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雷刀の導き

作者:田原俊彦
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9章

━━闇桐回想

俺は自分の『異常』に気づき、自らそれを研究した

倍増する双剣、自らが使える『異常能力』を知る

だが、研究によってこの『異常』を他にも持っている人物がいると知った

その人間を探す、そして一人を見つける

それが『将森アリサ』だった

闇桐「お前は…俺と同じなのか?」

将森「うん…そうだよ」

初対面から二人は仲が良く、どちらも親なしで気が合いよく一緒に遊んだりした

お互い心を許せる存在だった、だからこそなのだろうか二人は自らの最大の秘密を明かしてしまった

アリナ「私のお母さんね仕事で死んじゃったんだ」

闇桐「そうなのか…どんな仕事してたんだ?」

アリナ「……それは言いたくない」

闇桐「無理に聴く気はないさ」

アリナ「ありがとっ」

闇桐「俺の家族は殺し屋に殺されたんだ」

アリナ「……そうなんだ」

闇桐「ソイツは今でも覚えてる、俺が初めて殺した人だったから」

アリナ「そうだったんだ…その人は女?それとも男?」

闇桐「女だったと思うが……どうかしたか?」

この時点でアリナは一つの疑問を持つ、自分の親は殺し屋で仕事で死んだ

そして闇桐は家族を殺し屋に殺され、その殺し屋を殺した

妙に関係している気がするのだ、だからこそ聴いてしまった

アリナ「ねぇその殺し屋って目が赤くなかった?」

闇桐「……?赤かったよ、炎のように赤かったけど?どうしたの?」

アリナ「そう……なんだ」

アリナは親を殺したのはコイツだと確信する

アリナ「多分ねそれ私の親だよ」

闇桐「………冗談?」

アリナ「そうだと思う?」ボォォォォ

怒りに身を任せ体から炎が溢れ出ている

闇桐「……何やってんだよ」

アリナ「見てわかんないかな?アンタ私の唯一の家族を殺したんだよ?普通は殺したいって思うよ」

アリナ「ましてや私達みたいに『異常』がある人間が復讐をしないと思ってるの?」

闇桐「お前は……自分勝手なことしてるって分かんないのか?」

アリナ「五月蝿い死ね」

炎が闇桐を襲う、不意打ちに近い攻撃を避けれる訳も無く体中が炎に包まれる

アリナ「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

どんどん炎は温度を上げる、周りに何かあったら焦げていただろう

闇桐「ここで死ねるか!」ズドォォォン

周辺に落雷を落とす、それにより炎が弱まる

アリナ「くっ」

体に激痛が走るが、死の恐怖により闇桐は逃げ出した


━━闇桐回想終了

闇桐「んで俺は逃げたんだけど追われ続けた」

闇桐「今回は転校したはずなのにいつの間にかあいつが来てたんだよなぁ」

闇桐「あいつを…あんなのにしたのは俺のせいだと思うけどな」

闇桐は表情をほとんど変えてないが、心は負の感情でいっぱいだった

マミ「そうだったのね…」

キュウべえ「ふぅん」

闇桐「すまん、俺はもう帰る」

ほむら「どうかしたの?」

闇桐「気分が……悪い」タッタッタ

まどか「帰っちゃった…」

さやか「そりゃ自分のトラウマを話したんだからしかたない」

杏子「アタシも帰るわ、ここにいたって何か変わるわけでもねーしな」タッタッタ

さやか「あ…まて…」

マミ「追わないほうがいいわ、あの子も何か思うことがあったのかもしれないし」

さやか「…はい」

まどか「ほむらちゃん聞きたかったんだけど」

ほむら「?何かしら」

まどか「キシヤ君とは知り合いだったの?」

マミ「私も気になるわ」ズイッ

ほむら「……別にただ意見が一致したまでのことそれだけよ」ヒュッ スタスタ

まどか「帰っちゃいました」

マミ「わたしたちも帰りましょうか」

さやか「…はい」


━━━翌日 学校

早乙女「えーと今日のお休みは闇桐君だけですね」

まどか「(お休みなんだ…)」

さやか「(アイツ…休んだのか)」

マミ「(キシヤ君…大丈夫かしら?)」


闇桐「………」テクテク

闇桐「(こうやって歩いていたらまた出てきそうだなアイツ)」

闇桐「なんで……」

闇桐「俺は…アイツを殺すしかないのか?そんなの憎しみの連鎖になるだけなのに…」

闇桐「くそっ…」

気がつくとゲームセンターに辿りついていた

闇桐「気晴らしにはなるか」

ゲームセンター内を歩き回ってると一人見慣れた女の子がリズムゲームをしていた

闇桐「(確か杏子だっけ?)」

なんとなく話しかけたいと思った、なぜかは分からない

闇桐「お前朝からゲーセンにいるとか凄いな」

杏子「あ?アンタは昨日の…キシヤとかいうやつか」

闇桐「ああ」

杏子「なんかよう?ようがないならどっかいってくれ」

闇桐「いや…なんとなく話しかけただけだから用は無い」

闇桐「だが、暇なら俺と一緒に遊ばないか?」

なぜだろうか、一人でいたいと思ったはずなのになぜか一人はいやだと矛盾した考えが頭の中によぎる

杏子「別にいいけどさ…アンタ学校は?」

闇桐「休んだ、気乗りしなかったからな」

杏子「アンタ不良だな」

闇桐「うるせぇよお前こそニートか?」

杏子「ちげぇよ!」

闇桐「まぁいいか、いこうぜ」

杏子「どこにだよ」

闇桐「どこでもいいだろ、色々だよ」

無意識に杏子の手を握り引っ張っていた、杏子もそれが不思議と嫌ではなかった

闇桐「電車に乗るか」

杏子「………」

闇桐「どうしたんだ?」

杏子「アタシ…金ないんだけど…」カアア

闇桐「……プッ」

杏子「な、なに笑ってんだよ!」

闇桐「俺がつき合わせてるんだ、全部俺が奢ってやるから気にするな」

杏子「マジ!?ラッキー」

闇桐「乗るからいくぞー」

杏子「へいへい」


━━遊園地

闇桐「パァーっと遊ぶか!」

杏子「よりにもよってここかよ…」

闇桐「行くぞまずはジェットコースターからだ」テクテク

杏子「お、おい待てよ」テクテク

杏子「ぎゃあああああ」

闇桐「うおおおおおお」

杏子「はあはあ……疲れた」グッタリ

闇桐「意外だな、怖いだなんて」

杏子「怖くなんかねぇよ!」

闇桐「さぁガンガンいくぞ」

杏子「ここまで来たらとことんつきあってやらぁ!」

二人は色々な乗り物に乗った、メリーゴーランドや、お化け屋敷、ウォータースライダーなど

一度昼食を取り、休憩したが間髪いれずどんどん色んな乗り物に乗っていった

そして最後の乗り物『観覧車』

杏子「ぷっはー疲れたー」

闇桐「流石にな、これで全部制覇だぜ」

杏子「どんだけ乗ったんだろアタシら」

闇桐「…今日は付き合ってくれてありがとう」

杏子「改まってなんだよ」

闇桐「多分分かってたと思うが、俺、負の思いばっか溜め込んでたんだ」

杏子「まぁ…推測くらいはしたけど、そうだったんだ」

闇桐「んで心に余裕が無くなって辛くなって逃げたんだよ俺は」

闇桐「逃げちゃダメなのに、なのに…俺は…」ポロポロ

杏子「お、おい男のくせに泣くなよ」

闇桐「すまんな…見苦しいところばかり見せて、」

杏子「別にいいって、後アンタさ…」

闇桐「?」

杏子「別に逃げるのは悪いって事じゃないと思う」

闇桐「………」

杏子「なにもかもを全て受け止めるんじゃなくて、逃げるって行為が一度くらいあったっていいじゃん」

杏子「今日みたいに逃げることだって大切なことだと思うぜ!」ニカッ

闇桐「お前…不器用に優しいな」

杏子「う、うるせぇ」カアアア

闇桐「ありがとな、杏子」ニコッ

杏子「お、おう」ドキッ

杏子「(なんだ…さっきの胸の高鳴り…)」

闇桐「おっ観覧車一番高いところだそ」

杏子「(でも…こいつ見てると安心するな…)」

闇桐「杏子?」ズイッ

杏子「な、なんでもねぇから!近づくんじゃねぇ!」カアアア


闇桐「今日はありがとな、本当に助かったぜ」

杏子「礼ならこっちが言うべきだよ、あんがと」

闇桐「じゃあまたな」テクテク

杏子「……おい!」

闇桐「ん?どうした」ピタッ

杏子「いまさらだけどさアンタの名前教えてくれ」

闇桐「闇桐鬼獅夜だ、覚えとけよ」

杏子「おう、私は佐倉杏子だ」

闇桐「じゃぁ今日から俺達は友達だ」

杏子「うん」

闇桐「これやるよ」ヒョイッ

杏子「なんだこれ?」パシッ

それはウサギのストラップだった、意外とセンスが良い

闇桐「おそろいのストラップ、なんかに付けとけ」

杏子「……ありがと」

闇桐「じゃあな、またなんかあったら呼べよー」タッタッタ

杏子「おう!」

杏子「また会えるよな…」

そう言って杏子はウサギのストラップを握り締めた 
 

 
後書き
第九章終了でございまする
杏子とのデートシーンです。不快に思った方多いだろう?そうだろう?
フッフッハッハッ、気にするでない
次はまだバトルに入らないよぉ、ほのぼのではないかな
さやかちゃんの話が基本的にかも、過去の話も多いと思う
ほむらちゃんと闇桐がなぜあそこまで仲良かったのかとか、ね
では~第十章いっちゃいまーす(何章までいくんだろうなぁ)
 
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