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ヘタリア大帝国

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TURN69 遅かった復帰その一

             TURN69  遅かった復帰
 フランスは日本に伊勢志摩のことについて詳しく話した。日本は一部始終聞いてからこうフランスに述べた。
「では中南米とはですね」
「探検したからな。過去に」
「だからお詳しいのですね」
「あまりにも訳のわからないところだったから進出はしなかったらしいがな」
 それはその時に諦めたというのだ。
「それでも奥地まで探検してな」
「お詳しいのは確かですか」
「それは間違いないさ。ただな」
「伊勢志摩の中は、ですね」
「今も絶賛内戦中だからな」
 問題点はここだった。
「そこは注意してな。ただな」
「ただ、ですね」
「あそこはあくまで夫婦喧嘩でやってるだけだから後腐れがないんだよ」
 そうだというのだ。
「戦死者も出る様な戦争でもないからな」
「本当にただの喧嘩ですね」
「それだけだよ。それとあの国はこの戦争には関係ないからな」
「中立ですね」
「特に気にしなくていいさ」
「しかし中南米について詳しいとなると」
 日本が注目するのはこのことだった。
「やはり」
「こっちに引き込みたいか」
「そう思っていますが」
「まあな。伊勢志摩はオフランスとつながってるけれどな」
 だからオフランス方面から攻め込むことは出来るのだ。
「けれどな」
「ピレネーですね」
「あそこはややこしいアステロイドだから結構行き来しにくいんだよ」
「自然の要害としてあるのですね」
「あそこがあるからな。ついでに要塞でも置けば」
「それで大丈夫ですか」
「絶対にな。じゃあ伊勢志摩もか」
 フランスは話題をそちらに変えた。
「枢軸に入れるか」
「そうしたいところですね」
「中南米はややこしいからな」
「アステカ帝国について私達はよく知りません」
「アメリカもそうみたいだしな」
 アメリカにしてみれも中南米には進出していないので知らなかったのだ。
「だから伊勢志摩、それであそこの国家の」
「スペインさんも」
「あいつを入れるか」
「そうしたいと思いはじめています」
「まあとりあえずはガメリカ戦を何としてもな」
「終わらせてそして」
「中南米にかかるか。向こうも妙な動きを見せてるしな」
 太平洋軍はガメリカ戦の後を考えだしていた。アステカ帝国は連合国でも枢軸国でもない、だが太平洋に対して何やら妙な動きを見せているのは間違いなかった。
 それで彼等も警戒しだしていたのだ。その日本に東郷も言う。
「アステカが何かする前にガメリカ戦を終わらせたいな」
「そうですね。まずは」
「敵は少ないに越したことはない」
 多ければそれだけ厄介なことになるからだ。
「だから今はな」
「はい、ワシントンまで向かいましょう」
「USJで勝負はあったんだがな」
 東郷はここでは溜息と共に言った。
「剥こうさんも諦めないか」
「そうそう容易にはですね」
「無制限戦争だな。相手を徹底的に倒すまで続く」
「それが今の戦争ですか」
「そうなっているな。戦いは長引くし犠牲も損害も多い」 
 それが今の戦争、この世界大戦だというのだ。
「せめて一般市民に犠牲を出さない様にしないとな」
「全く以てですね」
 こうした話もしたのだった。日本は終わりの見えないこの戦いに恐怖すら感じだしていた。だが、だった。 
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