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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第百十四話 アルマナの勇気

             第百十四話 アルマナの勇気
 巨大かつ壮麗な宮殿である。
 そここそが霊帝ルアフのいるバルマーの宮殿である。その玉座の間でだ。
 アルマナが頭を垂れていた。その彼女にだ。 
 玉座に座るルアフがだ。声をかけたのだった。
「顔をあげなよ、アルマナ」
「は、はい」
 アルマナはルアフに言われ顔をあげた。その彼女にルアフはさらに話すのだった。
「しかし驚いたよ」
「そ、それは」
「この星で僕に意見を言う者がいたなんてね」
 微笑みと共にだ。アルマナに話すのである。
「バルマー創世以来はじめてじゃないかな」
「ぶ、無礼は十分に承知しています」
「怯えなくてもいいよ
 震えるアルマナにこう声をかけた。
「咎めている訳じゃないからね」
「さ、左様ですか」
「うん、それどころかね」
「それどころか?」
「嬉しい位だよ」
 やはりだ。微笑んで話すのだった。
「それが銀河を見てきた君の姿なんだね」
「はい、私はです」
「色々な者と出会ったね」
「そしてそのうえで」
 アルマナはさらに話すのだった。
「その人達も生きていることを知りました」
「そうだね。そしてだね」
「はい、この銀河を救う為には」
 どうあるべきか。それを話すのだった。
「全ての人々の力を合わせるべきかと」
「バルマーだけではなく」
「その為に陛下の御力を」
 ルアフに対して告げた。
「どうかこの銀河にあまねく」
「どうやら君は」
 しかしだ。ここでだ。
 ルアフの口調が変わった。そのうえでの言葉だった。
「騙されてしまったようだね」
「えっ・・・・・・」
「他の星の者、特に地球人は」
 その彼等のことを話すルアフだった。
「このバルマーを銀河から消滅させようとしている者達なのだよ」
「そ、それは」
「我々とは互いを滅ぼし合うことを宿命付けられた種族なんだよ」
「どうしてですか、それは」
「ゲベルとナシムだよ」
 この二つの名をだ。アルマナに話したのであった。
「ゲベルの子とナシムの子は互いを滅ぼし合う宿命にあるんだよ」
「まさか・・・・・・」
「彼等がナシムを倒したなら」
 それなばだと。ルアフは話していく。
「彼等自身が守護者となり」
「そのうえで」
「そう、ゲベルの神子である僕と戦うことになる」
「陛下と」
「彼等をこの星に招いたのは」
 ルアフの言葉にだ。深いものが宿っていた。 
 そしてそれをアルマナに語るのだった。
「僕なりの決着をつける為さ」
「陛下の」
「そう、君も知っているね。地球のガンエデンは」
「あの方々に倒されたという」
「そう、それがナシムなんだ」
 こう話すのだった。
「ならば僕は」
「ですが陛下」
「僕は結論を出したよ」
 有無を言わさぬ口調だった。まさにだ。
「まだ言いたいことがあるのかい?」
「それは」
「話は聞いたよ」
 やはりだ。有無を言わせないルアフだった。
「幾ら君が神体ズフィルードに捧げられる身でも」
「は、はい・・・・・・」
「限度というものがあるんだ。それとも」
「それとも」
「今すぐ肉体を捨て」
 そしてだというのだ。
「その魂と念を永遠にズフィルードに納めるかい?」
「陛下、私に」
「君に?」
「真実を確かめる機会を」
「奇妙なことを言うね」
 ルアフはアルマナを一瞥してから述べた。
「僕の言葉に疑いを持ったのかい?」
「いえ、それは」
 バルマーにおいて霊帝は絶対の存在である。その筈がなかった。
 それで下がろうとする。しかしだ。
 そのアルマナにだ。ルアフはこう告げたのである。
「いいだろう」
「宜しいとは」
「その神をも恐れぬ君の君の勇気を買おう」
 こうアルマナに告げるのである。
「ズフィルードの裁きを下す前に」
「その前に」
「君に一度だけチャンスを与えよう」
「陛下・・・・・・」
「アルマナ、やってみるんだ」
 アルマナに再び告げてみせる。
「いいね」
「有り難うございます・・・・・・」
 アルマナは安堵し、そのうえで喜びに満ちた顔で述べた。だが。
 ルアフはこの時こう考えていた。その考えは。
「シヴァーのこともある」
 まずは彼のことを考えていた。
「僕の力を見せる必要があるようだ」
 そしてだ。こう呟くのだった。
「創世の神ズフィルード」
 まさにだ。彼そのものである。
「ゲペル=ガンエデンの力を」
 彼は何かを考えていた。そしてそのうえでだ。ロンド=ベルを待ち受けるのだった。
 ロンド=ベルは遂に帝都のすぐ傍まで達していた。フォッカーが映像を見ながら言う。
「人の気配がしないな」
「確かに」
「妙なことです」
 アイナとノリスがそれを見て言う。
「そういえばバルマーの市民の人達は既に」
「この星から退避しているとか」
「はい、そうです」
 彼等にだ。ルリアが答えた。
「シヴァーの手によってです」
「我々が帝都の市民を戦闘に巻き込むだからだろうか」
 大文字はこう述べた。
「それを考慮してか」
「いえ、それでしたら」
 だが、だった。ルリアはこう答えた。
「帝都とその近辺の臣民だけを避難させれば済みます」
「そうだね。それはね」
 ユウナがルリアのその言葉に頷いた。
「労力も少なく済むね」
「ですがシヴァーはほぼ全ての臣民をです」
 どうしたかというのだ。
「他の星へ避難させたのです」
「何の為だ」
 ランティスが言う。
「そこまでしたのは」
「セフィーロの時と似ておるか」
 クリフは自分達のことを思い出して話した。
「あの時と」
「そうですね。言われてみれば」
「同じパターンの気がするわ」 
 アルシオーネとカルディナも話す。
「それですと」
「ああいう危機を察してかいな」
「一体何の為に」
 ラファーガは首を捻っている。
「そこまで」
「わしとあ奴は昔からの付き合いだが」
 バランもその太い眉を顰めさせている。
「あいつの考えていることはわからぬ」
「帝国宰相であり」  
 サンドマンも言う。
「霊帝ルアフに叛旗を翻しているシヴァー=ゴッツォとその配下ゴラー=ゴレム」
「それが消息不明じゃ」
 兵左衛門もそのことを指摘する。
「妙な話じゃ」
「わしが己を取り戻した後にだ」
 バランはさらに話す。
「シヴァーの居城に乗り込んだのだが」
「その時にはか」
「もういなかったんだな」
「左様だ」
 その通りだというのだ。
「奴等は消えていた」
「それでなのです」
 アヤもここで話す。
「私がバランさんに」
「左様、客人の様な扱いであった」
 そこまでだったとだ。バランは話す。
「そこに残されておった」
「そうして助け出してもらいました」
「まるでわしにアヤ殿を保護させることが目的であるかの様に」
「おかしな話ですね」
 綾人がそこまで聞いて述べた。
「ハザル=ゴッツォのことを考えれば余計に」
「話が矛盾しとるで」
「そうね。確かに」
 タータとタトラもそれを言う。
「あのハザルを考えたら」
「矛盾しているわ」
「アヤさんの方で何かわかりますか?」
 セシリーがそのアヤに尋ねた。
「そのことについて」
「残念だけれど」
 アヤはまずはこう言った。
「私は何も」
「そうなんですか」
「わかりませんか」
「ええ。ただ本当にね」
 バランの言ったことはだというのだ。
「それは真実だから」
「ううん、あの男一体」
「どう考えているのか」
「全くわからなくなってきたけれど」
「本当にね」
 ここでだ。誰もわからなくなってしまったのだった。
 しかしだ。その中でだ。マックスが言った。
「しかしです」
「しかし?」
「しかしっていうと?」
「そのシヴァー=ゴッツォですが」
 話すのは彼のことだった。
「彼は常にいつも陰から動いてきましたね」
「そうなんだよな」
 シンが忌々しげに応えた。
「それが余計に腹が立つっていうか」
「コントロールしてっていうか?」
「そんな感じでね」
「やってきてくれたから」
「じゃあ今度も?」
「また?」
「そうじゃないでしょうか」
 マックスはまた話した。
「そこには何らかの目論見が」
「少なくともだ」
 今言ったのはだ。グローバルだった。
「彼女は我々と共にいる」
「イルイちゃんは」
「あの娘がいるというのは」
「まだ安心できますね」
「そのことは」
 このことはだ。安堵されるのだった。
 しかしだ。ここでだった。ラクスが言った。
「相手の意図がわからないのはです」
「それは危ないよな」
「やっぱり」
「それが気になるな」
「ですが」
 ラクスはまた言った。
「私達に残された時間は多くはありません」
「それならですね」
「はい、ここはです」
 ラクスはダコスタに応えてまた話した。
「霊帝に御会いするしかありません」
「あの帝にか」
「これまでの宿敵の君主に」
「あえて」
「信用するのは危ういにしてもだ」
 リーは鋭い目で述べた。
「行くしかない」
「ここは」
「絶対に」
「そうだ、まずは交渉するしかない」
 リーはこの現実を述べた。
「それしかない」
「そうしてアポカリュプシスへの対応を検討する」
「じゃあ今のうちに」
「行くか」
「そうだな」
 バランは難しい顔で述べた。
「それしかなかろう」
「バランさん」
 そのバランにだ。アヤが声をかけた。
「まさか霊帝に会うことを」
「いや、このバラン=ドバン」
 アヤの問いにだ。バランは静かに応えた。
「生まれ変わった身故」
「左様ですか」
「既に迷いも疑いも捨て去っておる」
 それはだというのだ。
「わしは陛下の命により帝国に害を為す者と戦ってきたが」
「それは今はか」
「違う」
「そうだっていうのね」
「左様、陛下がこの星に他の星の者をだ」
 その言葉を続けていく。
「入れられるとはな。まだ信じられぬ」
「若しかすると」
 ここで言ったのはヴィレッタだった。
「霊帝はです」
「陛下は?」
「我々との対面を望んでいたのではないでしょうか」
「何故そう言える」
「その根拠ですね」
「それはあるのか?」
 こうヴィレッタに問うバランだった。
「果たして」
「はい、バルマーと地球」
 ヴィレッタは彼に応えてさらに話す。
「二つのガンエデンです」
「そういったものがか」
「この二つの星は明らかに何らかの関係があります」
「そういえば」
 ここでミサトも言った。
「ハザル=ゴッツォもバルマーに」
「ええ、言ってたわね」
 リツコがミサトのその言葉に続く。
「死海文書がね」
「あるって」
「何度考えてもそっくりなんですよね」
 マヤもいぶかしみながら話す。
「ユダヤ教とバルマーって」
「そこに何かあるのかしらね」
「その可能性は捨てきれないわね」
「まあどちらにしろな」
 火麻もここで言った。
「全部あの霊帝さんに会えば明らかになるんだよな」
「そうだな。それは確かなことだ」
 カティもそれはだという。
「間違いなくな」
「同じ銀河に住む者達だ」
 今言ったのは大文字だった。
「過去の不幸な経緯を一時は忘れ」
「そうしてだよな」
「今はお互いの未来の為に」
「歩み寄って」
「そうして」
「解決するしかない」
「何しろだ」
 ベスはこの事実を出した。
「このバルマーにもアポカリュプシスの隕石が来ているんだ」
「それならな」
「これを無視できないよな」
「だよな」
「それじゃあ」
 こうしてだった。彼等はだ。 
 その帝都に向かうのだった。ふとだ。
 マーグがだ。このことを話した。
「そういえばだ」
「兄さん、どうしたんだ?」
「霊帝のことだ」
 彼のことをだ。マーグは話すのだった。
「この星に前にいた時だ」
「兄さんが俺達と戦う前のことだな」
「そうだ。その頃のことだ」
 その頃のことをだ。マーグはタケルに話すのだった。
 皆もいる。マーグは彼等にも話した。
「エツィーラ=トーラーが言っていた」
「あの女が」
「一体何と?」
「霊帝ルアフは神だと」
 こう言っていたというのだ。
「少なくともその心は正真正銘の」
「正真正銘の神?」
「っていうと?」
「どういうことなんだ?」
「心が神っていうと」
「それは私にもわからない」
 マーグもだ。いぶかしむ声だった。
「今ふと思い出した位だがな」
「私も陛下に御会いしたことは殆んどありませんし」
 ロゼがここでもマーグに続いて話す。
「あの方に御会いするには。やはり身分が」
「だからか」
「何もわからない」
「けれど正真正銘の神」
「それがか」
 だが、だった。誰もがこのことについても考えることになった。
「それが俺達を待つ霊帝ルアフ」
「そうだっていうのね」
「その人が」
 そんな話をしてだった。遂にだ。
 帝都まで来たのだった。地球のものとは違う古代ヘブライのそれを思わせる建物が並びその果てにはだ。とてつもなく巨大な塔を思わせる建物がある。
 その建物についてだ。バランが話した。
「あれがだ」
「バルマーの霊帝の宮殿」
「そうなのか」
「左様だ、あれがだ」
 雲にまで達していた。とてつもない高さだ。
「あれがそうなのだ」
「バベルの塔ね」
 ミサトはその宮殿を見て言った。
「それみたいね」
「そうね。確かにあれはね」
 リツコもミサトのその言葉に頷いて言う。
「そう見えるわね」
「神に近付こうとした塔」
「けれどそこにいるのは」
「正真正銘の神」
「それがどういうことなのかしらね」
 そしてだ。彼等のところにだ。
 映像が来た。そこにいたのは。
「アルマナさん!」
「姫様!」
 クスハとルリアが同時に声をあげた。
「お久し振りです」
「はい」
 アルマナはクスハの言葉に応えて述べた。
「ロンド=ベルの皆さん」
「はい」
「バルマー帝国へようこそ」
 まずは挨拶からだった。
「この都にとって貴方達はです」
「俺達は、か」
「そう言うんだな」
「はい、有史以来です」
 またこのことが話されるのだった。
「はじめての異星からの来訪者です」
「それでなのですが」
 大文字がそのアルマナに話す。
「貴女は今は」
「はい、私は」
「霊帝陛下の代理として来られたのですね」
「はい、そうです」
 アルマナは穏やかな笑みで彼のその言葉に応えた。
「今こうして」
「迎えに来られたと」
「その通りです」
 言いながらだ。彼女はロンド=ベルのところに一隻の戦艦と共に来た。そのうえで話をするのだった。
「だからこそです」
「左様ですか」
「よし、じゃあな」
「今回はだよな」
「戦いは避けられる」
「和平だ」
 この言葉も自然に出た。
「バルマーと和平だ」
「もう戦いは終わりなのね」
「この国とは」
「あの」
 しかしだった。
 アルマナがだ。こう問うてきたのだ。
「いいでしょうか」
「えっ!?」
「いいでしょうかって?」
「その前に答えて欲しいことがあります」
 アルマナの口調がだ。問い詰めるものになった。
 その口調でだ。彼等に問うのだった。
「貴方達はこの星、バルマーを消し去るおつもりですか?」
「えっ、何で!?」
「なにでそんな必要があるの?」
「どうして」
「貴方達は先に地球のガンエデンを倒しました」
 アルマナが言うのはこのことだった。
「そして次はです」
「バルマーのガンエデンを滅ぼすとか?」
「そう言いたいの?」
「違うのでしょうか」
「そんな筈がない!」
 ブリットがそれを否定する。
「俺達はあくまで話し合いに来たんだ!」
「そうだ、それは保障する!」
「私達は何度も言ってるじゃない!」
 リョウトとリオもそれを言う。
「ならどうして今アルマナさんをこうして受け入れるんだ!」
「話が矛盾するじゃない!」
「若し俺達がバルマーを滅ぼすならだ」
「今目の前のその塔みたいな宮殿を攻撃してるわよ!」
 ユウキとカーラがこう言う。
「まさに指呼の距離だ」
「バルマーの支配者がいるその宮殿をね!」
「バルマーの主権者は霊帝でしょ!」
「それならそいつを倒せば!」
 レオナとタスクはそのことを指摘した。
「それで終わりじゃない!」
「そんなのすぐにできるだろ!」
「そういえば」
 彼等の言葉でだ。アルマナも察した。
「この宮殿も皆さんの力なら」
「けれどそんなことをしても何の意味もないわ」
 クスハもまただった。アルマナに話した。
「私達は話し合いに来たのだから」
「剣は何の為にあるのか!」
 ゼンガーが言うのはこのことだった。
「それは護るべきものを護る為!」
「護るべきものを」
「今は銀河を護る時だ!」
「それなら」
「そうだ、今我等は剣を振るいはしない!」
 ゼンガーはアルマナに対して断言してみせた。
「このゼンガー=ゾンバルト、それを言おう!」
「ならそれは」
「そうだ。私達は決してそんなことはしない」
 ククルもそれは断言した。
「信じられぬか、我等の言葉」
「それは」
 アルマナも考えを変えようとした。その時だった。
 ルアフの声がだ。したのだった。
「アルマナ、騙されてはいけない」
「ルアフ様!?」
「そう、僕だ」
 その声と共にであった。
 ルアフが姿を現した。その映像をだ。
 その映像からだ。彼は言うのだった。
「ナシムの子よ、地球人よ」
「俺達のことか」
「そうだな」
 イルムとリンがその言葉を聞いて述べた。
「その俺達にか」
「こうしてまた語り掛けてきたか」
「よくぞこのゼ=バルマリィ帝国に来てくれたね」
 ルアフはこう彼等に告げた。
 そしてだ。さらに話すのだった。
「我が名はルアフ」
「だよな、前に映像で見たぜ」
「この星に降りる前に」
「バルマーの統治者にして創世神ズフィルードの神子」
 こうだ。堂々と名乗るのだった。
「民は僕を霊帝と呼ぶ」
「見た目は子供だよな」
「そうね」
 宙に美和が頷く。
「けれど実際は」
「そうとは限らないか」
「そう考えていいでしょう」
 シーラもそのルアフを見て言う。
「あの方はバルマー帝国の伝承によればです」
「神だから」
「だからこそ」
「ルアフ陛下」
 大文字が彼等を代表してルアフに対して声をかけた。
「御目にかかれたことを嬉しく思います」
「君がロンド=ベルの代表かな」
「そう考えて下さり結構です」
 こう返す大文字だった。
「地球連邦政府の使者として参りました」
「君達の話は聞いているよ」
 ルアフの言葉はここでは素っ気無かった。そのうえで言うのであった。
「といよりはね」
「といいますと?」
「バルマー創世の頃から生きる僕に」
 己をだ。そこから生きていると話すのだった。
「この銀河で預かり知らぬことはないよ」
「はったり、じゃないよな」
「そうね。まず違うわ」
 ユンがエイタに述べる。
「あの様だと」
「それじゃあやっぱり」
「あの威容」
 リーもそれに気圧されていた。
「やはり正真正銘の神か」
「だとするとあたし達はあれなの?」
「その神と話をしているんですか」 
 アカネとホリスがこう話す。
「今こうして」
「向かい合って」
「とにかくだ。今はだ」
 ブレスフィールドはこの中でも何とか己を保っている。そのうえでの言葉だった。
「話をするべきだ」
「そうですね。今は」
 シホミが父のその言葉に頷いた。
「それが先決です」
「そういうことだ」
「それではです」
 今度は大河がだ。ルアフに話す。
「陛下はこの銀河の危機についても御存知と思われますが」
「アポカリュプシスのことだね」
「はい、その危機に対して我々はです」
「僕と話をする溜めにだね」
「そうです、陛下の御力をお借りする為に参上致しました」
「アポカリュプシス」
 ルアフの口からそのことが語られようとしていた。
「それはこの銀河誕生の瞬間から定められた運命」
「あの女と同じこと言うな」
「そうだよな」
「あのエツィーラ=トーラーとな」
「人の歴史はそれから逃れる為に」
 ロンド=ベルの面々が言う中でだ。ルアフは言っていく。
「様々な手段を講じてきた」
「やっぱり知ってたんだな」
「そうね」
「じゃあ話は早いよな」
「このまま」
 誰もが期待した。そしてだ。
 ルアフはだ。こうも言うのだった。
「僕の使命もそのアポカリュプシスから臣民を守ることにある」
「それじゃあ」
「今こそ」
「俺達は」
「君達に言われるまでもない」
 ルアフは言い切った。
「僕はバルマーの民の為にその身を捧げるつもりだ」
「ああ、陛下」
「そう仰って頂けますか!」
 アルマナとバランが感激の涙を流した。
「これで銀河は」
「銀河は救われます!」
「二つのガンエデンの力が揃えば!」
 今言ったのはトウマだった。
「アポカリュプシスを乗り越える方法もきっと見つかる!」
「そうね、トウマ」
 ミナキもだ。希望の笑顔で言う。
「これで銀河は」
「助かるのね!」
「全銀河が一つに合わさるんだ!」
 サンシローも大喜びで叫ぶ。
「これで何も顔が救われるんだ」
「ふふふ」
 しかしだった。ここでだ。
 ルアフは妙な笑みを浮かべてだ。こう言うのであった。
「勘違いしないでもらいたいね」
「何っ!?」
 カティがそのルアフの言葉に目を止めた。
「何を言われるのでしょうか」
「勘違い!?」
「一体どういう意味ですか?」
 スメラギも留美もこれにはいぶかしむ。
「あの、今ここでそのお言葉は」
「どういうことなのでしょうか」
「ナシムの子等よ」
 彼等を全て一つにしての言葉だった。
「僕は何だと思うんだい?」
「バルマー帝国の霊帝では」
 グラハムがこう返した。
「そうではないと言われるのでしょうか」
「その通りだよ。僕はゲベルの子なんだ」
 これがルアフの言葉だった。
「ズフィルードはバルマーを守護するものだ」
「だからそれはわかっているのですが」
「何故今その言葉を」
「また言うんだ?」
 ブンタだけでなくだ。リーもヤマガタケもいぶかしむばかりだった。
「あの、ですから」
「我々は今こそ力を合わせ」
「銀河を救うんだぜ」
「銀河、ましてやナシムの子が住まう地球なぞ」
 そのルアフの音場だった。
「僕の知ったことではないね」
「そんな!」
「それでは!」
「バルマーの民達よ」
 そのルアフの言葉だ。
「我は霊帝ルアフ」
 こう言うとだった。宮殿の前にだ。
 バルマーの大軍がだ。姿を現してきたのだった。
「我の光の下に集え、民達よ」
「はっ、陛下」
「今ここに」
 現れたのは。彼等だった。
「くっ、バルマー本星防衛軍か!」
「それにエツィーラや近衛軍の残党もいやがる!」
「ズフィルードまでいやがる」
「しかも八機も!」
 その敵が出て来たのだ。そしてだ。
 ルアフはだ。彼等にこうも告げるのだった。
「そなた達には永遠の繁栄と銀河の覇道を約束しよう」
「御意」
「では我等、これより」
「ならん!」
 バランがジュデッカ=ゴッツォ達に対して叫ぶ。
「今は戦う時ではない!」
「バラン殿か」
 ジュデッカ=ゴッツォがそのバランに応える。
「それは不敬ではないのか」
「わしは陛下にお話がある!」
 バランはその彼に言い返す。6
「だからだ。そこはだ」
「残念だがそれはできない」
 ジュデッカ=ゴッツォはそれを突っぱねたのだった。
「我等にはだ」
「そう言うのか」
「そうだ、我等は帝国の臣」
 ジュデッカ=ゴッツォはバランに対して言い切る。
「例え卿といえどもだ。陛下の御前に行かせはしない!」
「くっ、だがわしはだ!」
「陛下への忠誠故だというのだな」
「そうだ、それはわかろう」
「だが陛下のお言葉は絶対だ」
 まさにだ。バルマーの者にとってはというのだ。
「だとすればだ。何としてもだ」
「そうか。だからだな」
「ここは通せぬ」
 どうしてもだと言ってだった。彼等はロンド=ベルの前に立つのだった。こうなってはだ。
 バランはだ。無念の声でこう言った。
「こうなってはわしはだ」
「あんたは下がっていてくれ」
 トウマがこうバランに告げる。
「いいな、ここは俺達が戦う」
「そう言うのか、トウマよ」
「あの霊帝には忠誠を抱いてるんだよな」
「無論、わしはバルマーの臣だ」
 だからこそだ。絶対だというのだ。
「そのわしが。どうして陛下の軍に」
「そういうことだよ。今は下がっていてくれ」
 こうバランに言うのである。
「わかってくれるか」
「わかった」
 バランも頷いた。そうしてだった。
 彼は今は戦場を離れた。ルリアもだ。
「姫様、それでは」
「戦いに巻き込まれるからだというのですね」
「はい、こうなっては仕方ありません」
「・・・・・・わかりました」
 こうしてだった。彼等も戦場から離れてだ。傍観者になるしかなかった。
 そしてだ。戦いがはじまろうとしていた。
「ナシムの子、地球人よ」
「どうしても。戦うか」
「そうだよ。悠久の時を越えて」
 こうゼンガーにも言うルアフだった。
「ゲペルとナシムの決着を着けよう」
「わかった。それではだ」
「総員出撃!」
「戦闘用意!」
 すぐに指示が出される。こうしてだった
 全員出撃する。そのうえでだった。
「くそっ、結局こうなるのかよ!」
「折角和平がなると思ったのに!」
「ここでもか!」
「ルアフ陛下」
 グローバルが最後にルアフに言った。
「残念ながらわれわれの会談は失敗に終わったようだ」
「その通りだね」
「だが」
「だが?」
「バルマー帝国の協力は得られずとも」
 それでもだというのである。
「我々はアポカリュプシスに屈するつもりはない」
「皆さん・・・・・・」
 アルマナはその言葉に心を見た。
「やはり貴方達は私が思った通りの」
「それでなのだが」
 ブライトもルアフに言う。
「ここはせめて」
「せめて?」
「我々がこの星を去ることを見逃してくれないだろうか」
「そうはいかないさ」
 ルアフは嘲笑するようにして返した。
「君達と僕が戦うのは定められた運命だからね」
「それでか」
「戦うっていうのか」
「絶対に」
「そうさ。ゲペルの子達よ」 
 また言うのだった。
「ナシムの子等を駆逐せよ」
「御意」
「それでは」
「ズフィルードの名の下に」
 こうしてだった。彼等は戦いに入るのだった。
 そのまま両軍は激しい戦いに入る。その中でだ。
「くっ、ズフィルードが八機かよ!」
「いつものことだけれど」
「これはなあ」
「辛いな」
「各個撃破です」
 カラスがその八機のズフィルードに苦戦する彼等に告げた。
「ここはそれです」
「一機一機倒していって」
「そのうえで」
「はい、そうです」
 まさにだ。その通りだというのだ。
「ここはそれしかありません」
「唯一にして最良の方法」
「そうだっていうんですね」
「その通りです。では皆さん」
 こう言ってだった。実際にだ。
 ロンド=ベルはズフィルード一機一機に火力を集中させるのだった。その周りの敵は。
「これならだ!」
「どう!?」
 ギュネイとクェスがそれぞれファンネルを放つ。それでだった。
 バルマーのマシンをまとめて屠る。ファンネル達の動きはまさに生き物だった。
 そしてだ。周りの戦艦もだ。
「これでどうだ!」
 光がレイアースの剣を振り下ろさせる。まさに一刀両断だった。
 戦艦は腹から真っ二つになった。そうして爆沈していく。
 こうしてだ。ズフィルードにまで辿り着きだ。
 集中砲火を浴びせていく。それによってだ。
 一機、また一機と落としていく。その中でだ。
「くっ、おのれ!」
「我等を破るか!」
 ラオデキア達が忌々しげに言ってだ。撤退していく。
 彼等は次第にその数を減らしだ。遂にはだ。
 ジュデッカ=ゴッツォの巨大なズフィルードだけになった。人型のズフィルードだ。
 そのズフィルードでだ。ロンド=ベルに攻撃を仕掛けてくるのだ。
「では見せてもらおうか」
「俺達の戦いをか!」
「それをだって言うのね!」
「何故これまで我が国の軍を倒してこれたのか」
 彼が言うのはこのことだった。
「それを見せてもらおう」
「上等だ!」
「それならよ!」
「見せてやるぜ!」
 こう叫んでだ。彼等はだ。
 その巨大な、普通のそれの倍以上はある巨大なズフィルードに向かいだ。次々に攻撃を浴びせていく。しかしそのマシンはというと。
 幾ら攻撃を受けてもだ。倒れはしない。微動だいにしないのだった。
「強いな」
「何て耐久力なの?」
「これだけ攻撃を浴びせているのに」
「まだ倒れないなんて」
「生憎だが汝達ではだ」
 どうなのか。ジュデッカ=ゴッツォは言うのだった。
「余を倒すことはできはしない」
「そう言うんだね」
「そうだ」
 その通りだとだ、彼は万丈に対しても述べた。
「ならば汝ならそれを見せられるというのか」
「そうだね。やって見るよ」
 万丈は彼とそのマシンを見据えながら言ってみせた。
「それじゃあ今からね」
「では何をするつもりだ?」
「これだ、日輪の力を借りて!」
 その額に光を集めていく。そうしてだった。
「今必殺の!サンアタアアアアアアアアアアック!」
 こう叫び。さらにだ。
 その光をズフィルードに放つ。それで動きを止めた。 
 さらに跳びだ。両足を揃え。敵機に蹴りを入れたのだった。
「ダイタアアアアアアアアアンクラアアーーーーーーーーーッシュ!」
 この攻撃を受けてはだ。さしものズフィルードも。
 動きを止めた。そうしてだった。 
 ジュデッカ=ゴッツォもだ。忌々しげに言うのだった。
「くっ、まさかこうなるとは」
「脱出はできる筈だよ」
 その彼に告げる万丈だった。
「早く逃げるといいよ」
「情けをかけるつもりか」
「そう取ってもらってもいいさ。けれどね」
「けれど。何だ」
「少なくとも君達の命を取るつもりはないんだ」
 万丈はこうジュデッカ=ゴッツォに言うのである。
「そのつもりはないんだ」
「それは何故だ」
「確かに戦争さ。戦争は人が死ぬよ」
 万丈もだ。それは否定できなかった。
「けれどね」
「それでもか」
「不要な血を見る趣味はないんだ。だから速く脱出するといいよ」
「いいのだな。余はまた汝等の前に現れるぞ」
「そうしたらまた戦うまでさ。だからね」
「今は去れというのか」
「君がそうしたいのならね」
 こう言う万丈だった。そしてだ。
 ジュデッカ=ゴッツォもだ。頷いてこう返した。
「わかった。それではだ」
「脱出するんだね」
「そうだ。そしてだ」
「出て来るといいよ」
「陛下に指一本触れさせることはしない」
 それを言うのだった。
「すぐに現れよう」
 こうしてだった。彼も脱出するのだった。
 彼が脱出したその時にはだ。バルマー軍は全て倒していた。
「さて、あらためてな」
「霊帝と話をするか」
「向こうが受け入れてくれればだけれど」
「それでも」
 彼等は会見をまだ諦めてはいなかった。それで宮殿の前に集ろうとする。そして。
 アルマナもだ。こうルアフに言うのだった。
「陛下、戦いは終わりました」
「僕がまだいるよ」
「ですがここはです」
 ルアフに対して必死に言う。
「お考えを」
「変えよというのかい?」
「この銀河に生きているのはバルマーの者だけではありません」
 だからだというのだ。
「どうかここは」
「・・・・・・人が神に意見をするのかい」
 ここでルアフの言葉が変わった。そうしてだった。
 何かが起こった。そしてそれがだ。アルマナを襲うのだった。


第百十四話   完


                                       2011・4・14
  
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