FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第136話 天気魔法
前書き
イエ~イ!07だよっ!
今回はグレイ&ユモの対決!!2人は『ブラックテンプラネット』の封印を解く方法を暴き出せるのか!?しかも思わぬ大惨事が・・・!?
途中で目線が変わります。最初はグレイ目線で書いていきます。
それでは、第136話・・・スタート!
コロールの森は不気味なくらい静まり返っていた。
ユ「風も吹かないし、鳥の鳴き声も聞こえない・・・どうなってるの?」
俺達が辺りを見回していると、ザザザザザザザザザザ・・・といきなり雨が降り始めた。
ユ「雨?」
グ「ったく、タイミング悪ィなぁ。」
その時、
サ「見ィ~つけた~☆」
レ「妖精の尻尾のバカ共・・・」
グ&ユ「!」
驚いて振り返ると、満面の笑みで笑っているサニーと、それとは裏腹に、無表情で突っ立っているレイニーが俺達の背後にいた。
サ「見た目も性格全く違うし、魔法も全然違うけど、息ぴったりの私達を倒せる~?」
レ「サニー、俺達のコンビネーションは、絶対に崩れない・・・」
サ「そっかぁ~♪」
勝手に決め付けてるし、勝手に納得してるし、何なんだこいつ等?すると、サニーは右手を、レイニーは左手を俺達に向けて差し出すと、
サ「さぁ、始めようよ☆」
レ「先攻は譲る・・・」
サニーは挑発的な笑みを、レイニーは挑発的な無表情を浮かべた。
グ「んじゃ、お言葉に甘えて・・・」
俺は左手の平に右手の拳をのせる。
グ「アイスメイク、槍騎兵ッ!!」
無数の氷の槍がサニーとレイニーに向かって飛んでいく。するとサニーが前に飛び出して、
サ「太陽の光!」
サニーは金色に輝く光で氷の槍を直撃する前に全て融かした。
サ「太陽の光って、めちゃくちゃ熱いんだよ☆」
レ「火傷だけじゃ済まない・・・」
ユ「だったら、アイスメイク、爆弾ッ!!」
ユモは氷の爆弾をサニーとレイニーに向かって投げつけた。すると今度は、レイニーが前に飛び出して、
レ「酸性雨・・・」
さっきから降っていた雨は酸性雨に変わり、その雨で氷の爆弾は跡形も無く融けた。雨はすぐに止んで、雨雲もどこかへ飛んでいき、再び青空が顔を出した・・・と思ったら、ザザザザザザザザザザ・・・また雨が降り始めた。さっきから雨ばかりだな。
サ「どぉ?すごいでしょっ!」
レ「これが俺達のコンビネーション魔法・・・」
サ&レ「天気魔法!!」
2人が声を揃えて言う。天気魔法・・・?
サ「私の魔法、太陽は、光や炎で攻撃、防御が出来るんだ☆」
レ「俺の魔法、雨は、どんな雨でも降らす事が出来る・・・」
ユ「どっちとも関係するのは天気・・・」
だから天気魔法なのか。
グ「面しれぇじゃねぇか。」
ユ「そう言いながら服を脱がない。」
グ「ぬおっ!?」
サ「へ、変態ィィィィィ!」
レ「露出魔・・・」
無表情で「露出魔」って言われてもな・・・とにかく、
ユ「私はサニー。」
グ「俺はレイニー。」
そう言って同時に駆け出し攻撃を仕掛けた。
グ「アイスメイク、戦斧ッ!!」
レイニーは俺の攻撃を音1つ立てずにかわすと、
レ「豪雨・・・」
今度は今まで降っていた雨がいきなり激しく降り始めた。地面はぬかるみ、至る所に水溜りが出来る。視界が悪くなる。
グ「くっそ!雨でよく見えねぇっ!」
顔に降りかかる雨を拭うが、すぐにまたビショビショになる。
レ「ていっ!」
グ「おふっ!」
いつの間にか目の前にいたレイニーが飛び膝蹴りで俺の顎を蹴り飛ばす。俺はぬかるんだ地面に突っ込み、泥だらけになった。ザザザザザザザザザザ・・・!俺は顔に付いた泥を拭う。つーか、
グ「雨、さっきよりも強くなってねぇか?」
レ「そうだね・・・」
反応薄ッ!
グ「ったく、うっとうしい雨だな。」
レ「!!!」
その時、すぐ近くで強大な魔力を感じた。
グ「な、何だこの魔力・・・!?ユモが怒りで爆発したのか?」
・・・いや、ユモの魔力じゃない。もっと近くで感じる・・・!今ここで俺に一番近くにいるのは・・・俺は後ろにいるレイニーを見る。すると・・・
グ「ぬあっ!?」
レイニーは小刻みに震えていて、大気も同じくらい震えている。しかも、雨も更に強くなっていく。
レ「・・ぉ・・・なじ・・・・」
グ「えっ?」
レ「ぉ・・お前も・・・同じなのかぁーーーーーっ!!!」
グ「ぬぉあっ!!」
いきなりレイニーは狂ったように叫び、俺に殴り掛かって来た。さっきの無表情無感情のレイニーとはまるで別人だっ!ど、どうしたんだよいったいっ!?
レ「俺の・・俺のせいで・・・!」
グ「!?」
レイニーは俺に殴り続けながら何かを話し始めた。
レ「俺のせいで・・・サニーは、傷ついた。俺のせいで・・・!俺が生まれた時は雨が降っていた。だから俺は雨男なんだ。俺がいるところはいつも雨が降っていた。だから俺は友達からも嫌われていて・・・ずっと一人ぼっちだった・・・・でも、サニーが生まれた時は快晴だった。だからサニーは晴れ女。サニーがいるところはいつも太陽が出ていたんだ。でも、俺とサニーが一緒にいるとなぜかいつも雨が降るんだ。俺だけが嫌われればいいのに、サニーも、嫌われた・・・」
いつの間にかレイニーは俺に殴り掛かるのを止めていた。
レ「俺達は街を追い出されて、途方に暮れていたところを、ボスに拾われたんだ・・・」
ザザザザザザザザザザ・・・!!レイニーの悲しみを訴えるみたいに、雨が更に更に強く降る。
レ「だから俺は・・・ボスと、サニーと、ギルドのの為なら・・・どんな事でも、やってやるんだああぁぁあぁああぁぁあぁぁああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
ザザザザザザザザザザ・・・!!!レイニーの叫びと共に雨も更に更に更に強く降る。その時、ズザザザザザザザザザァァァ!!!と何かが凄い勢いで崩れたような音が響いた。
グ&レ「!?」
音がした方を見ると、俺達の背後で土砂崩れが起きていた。このままじゃ、生き埋めになっちまうっ!
グ「おいレイニー!」
レ「ぁぁ・・あぁぁ・・・」
レイニーは恐怖に満ちた目で土砂崩れを見ていた。土砂はすぐそこまで押し寄せていた。
グ「くっそ!」
俺はレイニーの前に立ちはだかると、
グ「アイスメイク、城壁ッ!!」
ガガガガガガガガガガッ!!!と凄まじい音を立てて城壁のような巨大な氷の壁が土砂崩れを塞き止めた。・・・な、何とか、助かった、みてぇだな。俺はすぐ傍で突っ立ったままの状態のレイニーに駆け寄ると、
グ「おい、大丈夫か?っておい!」
レ「・・・・・」
レイニーはそのまま気を失っちまった。倒れるところを慌てて支える。
グ「ったく、しゃあねぇな。」
俺は気を失ったレイニーを背負い、ユモとサニーを捜す事にした。あいつ等どこ行ったんだ?その時、ピキッ!!パキッ!!
グ「!!ま、まさか・・・!」
俺は恐る恐る振り返る。土砂崩れを防いだ城壁にヒビが入っているっ!
グ「マ、マジかよ・・・!」
さっきので魔力使いすぎちまったんだよなぁ・・・
バキィィィィィンッ!!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!!城壁は割れ、それと同時に土砂崩れが再び押し寄せて来た。俺とレイニーはそのまま土砂に飲み込まれた・・・
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『ここからユモ目線でいきます。』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!!
ユ&サ「えっ?」
遠くの方でものすごい音が聞こえた。何かが凄い勢いで崩れるような音が・・・
サ「たぶん、レイニーと露出魔君が大暴れして何かを壊しちゃったんだよ☆」
そんな簡単に考えていいのかな・・・?ていうか、「露出魔君」って・・・
サ「とにかく、こっちも始めようっ!太陽の光線!」
金色の光の光線が私に向けられる。
ユ「あっつ!」
皮膚が焼けたみたいにものすごく熱い・・・左腕を氷で覆う。
サ「気をつけないと、体全身焼け焦げちゃうよ☆」
そこ、「☆」じゃないと思うんだけど・・・
サ「後、焼死体にならないように気をつけてね☆」
ユ「えっ?」
しょ、焼死体ッ!?サニーは不気味な笑みで笑うと、
サ「太陽の炎!」
両手を前に突き出して炎を噴射する。
ユ「アイスメイク、盾ッ!!」
盾でなんとか防ぐものの・・・ジュッ。ジュアッ。ジュッ。氷が炎に勝つわけがない・・・!どろぉぉぉと氷の盾はどんどん融けていく。完全に氷の盾が融けた時は、
ユ「うあああっぁああぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
すでに私は炎に飲み込まれていた。
サ「ここからどうするの?氷上の舞姫さん♪それとも、そのまま焼死体になっちゃうのかな?」
ユ「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
このまま、やられちゃうのかな・・・?その時、ふと脳裏に最強チームの姿が浮かんだ。
マ『ユモ~、特訓付き合ってぇ~。』
ナ『ユモ!俺と勝負しろぉぉぉっ!』
ハ『しろぉぉぉっ!』
フ『マヤが暴れないようによろしく頼んだぜ。』
ル『ユモ、一緒にクエストに行かない?ちょっと家賃がピンチなんだぁ~。』
リョ『お前ってさ、見た目とは裏腹に、めっちゃ強いよな~。』
エ『お前の強さはS級にも通用する。私からマスターに話しておくか?』
ショ『ユモ、ちょっとこっち手伝ってくれ。』
ウェ『ユモさん、あんまり無茶しないで下さいね。』
ト『ユモさん、一緒にお茶どうですか?』
シャ『あんたもほんっと、大変ね~。』
グ『お前の闇は、俺が封じてやる。約束だ。』
・・・何で、今・・最強チームの皆の姿が浮かんできたのか分からないけど、ここで負けたらダメなんだっ!そう思うと、体全身から冷気を放出した。すると、ガキィィィィィン!!!
サ「えぇっ!?ほ、炎が凍りついたぁっ!!?」
まるで怪奇現象みたいな事が目の前で起こっている。私は荒く息をしながら、
ユ「はぁ、はぁ・・こ、これが太陽の炎・・・?ず、随分笑わせてくれるね・・・はぁ、はぁ、ナ、ナツやマヤ、フレイの炎の方が・・・・100倍熱いよ・・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・」
服も焼け焦げて破れ、体全身に火傷は負ったけど、そんな痛みは不思議と全く感じなかった。
サ「すごい魔力ッ!その魔力を吸収したいくらいだよっ!」
誰が自分の魔力を敵にあげるものかっ!!
サ「でも、さっきの言葉は今までで一番ムカついたから、ここで死んでもらうからっ!」
そう言うと、サニーの体は炎に包まれた。辺りの木々を燃やしていく。
サ「太陽の光で焼け死ねぇぇぇぇぇっ!!」
サニーが叫んだその時、バキッ!!
ユ&サ「!?」
炎に包まれた木が根元から折れ、サニーの真上に倒れ掛かってきた。サニーは驚いて避ける事が出来なくなっていた。私は駆け出して、
ユ「危ないっ!」
サ「キャア!」
サニーを抱き抱えてギリギリその場から離れた。ドドドッスゥゥゥン・・・と砂煙を巻き上げながら燃えた木は倒れる。
ユ「き、危機一髪・・・サニー、怪我は無い?」
腕の中にいるサニーを見ると・・・
サ「ヒッ・・ウゥ・・・ヒィ・・・」
ユ「えっ?」
サニーの顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。
サ「こ、怖かったぁぁぁっ!!」
ユ「ひゃあっ!」
サニーは私の腕の中で泣き崩れる。怖かったのも無理も無い。目の前に炎が急接近してくるんだもん。怖くないのはナツとマヤとフレイくらいだよ。
サ「ヒック・・ヒック・・・」
サニーも泣き止んだみたい。私は立ち上がると、
ユ「さぁて、グレイを捜しに行かないと。」
私はそう言ってものすごい音がした方へ歩き出した。すると、後ろからサニーが着いて来た。
ユ「どうしたの?まだ私と勝負したいの?」
サ「違うよ。レイニーを捜しに行くの。あの露出魔君と戦っているはずだから。それと・・・ぁ、ありが、とう・・・」
俯いて小さく言ったけど、私にははっきり聞こえていた。でも、わざと聞こえていなかったフリをした。
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しばらく歩いて行くと、
ユ「な、何、これ・・・?」
サ「あわわわわぁ~・・・」
目の前に広がっている光景は・・・木々が倒され、無残な姿になっていたコロールの森の1部。
サ「ど、土砂崩れが、起きた、みたいだね・・・」
ユ「土砂崩れ?雨も降ってないのに?」
サ「たぶん、レイニーだよ。レイニーは雨を降らす事が出来るから。」
その雨で、土砂崩れが起きちゃったんだ・・・ん?ま、まさか・・・!私の頭の中に最悪の出来事が浮かび上がる。
ユ「2人共、土砂崩れに巻き込まれたんじゃ・・・!?」
サ「えぇっ!?」
急いで捜さないとっ!私とサニーは我武者羅に素手で土砂を掘り返した。
サ「ど、どうしよう・・・2人が、死んでいたら・・・・」
ユ「!だ、大丈夫だよ、きっと・・・」
口ではそう言ったものの、本当はすごく怖かった・・・も、もしも、2人が、グレイが、死んでいたら・・・?そう思うと涙が、震えが止まらなかった・・・その時、ガガッ。
ユ&サ「!」
私とサニーから少し離れたところの土砂が、少しだけ盛り上がっているのが見えた。ガガガッ。そこがそらに盛り上がっていく。もしかして・・・!私とサニーはそこに向かって駆け出した。私とサニーがそこに辿り着く前に、
グ「だっはーーーーーっ!!」
ユ&サ「ひゃあぁぁぁぁぁっ!!」
土砂の中から気を失ったレイニーを抱えた泥まみれのグレイが出て来た。
ユ「グレイッ!」
サ「レイニーーーッ!!」
私とサニーは2人に駆け寄った。
グ「あれ?ユモとサニー、何でここに・・・?」
サ「レイニーーーッ!!よかったぁ~。」
サニーは気を失っているレイニーを力強く抱き締める。双子の絆はすごいなぁ~。そんな事を思っていると、グレイと目が合った。すると、グレイが目を見開いて、
グ「ユモ!?ど、どうしたんだよいったいっ!?火傷だらけじゃねぇかっ!」
ユ「えっ?」
あ、そっか。さっきサニーの炎をまともに食らっちゃったんだっけ。今の今まですっかり忘れていた。
グ「血も出てるじゃねぇかっ!ったく、すぐに止血しろよっ!」
グレイは強引に私の右手を摑むと、右腕から氷で止血し始めた。
グ「っ!」
時々顔を顰めている。たぶん、魔力が残り少ないんだと思う。それなのに・・・そう思うと涙があふれてきた。
グ「えっ?お、おい//////////////////」
ユ「・・・無事で、よかったぁ~・・・・」
気づいたら私はグレイを抱き締めていた。
グ「し、心配、してたの、か?」
ユ「当たり前でしょっ!」
大切な人が死んだと思って、心配しない人なんているわけないよっ!私はしばらく涙が止まらなかった。
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サ「露出魔君、レイニーを助けてくれてありがとう!」
グ「俺は露出魔じゃねぇ!」
まぁまぁ。そんなに怒らなくても・・・
レ「サニーを助けてくれて、ありがとう・・・」
あれ?レイニーが微かに笑ったように見えたのは気のせいかな?
サ「お礼と言っちゃあなんだけど、少しだけ『ブラックテンプラネット』について教えてあげる☆」
グ「ほんとかっ!?」
ラッキー☆
レ「『ブラックテンプラネット』は、コロールの森に唯一ある湖の底に封印されている・・・」
封印場所を教えてくれちゃった!超ラッキー☆
サ「でね、『ブラックテンプラネット』の封印を解く方法は、怪物召喚と、もう1つ必要なものがあるの。」
ユ「もう1つ?」
グ「何なんだそれ?」
レ「それは言えない・・・」
ここまで来たら言おうよっ!
サ「でも、スバルが少し関係してるよ☆」
グ&ユ「スバル?」
スバルって、鎖の少女の魔道士の1人だよね?何でそいつが・・・?
レ「と、ともかく、勝負は、俺、達の・・ボロ、負け・・・」
サ「あ、後は・・じ、自分、達で・・頑張、って・・・」
力尽きたのか、サニーとレイニーは同時に膝から崩れるように倒れ、気を失っちゃった。さすが双子!力尽きて倒れるのも息ぴったり!
後書き
第136話終了ですっ!
『ブラックテンプラネット』は、コロールの森に唯一ある湖の底に封印されていた!
次回はルーシィ&リョウの対決!
お楽しみに~!
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