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ヘタリア大帝国

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TURN86 宇宙台風その二

「それが」
「いつものドッグファイトではなく」
「接近しての格闘戦は嵐に巻き込まれる」 
 だからそれは出来ないのだ。
「やり方はそれでいく」
「そうね。ここは」
 ドロシーも東郷の話を聞いて頷く。そうしてだった。
 ガメリカ軍他の軍の機動部隊も台風に向かう、秋山は台風の持久力と機動部隊の攻撃力を計算してそのうえで艦隊の攻撃割り当てを決めた。
 そのうえで全軍にこう告げたのである。
「以上の艦隊は台風を攻撃します」
「わかったわ」
 やはり機動部隊を指揮するフリスが応じる。
「そして残りの機動部隊は」
「はい、ハニワ艦隊に向かってもらいます」
「今回ハニワは特に多いぞ」
 アメリカはそのかなりの数のハニワ達を見て言う。
「今の割り当てでは全部倒せないぞ」
「それは覚悟のうえです」
 秋山もこうアメリカに返す。
「そのうえで、です」
「わかった、ダメージは覚悟するんだな」
「この戦いでは。敗れた場合は最悪テキサスまで退きます」
 そこにしかアステカ戦において確かな修理工場がないからだ。
「しかし勝てはです」
「その時はチリに修理工場を築く」
 東郷も一同に話す。
「そうするからだ」
「勝てばアステカ深部侵攻への確かな足がかりになるわね」
 ランファは東郷の話を聞いて即座に理解した。
「負ければ仕切りなおしで」
「そういうことだ。この戦いは多少の損害は覚悟のうえで」
 東郷はそのリスクを頭に入れて采配を採っているのだ。
「攻める。ただしだ」
「艦艇のダメージはいいです」
 それは構わない、秋山が言う。
「しかし無理はせずに人員のダメージは避けて下さい」
「艦艇は修理が出来る」
 東郷は言い切った。
「それはな。しかしだ」
「人員はそうはいきません、無理をしないで下さい」
「わかりました」
 エルミーが東郷の言葉に頷く、そしてだった。
 彼等はそれぞれの指定された攻撃対象に向かった、そうして。
 まずは台風を攻撃する、その台風に対して。
 艦載機達は向かう、その彼等に。
 小澤が通信でこう言った。
「いいですね」
「はい、一撃離脱ですね」
「そうしてですね」
「攻撃して下さい」
 その無気力とも思える口調で告げる。
「台風の暴風範囲はわかっていますね」
「はい、データにインプットしています」
「既に」
「それならです」
 その中に入るなというのだ、絶対に。
「その外からミサイルのぎりぎりの射程で、です」
「アウトレンジ攻撃」
「それですか」
「上に宙返りをしながらです」 
 小澤は攻撃方法も指定する、
「その宙返りの直前に」
「ロックオンして、ですね」
「そのうえで」
「そうです。攻撃した瞬間に離脱して下さい」
 そうして損害を避けろというのだ。
「一撃を放ったら戻って下さい」
「了解です」
「それでは」
 パイロット達は小澤の命令に頷いた、そうしてだった。
 彼等は台風に接近しそのうえでミサイルを放ち離脱する、その波状攻撃で台風にダメージを与えていきだった。
 まさに総攻撃で台風を退けた、今回は反撃を許さなかった。 
 だが艦載機を集中させてしまった、それでだったのだ。 
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