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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第七十八話 機械との戦いその四

「そうさせてもらいました」
「ああ、フランス人だからな」
「それでワインはか」
「はい、そうなんです」
 シャルロットは剣崎と橘の問いにおずおずと答えた。
「ワインの口利きには自信がありまして」
「ソムリエ出来るわね」
 栞はそのワインを飲んでから言った。
「これ位だと」
「どうも」
「というかシャルロットちゃんってね」
 栞は彼女自身を見て言う。
「結構ありきたりのフランス人じゃないわよね」
「といいますと」
「いや、結構フランス人ってセシリアちゃんみたいなね」
 料理の腕は別として、である。
「お嬢様って多いから」
「セシリアもお嬢様ですよ」
 一夏がこのことを話す。
「大企業の」
「だから私は」
「そんな愛人の娘とか関係ないだろ」
 一夏はこのことは怒って言った。
「そんなのでああだこうだ言うなんておかしいんだよ」
「それならお嬢様っていうのは」
「それはいいんだよ」
「いいの?」
「心がお嬢様だからさ」
 だからだというのだ。
「生まれとかそういうのじゃなくてな」
「心って」
「大企業なのはまああれなんだよ」
 言葉を選びながら。一夏はシャルロットに話していく。
「一つのきっかけでお金があるだけでさ」
「大切なのは心なのね」
「お金持ちでもいい家に生まれ育っても卑しい人はいるさ」 
 こうした人間も実際にいる、そしてその逆のケースもある。
 ではシャルロットはどうなのか、一夏は他ならぬ彼女自身を見てそのうえで強い声で確かに言ったのである。
「シャルロットはな」
「お嬢様なの、心が」
「優しくて仲間思いで」
 シャルロットの美徳である。
「素直だしな」
「そんな、私は」
「いや、本当にさ」
「ううん、けれど褒め過ぎよ」
 挙句には顔を真っ赤にさせて一夏に返す。
「一夏ったら」
「おのろけよね」
「そうだよね」
 栞と虎太郎は二人のやり取りを見て二人だけで囁き合った。視線はその二人、特にシャルロットから離れていない。
「特にシャルロットちゃんがね」
「一夏君は気付いていないけれど」
「実はなんですよ」
 二人の囁きに真耶も入って来た。
「一夏君凄いもてるんですよ」
「男の子が女の園に一人だし」
「しかも性格がいいから」
 ついでに言えばルックスもいい。
「だからよね、やっぱり」
「人気あるんだね」
「はい、ですが」
 それでもとなるのが一夏である。
「彼だけは気付いていなくて」
「私達でも気付いたのに」
「それでもなんだ」
「鈍感なんですよ」 
 これが一夏なのだった、そうした話をしながらであった。 
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