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ヘタリア大帝国

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TURN80 スペインとの交渉その七

「ただな」
「エイリスだよな」
「あそこと戦争になるのは避けたいわ。何だかんだで強いさかいな」
 こうフランスが淹れたコーヒーを飲みながら話す。
「そこをどうするかやな」
「それな。俺考えてるんだけれどな」
「エイリスと伊勢志摩は不戦条約を結ぶんやな」
「そうしたらどうだ?」
 二人の考えは同じだった、それでフランスも言うのだった。
「こっちも新しい戦線は作りたくないしい向こうもそうだろうからな」
「ほな伊勢志摩はエイリスとは不戦条約を結んでや」
「そのうえで枢軸に入るってことでな」
 外交の抜け道を使うことでスペインを安全に枢軸に入れようというのだ。
「伊勢志摩とオフランスの宙路は非武装地帯にしてな」
「俺達はエイリスとは戦争はせえへん」
「それでいいな、じゃあエイリスと話してくれるか?」
「わかった、話はしとくな」
「そうしてくれ、じゃあ伊勢志摩は枢軸に入るってことでな」
「基本それでええけど」
 だが、だった。スペインは困った顔も見せてきた。
「わかってるやろ、今のうちはな」
「内戦中だよな」
「王様と王妃様が夫婦喧嘩してるわ」
「夫婦喧嘩で内戦か」
「そうなんや、いつも通りな」
「そっちも大変だな。それを収めてか」
「それからやな」
 枢軸に入るのはというのだ。
「内戦収めるの手伝ってくれるか?」
「ああ、わかった」
 こう言ってくるのは枢軸全体でも予想しているのでフランスはスペインの言葉にあっさりと言葉を返した。
「それじゃあな」
「頼むわ。どっちかについてな」
 王か王妃にだというのだ。
「内戦収めてや」
「夫婦喧嘩を止めてか」
「それから頼むわ。あんじょうな」
「日本達にも伝えておくな」
「そういうことでな。じゃあ話は決まったし」
 伊勢志摩の枢軸への参加はあっさりと決まった、しかしだった。
 問題はその内戦を終わらせることだった、これに関しては。
 フランスから話を聞いて日本もこう言うのだった。
「ではすぐにですね」
「ああ、伊勢志摩に出兵だな」
「そうしましょう。ただどちらにつくかは」
「どうでもいいぜ、それはな」
 王についても王妃についてもだというのだ。
「大して変わりがないからな」
「そうなのですか」
「ああ、喧嘩の理由も大したものじゃないしな」
「そもそも何故お二人は喧嘩、内戦をしておられるのですか?」
「どのワインがいいかとかフラメンコの振り付けがどうかとかな」
 そうした理由で喧嘩をしているというのだ。
「毎度毎度下らない理由なんだよ」
「よくそれで国家がもっていますね」
「喧嘩っていっても宇宙でやるしな」
「星域自体にはダメージを与えませんか」
「政治もちゃんとやってるしな」
「だからですか」
「そうだよ、伊勢志摩はそこそこ豊かだぜ」
 そうした国だというのだ、内戦はあくまで夫婦喧嘩に過ぎないというのだ。
 こうしてアステカ帝国との戦いの前にまずは伊勢志摩に向かいそしてそのうえで内戦を終結させることになった。だが。
 その話を聞いたドイツは難しい顔になりこう言うのだった。
「全く。下らない理由で内戦をする国だな」
「おいおい、今度はスペインに怒るのかよ」
 プロイセンがそのドイツに言う。
「相棒は相変わらずだな」
「確かに困ったことですが」
 オーストリアは至って冷静である。 
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