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雷刀の導き

作者:田原俊彦
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10章

━━翌日

仁美「昨日は良く眠れまして?」

さやか「うーん、まぁ一応」

まどか「昨日は考え事してたらおそくなっちゃって」フワァ

仁美「そうですの…夜更かしは美容の天敵ですのよ」

まどか「あはは……気をつけるよ」

さやか「{それはそうとさアイツ大丈夫かな}」

まどか「{キシヤ君?}」

さやか「{うん、大分まいってるようだったしさ}」

まどか「{わかんないけど…}」

闇桐「{多分大丈夫だと思うぞ}」

さやか「{そうだよね~なんやかんやいってアイツ強いし}」

闇桐「{まぁそうだな}」

さやか「{うんうん……え?}」

まどか「{キシヤ…くん?}」

闇桐「うしろ~のしょうめんだぁ~れ」

さやか「うわっ!?」

まどか「わ!?」

仁美「?」

さやか「あ、アンタいつのまに…」

仁美「さっきから後ろにずっといましたわよ?」

まどか「そ、そうなんだ…」

さやか「ストーカーじゃんアンタ」

闇桐「志筑さんにはさっきからばれていたんだが…二人が俺に全然気づかなかったんだよ」

仁美「そうですわよ!お二人とも目配せばかりして……はっまさか!?」

さやか「今考えていることではないことだけは保証するよ…」

仁美「そうですの……あら 上条君退院してらっしゃったの?」

まどか「ほんとだ…学校来てる」

闇桐「確か事故で入院してたんだよな?」

さやか「あ…うん」

闇桐「(上の空って感じだな…)」


━━教室

まどか「さやかちゃん行って来なよ、まだ声かけてないんでしょ?」

まどか「今ならあっちに闇桐君もいるし」

さやか「あたしは…いいよ」

仁美「…………」

闇桐「へぇ~それで?」

上条「それでな………」

モブA「マジかよ」


喫茶店

さやか「仁美、二人きりで話って何?」

仁美「前からさやかさん達に秘密にしてきたことがありますの」

仁美「私ずっと前から上条恭介くんのことお慕いしておりました」

さやか「………………そ」

さやか「そ~なんだぁ恭介のやつも隅に置けないなぁー」

仁美「さやかさんと恭介くんは幼馴染でしたわね」

さやか「うーんまぁ腐れ縁ってやつー?かな」

仁美『本当にそれだけですの?』

さやか「…っ」

その言葉が胸に突き刺さる、痛いほどに奥にまで刺さる

仁美「私もう嘘はつかないと決めましたの、さやかさんあなたはどうですの?自分の本当の気持ちと向き合えますか?」

さやか「な、何の話をしているのさ…」

動揺、言葉が上手く出てこない、まるで隠されていたことを心から引き出されているかのように

仁美「あなたは大事なお友達ですわ、抜け駆けも横取り紛いのことはしたくありません」

仁美「ですから一日だけお待ちしようと思いますの」

息を吸う、ゴクリと唾液を呑む

仁美「私、明日の放課後に上条君に告白します」

さやか「………」

仁美「それまでに後悔なされるようにお決めください」

仁美「ではまた明日」テクテク

さやか「………」


一人街中を歩く、仁美の言葉が蘇る

仁美『私、明日の放課後に上条君に告白します』

さやか「……」

知らず知らず上条の家まで辿り着いていた

さやか「どう…したらいいんだろ」

好きという気持ちはあると思う、だけど私なんかが告白していいのだろうか?

魔法少女なのに恋をしていいんだろうか?恭介を悲しませることになるだけではないのか

私は夢を叶えた恩人として恋人になるのだろうか?

色々な思いが頭を支配する、でもどの考えも告白という結論に達しない

バイオリンの音が聞こえてくる、綺麗な音色だ

杏子『今すぐに坊やの手足を潰してやりな、もう一度アンタなしじゃ生きてられない体にすりゃいいんだよ』

悪意の籠りきった考えが思いつく、それをすぐに辞めるが、一度考えついたことはなかなか離れない

さやか「私は……何をしたいの?」

さやか「自分でも……わかんないよ」

闇桐「こんな所何してるんだ?」

さやか「アンタ…なんでここに?」

闇桐「質問したのはこっちなんだけどな…」

さやか「ご、ごめん」

闇桐「別にいいけどさ、俺は偶々パトロールしてたらお前を見つけたんだよ」

さやか「そっか」

闇桐「そこ上条家だろ?」

さやか「そうだよ」

さやか「じゃぁ私は帰るわ…」テクテク

闇桐「……待てよ」

さやか「?」ピタッ

闇桐「ちょうど一人は寂しかったんだ、一緒に来てくれよ」

さやか「………別に良いよ」

二人は一緒にすっかり日の落ちた街を歩く

二人とも無言で歩き続ける、その沈黙を破ったのはさやかだった

さやか「ねぇ…キシヤ」

闇桐「ん?」

さやか「恋愛ってしたことある?」

闇桐「……唐突だな」

さやか「あるかないか、どっち?」

闇桐「告白されたことは何回かあるかな、付き合ったことはないな」

さやか「アンタが……告白されたことあるなんて」ビックリ

闇桐「そんなにあからさまにびっくりすんなよ…」

さやか「いやー凄い意外だからさー」

闇桐「ちなみに転校するって学校で言った日から数日間連続で告白された」

さやか「へぇ~何回くらいよ?」

闇桐「興味もなかったから覚えてない」

さやか「……そっか」

闇桐「じゃあお前は誰に片思いしてるんだ?」

さやか「へっ!?〃〃」

さやか「べ、別に誰も好きなんかじゃ……」

闇桐「上条恭介?」

さやか「……ばれてるなら隠す必要ないや、そうだよ」

闇桐「話してみろよ、俺でよかったら相談乗ってやる」

さやか「ありがと……でも」

悩みがあるけど言えない、そんな気持ちだった

闇桐「一人で考えたっていい案は浮かばんぜ?話してみろよ」

的確に心の隙間を埋めてくる

さやか「私さ、今日…」

仁美と話していたことを包み隠さず闇桐に話す

闇桐「ほぉ~」

さやか「私だってアイツのこと好きだけど…だけど…」

闇桐「はっはっはっは」

豪快に笑う、いつもは苦笑くらいしかしない闇桐が爆笑していた

さやか「ちょ、ちょっと!なんで笑うのよ!こっちは真剣に…」

闇桐「お前にはもう答えが出てるんじゃないか?」

さやか「え……」

優しく諭すように話す

闇桐「志筑さんに上条をとられたくないなら告白したにいいのさ」

さやか「でも…」

言い淀む

闇桐「今の関係を崩したくないーとか友達を裏切るなんてー嫌ーとかか?」

さやか「な、なんで…」

闇桐「よくあるパターンだ、でもな」

闇桐「今告白しなかったら、一生後悔すると思うぞ?」

さやか「………」

闇桐「言うは一時の恥言わないは一生の恥っていうことさ」

さやか「そう、なのかな」

闇桐「当たって砕けてこい、砕けたらだめか」

さやか「……頑張ってみるよ」

闇桐「おう、応援してるぜ」

さやかは決意する、告白の決意を

さやか「ありがとっ」

闇桐「応援してるぜ」

さやか「へへっ」タッタッタ

さやかは上条の家へと走って行った

闇桐「全く……頑張れよ」

アリナ「優しいんだねー」

闇桐「……いつからいた」

殺気を放ち、アリナを睨む

アリナ「別にいいじゃん、気にすることじゃないじゃーん」

アリナは剣を右手で持ち、こちらを睨んでくる

闇桐「やるきか?」

アリナ「ここでやってもいいけどーアンタにかかわってる暇、今ないんだよねー」

闇桐「俺もねぇよ」

アリナ「……じゃあね」

どこかへと走っていく、がすぐに戻ってくる

闇桐「なんだ?」

アリナ「……昔のなじみで一つだけ良いこと教えてあげるよ」

アリナ「あの白い動物だけど」

闇桐「キュウべえか」

アリナ「……あれには気をつけた方がいいよ」

闇桐「殺しにくるお前が俺に忠告かよ」

アリナは苦笑しながら

アリナ「別に信じなくていいよ」

と告げる

アリナ「どうせ次合う時は殺しあうからね」ヒュンッ

そして去って行った

闇桐「あいつ……」

さっきの言葉を鵜呑みにするわけではないが、闇桐は少しアリナの言葉の意味を考えていた


さやか「……」ドキドキ

さやかは闇桐と別れた後上条の家に向かっていた、思いをいち早く伝えたいがために

だが家の前で悶々としていた

さやか「…うう」

だが闇桐の言葉を思い出し、

さやか「えぃ!」ピーンポーン

勇気を振り絞りインターホンを鳴らす

上条「はい?」

さやか「あ、えっと…美樹ですけど…」

咄嗟に言葉が出ない

上条「さやか?」ガチャ

上条が玄関から出てくる

上条「何か用事?」

さやか「う、うん」

上条「まぁ中に入って聞くから、中に入って」

さやか「あ、ありがとっ」



上条「何か飲むかい?」

さやか「ううん、大丈夫」

恭介の部屋にいる、それだけでドキドキが止まらない

上条「それで何の用事?」

さやか「………えっと」

恥ずかしい、怖い、色々な感情が自分に襲いかかるが、だけど

それに耐え、言葉を出す

さやか「真面目な話なんだけど…」

真剣な顔つきにかわり、拳を握り締める

上条「うん、聞くよ?」

さやかは何て言葉を出そうかとても悩む、この場に来て何を言えばいいのか戸惑ってしまう

沈黙が続く、それがさやかには永遠に思えるはずだろう

だが考え、考え、考えついたのは

さやか「……わたしね」

上条「うん」

さやか「恭介のこと好きなんだ」

シンプルな告白だった前座を入れずに思いを告げる

上条「……え?」

さやか「私と付き合ってほしいの」カアアア

顔を赤くし、上条の答えを待つ

上条「えっと……」

上条もとても困惑し、顔を赤くしている、何を言おうか迷っているのだろうか

さやか「…っ」

その間に耐えられず、さやかは立ち上がり

さやか「返事!明日頂戴!じゃまた明日!」タッタッタ

上条「あ……」

逃げるように去って行った


ほむら「……‥」

一人部屋に籠り、武器の整備をしている

ほむら「…‥ふぅ」

一通り終わり、集中が途切れる

ほむら「…‥まどか」

まどかの顔を思い出す、それと同時に不確定要素の闇桐を思い出した

ほむら「…‥なんでアイツまで思い出したのかしら」

ほむらはふと闇桐との出会いを思い出す

ほむら「あの時から思えばこんなことになるなんて思いもしなかったわね」

マミの死を回避できたあの日、あの男と約束をしたこと

あの約束はある日、あの男が喋りかけてきたときに実行された

まさかあの約束のせいであそこまであの男と仲良くなるなんて、ほむらは予測さえも出来なかった




━━ほむら 回想

学校が終わり放課後帰る準備をしているときだった

闇桐「よぉ」

あの闇桐とかいう男が喋りかけてくる

ほむら「何かしら?」

私は素っ気なく返した

闇桐「おいおい、あの時の約束忘れたわけじゃなかろうな?」

ほむら「…‥あ」

完璧に忘れていた、そういえば何か約束していたような気がする

ほむら「確か私の事を教えろとか言ってたわね」

記憶を辿りなんとか思い出せた

闇桐「うむ、今日俺暇だし話を聞かせてもらおうと思ってな」

ほむら「…‥‥」

私は悩んだ、コイツに教えるべきか、否か

今このまま良い方向に進めば、ワルプルギスの夜を撃退できる確率が上がる

その為にコイツは必要だった、戦力にもなりそうだし

ほむら「わかったわ」

仕方なく私は承諾した


━━ほむら自宅

ほむら「何もないけれど上がっていいわよ」

闇桐「おう、気遣いありがとよ」

奥へと進み、闇桐に座るよう催促する

ほむら「それで?私に聞きたいこととは何?」

闇桐「そうだなぁ……」

考え込み始めた、「うーん」とか「ぐむむ」とか色々言葉に漏らしてる

闇桐「…よし、これだ」

ほむら「早く言ってちょうだい」

私は早く終わらせたかったから、この男に早く言うように催促する

闇桐「お前は何者だ?」

ほむら「…魔法少女よ」

なぜかゾクッとした、私の全てを見透かしていそうなあの冷やかな目のせいだろうか

闇桐「ほぉ……じゃあ」

   、、、、、、、、、、、、、、、
闇桐「鹿目まどかがそれほど大事なのか?」


ほむら「っ!?」

いきなり確信に迫られる、コイツはいったい何者…

ほむら「なぜそう思うの?」

とりあえず疑問で返す

闇桐「お前が露骨すぎるからな」

ほむら「?」

闇桐「あの子に対してだけ執着心が凄いからな、あの子ばっか見てるし、喋りかけるし」

迂闊だったわ、まさかそんなところまで見られているなんて

ほむら「(こいつを始末するべきかしら……)」

そこまで考える、邪魔をされては困るからだ

闇桐「まぁいいんだけどさ、それで聞くけど」

闇桐「お前は魔法少女について何を知っているんだ?」

ほむら「なぜ…それを聞きたいの?」

闇桐「お前なら全てを知ってそうだから」

闇桐がここまで勘が鋭いとは思ってもいなかった

ほむら「……わかったわ、私の知っていることは全て教えるわ」

こいつにこれ以上隠し通すことは無理だと感じ、隠しても隠しても全て明かされそうだからだ

闇桐「ありがとう」

そして私は話し始める、魔法少女が魔女になること、キュウべえが自分に不利なことは聞かれなきゃ答えないこと、

自分自身時間遡行者ということを、

闇桐「マジかよ……」

ほとんど表情を変えなかったコイツがいきなり表情を変化させたわね

ほむら「教えれる事は全て言ったわ」

闇桐「お前苦労してんだな」

ほむら「同情なんていらないわ」

闇桐「一人で頑張ってきたんのか」

イライラする、なんでコイツにここまで言われなきゃいけないのかと

ほむら「用が済んだなら帰って頂戴」

闇桐「……俺が手伝ってやろうか?」

ほむら「は?」

闇桐「一人じゃ辛いだろ?少しなら戦力にもなるしな」

ほむら「馬鹿を言わないで、あなたこどきが関われる問題じゃないわ」

激しく激怒した

闇桐「俺も少しはお前の気持ちが分らんでもない、友達を助けたいという気持ちがな」

ほむら「あなたに何がわかるというの?まどかの死を何度も見てきた私の気持ちを!」

八つ当たりのように私はコイツに怒鳴った、何もできない自分の事を棚上げして

闇桐「……俺は昔親しい友達がいたんだ」

ほむら「……急になに?」

闇桐「まぁ聞いてくれ」

しかたなく私は頷く

闇桐「その友達はある男に目の前で殺されたんだ。」

闇桐「守れなかったんだ…」

闇桐「俺には助けれるチャンスがあるお前を羨ましく思えるよ」

遠いところを見ている、悲しそうなそれでいて悔しそうな表情をしている

ほむら「……いいわ、手伝ってもらう」

一人でも良かった、だけどなぜか…試してみようかなと思ってしまった

闇桐「…ありがとう」

ほむら「言っておくけれど、あなたがいくら強い力を持っているかは知っている。でも」

ほむら「必要ないと思ったら直ぐに切り捨てるから」

闇桐「切り捨てられないように努力するよ」

こうして私たちは一緒に行動することになった


━━━ほむら回想 終了

このことから私たちは一緒にいることが多くなった

いつのまにか隣にいるような、心の隙間を的確に埋めてきたというか

良く分からない、だけど

ほむら「鬼獅夜と一緒にいるのは悪くはないわね…」

こう、思えるくらいには仲良くなったと思うわ

ついでに名前で呼び合ってるわ、相手から言ってきたのよ?私じゃないわよ?

ほむら「鬼獅夜のおかげで……って私は何を考えてるのかしら」

柄にもなく少し顔を赤らめてしまうほむらであった



━━翌日

闇桐が教室に入った時、さやか達の方をチラッと見た

そこにはいつも通り談笑しているさやかがいた

闇桐「(あの様子なら大丈夫だな)」

そして席に座った

━━夕方

さやか「恭介…用って何?」

顔を赤らめる

上条「うん…昨日の返事なんだけど」

さやか「……っ」

心臓がバクバクと音を鳴らし鼓動する

上条「もう少し考えさせてくれないかな?」

さやか「……え?」

上条「いやーさ、さっきさ志筑さんにも告白されたんだよね」

上条「だからさーちょっと待ってくれない?」

さやか「…………」

言葉で表すならポカーンとした表情、

上条「ごめんねー?多分明日にはちゃんと返事するからさー」

さやか「……この…馬鹿ああああああああああああああ!」バチィン

上条「いたっ…何するんだよ!」ドサッ

叩かれ倒れる

さやか「アンタなんか……アンタなんか……」ポロポロ

目から涙があふれ出てくる、止めようとしても止まらない

さやか「っ」タッタッタ

どこへと走って行った

上条「なんなんだよ……」

訳が分らなかった、ただ待ってほしいだけだったのに

闇桐「……良い身分だな」

その時闇桐がこちらに歩み寄ってきた

上条「……闇桐か?」

闇桐「ああ」

上条「皮肉を言いに来たのか?」

闇桐「いや…殴りに来た」

上条「……え?」

言葉を発した瞬間、腹を殴られる、痛みにより蹲る

上条「ゲホッゲホ」

闇桐「なんで殴られたか分るか?」

上条「…なんで殴ったんだよ」

あからさまに目が怒っていた、上条にとってはなぜ殴られたか理解できていなかったからだ

闇桐「……まぁ経験してないものは分らんとは思うがな」グイッ

胸ぐらを掴み、持ち上げる

闇桐「あの行為に何の罪悪感も感じなかったのか?」

上条「罪悪感って……だって……」

闇桐「(少しはちゃんと考えているのか)」

上条「何て言えばいいのか分らなかったんだよ!」

怒鳴ってくる

闇桐「俺にはさ」

悟っているような表情で問いかけてくる

闇桐「お前の中で答えが出てるような気がするぜ?」

上条「……え?」

上条「な、何を言ってんだよ」

闇桐「……まだそれを言うか?」パッ

掴むのをやめる、ドシッと上条が地面に落ちる

上条「いたっ!」

闇桐「どうしようもない奴だなお前は」ギロッ

上条「ヒッ」

闇桐「お前が誰を好きでも関係ない、俺には知らないことだ」

闇桐「だけどな、二人に告白されてんならちゃんと選べ」

闇桐「それがどんなに残酷でもちゃんと返事をしろ」

闇桐「今のお前はただ逃げているだけだ」テクテク

上条「………ありがとう」

そういって闇桐は去って行った



アリナ「フフッ優しいんだねぇ」

いつの間にかアリナが近くに忍び寄ってきていた

闇桐「いつからそこに…?」

簡単な質問をする、警戒は一切解かない

アリナ「そんなに警戒しないでよ~、それにしてもアンタはお人好しね」

闇桐「関係ないだろ」

アリナ「でもね、そのせいであなたは後悔することになるわ」

闇桐「何……」

アリナ「おもしろいこと教えてあげよっか」

アリナ「魔法少女の皆さぁ」

闇桐「マミさんや杏子達か?」

アリナ「うん、それでね」

アリナ「皆、全部の事実を知っちゃったよ?」

闇桐「……まさか!?」

アリナ「ご察しの通りだよ」

闇桐「不味いな……クソッ」タッタッタ

どこかへと走って行った

アリナ「私もお人好しだなぁ…」

走っていく闇桐の背中を遠い目で見つめていた



━━━橋

杏子「アタシらゾンビに…」

シュルルッとリボンが皆を拘束する

さやか「マミさん!?」

マミ「魔法少女が魔女になるなら皆死ぬしかないじゃない!!」ヂャキッ

ほむら「不味い…このままじゃ!?」

タァンと音が鳴る、誰かが撃たれてしまった

闇桐「流石に痛いな」

そこにはさやかを庇って銃弾を右腕に喰らっている闇桐がいた

マミ「え……」

闇桐「お前ら、自分がゾンビだからってこんな集団自殺したいのか?」

闇桐「特にマミ。お前何してるんだよ」

初めてだった、ここまで闇桐がキレているなんて

闇桐「魂の場所が変わって、ゾンビにされて、それで死ぬとでもいいたいのか?」

闇桐「ふざけるな!!!」

怒鳴り、全員が硬直する

闇桐「それがどうした?生きたくても生きれない人だって何千人といるんだぞ?」

闇桐「ゾンビになったって生きたい人はいるんだぞ?」

闇桐「最終的には魔女になるかもしれん、だがそれは今すぐなるのわけではないだろう?」

闇桐「なら必死に足掻いて、足掻いて生き続けるしかないんだよ」

闇桐「んでマミ。拘束を解除してやれよ」

マミ「は、はい」

ビビりまくりながら拘束を解除する

杏子「アンタ……結構キツいこと言うんだな」

闇桐「事実だよ。俺はお前らに生きてほしいんだよ」

闇桐「大切な人たちを失うのはもう嫌なんだよ」

さやか「………」

ほむら「(私は知ってるんだけれど……)」

さやか「て、てか、右腕から血!血が流れてる!」

闇桐「そういえば痛いな」

マミ「ご、ごめんなさい!!」

急いで駆け寄り、闇桐に対し過保護並みに腕の治癒をする

闇桐「別に怒ってないけどさ」

マミ「で、でも」

闇桐「次しなかったら良いんだよ。誰でもうろたえてしまうもんさ」

闇桐「まぁ間にあってよかったよ」ニコッ

ほむら「……そうね」

闇桐「お前ら今から暇か?」

全員を見渡す

ほむら「ええ」

さやか「うん」

杏子「暇だけど?」

マミ「え、ええ」

闇桐「全員俺んち来い。そこで色々と話せばいいだろう」

ほむら「」

杏子「」

マミ「」

さやか「」

闇桐「さて行くか」

半強制的に連れて行ったと思いきや、意外と皆乗り気だったりするのであった
 
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