DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章
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四章 モンバーバラの兄弟
4-06洞窟は嫌い
「どうしても、下におりる階段が見つからないのだよ。」
「あー、そりゃ見つからねえだろうな。じゃあな。」
「くだらねえのに時間を取られたぜ」
「静寂の玉。敵の魔力を封じ込めると聞いたことがある。ここにあったのか」
「あんなおっさんの言うことだぜ。当てにはならねえよ」
「そうかもね。まずは、オーリンさんを探そう」
洞窟内を歩き回るが、確かに階段は無い。
代わりに、床に怪しいスイッチを見つけた。
「いかにも怪しいな。踏むぞ」
「他に何も無いしね。気を付けて」
スイッチを踏むと部屋が下に動き、階層を移動する。
「簡単に下りられるじゃねえか。注意力が足らねえんだよ、あのおっさんは」
「他人のことはいいよ。行こう」
スイッチで何度か階層を移動し、入り組んだ洞窟の中を探索するうち、人影を見つける。
「お。あれは」
「オーリンさん!」
「やや!マーニャ様に、ミネア様!」
「そうですか。おふたりも、仇討ちを。」
「ああ。オーリンもか」
「はい。それだけを胸に、傷の回復を待っていたのです。」
「言ってくれれば。傷くらい、治したのに」
「バルザックの奴から、逃れねばなりませんでしたから。エドガン様をお守りできず、おふたりと行き違い、最期のご様子もこれまでお伝えできず……。本当に、申し訳ありません……。」
「そんな、オーリンさん……。」
「謝んな。悪いのは、あの野郎だ」
「マーニャ様……。」
「で、野郎のことだが。なんか知らねえか」
「は。バルザックの奴は、悪魔に魂を売って、強い魔法を身に付けたそうです。」
「悪魔に、魂を」
「どこまでも外道な野郎だな」
「全くです。でも、静寂の玉さえあれば、奴の魔法を打ち破れるはず!」
「……ここであのおっさんかよ」
「は?」
「こっちの話だ」
「静寂の玉。やっぱり、この洞窟をもう少し探してみよう。」
「やっぱそうなんのかよ……」
「私もお供させて貰います。さあ、参りましょう!」
オーリンは力が強く体力もあり、ふたりの盾になるように、前に出て戦う。
オーリンが加わったことで、探索は随分楽になり、間もなく静寂の玉は見つかった。
「楽勝じゃねえか。だから注意力が足らねえってんだ」
「それはもういいよ。オーリンさんのおかげだね」
「恐れ入ります」
「よし、もう用はねえ。こんな辛気臭えとこ、さっさと出ようぜ」
洞窟を出る。
「あー、空気が美味いぜ。」
「本当に嫌なんだね、洞窟。」
「当たり前だろ。あんなもん、好きな奴いるかよ」
「僕は結構好きだけど。」
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