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真似と開閉と世界旅行

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ケセドニアへ~

 
前書き
ふふふ・・・今回もやっちまったぜ。ではどうぞ! 

 
・・・今、俺達は船に乗っていた。愛依の事は色々誤魔化し、連れてきた。


「(何やってんだろ・・・)」

俺は溜め息を吐く。

「(しっかし、こうして見たら普通の女の子だよな)」

一応傷はクレスの薬で回復させた。・・・残りはざっと半分位。


「少し・・・外に出るか」

俺は甲板に出て空を見上げる。

「恋・・・詠・・・俺、自分を見失いそうだよ・・・」

・・・汽笛が鳴る。どうやらここで乗り換えのようだ。










































「流通拠点ケセドニア・・・か」


その時、いきなりルークが女性にまとわりつかれた。

「あらん、この辺りには似つかわしくない品のいいお方・・・」

「あ?な、なんだよ」

「せっかくお美しいお顔立ちですのに、そんな風に眉間にしわを寄せられては・・・ダ・イ・ナ・シですわヨ」

素早く女性の手がルークの懐に伸びる。・・・俺は抱き抱えている愛依を片手で持ち、もう片手を空間に入れる。

「きゃぅ・・・アニスのルーク様が年増にぃ・・・」

「あら~ん。ごめんなさいネお嬢ちゃん・・・お邪魔みたいだから行くわネ」

「待ちなさい」

ティアが女性の行く手を遮る。

「あらん?」

「・・・盗ったものを返しなさい」

「へ?あーっ!財布がねーっ!?」

「ルーク・・・」

「・・・はん。ぼんくらばかりじゃなかったか。ヨーク!後は任せた!ずらかるよ、ウルシー!」

女性が財布を男に投げ、男は逃げ出すが・・・

ダァン!

素早く引き抜いた銃から撃たれた弾丸が足下で跳ね、男は驚いてバランスを崩す。

「動かないで。盗ったものを返せば無傷で解放するわ」

すかさずティアがナイフを男に突き付け、財布を奪い返す。

「・・・俺たち“漆黒の翼”を敵に回すたぁいい度胸だ。覚えてろよ」


「漆黒の翼ねぇ・・・」

「ところで大佐はどうして、ルークがすられるのを黙って見逃したんですか?」

「やー、ばれてましたか。面白そうだったので、つい」

「・・・教えろよバカヤロー!」

そりゃルークも怒るわな・・・

「とにかく、キムラスカの領事館に行こうぜ」

ガイの言葉で俺達は頷く。・・・ちなみに、ヴァンはアリエッタをダアトに搬送するため、別行動を取っている。




































「・・・そんで、これを調べるのか・・・」

領事館に行ったらまだ船の用意が出来ていないらしい。そうしたらガイが六神将の烈風のシンクから奪った音譜盤(フォンディスク)を調べようと言い出した。・・・あの時コーラル城で逃がしたのはシンクだったらしい。・・・話が逸れた。それで、解析機はケセドニア商人ギルドのアスターと言う人が持っている事を聞き、そこに向かう事になった。・・・が、

「悪い、コイツ宿屋に連れていってもいいか?」

俺は許可を得て愛依を宿屋に連れていく。


「う・・・うぅ・・・怖い・・・よ・・・」


愛依は何かにうなされているようだった。


「・・・」

「父さ・・・ん・・・ご・・・めんな、さい・・・ああああ!」

愛依の身体から闇が吹き出す。

「愛依!?・・・ッ」

しまった、と感じた時には遅かった。左腕が愛依の闇に呼応して・・・俺を呑み込・・・

「う・・・ぉぉぉぉ!!!」

・・・む前に無理矢理闇を切り離す。

「な・・・なんだ・・・?」

愛依の闇は・・・俺の闇と波長が似ている。故に呑み込まれかけたのだ。

『大丈夫ッスか?』

「あ、あぁ・・・」

「う・・・」

愛依の目が開く。

「目が覚めたのか」

一応すぐ反応できるように方天画戟を掴んでいたのだが・・・

「あ・・・う・・・」

「・・・?」

様子がおかしい。何処か怯えているような・・・

「あ、あの・・・誰・・・ですか・・・?」

「・・・は?」

思わぬ言葉を聞いて目を丸くする。

「な、なにふざけてんだよ!?」


「ひっ!?ご、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」


つい怒鳴ってしまい、愛依が怯える。

「(明らかに演技じゃない)」

何らかのショックで愛依は記憶喪失になった。・・・俺のせいだよな・・・俺は頭を掻く。

「あー、怒鳴って悪かった。俺は・・・五十嵐咲。お前は・・・」

「えっ、と・・・愛依、です・・・」

「それ以外は?」

「・・・ごめんなさい・・・わからない、です・・・」

「そうか・・・」

「・・・ごめんなさい」

「一々謝んなくてもいいよ。とにかく、俺は・・・」

一度考える。この言葉を口にすればどうなるか・・・いや、それでも言わなければならない。

「俺は・・・お前の味方だよ。だから、安心してくれ」

「味方・・・」

「そう。味方。・・・今の状況を説明するよ」

俺は愛依にこの世界の事を説明する。・・・ただし、破壊者としての事は一切教えない。・・・今の有り得ないくらい脆くなっている彼女にこの事実は受け止めきれないだろう

「・・・と言うわけだ。わかったか?」

「一応は・・・」

俺はこれだけは聞いておきたかった。

「んじゃ、最後に一つ。・・・椿って名前に聞き覚えは?」

「椿・・・?・・・うっ・・・」

愛依が頭を抑える。

「愛依?」

「なん、だろう・・・忘れちゃいけない名前の気がします・・・」

「そう、か。・・・そんじゃあ、次だけど」

これも聞かなければいけないだろう。

「これからどうする?」

「え・・・」

「だから、俺達に着いてくるかどうかさ」

「あ・・・その・・・えっと・・・」


どんだけ弱気なんだよ・・・

「お前がしたいようにすればいいだろ?」

「は、はい・・・ごめんなさい・・・」

「謝るなっての。怒ってる訳じゃないんだしさ」

『姿を見ただけでぶちギレてあいたたたたたた!?』

全力で方天画戟のリパルサー部分を握りしめる。

「あ、あの!・・・咲さんは・・・ご迷惑、じゃないですか・・・?」

「迷惑なら気絶してる時の方が迷惑だったっつーの。・・・んで?」

「わ、わたし・・・咲さんに着いていきたい・・・です」

俺は愛依の頭をわしゃわしゃ撫でる。

「なら着いてこい。危険があるかもしれないけど、守ってやるから」

「は、はい!」

愛依が満面の笑みを浮かべる。・・・もう誰だよコイツ。

「じゃあ、みんなと合流するから行くよ。・・・歩けるか?」

「大丈夫です」


愛依は立ち上がり、偃月刀を取り出した。

「これ・・・刃物・・・」

「あっ、と・・・」

愛依が偃月刀を見て驚く。

「わたしが・・・武器を・・・」

「嫌なら俺が預かっとくぜ?」

愛依は首を横に振る。

「いえ・・・自分で持ってます」


そうして俺と愛依ははルーク達と合流する。・・・音譜盤の内容は膨大のため、船で読む事にしたらしい。

「何だ、そいつ目が覚めたのかよ?」

ルークがそう言うと愛依は怯えて俺の背中に隠れる。


「お、おいおい・・・コイツらは仲間だよ」

「仲間・・・ですか?」

「ああ・・・」

その時、ティアが叫んだ。

「危ない!」

「うわっ!?」

突如現れたシンクがガイに一撃を加え、音譜盤を奪う。

「それを寄越せ!」

ガイは紙をかき集め、すぐに間合いを取る。

「ここでいさかいを起こしては迷惑です。船へ!」

「くそっ!なんなんだ!」

俺は愛依の手を掴んで走り出す。

「逃がすかっ!」


俺達は急いで船に乗る。

「ルーク様。出発準備完了しております」

「急いで出港しろ!」

「は?」

「追われてるんだ!急げ!」

間一髪逃げ切り、追っては来なかった。

「ここまで来れば追ってこれないよな」

「くそ・・・烈風のシンクに襲われた時、書類の一部を無くしたみたいだな」

「見せてください」

ガイがジェイドに書類を渡す。

「同位体の研究のようですね。3・14159265358979323846・・・これはローレライの音素振動数か」

「ローレライ?同位体?音素振動数ぅ?訳わからねー」

ルークが言うとティアが返す。

「ローレライは第七音素の意識集合体の総称よ」

「音素は一定以上集まると自我を持つらしいですよ。それを操ると高等譜術を使えるんです」

「それぞれ名前が付いてるんだ。第一音素(ファーストフォニム)集合体がシャドウとか、第六音素(シックスフォニム)がレムとか・・・」

アニスとガイも説明していく。

「ローレライはまだ観測されていません。いるのではないかという仮説です」

「はー、みんなよく知ってるな」

「ルーク、これ一応常識だからな?」

俺が茶化すと意外にもティアが言った。

「仕方ないわ。これから知ればいいのよ」

「なんか・・・ティアってば突然ルーク様に優しくなったね」

「そ、そんなことはないわ。そ、そうだ!音素振動数はね、全ての物質が発してるもので、指紋みたいに同じ人はいないのよ」

「物凄い不自然な話の逸らせ方だな・・・」

「ガイは黙ってて!・・・同位体は音素振動数が全く同じ二つの個体の事よ。人為的に作らないと存在しないけど」

「まあ、同位体がそこらに存在していたら、あちこちで超振動が起きていい迷惑ですよ。同位体研究は兵器に転用できるので、軍部は注目していますねぇ」

「昔研究されてたっていうフォミクリーって技術なら同位体が作れるんですよね?」


「フォミクリーって複写機みたいなもんだろ?」

ガイが訪ねるとジェイドは首を横に振る。

「いえ、フォミクリーで作られるレプリカは、所詮ただの模造品です。見た目はそっくりですが、音素振動数は変わってしまいます。同位体はできませんよ」

「・・・そうなんですか・・・」

どうやら愛依はずっとこの難しい話を聞いてたみたいだった。

「あーもー!訳わかんねっ!難しい話はやめようぜ。その書類はジェイドが・・・」

「た、大変です!ケセドニア方面から多数の魔物と・・・正体不明の譜業反応が!」

兵士が飛び込んできたその時、爆音と共に神託の盾が乱入してくる。

「いけない!敵だわ!」

「っ!愛依、イオン、下がってろ!」

俺は椅子を蹴り飛ばし、神託の盾の兵を怯ませる。


「ッルァ!」

そのままの勢いで方天画戟を取り出し、鎧ごと粉砕する。

「はぁ!」

「エナジーブラスト!」

ガイの居合い斬り、ジェイドの譜術で完全に神託の盾は沈黙する。

「やっぱりイオン様と親書をキムラスカに届けさせまいと・・・?」

「船ごと沈められたりするんじゃねえか?」

ガイが言う。

「ご主人様、大変ですの!ミュウは泳げないですの」

「うるせぇ。勝手に溺れ死ね」


「しかし、水没させるつもりなら突入してこないでしょう」

「じゃあ、船を乗っとるつもりだ!」

「やられる前にブリッジを確保しろって事か」

「そういうことです」

俺の言葉をジェイドが肯定する。

「神託の盾の奴ら、そんなに戦争させたいのかよ。めんどくせーなぁ・・・」

「面倒くさがらずに。行きますよ」

そうして甲板に上がる。

「・・・敵のボスはどこにいるんだよ!とっとと終わらせようぜ」

「ハーッハッハッハッ!ハーッハッハッハッ!」

いきなり高笑いが聞こえてきた。見ると椅子に座りながら空を飛ぶ変な男がいた。

「野蛮な猿ども、とくと聞くがいい。美しき我が名を、我こそは神託の盾六神将薔薇の・・・」

「おや、鼻垂れディストじゃないですか」

「薔薇!バ・ラ!薔薇のディスト様だ!」

「死神ディストでしょ」

アニスに突っ込まれる。

「だまらっしゃい!そんな二つ名、認めるかぁ!薔薇だ、薔薇ぁっ!」

「なんだよ、知り合いなのか?」

「私はおなじ神託の盾騎士団だから・・・でも大佐は・・・?」

「そこの陰険ジェイドはこの天才ディスト様のかつての友」

「どこのジェイドですか?そんな物好きは」

「何ですって!?」

「ほらほら怒るとまた鼻水が出ますよ」

「キィーーーー!!出ませんよ!」

ジェイドを除く男性陣はこっそり話す。

「あ、あほらし・・・」

「こういうのを、おいてけぼりって言うんだな・・・」

「ついていきたくもねえよ・・・」

「・・・まあいいでしょう。さあ、音譜盤のデータを出しなさい!」

「これですか?」

ジェイドが取り出した書類をディストが奪う。

「ハハハッ!油断しましたねぇ、ジェイド!」

「差し上げますよ。その書類の内容はすべて覚えましたから」

「ムキーーー!!猿が私を小馬鹿にして!この私のスーパーウルトラゴージャスな技を喰らって後悔するがいい!現れよカイザーディストR!」


譜業が現れる。

「・・・ここまでやる気がでない戦闘は初めてかもな・・・」

「今回ばかりは同感です」

ジェイドが詠唱を開始。それに合わせて俺も詠唱を始める。

「歪められし扉よ・・・ネガティブゲイト!」

「行きますよ、スプラッシュ!」

闇と水が襲い、カイザーディストの動きが鈍る。

「双牙斬!」

ルークの切り上げでカイザーディストは・・・ディストを巻き込んでぶっ飛んだ。

「おい・・・あれ・・・」

「殺して死ぬような男ではありませんよ。ゴキブリ並の生命力ですから。それより、ブリッジを見てきます」


「俺も行く。サキと女の子達はルークとイオンのお守りを頼む」

「あれ?ガイってばもしかして私達が怖いのかな?」

「・・・ち、違うぞ。違うからなっ!」

「・・・アイ、だっけ?ガイに触れてみなよ♪」

「え?あ、は、はい・・・失礼します」

愛依はガイの腕をちょこんと触る。

「うおわぁっ!?」

「きゃあっ!?」

触られてガイが跳び退り、それにビックリして愛依が悲鳴を上げる。

「あ・・・す、すまない」

ガイはフラフラしながらジェイドを追いかける。

「俺達は・・・」

「怪我をしている人がいないか確認しましょう」

「そうですね」

「平和の使者も大変ですよねぇ」

「・・・ホントだよ」

こうして船はキムラスカの首都・・・バチカルに到着した。

「お初にお目にかかります。キムラスカ・ランバルディア王国軍第一師団師団長のゴールドバーグです。この度は無事のご帰国、おめでとうございます」

「ご苦労」

「アルマンダイン伯爵より鳩が届きました。マルクト帝国から和平の使者が同行しておられるとか」

「ローレライ教団導師イオンです。マルクト帝国皇帝、ピオニー九世陛下に請われ、親書をお持ちしました。国王インゴベルト六世陛下にお取り次ぎ願えますか?」

「無論です。皆様のことはこのセシル将軍が責任を持って城にお連れします」

隣にいた女性が口を開く。

「セシル少将であります。よろしくお願いします」

ガイが反応する。

「どうかしましたか?」

「お、いや私は・・・ガイといいます。ルーク様の使用人です」

「・・・ガイと同じく使用人のサキといいます。こちらは記憶喪失の・・・」

「あ、愛依と申します・・・」

「ローレライ教団神託の盾騎士団情報部第一小隊所属、ティア・グランツ響長であります」

「ローレライ教団神託の盾騎士団導師守護役所属、アニス・タトリン奏長です」
「マルクト帝国軍第三師団師団長、ジェイド・カーティス大佐です。陛下の名代として参りました」

「貴公があのジェイド・カーティス・・・!」

「ケセドニア北部の戦いでは、セシル将軍に痛い思いをさせられました」

「ご冗談を。・・・私の軍はほぼ壊滅でした」

「皇帝の懐刀と名高い大佐が名代として来られるとは・・・なるほど、マルクトも本気という訳ですか」

「国境の緊張状態がホド戦争開戦時より厳しい今、本気にならざるを得ません」

「おっしゃるとおりだ。ではルーク様は私どもバチカル守護隊とご自宅へ・・・」

「待ってくれ!俺はイオンから伯父上への取り次ぎを頼まれたんだ。俺が城へ連れていく」

「ありがとう。心強いです」

「ルーク、見直したわ。あなたも自分の責任をきちんと理解しているのね」

「う、うん・・・まぁ・・・」

「(ん・・・?)」

何か違和感を感じたが・・・気のせいか。

「承知しました。ならば公爵への使いをセシル将軍に頼みましょう。セシル将軍、行ってくれるか?」

「了解です」

「ではルーク。案内をお願いします」

「・・・おう、行くぞ」

こうして俺達は城に向かった・・・ 
 

 
後書き
サキ
「今回のゲストは!」

アニス
「アニス・タトリン十三歳で~す!」

サキ
「テンションたっけー・・・」

アニス
「そう言えば、サキは根暗ッタと知り合いなんだよね?」

サキ
「まぁ、そうだけど」

アニス
「どんな関係だったの?」

サキ
「妹みたいな関係さ。まぁ、あっちはどう思ってるかはしらないけどな」

アニス
「あ、でも一回だけ根暗ッタがボロボロのシャツを見てた事があったよ?」

サキ
「俺があげた服だな。・・・まだ大事に持ってたんだな」

アニス
「・・・色々あるんだね」

サキ
「ま、な。それじゃ、次回の続・真似と開閉と世界旅行!」

アニス
「次回も見てね♪」 
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