仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第八十六話 Anotherworld(もう一つの世界)その八
「あとお姉さんね」
「里中さんはお姉さんなんだな」
「この人結構危ない感じだからね」
少女は里中が持っているものを本能的に察していた。
「そうしておくわ」
「賢いな、おい」
「伊達に赤の女王じゃないわよ」
両手を腰にやり強い声で言う。
「この程度がわからないとね」
「成程な、しかし赤の女王か」
「もうあたしのこと知ってるのね」
「春雪君から話は聞いたよ」
伊達は少女に微笑んで言う。
「こっちの世界でさ」
「こっちの世界、っていっても」
「ああ、俺達の世界だよ」
そうした意味での言葉だった。
「そっちでさ」
「そうなの、というかあんた達ブレインバーストするの?」
「いや、はじめて入るんだよ」
「とはいっても初心者じゃないわね」
少女はライダー達を鋭い目で見てから述べた。
「違うわね、それは」
「戦いについてはな」
アンクは少女のそれ以上に鋭い目で応えた。
「御前より知っている」
「その言葉も口だけじゃないみたいね」
「当然だ、御前も女王というからにはわかるな」
「ええ、わかるわ」
少女は両手を己の腰の横にやってアンクの問いに答えた。
「あんた達相当な場数踏んでるわね」
「なら話が早い。小娘、名前を教えろ」
「上月由仁子よ」
少女はアンクに応えて己の名を名乗った。
「言ったけれど赤の女王よ」
「わかった」
「本来はこっちのグループとは敵なのよ」
その少女由仁子は春雪に顔を向けつつアンク達に答える。
「あたしは赤の方だからね」
「時と場合によって共闘しているんです」
春雪がライダー達にその辺りの事情も話す。
「それで今回も」
「正直あの連中にはこっちも頭にきてるのよ」
由仁子は赤の女王としての立場からライダー達に話していく。
「いきなり出て来て無差別攻撃仕掛けて来るからね」
「君にも話す、それでだ」
後藤が由仁子にライダーの事情を話そうとしたその時だった、今度は。
二人来た、その二人はというと。
二人共春雪の中学校の制服を着ている、ただし男女である、
一人は眼鏡をかけた薄茶色の髪の賢そうな顔立ちの少年だ、青い目には知性と共に確かな強さもある。
そしてもう一人は茶色のショートの髪の少女だ、猫を思わせるがまだ幼さの残る顔で目は赤い。髪の右にはヘアピンが二つあり左側には白猫のワッペンが付けられている。胸はかなり大きくその胸のリボンとスカートは緑だ。
その二人がだ、部屋に入ってすぐにライダー達を見てから春雪に問うたのだ。
「メールで少し聞いたけれど」
「この人達がよね」
「うん、そうだよ」
晴行は二人にライダー達を紹介する。
「仮面ライダーっていうんだ」
「はじめまして」
二人もライダー達二礼儀正しく挨拶をする、そのうえでそれぞれ名乗る。
「黛拓武です」
「倉嶋千百合です」
「宜しくね」
ライダー達も笑顔で挨拶をしてそれぞれ名乗った、それからだった。
拓武も千百合も席に着く、由仁子も。
そのうえでお互いの情報交換をする、そして拓武が春雪に言う。
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