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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第十一話 クロス=エンカウンター

               第十一話 クロス=エンカウンター
  フロンティアの前に出たロンド=ベルは早速フロンティアの中に入った。そしてそのうえで彼等の状況や自分達のことを話したのであった。
「ふむ、そうだったのか」
「はい、そうです」
一行の主だった者達がフロンティア大統領であるハワード=グラスと話していた。彼の横には若い白い軍服の軍人が男女それぞれ立っている。
男の方は黒髪をボブにしていた鋭利な顔をしている。女の方は豊かな栗色の髪の美女であり。二人共グラスの左右に位置してそこにいる。6
「それでフェードアウトしてここに辿り着きました」
「事情はわかった」
グラスはここまで聞いて述べた。
「それはな」
「はい」
「しかしだ」
だがグラスはこうも言ってきたのだった。
「不可思議な話だな」
「やはりそう思われますか」
「思わないという方が無理ではないのか?」
それがグラスの言葉だった。
「やはりな」
「そう思われますか」
「それは」
「そうだな。それでだ」
「それで?」
「君達はこれからどうするつもりなのだ?」
話を一通り聞いてからの話だった。
「地球に介入しようとしてきた勢力は全て退けた」
「はい、そうです」
「その通りです」
「それは」
「そして今は帝国をはじめとした様々な勢力を相手にしているな」
「さしあたってはプロトデビルンです」
エキセドルが述べた。
「彼等です」
「そうだな。彼等には我々も悩まされている」
そうだというのだ。
「何度か襲撃を受けた」
「よく御無事でしたね」
それを聞いた大河が言ってきた。
「彼等の攻撃を何度も受けてなのですか」
「しかしそれでもです」
「我々にも戦力があります」
ここで左右の男女が言ってきた。
「ですから」
「何とか」
「そうなのですか」
大河はまずはそれを聞いて納得した顔で頷いた。
「そちらにも戦力がありますか」
「はい、そうです」
「何とかです」
「その通りだ」
グラスも言ってきた。
「だからこそ我々も今こうしている」
「しかし。あの彼等を退けるとは」
「一体どんな戦力があるのですか?」
「そちらには」
「それについては後でお話します」
「それでなのですが」
話はさらに続いた。グラスの左右からの言葉だった。
「貴方達はこれから」
「どうされるのでしょうか」
「それが問題です」
今言ったのは大文字だった。
「我々は何をするべきかですが」
「とりあえずはあれですね」
今言ったのはダグラスだった。
「バルマー帝国は何としても倒さなければ」
「そうだな」
これにはグラスも同意だった。
「帝国は何とかしなければな」
「まずはバルマー、それでキャンベルにボアザン」
人類にとって敵対的な勢力が挙げられていく。
「それにムゲにプロトデビルン」
「そして宇宙怪獣」
「彼等もまた」
人類にはまだ多くの敵がいるのだった。
「そうした敵を一つ一つ倒していかなければ」
「他の船団もいる」
その彼等のことにも言及するのだった。
「そしてソール十一遊星主達」
「おまけにバッフ=クランか」
「敵は多いな」
「あまりにも」
「そして」
そしてであった。今のはグラスの言葉だ。
「我々は安息の地を見つけなければならない」
「そしてギャラクシーのこともあります」
「様々な問題が」
まさに山積みなのであった。
「どうするべきか」
「何をしていくか、お互いに」
双方で考えを出し合うその中でだった。
「よし」
「!?閣下」
「一体何を」
「私からの提案だが」
グラスはロンド=ベルの面々に対して話すのだった。
「君達は暫く我々と共に来てはどうだ」
「フロンティアとですか」
「そうだ。我々はこのまま暫く安住の地を見つけて宇宙を旅立つことになる」
彼は言った。
「当分かも知れない。だからだ」
「一緒にですか」
「それで」
「そうだ。それでだ」
また言う彼だった。
「君と一緒にだ。行くか」
「そうですね。我々はこれからまだ多くの戦いが続く」
「まだこれからも」
それについても話すのであった。
「ボアザンもキャンベルもいる」
「彼等も倒さなくてはならない」
「それなら」
そうしてだった。皆で言うのであった。
「御願いできますか」
「暫くの間」
「是非共だ。ではこれで決まりだな」
「ゾヴォークも協力してくれますので」
「それも御願いします」
こうしてだった。ロンド=ベルはフロンティアと共に宇宙を旅することになった。ロンド=ベルは思わぬ形で仮の宿を手に入れたのだった。
そしてフロンティアの中はだ。かなりのものだった。
「シティ7よりもまだ凄いな」
「っていうか地球を出てからも科学とかが発展してる!?」
「そうかも」
ロンド=ベルの面々はその様々な施設を見ながらそれぞれ言うのだった。
「ゼントラーディの人達もいるし」
「平和に共存共栄してるし」
「ここまで凄いなんて思わなかったし」
「全く」
そしてであった。ふとその見事な街を見るとだ。
「あれっ、何この歌手」
「ええと、シェリル=ノーム!?」
「誰、それ」
「今フロンティアで一番有名なアーチストみたいね」
今言ったのはミレーヌだった。
「凄い歌手みたいよ」
「凄いって」
「そんなに?」
「何となくわかるけれど」
ミレーヌの直感がそう教えることだった。
「ただ」
「ただ?」
「どうしたの?」
「何か不安定なものも感じるけれど」
ミレーヌはこうも言うのだった。
「バサラみたいに無茶苦茶な破天荒さはないみたい」
「まあバサラはな」
「ちょっとな。あいつはな」
「規格外だから」
少なくともバサラとは違うのだった。
「そのバサラとはまた違うから」
「そうなの。違うの」
「それにしても不安定なのか?」
「そうは見えないけれどな」
少なくとも画面にいるシェリルは光を放っていた。それは眩しいまでだった。
そしてアルトはだ。一人複雑な顔になっていた。
「フロンティアに来るとはな」
「ははは、そういえばそうだったな」
「ここはアルトさんの」
ミシェルとルカもここで彼に言うのだった。
「親父さんがいたな」
「お元気ですかね」
「親父のことはいい」
アルトは忌々しげに顔を背けた。
「もう二度と会わないと思ったのによ」
「これも縁なんだろうな」
「僕もフロンティアって聞いてまさかと思いましたから」
二人はまた言った。
「しかもな、少佐もな」
「因果ですね」
今度はオズマについての話だった。
「あの補佐官がなんだろ?」
「ですよね。レオン三島さん」
先程の男の軍人のことだった。
「あの人がですよね」
「そうだよな。難しい場所に来たよな」
「ああ、いいか?」
ミシェルはここで皆に話してきた。
「アルトには姫とかはここでは特に言うなよ」
「特にね」
「そうなのね」
「そう、絶対にな」
それを皆にひそひそと話す。
「怒るなんてものじゃないからな」
「絶対に」
「それは」
「今のあいつは地雷だ」
まさにそれだというのだ。
「カリカリしてるからな」
「ううむ、アルトに少佐か」
「地雷が二つか」
「厄介だな」
「それに」
話はまだあった。
「十二機のマシンか」
「このフロンティアを守る主戦力は」
「それは一体」
「それはだ」
クランが話した。
「出来ることならわかる状況は来ては欲しくないが来るな」
「だよな、いつものパターンだと」
「どっかの勢力がすぐに来るわね」
「プロトデビルンかそれとも帝国か」
「はたまた宇宙怪獣か」
どちらにしても厄介な相手ばかりであった。
「出て来たらどうするか」
「まあもう少ししたらやって来るな」
「その連中も」
そしてであった。ここでふとミスティが言った。
「そうね。多分」
「多分?」
「何ですか?」
「私と似ている波長を感じるわ」
「私も。それも」
今言ったのはアイナだった。
「二人かしら」
「二人ねえ」
「何かまた縁がある?」
「またしても」
「俺も感じるしな」
そしてそれはミシェルもだった。そのうえでティエリアに対しても話すのだった。
「だよな、感じるな」
「うん、確かに」
そしてそれはその通りだった。
「感じる。僕達に似た波長を」
「俺もやしな」
「またあんたもなのね」
アスカは今のトウジの言葉にかなり羨ましそうだった。
「私はグレースしかいないのに」
「縁やな、ホンマに」
「みたいね。それにしても羨ましくはあるわ」
実際に羨ましく思っているアスカだった。
「何か世界は色々と」
「広いようで狭いのね」
「何かね」
「まあとにかく」
「とりあえずはここに留まって」
「それでいくか」
「そうね」
そう話してであった。今はフロンティアの中を遊んでいた。
そしてだ。アルトはその中でだ。不意にスコールに遭ってしまった。それで慌てて森の中に入って上着を脱いで乾かそうとした。その時だった。
緑の髪の小柄な少女が来たのであった。
「あちゃ~~~~、びしょびしょ」
「んっ!?」
背中から聞こえたその声を聞いて振り向くとであった。
「誰だ」
「えっ・・・・・・」
そして少女も彼の顔を見た。中性的な美しい顔をだ。それがはじまりだった。
少女も服を乾かしていた。上着はアルトのものを着てだ.その間いるのだった。
「そうなの。地球から来た人達ね」
「ああ、そうだ」
そうだと話す彼だった。
「それであんたは」
「うん、このフロンティアにいるのよ」
少女は明るく彼に話してきた。
「ランカ=リーっていうの」
「ランカか」
「そうよ。ランカっていうの」
こう名乗るのだった。
「宜しくね」
「そうか、ランカか」
「娘々でアルバイトしてるから」
「娘々!?」
「そうよ。ハオチュー娘々」
ここで猫の仕草をして踊りはじめたのだった。
「ゴージャスデリシャスデカルチャーってCM知らない?」
「そういえばな」
アルトも今の言葉と仕草で思い出した。
「ここに来る時に映像で見たな」
「そうでしょ?そこなのよ」
「そうだったのか」
「名物は鮪饅頭とかだから」
それも話すランカだった。
「よかったら来てね」
「ああ、わかった」
食べることについてはアルトもやぶさかではなかった。
「それじゃあな」
「来てね。御願いだから」
「ああ、その時はな」
そんな話をして別れた。そして一旦マクロスクウォーターに戻るとだった。
「えっ、手伝いか?」
「ああ、コンサートにな」
「どうですか?」
ミシェルとルカが笑顔でアルトに言ってきたのだった。
「シェリル=ノームな」
「アルトさんも」
「そうだな」
アルトは少し考えてから答えた。
「丁度暇だしな。それじゃあな」
「よし、それなら」
「決まりですね」
こうして彼等はそのシェリル=ノームのコンサートの手伝いに行った。するとそこには見事なブロンドと赤の髪の美女がいた。
「へえ、あれがか」
「シェリル=ノームですか」
ミシェルとルカはその彼女を見て声をあげた。
「美人だけれど」
「気は強そうですね」
「その通りよ」
彼等の前に先程大統領と共にいた美女が出て来て言ってきた。
「かなり気が強いから気をつけてね」
「あれっ、そういうあんたは」
「さっきの」
「そうよ。キャスリン=グラス」
こう名乗ってきたのであった。
「宜しくね」
「ああ、それじゃあな」
「宜しく御願いします」
「これから長い付き合いになるのか?この人とも」
今言ったのはジュドーだった。
「何か早瀬さんと似た雰囲気だよな」
「そうよね、何か」
「妙にね」
それは誰もが感じていた。確かにそんな感じであった。
その彼女がだ。また言ってきた。
「とりあえず貴方達はね」
「大道具ですか?」
「それとも証明ですか?」
「それも御願いするわ」
まだあるというのである。
「あと。舞台を飛んでね」
「舞台を飛んで」
「そうして」
「それで演出を御願いしたいの」
こう話すキャスリンだった。
「わかったかしら」
「それじゃあ」
「僕達が」
ミシェルとルカが名乗り出て来た。
「そっちの訓練もやってるしな」
「それでいいですか?」
「ええ、いいわ」
キャスリンもそれで頷くのだった。
「それともう一人欲しいけれど」
「ああ、それだったら」
「もう一人いますよ」
そのミシェルとルカがまたキャスリンに告げた。
「なあ、アルト」
「先輩も」
「俺もか」
「御前もできるだろうが」
「ですから」
彼だというのである。
「それじゃあそういうことでな」
「御願いしますね」
「拒否権はないみたいだな」
アルトはそれは本能的に悟っていた。
「じゃあやらせてもらうな」
「ああ、それじゃあな」
「そういうことで」
これで三人が空を飛んで演出にあたることになった。そうして程なくしてそのコンサートがはじまるのであった。
そのコンサートはだ。まずは青い軍服と帽子のシェリルが言うのであった。
「あたしの歌を聴けーーーーーーーーーっ!」
「あれっ、この言葉って」
「そうだよな」
「完璧に」
本家がいるからすぐにわかることだった。
「バサラよね」
「確かにね」
「そうだな」
バサラ本人もそれを聞いて頷いた。
「俺のあれだな」
「オマージュってやつ!?」
「そうよね」
言うならばそれであった。
「それだったんだ」
「つまりは」
「まあいいさ」
バサラはそんな彼女の台詞をいいとした。
「大事なのは」
「音楽」
「そうなのね」
「ああ、聴かせてもらうぜ!」
相変わらずのテンションのバサラだった。
「是非な!」
「そうね。それだったら」
「今こそ!」
こう話してであった。実際に音楽を聴く。その曲は。
「えっ、これって」
「何ていうか」
「凄い・・・・・・」
「本物よね」
「そうよね」
そしてこう言い合うのだった。
「このシェリル=ノームの曲は」
「それにステージ衣装も」
「かなり派手だし」
「確かに凄いわね」
ミレームもここで言う。
「私から見てもね」
「先輩以上」
「そういうことになるよな」
「ええ、凄いわ」
また言うミレーヌだった。
「あれはね。負けるかも」
「何かこのコンサートって」
「そうだよな」
「かなり凄いよね」
「技術の発展もあって」
そんな話をしているうちにだ。
アルト達が空にハートマークを描く。憎い演出だった。
「おっ!?」
「これはまた」
「かなり見事」
「そうよね」
皆から見てもそうだった。
「こんな演出も出来るの」
「アルト達も」
「これまた意外っていうか」
「そうよね」
こう話してであった。コンサートを楽しみ続ける。不意にシェリルがこけかけるとであった。
「危ない!」
アルトが咄嗟に飛んできた。そしでアルトが出て来たすぐに抱えた。そして所謂お姫様抱っこで空を飛んでみせたのだった。
「危ないところだったな」
「貴女は?」
シェリルも最初はこう思った。
「奇麗な顔をしているね」
「奇麗!?」
「ええ、お姫様みたいね」
「俺は男だ」
むっとした顔で返したアルトだった。
「それは言っておくぞ」
「えっ、そういえば」
言われてそれに気付いたシェリルだった。
「貴方確かに」
「そうだ、俺は男だ」
また言うアルトだった。
「これでわかったな」
「そうだったの」
「下ろすぞ」
また言ってきたアルトだった。
「いいな」
「ええ。ところで」
そのアルトに対して問うシェリルだった。
「貴方の名前は?」
「俺の名前か」
「そうよ。よかったら教えてくれないかしら」
飛びながらの問いだった。
「貴方の名前をね」
「アルトだ」
まずは名前から名乗るのだった。
「早乙女アルトだ」
「そう、早乙女アルトっていうの」
「そうだ」
「わかったわ。覚えておくわ」
シェリルは楽しそうに応えて述べた。丁度歌と歌の間なので話をすることができたのである。これは二人にとっては幸いであった。
「アルトね」
「ああ」
こう話をしただけであった。しかしそれがはじまりになるのだった。
コンサートは暫く続いた。だがここで。
「!?」
「警報!?」
「まさか!」
ここでいきなりロンド=ベルの面々の携帯に一斉に警報が鳴り響いたのだった。
「はい!」
「宇宙怪獣ですか!?」
「それともプロトデビルンですか!?」
「まだよくわからん、しかしだ」
大文字の声だった。一同に告げていた。
「もうすぐそこまで迫って来ている!」
「えっ!?もうですか!?」
「何時の間に!?」
「詳しい話は後だ。すぐに戻ってくれ」
また言う彼だった。
「いいな、すぐにだ!」
「は、はい!」
「それなら!」
こうして全員すぐにコンサート会場を後にする。そうしてであった。
コンサートも中止になった。皆慌しく避難する。それはシェリル達もであった。
「シェリル、こっちよ」
「ええ」
紫の髪の眼鏡の美女の先導を受けていた。
「早くね」
「わかったわ」
こうして彼女も避難に向かう。キャスリンがここで二人に声をかけてきた。
「シェリル=ノームさんとグレイス=オコナーさんは」
「ええ」
「何処に避難すればいいのですか?」
「こちらへ」
こう言ってシェルターにまで案内するのだった。
「急いで下さい」
「スサノオ達がいるわよね」
シェリルは不意にこの名前を出してきた。
「確かここには」
「そうよ。フロンティアを守っているのはスサノオ達十二体のマシンよ」
こうシェリルに話すグレースだった。
「丁度ギャラクシーのボトムズと同じね」
「ボトムズね」
ここでシェリルの表情がふと動いた。
「あの人は元気なのかしら」
「キリコ=キューピーね。あの人なら大丈夫よ」
グレースも彼に関してはこう言うのだった。
「何があってもね」
「そうね。スコープドッグ隊も健在だし」
「彼等がいるから」
「ギャラクシーは心配いらないわね」
「どの船団も護りには注意しているわ」
そうしなくてはならないのである。
「生き残る為にね」
「生き残る為になのね」
「皆必死よ」
まさにそうなのだという。
「だからね。わかるわね」
「ええ、そしてそれは」
「ロンド=ベルも同じよ」
ここでグレースは思わせぶりな笑みを浮かべた。
「あの人達もね」
「そうなの。あれだけ強いのに」
「幾ら強くても生き残るのには力を尽くさないと駄目なのよ」
そうなのだというのである。
「誰でもね」
「そしてそれは私もなのね」
「貴女は別に」
「皆私を運がいいって言うわ」
だがここでシェリルは強い顔と声で言うのだった。
「けれどそれに見合う努力はしてきたつもりよ」
「だからだというのね」
「そうよ。私も生き残る為によ」
それを言うのである。
「必死に力を尽くしているつもりよ」
「そうね」
納得した微笑みになって頷くグレースだった。
「じゃあ。これからもね」
「そうするわ。それじゃあね」
「ええ。それじゃあ」
グレースはまた言ってきた。
「行きましょう」
「シェルターに、なのね」
「貴女は歌うことが仕事よ」
要するに軍人ではないというのだ。
「だからね。今はね」
「わかったわ」
こうして彼女達は今は安全な場所に向かう。もう敵はフロンティアの中に入っていた。
「ちっ、早い!」
「しかもこの敵は」
「一体」
「バジュラです」
レオンが迎撃するロンド=ベルの面々に言ってきた。
「彼等はバジュラといいます」
「バジュラ!?」
「何だそりゃ」
「プロトデビルンとはまた違うんですね」
「はい、全く違う種族です」
まさにそうした存在だというのだ。
「知能は見られないのですがそれでも」
「数は多いな」
「そうね、この数は」
「かなり」
「十万はいるな」
ブライトが言った。
「それだけは普通にいる」
「十万ですか」
「確かに最初にしては多いですね」
「これだけの数は」
「こちらも迎撃機を出しています」
レオンはまた言ってきた。
「ですから彼等と協力して御願いします」
「そしてその迎撃機は何ですか?」
「バルキリーですか?」
「それともニュータイプですか?」
「いえ、ギガンティックです」
しかし彼はここでこう答えた。
「我々の迎撃機はギガンティックです」
「ギガンティック!?」
「何ですかそれ」
「はじめて聞きますけれど」
ロンド=ベルの面々にとってはまさに初耳であった。
「どういったマシンなんですか?」
「それで」
「ギリシア神話のオリンポス十二神」
この神々自体はよく知られていた。
「その彼等の名前をそれぞれ冠していまして」
「それで」
「どういったマシンなのかですけれど」
「互いの力を受け合い戦う」
レオンはそれに応えて述べてきた。
「そうしたマシンです」
「十二機がお互いに」
「それでは」
「はい、戦えば戦うだけそれぞれが強くなっていく」
こう話すレオンだった。
「それがギガンティックです」
「ではそのマシンも今」
「出て来るのですね」
「はい、今発進させます」
それはまさに今だというのだ。
「それでは大統領」
「うむ」
グラスはレオンの言葉に頷く。そうして。
「ギガンティック全機発進!」
「了解です!」
「それでは!」
こうしてその十二機のマシンが出撃した。それは。
「何と」
「これは」
見た目にもロンド=ベルの面々にとってははじめてのマシン達だった。
それぞれ異なったシルエットを持っている。その彼等がフロンティアの中に出て来たのである。そのうえで戦闘に入るのであった。
そしてそのうちの一機でだ。一組の少年と少女が話していた。
「いいわね、慎悟君」
「うん、真名さん」
お互いに言い合う。
「また戦うことになるわ」
「フロンティアの為に」
「そうよ、皆の為にね」
まさにその為に戦うというのであった。
「戦いましょう」
「わかったよ。じゃあ」
「いい、全機それぞれ連携して」
レオンの前で一人の白い軍服の女が通信を入れてきていた。
「そのうえで戦って」
「いつも通りですね」
「そうよ」
彼女はその真名という少女の言葉に応えて頷いた。
「十二機全てでね」
「わかった」
それに頷いたのは一人の厳しい男だった。
「ではそうさせてもらおう」
「お父さん」
その彼と同じ機体に乗るブロンドの少女が言ってきた。
「敵は一部がフロンティアの中に入ったわ」
「もうか」
「ええ、もうよ」
「そしてだな」
出て来るというのである。
「中で迎撃だな」
「そういうことなるわ。大海司令」
「ええ」
その軍服の女が応えてきた。
「その通りよ、ここはね」
「ロンド=ベルも来ているが」
「彼等との連携は」
緑のマシンから一組の若い男女が彼女に問うてきた。
「どうするのでしょうか」
「それは」
「当然御願いするわ」
その司令は彼等にも応えた。
「そうでもなければ勝てはしないわ」
「十万」
「数としては多いわね」
「確かに」
それぞれのマシンに乗る面々が言う。
「じゃあここはやっぱり」
「ロンド=ベルと」
「そうだ。そうしてくれ」
レオンもここで言ってきた。
「今はだ。いいな」
「了解」
「それなら」
彼等もそれで反論はなかった。これで決まりだった。
「よし、今は」
「ロンド=ベルと」
「これからはだ」
ここでレオンはさらに言ってきた。
「彼等と協力して戦うことになる」
「そうなるのですね」
「大海華都美司令」
レオンはその彼女の名前も呼んできた。
「貴女には正式にロンド=ベルの移転も告げられることになるだろう」
「えっ、まさか」
「いや、そのまさかだ」
そうだというのである。
「戦力は集中させるべきだからだ」
「ですがフロンティアの護りは」
「それもロンド=ベルがしてくれる」
まさに彼等がだというのだ。
「だからだ。わかってもらえたかな」
「そうですか」
「それはまた大胆な」
「確かに」
大海の周りにいる面々もこれにはかなり驚いていた。
「戦力を集中させるのは必要とはいえ」
「フロンティアの護りを彼等に委ねるとは」
「また彼等には私から話をしておく」
レオンは冷静な口調で述べた。
「だからだ。心配は無用だ」
「そうなのですか」
「それでなのですか」
「これからフロンティアとロンド=ベルは行動を共にする」
このことも言うのだった。
「それならば当然のことだ」
「わかりました」
大海はここで頷いた。
「ではこれからは」
「それで御願いする」
「はい」
こうした話の後で戦いに向かう。十二機のマシンはそれぞれ連携し合いながら戦う。ロンド=ベルとも見事な連携を見せフロンティアを護っている。
「何かな」
「そうよね」
「あのギガンティックって」
「かなり強いな」
その彼等と共に戦うロンド=ベルの面々の言葉である。
「よし、それなら」
「私達だってね」
「負けてられないよな」
彼等もフロンティアの中と外で果敢に戦う。何とか一般市民を守っている。そしてその中にはアルトもいた。彼はオズマ達と共にフロンティアの中にいた。
そのオズマがだ。彼に声をかけてきた。
「アルト、いいか」
「何ですか?」
「御前は街の東に向かってくれ」
「東にですか」
「そうだ、東だ」
そこにだというのである。
「今すぐにだ、いいな」
「まさかそこにバジュラが」
「そうだ」
まさにその通りだというのだ。
「来ている、だからいいな」
「わかりました、それなら」
「四体だ」
その数も告げられた。
「御前一機でいけるな」
「ええ、大丈夫です」
既にこの戦いでバジュラ達の力は見ていた。そのうえでの判断である。
「それ位なら」
「俺達は今はここを動けない」
ギガンティックのうちの砲塔を思わせる一機と共同しながらバジュラの編隊と戦っていた。
「だからだ。御前一機でだ」
「ええ、そういうことなら」
こうしてアルトはそちうらに向かった。そうしてだ。
バジュラ達と戦う。そのうえで民間人達に対して言う。
「早く避難を!」
「貴方は」
「ロンド=ベルの」
「ああ、そうだ」
こうそのギガンティックの一体に答える。
「その通りだ」
「そうですか。すいません」
「では御願いします」
「あんた達がそのギガンティックのパイロットか」
アルトはその二人に対して言った。
「見たところまだ子供だな」
「はい、十三です」
「十四です」
慎悟と真名はそれぞれ自分の年齢も話した。
「州倭慎悟です」
「神代真名です」
「そうか、わかった」
アルトは二人の名前も聞いて頷いた。
「俺は早乙女アルトだ」
「えっ、早乙女っていったら」
「まさか」
二人はその名前を聞いてあることに気付いた。
「あの歌舞伎役者の早乙女さんの」
「あの人と何か」
「ああ、そうだ」
ここで嫌悪感も見せた。
「親父だ」
「そうですか。ロンド=ベルにおられたんですか」
「地球に残られて」
「その話はこれで終わりだ」
強引に打ち切ってきたアルトだった。
「いいな」
「は、はい」
「わかりました」
二人もアルトのそうした感情を読み取ってそれ以上は問わなかった。
「それじゃあアルトさん」
「今は」
「バジュラだったな」
その彼等のうちの一体を倒しての言葉である。
「この連中は」
「はい、そうです」
「バジュラです」
彼等も目の前の敵の名前はその通りだと返す。
「数が多いですから」
「気をつけて下さい」
「ああ、わかっている」
答えながらバトロイド形態に変形してそのうえで攻撃していく。それで敵のそのバジュラを数機瞬く間に倒してしまったのだった。
だがその後ろからまた来る。ここで慎悟が彼に言ってきた。
「アルトさん、大変です」
「どうした!?」
「逃げ遅れた一般市民がいます」
このことを話してきたのだ。
「女の人が一人です」
「よし、わかった」
それを聞いたアルトがすぐに頷いた。
「それならだ」
「どうされますか?」
「それで」
「決まってるだろ?敵は倒すだけだ」
ある意味非常に戦士らしい言葉だった。
「それだけだ」
「じゃあ御願いします」
「それで」
「敵を倒してそれからだ」
アルトの言葉が強いものになった。
「その女の子を助け出す」
こう言ってそちらに向かう。するとだった。
その女の子を見ると。見た顔だった。
「えっ、御前は」
「!?」
道の端に怯えている彼女を見ての言葉である。
「あの時の」
「えっ、その声は」
そして彼女の方も気付いたのだった。
「ロンド=ベルの」
「確かランカ=リーっていったな」
「ええ」
アルトのその言葉にこくりと頷く。
「そうだけれど」
「おい、すぐに安全な場所に逃げろ」
アルトはこう彼女に告げた。
「いいな、すぐにだ」
「ええ。けれど」
「けれど・・・・・・そうか」
見れば前にバジュラが一体いた。これではだった。
「こいつを倒してからだな」
「・・・・・・・・・」
バジュラは無言で向かって来る。そのバジュラを攻撃して倒した。
しかしここでだ。いきなりフロンティアの上が開いたのだった。
「何があった!?」
「外での戦闘の結果みたいです」
「それで」
すぐに慎悟と真名から返答が来た。
「穴が開きました」
「けれど安心して下さい」
ここで真名がアルトに言ってきた。
「このフロンティアには自己修復機能がありますから」
「破損してもすぐに閉じるんだな」
「はい」
まさにその通りだというのだ。
「ですから。あの程度のダメージですと」
「わかった」
それを言われてまずは安心して頷くアルトだった。
「それならな」
「もうすぐ戦闘も終わりですね」
今度は慎悟が言ってきた。
「これで何とか」
「そうね、州倭君」
真名も彼の言葉に応える。
「もうこの辺りの敵はいないし」
「はい、これで」
しかしだった。ここで突風が起こった。その穴からだった。
それに巻き込まれてだ。ランカの身体が舞い上がった。
「きゃあっ!」
「しまった!」
「あの女の人が!」
二人はそのランカを見て驚きの声をあげた。
そしてだ。真名が慎悟に対して言ってきた。
「ここはすぐに」
「はい、わかってます」
すぐに飛び上がろうとする。だがアルトの方が速かった。
「ここは俺が行く」
「えっ、アルトさん」
「いいんですか!?」
「構わない。こうした場合はバルキリーの方が速い」
だからだというのである。
「折角戦いが終わったんだ。ここでこれ以上死んだら何にもなりはしない」
「じゃあ」
「それで」
「任せてくれ」
こうしてバルキリーになって飛び立ちであった。すぐにランカに向かう。
「おい!」
ランカに声をかける。
「今行く!」
そしてキャノピーを開放しそこから出てた。
「目と口を塞げ!」
「えっ・・・・・・」
「若し外に出てもそれなら一瞬だけでも何とかなる!」
だからそうしろというのだ。
「いいな!」
「うん、じゃあ」
こうして目と耳、そして口を塞いだ。そこにアルトが来て抱き寄せる。
そのうえで素早くコクピットに戻る。穴はそれで塞がれた。
「危なかったな」
「よかったですね」
「ええ、本当に」
それを見て慎悟と真名も言う。
「あと一瞬遅かったら」
「これで」
「全くだ」
ランカをコクピットの中に入れたアルトも一息ついていた。
「あともう少し遅かったらな」
「そうですね、本当に」
「その時は」
「だがこれで終わりだ」
丁度今戦闘終了が告げられた。
「後は帰るだけだ」
「・・・・・・ちゃん」
だがここでランカが何か呟いていた。アルトもそれに気付いた。
「んっ、何だ?」
「お兄ちゃん・・・・・・」
こう呟いていたのだ。
「恐かったよお・・・・・・」
「っておい」
そのランカに対して言うアルトだった。
「俺は別にだな」
「えっ!?あっ」
ここでようやくランカ自身も我に返った。
「御免なさい、私ったら」
「いいがな。しかし危ないところだったな」
「ええ、それは」
「帰るか」
こうランカに話した。
「これからな」
「有り難うございます」
ランカは落ち着きを完全に取り戻しアルトに言った。
「おかげで」
「だからそれはいいんだよ」
またこう言うアルトだった。
「こっちはそれが仕事なんだからな」
「そうなんですか」
「とにかく帰るぞ」
またこう言うのであった。
「いいな」
「はい」
こうしてランカは何とか助かった。そしてそれがロンド=ベルの中にも伝わると。オズマがアルトのところに来て言うのだった。
「済まなかったな」
「済まなかったなって」
まずは話がわからないアルトだった。
「何かあったんですか?」
「ランカは俺の妹だ」
こう言ってきたのである。
「血はつながってないがな」
「妹、ですか」
「そうだ。孤児だったあいつを俺が引き取った」
その事情も話すのだった。
「そうして育ててきた。だがあいつは自分から言ってだ」
「フロンティアにですか」
「まさかここで会うとはな。全くこれもだ」
「縁ってやつですね」
「そうですね」
ここでミシェルとルカも出て来て言った。
「全く」
「少佐にとってもそうですね」
「全くだ。ところでだ」
ここでオズマは言うのだった。
「あいつは何処に行った?」
「あいつ?」
「あいつっていいますと」
「ブレラだ」
彼のことだった。
「あいつは何処に行った?」
「ああ、あいつならですね」
「今グレースさんに呼ばれてます」
ミシェルとルカがこう話した。
「ですから今はいません」
「そうした事情で」
「グレースというと」
オズマはそれを聞いて再び考える顔になってそのうえで述べた。
「あれか。あの」
「はい、シェリル=ノームのマネージャーの」
「あの人です」
「そうだったな」
オズマもそれを聞いて頷いた。
「あの人だったな」
「はい、その人に呼ばれてまして」
「今は」
「何かつながらないな」
オズマは首を傾げながら述べた。
「あの二人となると」
「確かに」
「接点が思い浮かばない」
それはエリエラとエイジスも言う。
「どういった接点なのかしら」
「それもさっぱり」
「まあよ」
だがテムジンがここで気さくに話す。
「行き先がわかってるのなら特に心配はいらないじゃねえか」
「それもそうか」
「そうだよ。とりあえずは休もうぜ」
こう仲間達に言うのであった。
「戦いも終わったしな」
「そうだな」
ジェフリーが彼の今の言葉に頷いた。
「それでは諸君」
「はい」
「休息に入ろう」
「わかりました」
まずは休む彼等だった。戦いが終わってからだ。そしてその時そのブレラは確かにグレースと会っていた。しかしその話の内容は。
「まさかここで会うとはね」
「思いも寄らなかったわ」
「ええ、本当に」
思わせぶりな笑顔と共に話すグレースだった。
「もう少ししたら地球に向かわせるつもりだったけれど」
「そちらはどうするのだ」
「先になったわ」
そうだというのである。
「それよりもまずはね」
「ロンド=ベルか」
「彼等はどちらにしろ何とかしないといけなかったから」
「そうか」
「だからよ」
こうブレラに話すのだった。
「今暫くはね」
「何もしないか」
「ただ、バジュラは行かせるわ」
「そうか」
「その為にも手駒を用意してあったから」
「手駒?」
「そうよ」
こう言うのである。
「それはもう用意してあるわ」
「あれか。ギャラクシーから連れて来た女か」
「そうよ。彼女よ」
まさにそうだというのだ。
「彼女こそがそうなのよ」
「若しそうでなかったらどうするのだ?」
「安心して。フロンティアでも見つけるから」
ここでまた思わせぶりな笑みを浮かべてきたのだ。
「一人。いるのはわかっているから」
「何故それがわかった?」
「気配よ」
それからだというのだ。
「それでわかったから」
「そうか。それでか」
「ええ、それで」
さらに言うグレースだった。
「貴方にはそれが見つかった時にね」
「その時か」
「動いてもらうわ」
「そうか、その時にか」
「わかったわね」
あらためてブレラに告げた。
「その時にこそね」
「わかった」
その言葉に頷く彼だった。
「ではその時にだ」
「そうして。それでは今は」
「どうするのだ、今は」
「芝居を続けるわ」
目を笑わせることなく口だけでの笑みだった。
「もう暫くはね」
「ではそうするといい。それでは俺はこれで」
「ええ、さようなら」
グレースも別れの挨拶を告げる。
「また会いましょう」
「そうだな」
こうやり取りをして別れるのだった。フロンティアでも何かが奥で蠢いていた。そしてそれは外に出るその時を待っているのであった。

第十一話完

2010・3・15  
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