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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第八十九話 超勇者黙示録

             第八十九話 超勇者黙示録
 彼らが来た世界。そこは。
 白い墓標のようなものが下に連なる。そんな異様な白い世界だった。
「ここが敵の中枢か」
「みたいだな。それにしても」
「この足元は一体」
「何だ?」
「どうやら」
 ここで言うのはボルフォッグだった。
「この宙域全てが物質復元装置なのです」
「奴等のか」
「そうか、ここがか」
「ここが敵の」
「ここまで来るとは思いませんでした」
 アベルがだ。その戦艦で出て来た。
「予想外でした」
「そうだな」
 そしてパルパレーパもであった。
「神をここまでてこずらせるとはな」
「ですがそれも最後です」
「ここが貴様等の墓場になる」
「来たか!」
「ソール十一遊星主!」
「ここで!」
「いいか、皆!」
 ベスが仲間達に言う。
「ここはだ!」
「ああ、ここは」
「どうすればいいんだ、俺達は」
「奴等を倒すにしても」
「すぐに復活するしな」
「あのポイントだ!」
 ある点をだ。コンピューターで指し示して話すのだった。
「あのポイントに凱を到達させる!」
「そうすればいいんだな!」
「そうすれば奴等は」
「ここで」
「そうだ、この戦いが終わるんだ」
 あえてこの表現を使うベスだった。
「この長い。ソール十一遊星主との忌々しい戦いも」
「よし、それならな」
「絶対に!」
「やってやるわよ!」
 皆言う。そうしてであった。
「全軍突撃!」
「凱をあそこまで行かせろ!」
「いいな!」
 嫌でも気合が入った。そこでだ。ボルフォッグも言うのだった。
「急いで下さい!」
「何だ、ボルフォッグ」
「何かあるの?」
「計算の結果ですが」
 それでわかったというのである。
「我々に残された時間はです」
「ああ」
「それは一体」
「何時までなんだ?」
「四分です」
 それだけだというのだ。
「それを過ぎれば」
「どうなるんだ、その時は」
「一体」
「おそらく銀河は」
 ボルフォッグの説明が行われる。
「その時空間を維持できる限界を突破し」
「それでか」
「遂に」
「はい、宇宙収縮現象がはじまります」
 彼等の最も恐れるそれがだというのだ。
「この宙域以外は全て無へと収縮されるでしょう」
「それってつまり」
「消滅かよ!」
「冗談じゃねえ!」
「誰がそんなこと!」
「それなら!」
 彼等はだ。すぐに決断を下した。
 それでだ。凱に顔を向けて言うのだった。
「凱さん!」
「ここは!」
「やるぜ!」
「やります!」
 皆一斉に言う。
「エスコートするんなら!」
「地獄まで!」
「お付き合いしますよ!」
「ガオガイガーはだ」
 クワトロも何時になく熱く言う。
「ポイントを目指すことだけ考えるのだ」
「じゃあ皆は」
「私達はだ」
 そのクワトロの言葉である。
「周辺の敵の相手をする」
「道は開けさせてもらう」
「我々でな」
 アポリーとロベルトも言う。
「だからここは」
「それだけを考えてくれ」
「頼んだぜ勇者!」
「この戦いは!」
 甲児と鉄也も告げてだった。そのうえで。
 彼等は突撃をはじめた。その中にはジェイアークもいる。そこでルネが言うのであった。
「それにしても」
「どうした、ルネ」
「あのポイントにガオガイガーが到達したら」
「その時はか」
「何が起こるんだろうね」
 彼女が今思うのはこのことだった。
「一体」
「それはわからんが」
 だが、と返すJだった。
「だが今はだ」
「それでもだね」
「その作戦に全てを賭けるしかない」
「強力なレプリションエネルギーを放つ」
 まだアベルは言う。
「恒星サイズのピサ=ソールにはです」
「その通りだよ」
 ピルナスも続く。
「何があろうともね」
「誰であろうと」
 彼等は言うのであった。
「近付くことさえできません」
「最後に勝つのは」
「私達です」
 アベルはだ。確信していた。
「絶対にです」
「行くぞ!」
 だが凱はだ。彼等のその言葉を否定した。
「俺達の生命の最後のあがき」
「あがきですか、所詮は」
「そして」
 だが、だった。凱の言葉はそれだけではなかった。
「勇気の結晶を見せてやる!」
「行くぜ凱!」
「今から!」
 両軍の最後の死闘がはじまった。そしてコスモは。
 イデオンのゲージを見てだ。忌々しげに呻いた。
「くそっ!」
「どうしたの、コスモ」
「何かあるのか」
「イデオンガンなら」
 こうだ。カーシャとギジェに返すのである。
「この宙域一体を吹っ飛ばせるのに!」
「そうね、イデオンガンならね」
「それが可能だ」
 それは二人もわかっていた。それもよくだ。
「それであんな奴等」
「何ともなるのだが」
「ギジェ、パワーは上がらないのか」
 焦った顔でギジェに問う。
「ゲージは」
「駄目だ」
 ギジェは腹立たしげに首を横に振って言う。
「とてもではないが」
「そうなのかよ」
「イデオンガンもソードも使えん」
「肝心な時にこんなのなんて」
 カーシャも忌々しげな顔になっている。
「イデは銀河が消滅してもいいっていうの!?」
(若しかすると)
 ここでだ。ギジェはこう考えたのだった。
(イデは、無限の力の意志は)
 それはだというのだ。
(それを望んでいるのかも知れない)
「急げ!」
「前にいる奴等は吹き飛ばせ!」
「とにかく進め!」
「あのポイントまで凱を!」
「行かせろ!」
 イデオンのそうした状況をよそにだ。彼等は必死に戦っていた。
 そのうえでだ。ポイントに向かう。だが。
「させん!」
「また御前か!」
「ここは通す訳にはいかん」
 パルパレーパがだ。大軍を率いて彼等の前に立ちはだかるのだった。
「言った筈だ」
「また神かよ!」
「そう言うのかよ!」
「このワンパターン野郎!」
「あんたはそれしか言えないの!?」
「完全勝利」
 しかし彼は言った。
「それは神の力だとな」
「俺も言った筈だ!」
 凱も臆していない。
「絶対勝利!」
「貴様はそれを言い続けるか」
「それは勇気ある者のものだとな!」
「勇気が導く力!」
「それを見せてやるよ!」
 Jとルネも言ってだった。
 彼等は突き進みだ。そうして。
 一気にパルパレーパ以外の敵を潰してだ。そうして。
「よし、遂にだ!」
「あと一分です!」
 道が開いたところでカララが叫ぶ。
「凱、早く!」
「わかっている!」
 凱もだ。カララに返す。
「今からそこに!」
「そのポイントに!」
「そこだあああああああああああああっ!」
 そのポイントに到達した。遂にであった。
「ガオガイガーがポイントに到達したぞ!」
「よし、後はだ!」
「彼等だ!」
「彼等が全てを!」
 そこに出て来たのは。その切り札であった。
「GGG!」
「何をする気だ!?」
 アベルとパルパレーパがそれぞれ言う。
「ここで」
「どうするのだ」
「カイン!」
 アベルはとりあえずは手を打つことにした。カインを召還した。
 緑の球が出て来た。その中にであった。彼がいたのだ。
「カイン!」
「凱兄ちゃん、任せて」
 護がここで凱に言う。
「ここはね」
「やるんだな、護」
「うん」
 その通りだと。凱に頷いてみせた。
「だからね」
「わかった、それならな」
「行って来るよ」
 彼も緑の光になり。カインの前に出た。そしてだった。
「緑の星の守護神」
 こうカインを呼ぶ。怒れる顔で。
「僕は貴方を許さない、絶対に!」
「誰なんだ、あいつは」
「一体」
 皆いぶかしんでいると。彼が言うのだった。
「あれはカイン」
「戒道!?」
「大丈夫なの!?」
「うん、何とか」
 ふらつきながらもだ。彼は壁に手をやって立ちながら話すのだった。
「それであれは」
「カインっていうけれど」
「けれどあれは」
「やっぱりカインじゃ」
「緑の星の指導者」
 戒道はこう話す。
「そしてラティオの父親」
「護の!?」
「けれどそれでどうして!?」
「あの連中と一緒にいるの?」
「それは」
 皆このことにいぶかしむ。
「何か話がおかしいだろ」
「辻褄が合わないぜ」
「前にもあの人と会ったけれど」
「その時は」
「そう、けれどあのカインは」
 戒道が話そうとする。だがその前にだ。
「カイン」
 護が言うのだった。
「貴方はいちゃいけないんだ」
「いちゃいけないって」
「それにあの護、何か」
「いつもと違う」
「顔が険しい」
 皆もこのことに気付く。
「あんな護はじめて見るけれど」
「自分のお父さんなのに」
「どうして?」
「お父さん、カインを基にして造られたプログラム」
 また護が言った。
「ペイ=ラ=カイン!」
「イミテーション!?」
「あのカインも」
「偽物!?」
「そうだったんだ」
「そう」
 その通りだとだ。戒道も話す。
「ソール十一遊星主が造り出した」
「またあいつ等か」
「何処までもいやらしい奴等だぜ」
「全くだ」
「そんなことまでしていたのかよ」
「ゲム=ギル=ガン」
 その間にも。レプリカのカインが詠唱していく。
「ゴー=グフォ」
「クーラティオー!」
 護も返す。
「テネリタース」
「護の戦いか」
「あれが」
「あいつの」
「そう、彼も戦っている」
 そうだと答える戒道だった。
「あれが」
「護、頑張れよ」
「ここはね」
「絶対に」
「サルース」
「ヴィータ!」
「コクトゥーラ!」
 そしてだ。優勢になったのは。
 護だった。その緑の光がカインを圧倒したのだった。
「!!」
「皆の勇気が僕にも力をくれる!」
 それを感じ取りながら。彼はさらに攻めた。
「消えろ、ペイ=ラ=カイン!」
「!!」
 そしてだった。緑の光の一方が消えたのだった。
 その中にいる偽物のカインもだ。その中にであった。
「護!」
「凱兄ちゃん!」
 その勝利の後でだ。両者は互いに言い合った。
「御前の勇気確かに受け取ったぞ!」
「うん、じゃあ次は」
「俺の番だ!」
 そのことがだ。誰よりもわかっていての言葉だった。
「ここで絶対に!」
「うん、頼んだよ!」
「急いで下さい!」
 パピヨンも彼に言ってきた。
「バスキューマシンのチャージはもうすぐ終了します!」
「そうか」
「はい、生命を賭けて」
 パピヨンもまた必死であった。
「Gストーンエネルギーシステムに接触した命さんの」
「命の」
「そのもたらしてくれた情報です」
 パピヨンはこう凱に告げる。
「それを無駄にしないで下さい」
「わかった!」
 凱もだ。その言葉を受けた。
「命!」
「凱!」
「御前の勇気も受け取った!」
「ええ、御願い!」
「今だ!」
 大河もだった。ここで。
「我等勇気ある者!」
「よっし!」
「俺達だって!」
「皆で!」
「ここは!」
 ロンド=ベル全員にだ。今勇気が宿った。既に宿っていたものが燃え上がったのだ。
「何があっても!」
「負けるか!」
「負けてたまるか!」
「勝つ!」
「絶対に」
「最大の使命を果たす時が来た!」
 まさ叫ぶ大河だった。
「総員フォーメーションG発令!」
「出番だぜゴルディマーグ!」
「よっしゃ!」
 ゴルディマーグが火麻に応えて出て来た。
「遅れてきた分調整はばっちりだぜ!」
「ああ、気合入れてやれ!」
「行くぜ!」
 ゴルディマーグも叫んでいた。
「ジェネシックガオガイガー!」
「ああ、ゴルディマーグ!」
「俺を使え!」
「おう!」
 二人は共に一つになり。そしてだった。また大河が言う。
「スワン君!」
「ハイ!」
「あのキーを!」
「イエッサー!」
 スワンもそれに応える。そして今そのキーを出してであった、
「人類の英知と勇気ある誓いの下に!」
「ゴルディオンクラッシャー発動承認!」
 大河の血もまた。燃え上がっていた。
「これが勝利の鍵だーーーーーーーーーーーっ!!」
「パルパレーパ!」
 発動されパピヨンの右手がそれを叩き出した時。アベルが告げた。
「ここは!」
「うおおおおおおおおおっ!」
 パルパレーパが凱とゴルディマーグに向かう。それを見てだった。
 ゴルディマーグが凱に告げる。
「来やがったぜ!」
「ああ!」
「我々の力なくして」
 アベルがその中でまた言う。
「人類はアポカリュプシスを乗り切ることはできません!」
「むっ!?」
 それを聞いてだ。反応したのはヴィレッタだった。
「今何と」
「破壊の後の再生を司るのは」
 アベルの言葉は続く。
「我々ソール十一遊星主でなくてはならないのです!」
「うるせえ!」
 だがカズマが彼に反論する。
「御前等のやろうとしていることなんてな!」
「どうだというのですか」
「知ったことじゃねえ!」
 これがカズマの主張だった。
「その為に奪われる生命を守る為にだ!」
「その為にだと」
「俺達は戦ってるんだ!」 
 そしてだ。他の彼等もだった。
「そうだ!」
「そんなことなんてな!」
「エゴなんだよ!」
「手前等の独善なんだよ!」
「所詮ね!」
 誰もがもうこのことをわかっていた。彼等とのこれまでの戦いの中でだ。
 そしてだ。凱に告げたのだった。
「行け、凱!」
「御前に全てを賭ける!」
「その力で!
「全銀河を消滅させようとする者を!」
「私達の未来の希望を摘もうとする者を!」
 こう口々に告げるのだった。
「叩き潰せ!」
「その手で!」
「勝利を!」
「勇気を掴むんだ!」
「凱兄ちゃん!」
 そして護もだった。
「約束したよね!」
「遊星主の本体を!」
「ピサ=ソールを!」
「ぶっ壊せ!」
 Jとルネも凱に叫ぶ。
「今ここで!」
「勝つんだ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
 凱はだ。今黄金のハンマーを手にした。
「全てのGストーンを!」
「全ての勝利を!」
「そして銀河を!」
「その手で!」
「頼みましたよ」
「頑張ってね」
「負けないで」
「ガッツ・・・・・・だっぜ!」
 勇者ロボ達も今全てを託していた。そして。
 凱が。パルパレーパにハンマーを振り下ろし。
「凱!やっちゃええええええええ!」
「そうだよ、ここで!」
 命と護もだ。彼に叫んでいた。
「私達の力で!」
「銀河を救うんだ!」
「俺は一人じゃない!」
 黄金の光の中で。彼は感じ取っていた。
「俺達は」
「ああ、俺達は!」
「何があっても!」
「絶対に!」
「一つだああああああああああああああああああああああああっ!!」
 そのハンマーがパルパレーパを、そして彼等を直撃し。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「!!」
「俺達の勝利だ!!!!」
 凱が光の中で叫び。今。
 ソール十一遊星主達がその光の中に消えていっていた。
「これが物質世界の掟」
「三重連太陽系が滅びる」
 パルパレーパとアベルが呟いた。
「我々が」
「ここで」
「滅びてはいない」
 だがその彼等にだ。戒道が告げた。
「パル=ス=アベル」
「その名前は」
「君のことだ」
 目の前のアベルのことだというのである。
「赤の星の指導者アベルを基に造られたプログラム」
「それが僕だと」
「そう」
 護も彼に話す。
「三重連太陽系はちゃんと再生してるんだ」
「嘘だ、それは」
「嘘じゃない」
 こう言ってさらに話すのであった。
「ギャレオリア彗星の彼方に。百五十億年の時をかけて」
「百五十億年の」
「生命を持たない遊星主達がもっとも恐れた勇気の力に満ちて」
 彼等は光の中に消えていく。今壮絶な戦いが終わった。
 そしてパピヨンは。猿頭寺と共にいた。しかしだ。
 彼は泣いていた。そうしてパピヨンに言うのだった。
「パピヨン・・・・・・」
「泣かないで」
 パピヨンは優しい声をかけた。
「これでいいのです」
「いいんだね、それで」
「物質に永遠があってはならないのですから」
 これがパピヨンの言葉だった。
「ですから」
「じゃあ君は」
 彼はだ。パピヨンのその言葉を受けて問うた。
「精霊達のところに行くのかい?」
「いいえ」
 それは否定してであった。
「耕助」
「僕に」
「そう、貴方の中に」
 こう告げるのであった。
「永遠に」
「パピヨン・・・・・・」
「Gクリスタルは」
 クリスタルについても話すのだった。
「三重連太陽系の人達から作られた」
「そうだったんだね」
「生命の結晶」
 それだというのだ。
「Gストーンを持つ者は生命のエネルギーを携えた本当の勇気を」
「それを」
「使える者」
 こう彼に話すのだった。
「私達生命ある者は皆同じ力を持っています」
「その力を」
「だから」
 微笑はそのままだった。
「この先に訪れる困難も」
「僕達のその困難もまた」
「それも勇気さえあれば」
「勇気さえあればなんだね」
「そうです。乗り越えられます」
 まさにだ。天使の言葉であった。
「信じています。人がその勇気で」
「勇気で」
「アポカリュプシスさえも乗り越えることを」
 こう告げてだった。パピヨンは光の中に消えた。優しい笑みで。
「護・・・・・・」
「戒道・・・・・・」
 二人は目を覚まして。お互いの名前を呼んだ。
「大丈夫だったんだね」
「君も」
「よかったデスね」
 スワンがその二人を見て微笑む。
「二人共気付いたみたいデスネ」
「いいかな」
 スタリオンが二人に話してきた。
「今この次元宇宙はね」
「はい、この宇宙は」
「どうなっているんですか?」
「ES空間ごと消滅しようとしているんだ」
 こう話すのだった。
「そうなろうとしているんだ」
「何故かっていうと」
 牛山も二人に話す。
「ギャレオリア彗星はもう存在していないからね」
「つまりだ」
 火麻は何時になく穏やかだった。
「俺達はここから出られないってことだ」
「この次元が消滅」
「それじゃあ僕達は」
 二人もそれを聞いて理解した。
「僕達はここから」
「戻れないんだね」
「しかしだ」
 雷牙が落ち込む二人に話す。
「僅かながら希望は残っておる」
「希望が?」
「残ってるんですか」
「そう、それは」
 猿頭寺だった。
「ゲートを利用するんだ」
「ゲート!?」
「それをなんですか」
「ジェイアークのESミサイルでね」
 それを使うと。二人に説明する。
「ゲートへアクセスするルートを造ることができるんだ」
「そんなことがですか」
「できるんですね」
「もっとも」
 雷牙がまた言ってきた。
「そのルートの大きさは」
「どれ位ですか?」
「それで」
「直径一メートル」
 それを聞いてだ。二人の顔に絶望が走った。
「そんな、じゃあ」
「とても」
「保持できる時間は二秒間だけだがな」
 雷牙は驚く二人にさらに話す。
「さらに」
「さらに、ですか」
「まだあるんですか」
「そのルートを作り出す為には」
 その為にだと。彼は二人にさらに話す。
「ロンド=ベルの全エネルギーが瞬間的に必要とされるんだ」
「だからこそ」
 大河は微笑んで二人に話した。
「我々は君達二人に未来を託す」
「僕達に」
「それを」
「これは君達に与えられた」
 大河は微笑みながら話していく。
「君達にしかできない重要な任務なんだ」
「そういうことだ」
「二人共、今までよく戦ってくれたな」
「有り難う」
 誰もが笑顔で二人に話す。
「君達の勇気を」
「私達は忘れないからね」
「いいものを見させてもらったよ」
「本当に」
「グッドラック!」
 まずはマイクが告げた。
「また何時か」
「会おう」
「星の海で」
「絶対に」
「迷子にならないようにね」
「気をつけて」
 六体の竜達も今は笑顔だ。
「達者でな!」
「何時までも」
「ガオオオオオン!」
 ゴルディマーグ、ボルフォッグに続いてギャレオンもであった。
「この宇宙で起こった出来事を」
「地球に伝えてくれよ」
「それで帰ったらな」
「お父さんとお母さんに」
「只今って言うのよ」
 誰もが。心からの笑顔だった。
「お袋さん達によろしくな」
「一杯食べて大きくなれよ」
「身体は毎日鍛えろよ」
「勉強も忘れるな」
「友達を大切にね」
「ガールフレンドもね」
「アルマ」
 Jもだ。残るのだった。
「ではだ」
「J・・・・・・」
「戦いは終わった」
 彼もまた。別れを告げるのだった。
「御前はもうアベルの戦士として生きる必要はない」
「親を大切にな」
「J、ルネ・・・・・・」
「貴方達はね」
 命もだ。言葉を贈る。
「三重連太陽系を受け継ぐ地球の子供よ」
「勇気ある誓いと共に」
 凱もであった。
「いいな、進め」
「勇気ある誓いと共に」
「勇気ある誓いと共に」
 二人が楚の言葉を繰り返す。
「勇者達に敬礼!」
「彼等は我々の生きた証だ」
「その旅立ちを」
「皆で!」
「皆!」
「本当に有り難う!」
「さあ、行くんだ」
 凱が最後に優しい声をかけてだ。それで終わりであった。
 ゲートが開き二人がそこを通り。そうして。
「ゲート消滅」
「これで終わりか」
「そうだな」
「心残りがないって言えば」
「嘘になるけれど」
 それでもだった。彼等は誰もが満足していた。
「あの二人が無事ならな」
「それでいいよな」
「だよな」
「わしもそう思う」
「俺もだぜ」
 グン=ジェムとジェリドだった。
「子供の為に命を捨てるのも」
「悪いことじゃないな」
「心残りはあって当然だ」
 刹那はそれを受け入れていた。
「それもだ」
「不死身の俺の最期としちゃいいな」
 パトリックは微笑んでいた。
「じゃあ、これでな」
「ふふふ、見事だったぞ」
 しかしだ。ここでだった。誰かの声がしてきた。
「銀河消滅の危機を救ったのはな」
「!?この声は!」
「ハザル=ゴッツォか!?」
「まさか!」
「その通りだ」
 ハザルがだ。今彼等の前に現れたのだった。
 大軍を連れてだ。そうしてだった。
「銀河を救った褒美にだ」
「くっ、貴様まさか」
「ここで」
「そうだ、俺が直々に相手をしてやろう」
 こう彼等に告げるのであった。
「誰も知らない空間で朽ち果てていくよりもだ」
 自信に満ちた傲慢さは相変わらずであった。
「一思いに生命を絶たれる方がマシだろう?」
「手前、そう来るか」
「それでここに」
「もうすぐ幕が開く」
 彼は言うのだった。
「そう、絶望の宴の幕がな」
 戦いは終わらなかった。異空間でだ。今再び死闘がはじまるのだった。


第八十九話   完


                                     2011・1・10
 
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