考えても当てはまんねーよ」


ナタリアの歳を逆算してもラルゴしかあり得ない。・・・・・・ラルゴ、だよな?

「(姉貴・・・隠し子とか止めてくれよ・・・)」

内心嫌な汗をかいていると、黒羽が話す。

「でも、それが本当なら・・・辛いな」

それに撫子が頷く。

「それにどうしますか?ケセドニアに行くのも・・・下手をしたらナタリアさんにバレてしまいます」

「リパル。案出せ」

『いきなりッスか!?・・・えっと・・・じゃあ、目的の預言士がケセドニアにいるという情報を得た・・・じゃダメッスか?』

「・・・いや・・・ナイスだ。流石だな、相棒」

『あ、ありがとうございますッス!』

俺はそれを皆に伝える。

「うん。それならナタリアも納得しそうだな」

「だけど・・・いつかナタリアに話すんでしょ?ナタリア・・・傷つくんじゃないかな」

アニスがチラッと俺を見る。

「・・・そうね。血の繋がった家族が敵になるのは辛いと思うわ・・・」

「・・・まあ、な」

「うん。特にナタリアはあれで脆いところがあるから心配だな」

「・・・」

ナタリアの心配をするルークに、ティアがムッとした。

「・・・まったく。どんだけ身内争いなんだか・・・」

俺は頭を掻く。敵の内半分が関係者ってなあ・・・

「お、おかえりなさい。あのお父様はなんて・・・?」

あ、そっか。天然姫は違う事情を話したんだ。

「いや、アッシュがいるからって言ってたけど・・・」

「アッシュが?お父様はアッシュと私をと考えていますの?ではあなたは・・・」

「あー、いや、だから、俺かアッシュかってさ」

とにかく、ジェイドに嘘を伝えて貰う。

「・・・大佐ってホントに嘘が上手ですよね。しれっとしてますもん」

「いえいえ。心苦しくて仕方ありません」

「どの口が言うんだか・・・」

取り敢えずユリアシティは後にして、今はケセドニアに向かうことになった・・・

 
 

 
後書き
サキ
「いやはや、身内争いってやだね」

リョウ
「爺臭いぞ、言い方が」

サキ
「うるせえ。いいだろ別に」

リョウ
「ふーん・・・ま、いいや。それじゃ、次回もよろしく!」

サキ
「人の台詞を・・・」 
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