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ハイスクールD×D混沌竜のドラゴンスレイヤー来る!!

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第6話 イッセーの覚醒、そして新しい仲間

 
前書き
今回も遅くてすいません。こんな作者ですがよろしくです。 

 
「おらぁ!」

ドゴッ。

「ぐはっ!?」

「どりゃ!」

バキッ。

「ぐふっ!」

 ジオはアーシアを守りながら迫ってくる神父達を殴り飛ばしていた。
 神父達の背後ではレイナーレが神父達に命令していた。

「何をしているの!すぐにアーシアを取り返しなさい!!」

ドン。

「ガアッ!」

「おら!手下ばかりじゃなくおまえ自身がかかってきやがれ!!」

「だれが化け物の相手なんかするもんですか、さっさと奴を殺しなさい!!」

 レイナーレはさらに神父達を嗾ける。ジオは迎撃しようと構えた。その時――

「アーシアーーーーーーーーーーーーー!!!」

 イッセー、祐斗、子猫がジオの壊した扉から来た。

「イッセーさん!」

 イッセーの姿を見たアーシアは喜びの声を上げた。
 アーシアの嬉しそうな笑みを見てジオは一誠の方を見た。

「イッセー、来るのが遅いぞ!主役が遅れてどうする!!ハアァ!!」

ドカッ。

「がっ」

 ジオが神父を倒す姿を見て、イッセーはジオに言った。

「ジオ!おまえ急に消えたと思えばやっぱり先に突入してやがったな!!」

「おまえが遅いからだぞ。それに前回俺は何もしてなかったからな、その分もある!」

「ははっ、イッセー君救出の時の事根に持っていたんだね・・・・」

「・・・・上の惨状は先輩だったんですね」

 そう言いながら祐斗と子猫も神父を倒していた。
 その様子を見てレイナーレは焦った。自分の計画ならすでにアーシアから神器(セイクリッド・ギア)聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を手にいれ至高の堕天使になっているはずだったのが、儀式の最中に乱入してきた人間のせいですべて台無しになり、今も悪魔が攻め込んでくるという最悪の状態だ。
 なんとしてもアーシアを奪い返さなければ。
 レイナーレはジオの後にいるアーシアの方見た。するとアーシアはジオによって脇から両手に持って持ち上げられていた。
 ・・・何をする気?

「イッセーーー、受けとれーーーー!!!」

ブン。

 ジオはアーシアをイッセーに向かって投げた。

「きゃぁあああああああああああ!?」

「!?アーシアーーーーーーーーー!!!」

ガシッ。

 イッセーは自分に投げられたアーシアをなんとか受け止めた。

「ヨシ!」

「「「何がヨシだ/い/ですか/!!」」」

「キュウゥ~~~~~~」

 ジオは握りこぶしをつくりガッツポーズするが一誠達からつっこまれた。投げられたアーシアは目を回している。
 レイナーレ達はいきなり事に反応ができなかった。ジオはアーシアを抱いているイッセーに言った。

 
「イッセー!アーシアを連れて此処から脱出しろ!!此処は俺と祐斗と子猫で引き受ける」

「ジオ、いきなり何言ってんだよ!」

 いきなりのセリフにイッセーは動揺する。だがジオはそんなイッセーを無視してさらに言った。

「いいから聞け、こいつ等の目的はアーシアだ。それなら今すぐにアーシアと此処から逃げる事が最善の策だ」

「でも「イッセー君」っ木場・・・」

 イッセーが言おうとしたが祐斗に止められた。

「イッセー君、ジオ君の言うとうりだ此処は僕達に任せて君はその子と逃げてくれ」

「先輩ここは任せてください」

「そういう事ださっさといけ」

 祐斗、子猫、ジオはイッセーを促した。それを受けてイッセーは決めた。

「木場、子猫ちゃん、ジオ・・・・・・わかった。みんな此処は任せる。アーシア往こう!」

「っはい!」

 イッセーはアーシアの手を掴んで今来た道を一緒に走っていった。

「!逃がさないわよ!!!」

 この場から出ていったイッセーとアーシアをレイナーレは追いかけようと出口に向かう。

「そうはさせないよ」

「通しません」

 出口の前で悠斗と子猫が立ちふさがった。しかし

「悪魔め邪魔はさせないぞ!」

「この場で滅しろ!」

 神父達が一斉に攻撃してきた。

「くっ」

「ん」

 祐斗と子猫は神父達の攻撃を防ぐが、その隙を衝かれレイナーレを逃がしてしまった。
 神父達は祐斗と子猫にさらに攻撃をして後を追わせないようにした。

「俺を忘れるんじゃね~~~!!混沌竜の蹴撃!!」

 祐斗と子猫に群がる神父達に向かってジオは跳躍して上から波動を纏った両足を叩きつけた。

ズガアアァァン。

「「「「「「「ぐわぁああああああああああ!!!」」」」」」」

ジオの一撃によって神父達はふきとんだ。今のにあぜんとなっている二人にジオは顔を向けた。

「祐斗、子猫、俺もいるのに俺を無視して二人だけで戦うなよ。俺はまだ暴れ足りないからな」

「・・・ははっ、これだけやっといてまだ足りないとわ、ジオ君はすごいね」

「・・・・規格外です」

 そんことを話している中、神父達が三人を取り囲んだ。それに対抗してジオ、祐斗、子猫は構えた。

「さて、さっさとこいつ等ブッ飛ばしてイッセーを追おうぜ!」

「そうだね」

「・・・・いきます」

























「アーシア、大丈夫か?」

「はっはい」

 地下から階段を上り俺とアーシアは聖堂に着いた。走って此処まで来た所為で俺もアーシアも息があがっている。

「・・・・皆さん大丈夫でしょうか」

「木場達なら大丈夫さ、皆俺より強いし・・・」

 そう、木場や子猫ちゃんは俺なんかより強い。ジオにしても俺達が来るまで一人でアーシアを助けて、守っていたんだ。
 ・・・・・俺って弱いな。

「どうかしましたかイッセーさん」

「なんでもないよアーシア。それより急いで此処から離れよう」

 俺はアーシアの手を掴んで再び走り出そうとした。その時、階段から黒い人影が飛び出してきた。そして俺達の前に回りこんた。

「残念だけど、ここまでよ」

 回りこんだ人影、レイナーレは黒い翼を広げてイッセーとアーシアの前に立ちふさがった。

「ゆ、夕麻ちゃん・・・・」

「レイナーレ様」

「ハ~イ、イッセー君昨日振りね。さっそくで悪いんだけど死んでくれない」

 そう言うとレイナーレは光の槍作り、イッセーに投げた。

ズドン。

 とっさに俺は避けようとしたが槍は肩に突き刺さった。

「ぐあぁああ!!」

「イッセーさん!!」

 俺のあまりの痛みに肩を押さえて膝を突いた。

「ぐっぅうう!」

「うふふふ、苦しいかしら悪魔にとって光は猛毒に等しいわ、光はあなたの体を回りダメージを行き渡らせる」

 レイナーレは再び光の槍を作り出した。
 !やばい、俺はそう思った。

「さっきのより力を込めたわ。あの化け物が来る前にアーシアを連れて此処から離れないといけないの、さようならイッセー君!」

 投げられた槍は俺に向かってくる。だが、俺は肩に刺さる光の槍の激痛で動けなかった。
 っくそ、ここまでなのかよ。部長、朱乃さん、子猫ちゃん、ジオ、木場。
 迫ってくる光の槍を前にして俺はオカルト部の皆を思い浮かべた。

「イッセーさん!!」

 アーシアが俺と光の槍の間に入ってきた。

「「!!?」」

ザシュ。

 光の槍がアーシアの腹部を貫いた。アーシアはそのまま仰向けで倒れた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「―――アーシアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 俺は肩の激痛を無視してアーシアに駆け寄り抱き起こした。

「アーシア!アーシア!返事をしてくれアーシア!!」

「・・・・・・・・・だ、大丈夫でしたか、イッセー・・さん」

「なんで、なんであんな事したんだ!!!」

「・・・・・・・私、イッセーさんに守らればっかでした、だからあの時イッセーさんが危ないと思ったら体動いていたんで――――!」

 アーシアは口から血を吐く。

「アーシア!!」

「ケホッ・・・・私、後悔してません。だって、イッセーさんを守れたんですから―――」

「アーシア!もう喋るな、今すぐ部長達の所に連れて行ってやる。部長や朱乃さんなら必ず何とかしてくれる!必ず助けてやる!!」

Dragon(ドラゴン) booster(ブースター)!!』
 俺の叫びに応えるように、左腕の神器(セイクリッド・ギア)が動き、手の甲の宝玉が眩い輝きを放ち、籠手に何かの紋様らしきものが浮かんだ。
 俺は立ち上がり肩に突き刺さっている光の槍を掴んだ。

ジュゥゥゥゥゥ。

「ぐぅぅぅぅぅあああああ!」

 肉が焼ける音だ。熱い。超熱ぃぃぃぃぃ!光だからか!槍を掴む俺の手のひらを容赦なく焦がしていく。
 手から煙が上がっていた。肩の傷からも。俺の手と肩を激しく焦がす。
Boost(ブースト)!!』
 宝玉から再び音声がなり、甲の宝玉に浮かぶ文字がⅠからⅡへ変わる。

ドクンッ!

俺のなかで二度目の変化が起きた。力が増してくる。

「ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 俺は声にならない声を上げて、光の槍をいっそう強く握り締めて肩から少しずつ引き抜いていく。
 痛みで意識を失いそうだ。歯を食いしばっていないと死んでしまいそうだ。
 だが、それがどうした。それがどうしたってんだ!

「こんなもの!アーシアが受けた苦しみや痛みに比べればなんだってんだよ!!」

ずぼっ。

 力任せで勢いで肩から一気に引き抜いた。
 引き抜いた槍は手から落としたとき、音も立てず床にも触れず宙に消えた。

どばっ。

 塞いだものがなくなったせいか、肩に空いた穴から鮮血が溢れ出た。
 槍を抜いたところで痛みが消えるはずもない。俺は痛みに耐えながら目の前にいる夕麻、堕天使を睨みつけた。
 レイナーレは俯いていた。そして何かブツブツ呟いている。その様は不気味だったが、急に顔上げた。その顔は怒りに満ちていた。

「よくもここまで私の計画を乱してくれたわね。上に隠しておこなったのにこんな事になるなんて、こうなればその子(アーシア)から直接神器(セイクリッド・ギア)取りだしてやるわ!」

「そんなことやらせるか!アーシアを守って俺がおまえを倒す。レイナーレェェェェッッ!!」

「腐ったクソガキが私の名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!」

Boost(ブースト)!!』
 また左腕の籠手から音声が発する。
 体中に痛みと疲労がきて少しでも気を抜けば倒れると俺は感じた。
 レイナーレは光の槍を投げてきた。
 俺は体の限界を無視して動き、投げられた槍を避けた。そしてそのまま殴りかかろうとした。
 だが、俺の体はその動作だけで限界がきた。体から力が抜け、俺は倒れた。
 くそ、うごけ。うごいてくれ~!
 俺は必死に体を動かそうとするがピクリとも動かない。
 そんな俺を見てレイナーレは嘲笑をうかべた。

「ふふふ、ここまでのようね。私の光は派手さはないけど悪魔に対して殺傷能力が高いわ。光力の濃度が濃いのよ。ひとつでも傷を負えば中級悪魔でもそう簡単には直らない。下級悪魔のあなたじゃ、ここまでが限界。光のダメージを甘くみちゃだめよ。特に私の光はね」

 立ち上がってくれ、俺の体。アーシアを守るんだ。
 俺は立ち上がろうとするが、体は逆に動こうとしなかった。
 そうしているうちにレイナーレは新しい光の槍を作りだしていた。

「それじゃ、今度こそこれで終わりね」

 そう言うと槍を投げる体制になった。
 ここで終わりのか俺は?アーシアを守れずここで死ぬのか?
 俺はアーシアのほうへ視線が動いた。
 腹部から血を流し今も苦しんでいる。
 ・・・・・そうだよな、まだ終われない!


―――想いなさい。神器(セイクリッド・ギア)は想いの力で動き出すの。そして、その力も決定するわ。


 リアス部長の言葉が脳裏を過ぎる。
 想いは力になる。なら俺は――――

「俺はアーシアを守るんだああああぁぁぁぁ!!!」

ぐあっ。

「―――ッ!う、嘘よ!立ち上がれる体じゃないのよ!?光のダメージで・・・・立ち上がれるわけがない!か、下級悪魔ごときが動けるはずがない!全身を内側から光が焦がしているのよ!?光を緩和する魔力をもたない下級悪魔が耐えられるわけがないわ!」

 レイナーレは俺が立ち上がったことに動揺している。

「なあ、俺の神器(セイクリッド・ギア)さん。目の前のこいつを殴り飛ばすだけの力があるんだろう?トドメとしゃれこもうぜ」
Explosion(エクスプロージョン)!!』

 その機械的な声はそのときだけ、とても力強かった。
 宝玉が一層光輝き、ダメージを和らげてくれる。
 力が溢れてくる。籠手から伝わるこの力強さはハンパじゃない。
 これならいける!
 俺は拳を打ち出す体制作った。

「なあ、神様。いや、俺は悪魔だから魔王様か。今だけでもいいからこいつを、クソ堕天使を殴りたいんで邪魔が入らないようにしてください」

 俺は堕天使に歩を進める。

「・・・・・・・ありえない。何よ、これ。どうして、こんなことが・・・・・。その神器(セイクリッド・ギア)は持ち主の力を倍にする『龍の手』(トウワイス・クリテイカル)でしょ?・・・・・・・なんで。あ、ありえないわ。どうして、あなたの力が私を超えているの・・・・?
この肌に伝わる魔力の波・・・・・魔の波動は中級・・・・・いえ、上級クラスの悪魔とおなじ・・・・」

 俺が上級悪魔とおなじ?この神器(セイクリッド・ギア)が原因か?
 リアス部長とおなじ上級悪魔の力が俺に?なら。
 俺は堕天使に突っこんだ。
 それに対抗してレイナーレはもっていた光の槍を投げてきた。

ブゥン。

 俺はそれを横殴りに拳でなぎ払った。光の槍はなんなく消し飛んだ。
 それを見て、レイナーレは表情はさらに青ざめる。

「い、いや!」

バッ!

 黒い翼を羽ばたかせ、レイナーレはいまにも飛び立とうとしていた。
 逃げる気か。少しでも勝てないとわかると撤退ですか?
 だが、逃がさない。逃がすわけがないだろう!

タッ!

 俺は飛び立とうとしたレイナーレに駆け出した。信じられない速度が出て、その手を掴んだ。

「逃がすか!」

「は、はなしなさい、私は至高の堕天使に!」

「吹っ飛べ!クソ天使ッ!」

「おのれぇぇぇぇぇぇ!下級悪魔がぁぁぁぁ!」

「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 左腕の籠手が一気に力を解放した。
 俺は左腕に全部の力を集結させ、拳に乗せ憎むべき相手の顔面に打ち込んだ。

ゴッ!!

 俺はそのままの勢いで拳を振りぬき、吹き飛ばした。
 堕天使は後方の壁に叩きつけられそのまま壁を破壊し、外に吹き飛んだ。
 壁が壊れたせいで埃がまっていたがしだいにおさまり、レイナーレが地面に転がっている姿が見えた。

「へへっ、ざまーみろ」





 堕天使を殴り飛ばし、完全に力を使いきったせいでその場に倒れそうになった。
とん。
 俺の肩を抱く何か。見れば木場だった。

「お疲れ。堕天使を倒しちゃうなんてね」

「おせぇよ、色男」

「ふふふ、邪魔をするなって部長に言われていたんだ」

 部長!?リアス部長が来ているのか!

「その通りよ。あなたなら、堕天使レイナーレを倒せると信じていたもの」

 声がするほうを振り向けば、紅の髪を揺らしながら笑顔で歩いてくるリアス部長と体があちこち焦げているジオと笑顔の朱乃さんと子猫ちゃんが来た。
 ジオ、なんで焦げているんだ・・・・?
 俺の様子に気付いたのか、木場が説明してくる。

「じつはジオ君は部長の命令を無視してイッセー君を助けに行こうとしたんだ。僕や子猫ちゃんも止めたんだけど、全然止まらなくてね、朱乃先輩が止めてくれたんだ。・・・・・多少過激な方法だったけど」

 それでか、朱乃さんが笑顔なのか。
 理由を知り、ジオに同情した。
 そんなこと思っているうちにリアス部長が俺の前に来る。

「それで無事に勝ったようね。フフフ、えらいわ。さすが私の下僕くん」

 鼻先をつんと小突かれる。
 俺は少し頬を赤くしたが、すぐにリアス部長に懇願した。

「部長!アーシアを助けてください。お願いします!」

「ええ、分かったわイッセー、でもその前に」

「部長。持ってきました」

 ズルズル引きずる音させ、気絶したレイナーレを引きずって子猫ちゃんが来た。

「ありがとう、子猫。さて、朱乃」

「はい」

 朱乃さんが手を上へかざす。すると、宙に水らしきものが生まれてくる。
 宙に生まれた水の塊を朱乃さんは倒れているレイナーレへ被せた。

バシャッ!

水音のあと、「ゴホッゴホッ!」とレイナーレが咳き込む。

「朱乃、もうここはいいわ、彼女をお願い」

「わかりました」

 朱乃さんはアーシアのところにいく。
 それを見送り、視線を再びレイナーレにむける。
 気がついたのか、ゆっくり目を開けたレイナーレ。それを部長が見下ろす。

「ごきげんよう、堕天使レイナーレ」

「・・・・・グレモリー一族の娘か・・・・」

「はじめまして、私はリアス・グレモリー。グレモリー家次期当主よ。短い間でしょうけど、お見知りおきを」

「・・・・・してやったりと思っているでしょうけど、残念ね。私に協力してくれている堕天使がいるわ。私が危うくなったら彼らは助けに―――」

「彼らは助けに来ないわ。堕天使カラワーナ、堕天使ミッテルト彼女らは私が消し飛ばしたから」

「!それでも、まだドーナシークがいる、彼が助けに来るわ」

 強気の態度を崩さないレイナーレ。そこへジオが前に出てきた。
 ジオを見てレイナーレは体を震えさせた。

「おう、さっきぶりだな。残念だけどな、おまえが期待しているそいつは俺が倒したぜ」

「嘘よ!」

 レイナーレは上半身を起こし、部長とジオの言葉を強く否定した。
 部長は懐から二枚の黒い羽を取り出し、レイナーレに見せた。

「これは彼女らの羽よ。同族のあなたなら見たらわかるわね?そしてジオの言うことも事実よ、私が彼が堕天使を消し飛ばしたところを見たわ」

 羽と部長の言葉を聞き、レイナーレは愕然とした。

「以前、イッセーが堕天使に襲われてから、堕天使が複数この町で何かの計画を立てているのは察していたわ。けれど、それが堕天使全体の計画だと思って、私は無視したわ。でも、何やら突然こそこそと動き出したと耳にしたから、私は朱乃を連れて少しお話をしに行ったの。そしたらすんなりとあなたの独断専行だと吐いてくれたわ」

「部長は滅亡の力を有した公爵家のご令嬢、若手悪魔の中でも天才と呼ばれる実力の持ち主なんだよ」

 と、主を褒め称えるように木場が言う。

「別名『紅髪(べにがみ)滅殺姫(ルイン・プリンセス)』と呼ばれるほどの方なのですよ?」

 うふふと笑う朱乃さん。
 部長が俺の左腕の籠手に視線を向けた。

「・・・・赤い龍。この間までこんな紋章なかったのに・・・・。そう、そういうこと。堕天使レイナーレ、あなたの敗因はイッセーの神器(セイクリッド・ギア)を見誤ったことね、これは『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』よ」

「ブーステッド・ギア・・・神滅具(ロンギヌス)がこんな者に・・・!?」

「言い伝え通りなら人間界の時間で10秒ごとに持ち主の力を倍にしていくのが赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の能力、極めれば神すらも屠れる神器(セイクリッド・ギア)よ」

 なんだそれ!とんでもないものだったのか神器(これ)

「どんな協力でも倍加していくのを待ってくれる相手なんていないわ。今回は相手が油断していたからこそ勝てたようなものよ、イッセー」

「!はい」

 部長に釘を刺された。
 部長が近づいてきて頬をなでくれた。

「でもおもしろいわ。さすがは私の下僕くん、もっともっと可愛がってあげるから」

 そう言うと部長は目を鋭くしてレイナーレに近づく。

「さて、消えてもらうわ」

 冷たい口調だ。殺意がこもっている。

「イッセー君!私をたすけて!」

 レイナーレが夕麻ちゃんの声で俺に助けを求めてくる。

「私はあなたのこ「ふざけんじゃねーーー!!!」」

ドゴッ!

 今まで黙っていたジオが大声で怒鳴り、レイナーレを殴り飛ばした。

「イッセーの心を玩んだおまえが愛を語るんじゃねえよ!!」

「そうね、私の下僕に言い寄るな。消し飛べ」

ドンッ!

 部長の手から魔力が発しレイナーレを消し飛ばす。

「グッバイ。俺の恋」

あとに残ったのはなんとも言えない気持ちと無数の黒い羽だった。




 俺達はアーシアを治療してくれている朱乃さんもとに集まった。
 治療は終わったようでアーシアの怪我消えていた。
 だが、朱乃さんの表情は暗かった。
 よく見るとアーシアの呼吸も弱弱しい。

「なんで、傷は治ったんじゃないんですか!?」

「ええ、傷は治りました。ですが、それまでに血が流れ過ぎた所為ですわ。さすが私でもこればかりは・・・」

「そっそんな・・・・」

 朱乃さん言葉におれはショックをうけた。
 ここまできてそれはないだろう~~~
 悲しむ俺に、ジオが声をかけてきた。

「イッセー、まだ手はあるぞ。そうでしょう、部長」

「ええ、イッセー、これ、なんだと思う?」

 部長の手の中には紅い、部長の髪と同じ色のチェスの駒があった。

「それは?」

「これは僧侶(ビショップ)の駒よ、爵位持ちの悪魔は複数の駒を持っているの。これはその一つよ」

 そう言うと部長はアーシアの胸に紅い僧侶(ビショップ)の駒をおいた。

僧侶(ビショップ)の力は眷属のフォローをする事、この子の回復能力は僧侶(ビショップ)として使えるわ。前代未聞だけどこのシスターを悪魔へ転生さてみる」

 部長の体を紅い魔力が覆う。

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ。いま再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が僧侶(ビショップ)として新たな生に歓喜せよ!」

 駒が紅い光を発して、アーシアの胸に沈んでいく。
 すると、アーシアが瞬きをした。

「あれ?私・・・・」

「イッセー、あなたは彼女の先輩悪魔よ、あなたが守ってあげなさい」

 リアスはイッセーに優しい笑みを浮かべている。

「はいっ!」

 上半身を起き上がらせた。アーシアを抱きしめた。

「い、イッセーさん!?」

「・・・帰ろう、アーシア」

「――はい」














 次の日、学校が始まるまえから部室に集まるように言われたので何時もより早めに起きて学校に来た。
 部室にはすでに皆が集まっていた。

「俺が最後かな、おはようス、部長、朱乃さん、子猫、祐斗、アーシア、イッセー」

「おはよう、ジオ」

「ごきげんよう、ジオくん」

「・・・・・・おはようございます、ジオ先輩」

「おはよう、ジオくん」

「おはようございます、ジオさん」

「おそいぞ、ジオ。待たせんなよな」

 イッセー以外はみんな挨拶してくれた。

「わりわり、ん、イッセー、肩の傷もう良いのか?」

 俺は昨日のイッセーの傷思いだし訊ねた。

「ああ、アーシアの治療パワーで完治だ」

 そう言いイッセーは傷があった肩動かした。

「ほう、確かに治ってんな、たいしたもんだ」

 俺はそれを見て関心していると、部長が立ち上がる。

「さて、全員がそろったところでささやかなパーティーを始めましょうか」

 そういうと部長が指を鳴らす。
 すると、テーブルの上に大きなケーキが出現した。これも魔法か。

「た、たまには朝からこう言うのもいいでしょう?あ、新しい部員も入った事だし、ケーキを作ってみたの、みんなで食べましょう」

 部長は照れくさそうに言った。それを聞き俺はケーキに突っ込んだ。

「おっしゃ~~、ケーキだ~~」

「おい、ジオ。一人で食おうとするな!」

「あらあら」

「はははっ、すごい食欲だね」

「・・・・私も食べます」

「イッセーさん、ジオさん、二人とも仲良く食べましょう」

「うふふ」

 それからみんなでケーキを食べながらワイワイ楽しんだ。
 俺は笑顔のみんなを見ながらケーキ食べた。

 (カオスード、俺、今も元気でやっているからな、いつかカオスードを超えてみせる。見ててくれ、カオスード(父さん)) 
 

 
後書き
はい、今回で旧校舎のディアボロスは終わりです。次回から戦闘校舎のフェニックスに入ります。あいかわらず遅いですが宜しくお願いします。感想もどうぞ。 
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