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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章

作者:あさつき
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四章 モンバーバラの兄弟
  4-07気が短い

「暗いよなー、お前って。」
「暗いとか関係無いだろう。そんなに嫌なら、脱出魔法でも覚えたら」
「だな。今度覚えとくか」
「怠け者で、派手好きの兄さんが。進んで、攻撃以外の魔法を。本当に、嫌なんだね……。」
「誰が怠け者だ。オレは必要なことは、やるぞ」
「必要の範囲が狭いんだよ。派手好きは、いいんだ。」
「いいだろうが、派手なほうが。」

 言い合いながらも無難に戦闘をこなし、キングレオ城に到着する。


「ここは偉大なるお城、キングレオだ!」

 城の正面玄関には衛兵が立ちはだかり、何人たりとも通さない。

「普通、謁見とかするもんじゃねえのかよ」
「普通じゃないんだろう、もう」
「鍵がかかっていても、私がこじ開けられます。裏口を探しましょう」


 人のいない裏口を見つけ、オーリンが鍵をこじ開ける。

「引き千切るとか。どういう筋力してんだよ」
「いや、お恥ずかしい」
「助かるよ、オーリンさん」


 城内に入り、何食わぬ顔で歩き回る。

「何も言われねえな」
「出入りの確認が厳しいし、新しく人を集めているというからね。中は、無警戒なんだろう」

 話を聞き回り、情報を集める。

 (いわ)く、新しい王様は、秘密の王室におり、姿を見せない。
 大臣は偉そうにしているが臆病で、大きな音でも立てれば王様の部屋に駆け込むだろう。
 魔法の研究家を自称する男。
 その男の、進化(しんか)秘法(ひほう)に関する、不気味な寝言。を、聞いた男。
 何も無いはずの場所から聞こえる、話し声。
 享楽的(きょうらくてき)に遊び回る、男女。

「あー!マーニャ様にい、ミネア様あ!」
「……ちっ、顔を知られてる奴かよ。面倒くせえ」
「……逃げたら怪しまれるだろ。誤魔化そう」
「おふたりもお、お城に呼ばれてえ、いらしたんですかあー?」
「あー、まあな。そんなもんだ」
「呼ばれてるのはあ、女の子だけってえ、聞いたんですけどお。おふたりにい、会えるなんてえ。嬉しいですうー。」
「……駄目だ、イラつく。代わってくれ」
「……仕方無いね。特別に呼ばれて来たので、すぐに帰るんですよ。内緒にしてくださいね。」
「おふたりはあ、有名ですもんねえ。でもお、すぐにい、帰っちゃうなんてえ。寂しいですうー。」
「……」
「兄さん、落ち着いて。」
「ここではあ、どんなあ、贅沢もお。許されるんですよおー?ねええ、一緒にい、残りましょうよおー。」
「……」
「呼ばれるのは元々、女性だけですから。では、この辺で」 
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