スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇
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第四十六話 もう一つの母星ボアザン
第四十六話 もう一つの母星ボアザン
ボアザンに向かう時にだ。健一が言った。
「そういえばあの星は」
「そうでごわすな」
「父さんのね」
「そうだ、生まれた星だ」
このことを大次郎と日吉に話すのである。
「そして俺達にとっては」
「もう一つの母星でごわすな」
「そういうことだよね」
「父さん」
彼はここで父に顔を向けた。彼の両親も共に来ているのだ。
「ボアザンのことは」
「全てが懐かしい」
まずはこう言う博士だった。
「真にな」
「そうなんだ」
「私は角がないばかりに幽閉されズ=ザンバジルが皇帝となった」
「それがそもそもの間違いだな」
一平は忌々しげに言い切った。
「角のあるなしで差別するってのがな」
「そうよね、本当にこれまで戦ってきたボアザン貴族って」
めぐみも言う。
「人間としては酷かったし」
「能力もだな」
一平は完全に駄目だしだった。
「どうにもならない奴等ばかりだった」
「そうだな。しかし」
「しかし?兄さん」
「どうだっていうの?」
「ズ=ザンバジルが倒れた後は」
こう弟達に話す健一だった。
「どうなるんだ」
「どうなるって?」
「それって」
「どういうこと?」
「だから。革命が起こった後のボアザンだけれど」
このことを皆にも話すのである。
「どうなるんだろうな」
「キャンベル星にはガルーダやデウスさんがいてくれてるけれど」
「ボアザンには」
「そうよね」
「誰かいないかしら」
「いや、一人いるだろ」
ここで言ったのはダッカーだった。
「ちゃんとな」
「一人って?」
「それって一体」
「誰?」
「ハイネルだよ」
彼だというのである。
「あいつがいるだろ」
「兄さんが」
「そうさ、あいつがいるだろ」
こう健一にも話すのだった。
「あいつがいるからな。だから大丈夫だろ」
「いや、兄さんは」
だが健一はここで難しい顔になる。
「そうしないと思う」
「しないんだ」
「兄さんは死に場所を求めているのかも知れない」
健一はフィジカにも述べた。
「あの時。父さんや俺達と戦っていることを知ってから」
「そうかも知れないわね」
めぐみも難しい顔で彼の言葉に頷いた。
「あの人は。そういう人だから」
「ズ=ザンバジルを倒したその時に」
健一はさらに話した。
「死ぬのかも知れない」
「リヒテルもだな」
一矢は彼の名前も出した。
「リヒテルも。己の過去を悔いている」
「だからこそ全てが終わったら」
「己の為すべきことを果たしたと考えたら」
「その時は」
「そうだ、死ぬかも知れない」
また言う一矢だった。
「その時こそ」
「あの二人は似ている」
今言ったのは京四郎だった。
「生真面目で高潔だ。そして周りが見えていない」
「周りが見えていない」
「それもあると」
「それが問題だ。自分達がやるべきことがわかっていない」
こう指摘するのだった。
「それがだ」
「それってつまりは」
ナナが彼に問い返した。
「ハイネルさんのやるべきことはボアザンを解放してからもあるってこと?」
「さっきダッカーの旦那が言ったな」
京四郎はこうナナに話した。
「そういうことだ」
「それなの」
「そうだ、ハイネルのやるべきことはそこからが本当だ」
「そしてボアザンを導くのね」
「それができることはあいつしかいない」
京四郎は言い切りさえした。
「俺はそう思うがな」
「となるとだ」
一矢もここであることがわかった。
「リヒテルもまた」
「そうよね」
「そうなるよな」
皆もここでわかった。
「バームを導けるのって」
「あの人しかいない」
「だから終わりじゃない」
「リヒテルはそれに気付いていないんだ」
一矢はまた言った。
「自分のするべきことに」
「一矢さんとエリカさんが架け橋になって」
「そしてリヒテルさんが導く」
「そういうことなのね」
「俺も今わかったような気がする」
一矢は言うのだった。
「リヒテルは。今死んだらいけない」
「兄さんも」
健一も言った。
「ここで死んだらいけない。ボアザンの為にも」
「その通りだな。ハイネルは死なせてはいけない」
剛博士も言った。
「何としても」
「よし、それなら」
「二人に会ったら」
「絶対に死なせるか!」
「ボアザンとバームの為に!」
こう決意してだ。彼等はボアザンに向かう。そうしてだった。
やがてボアザン星の手前に来る。そこでだ。
「来ました!」
「ロンド=ベルです!」
「奴等がです!」
ボアザン軍の間で報告が飛び交う。
「遂に来ました」
「司令、ここは」
「どうされますか」
「決まっている」
こう答えたのは人相の悪い角のある男だった。
「奴等を迎え撃つ」
「ではグルル将軍」
「予定通りですね」
「奴等にあの罠を」
「仕掛けますね」
「そうする。いいな」
こう部下達に言うのだった。
「準備はいいな」
「はい、既に」
「万端整っています」
「後は奴等が来た時に仕掛けるだけです」
「それだけです」
「よし」
そこまで聞いて満足した顔で頷くグルルだった。そうしてだった。
彼等は布陣しロンド=ベルを迎え撃つ。そこに彼等が来た。
「数は四百万か」
「じゃあ後は本星に残っているんだ」
「そういうことね」
皆このことを冷静に分析した。
「ただ。何かね」
「余裕がある?」
「確かに」
布陣するボアザン軍を見てこのことを察したのである。
「罠があるか?」
「若しかして」
すぐにこのことを見抜いたのである。
「だとすればその罠って」
「一体何?」
「何も見つからないけれど」
「若しかすると」
ここで言ったのはスワンであった。
「あれデス。ここは前に出るべきかも知れまセン」
「前にですか」
「ここは」
「はい」
また答えるスワンだった。
「前進あるのみデス」
「そうだな」
その言葉に大文字が頷いた。
「あの悠然とした布陣から間違いなく罠を仕掛けている」
「しかし奴等の前には絶対に何もないな」
火麻も言う。
「随分と戦闘機飛ばしてるしな」
「じゃあ前に進めばそれでいい」
「この戦いは」
「それじゃあいつも通りだな」
火麻はそれを聞いて言った。
「前に進むんならな」
「随分簡単に言うな」
「そうよね」
皆そんな彼の言葉を聞いてひそひそと話す。
「あの人らしいけれどね」
「まあ確かに」
「それは」
「らしいならそれでいいな」
気にしていない火麻だった。
「じゃあ行くぜ!一気にな!」
「それしかないしね」
「それじゃあ」
こうしてロンド=ベルは前に出る。するとだった。
後ろにだ。あるものが出て来た。
「素粒子!?」
「あれか」
「あれが罠か」
素粒子の渦がだ。彼等の後ろに出て来たのである。
「あれで俺達を潰そうっていうのか」
「何かって思ったけれど」
「あれだったのね」
「成程」
「さあ退きたいなら退くがいい」
グルルだけは自信に満ちていた。
「その時は貴様等の最後だ」
「やれやれだな」
今言ったのは真吾である。
「それじゃあ簡単じゃないか」
「そうよね、退かなかったらいいし」
「単純明快」
レミーとキリーも言う。
「前に出て戦う」
「それだけだよな」
「その通り!退くことはない!」
ケルナグールの辞書には最初からない言葉だ。
「行くぞ、一気に叩き潰す!」
「その通りだ。前に行くのみだ」
カットナルも同じ意見だった。
「あの連中の考えに乗る必要はない」
「愚かな。あの様な罠なぞだ」
ブンドルの言葉はいつもと逆だった。
「美しくない」
「うわっ、何かテンション下がる」
「ブンドルさん、その言葉はちょっと」
「止めた方がいいですよ」
全員で彼に突っ込みを入れる始末だった。
そしてだ。ミンはだ。チェーンソーを振り回していた。
「ほらほら、前に出て切り刻んでやるよ!」
「その通りだな。釘が美味いぜ」
「お、おでも行く」
ゴルとガルもいつも通りだった。
「じゃあ。派手に暴れるか」
「ま、前に出ればいいだけ」
「大体前に出てナンボってのが俺達なんだけれどな」
ジンの突っ込みは実に冷静だった。
「あの連中は何を勉強していたんだ」
「ははは、成績の悪い生徒にはお仕置きだ!」
グン=ジェムは勝手に先生になっていた。
「さて、これが最初のお仕置きだ!」
「ぐはっ!」
いきなり円盤を一機真っ二つにした。これが合図だった。
ロンド=ベルは攻撃に移る。全軍による突撃だった。
「前に!前に!」
「それでいいんだからな!」
「楽なものだぜ!」
「くっ、どういうことだ!?」
「退かないだと!?」
「我等のこの数を前にしてもか!」
ボアザンの将兵達は退くどころか突撃を仕掛ける彼等に驚愕した。
「何という奴等だ」
「素粒子を恐れないというのか」
「死ぬのが怖くないのか?」
「死ぬことがか」
アランが彼等の言葉を受けて言う。
「それがか」
「そうだ、貴様等は怖くないのか」
「戦いの中で死ぬことがだ」
「それがだ」
「この戦いで死ぬ要因はない」
アランは落ち着いた声でこう彼に返した。
「だからだ。怖れてはいない」
「死なないだと!?」
「この戦いでだというのか」
「そうだ、我々が死ぬのは運命によってだ」
アランはこうも言った。
「貴様等如きに倒されることはない」
「おのれ、我等を愚弄するのか」
「誇り高きボアザンを」
「愚弄するか」
「愚弄も何もな」
「そうだな」
男児が盾人の言葉に応えた。
「こんな連中相手だとな」
「数もどうということはない」
「おのれ、やはり愚弄か」
「我等を愚弄するか」
「ああ、何度でも言ってやるぜ!」
盾人は言いながらバルディオスの剣を振るう。それで前にいる敵を倒していく。
「手前等には負けはしないぜ!」
「くっ、ならばだ!」
「ここで死ね!」
「その言葉後悔させてやる!」
「それは無理な話だ」
「生憎だがな」
そしてだ。ここであらたな声がした。
それは二つだった。二つの声が告げるのだった。
「貴様等にはそれはできぬ」
「大義なき者達にはだ」
「!?その声は」
「まさか」
「兄さん!?」
最初に言ったのは健一だった。
そしてだ。一矢もだ。
「リヒテルか!」
「そうだ、久しいな健一よ」
「竜崎一矢、さらに腕をあげたようだな」
二人であった。そのそれぞれのマシンにも乗っている。
「我が守護神ゴードルと共に」
「我が友の開発したこのゾンネカイザーと共に」
二人はそれぞれ言う。
「今再び!」
「戦場に帰って来た!」
「くっ、プリンス=ハイネルか!」
「グルルよ」
ハイネルは彼を見て呻くような声を出したグルルを見て言った。
「悪いことは言わぬ、降伏するのだ」
「何っ!?」
「この者達は貴様の敵う相手ではない」
こう告げるのだった。
「貴様はだ。降伏し静かな余生を送れ」
「私を馬鹿にしているのか」
「馬鹿にはしていない」
ハイネルはそうではないと返した。
「事実だ。事実を言っているのだ」
「そんなことはない!」
まだ言う彼だった。
「私はこの者達を倒す!必ずだ!」
「言ったな」
まずは聞いたハイネルだった。
「それならばだ。見せてもらおう」
「見ているがいい。ロンド=ベルの後は貴様だ」
「私か」
「皇位を狙う逆賊め」
ハイネルはボアザン貴族の者にこう思われているのである。
「皇帝陛下にかわり成敗してくれるわ」
「ズ=ザンバジルか」
ハイネルの言葉が冷たいものになった。
「あの様な男に忠誠を尽くすか」
「何が言いたい」
「あの男にあるのは己のみ、国のことなぞ頭にはない」
彼もまたズ=ザンバジルのことがわかっていた。
「その様な男に皇帝でいる資格はない!」
「おのれ、やはり皇帝陛下を愚弄するか!」
「愚弄ではない。事実を言ったまでだ」
ハイネルの言葉は続く。
「それがわからぬ貴様もまたそれまでの男だな」
「まだ言うのか」
「安心するのだ、これ以上は言わぬ」
やはりハイネルの言葉は冷たい。
「貴様の最期を見届けさせてもらうだけだ」
「では見るがいい」
半ば売り言葉に買い言葉だった。
「その後で貴様を成敗してやろう」
「できるのならばな」
「ではハイネルよ」
同志であるリヒテルの言葉だ。
「この戦い、見届けさせてもらおう」
「うむ、余もそのつもりだ」
こう応えてだった。彼等はロンド=ベルの面々にも言ってみせた。
「ではロンド=ベルの者達よ」
「そなた達の戦いも見せてもらおう」
彼等への言葉はこれだった。
「それではだ」
「我々は今は何もしない」
「それなら兄さん、見ていてくれ」
「俺達の今の戦いを」
健一と一矢が二人に応える。
「今からだ」
「その戦いを見せてやる!」
「そうだ、それでいい」
一矢の今の言葉を受けてだ。リヒテルは微かに笑った。
「さらによき男になったな」
「リヒテル・・・・・・」
「エリカの目は間違ってはいない」
妹のことも出した。
「そなたの様な者がいれば宇宙は救われようぞ」
「ならそうしてやる!」
そして一矢も言った。
「その為に今この戦いを見せてやる!」
「俺達の戦いを!」
「今ここで!」
こうしてだった。ロンド=ベルはさらに突撃を仕掛けた。その突撃を受けてだ。ボアザン軍は遂に総崩れになってしまったのである。
そしてだ。グルルにはだ。ボルテスが向かう。
「敵将グルル!」
「逃がさないわよ!」
彼の乗るスカールークを見据えて健一とめぐみが言う。
「降伏しないんだな」
「それなら」
「降伏なそありはしない!」
グルルは彼等に対しても言った。
「このグルル!貴様等なぞに!」
「それならだ」
「仕方ないわ」
二人が言った。そうしてだった。
ボルテスが跳んだ。その手にはあの剣がある。そして。
「秘剣!」
「むっ!?」
スカールークでは最早かわせなかった。
剣が切り刻む。ブイの字に。
「ブイの字切りーーーーーーーーーーーっ!!」
「ぐっ、これは」
「これで最後だな」
「そうでごわすな」
「この戦いはね」
一平に大次郎、日吉はこのことを確信した。
「敵将グルル!」
「終わりでごわす!」
「さあ、脱出しろ!」
「おのれ、おのれ地球人共」
だが彼はだ。艦橋で呪詛の言葉を出すだけであった。
「この恨み、必ずや」
「脱出はせぬか」
ハイネルはその彼を見てまた言った。
「愚かな、死ぬべきでない時に命を捧げるに値しない者の為に死ぬとはな」
「ボアザン帝国ばんざーーーーーーーーい!!」
こう叫んで死んだ。その時にはもう戦いは終わっていた。
誰もいなかった。既にだ。
「勝ったな」
「そうだな」
まずはハイネルとリヒテルが言った。
「この戦いはまずだ」
「勝利を収めることができた」
「このままいけるだろう」
今度はハイネルだけが言った。
「ボアザンは解放される」
「兄さん、聞きたいことがある」
そしてだ。健一がそのハイネルに問うた。
「兄さんはどう思っているんだ」
「何をだ?」
「ボアザンのことをだ」
問うのはこのことだった。
「兄さんの生まれ育った星に対してだ。どう思っているんだ?」
「何を言うかと思えばだ」
ハイネルはにこりともせず弟の言葉に応えた。
「その様なことか」
「そうだ、どう思っているんだ」
「決まっている、母なる星だ」
教科書の回答だった。
「それ以外の何でもない」
「それだけなのか」
「それだけだが」
「他にも思うことはある筈だ」
「リヒテル、違うか」
一矢はリヒテルに問うた。
「御前もまた。それだけなのか」
「バームのことか」
リヒテルは一応は彼の言葉に返した形だった。外見はだ。
「そのことか」
「バームの人達は今迷ってもいる」
「そなた達が火星に導いてくれたのではなかったのか」
「違う、今の彼等にはもう一人必要なんだ」
「誰がだ?」
「御前だ!」
他ならぬ彼なのだというのだ。
「今のバームには御前が必要なんだ」
「戯言を」
「嘘じゃない、バームに戻るんだ、リヒテル」
こう彼に告げるのだった。
「戦いが終わったその時にだ」
「兄さんもだ」
健一もここで兄にまた告げた。
「ボアザンに。あの星の人達の為に」
「その資格はない」
だがハイネルはこう言うのだった。
「余にはな。その資格はない」
「何故そう言うんだ」
「余は罪を犯し過ぎた」
「余もだ」
リヒテルも言った。
「その余がだ。何故ボアザンに戻れる」
「バームの者達にどうして顔を向けられようか」
「難しい話だな」
ガムリンは二人のその心がよくわかった。
「二人にとっては。過去のことは」
「ボアザンは他の者によって導かれる筈だ」
「ハレックがいる、御前とエリカもいる」
二人はあくまでこう言う。
「余がいる必要はないではないか」
「それは違うのか」
「違う!」
「そんなことはない!」
健一も一矢もまた言った。
「兄さんがいなければボアザンは」
「バームの人達はどうなるんだ!」
「忘れたのか、健一よ!」
「竜崎一矢よ、あの戦いのことを!」
二人の言葉が荒いものになった。
「御前と余はかつてどれだけ剣を交えた」
「余は一体どれだけの血を流させた!」
「うっ・・・・・・」
「しかし。それでも」
「話はそれまでだ」
「もう話すことはない」
二人は相手がそれぞれ口ごもったところで強引に話を終わらせた。
「いいな、それではだ」
「また会おう」
「兄さん、待つんだ!」
「リヒテル、話はまだある!」
「余にはない」
「これ以上はだ」
やはり二人は話を聞こうとしない。そうしてだった。
「ボアザンを頼んだ」
「いいな」
「何故だ、どうしてわからないんだ」
「リヒテル、御前がいなければバームはどうなるんだ」
しかし二人はそのまま消えた。話を聞こうとはしなかった。
そうしてだった。戦場にはロンド=ベルだけが残った。彼等はだ。
「ボアザンに向かおう」
「そうだな」
「ここはだ」
こうそれぞれ話してであった。再び進撃をはじめようとする。
だがその中でだ。健一も一矢も浮かない顔をしていた。
その彼等にだ。万丈が声をかけた。
「行こうか」
「あっ、ああ」
「そうだな」
「まずはボアザンを解放しよう」
あえて微笑んで二人に告げたのだった。
「それでいいかな」
「わかっている。勿論な」
「俺達の目的の一つだからな」
「それならいいよ。行こう」
万丈はまた二人に告げた。
「ボアザンにね」
「それでは諸君」
シナプスが指示を出した。
「ボアザンに進路を戻す」
「了解です」
「それでは」
こうして彼等はボアザンに進路を取った。だがその心にはだ。釈然としないものが残っていた。それはどうしても消せないものだった。
第四十六話 完
2010・8・9
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